魚沼コシヒカリ

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魚沼コシヒカリ(うおぬまコシヒカリ)は、新潟県魚沼地域(5市2町)で収穫される、コシヒカリBL(9割以上)およびコシヒカリ(1割以下)のの産地ブランド魚沼産コシヒカリ(うおぬまさんコシヒカリ)として販売しているケースもある。

テロワール環境条件)がコシヒカリBLおよびコシヒカリの最適生育条件に近く、また、生産農家の栽培技術向上により、日本穀物検定協会の米食味ランキングでは1989年平成元年)より、2004年(平成16年)までコシヒカリで、2005年(平成17年)以降はコシヒカリIL(コシヒカリBLの4品種混合栽培)で25年連続「特A」認定と国内最高評価を受けている[1]1993年(平成5年)に発生した平成の米騒動でも、「特A」認定を受けた国内唯一の産地でもある。

栽培地域[編集]

日本 新潟県 (魚沼地域 5市2町)

おおむね旧魚沼郡(のちの北魚沼、南魚沼、中魚沼3郡)にあたる地域。小千谷市はもと北魚沼郡、十日町市はもと中魚沼郡であることによる。

市町村の変遷があるため、旧魚沼郡の区域がそのまま該当しているわけではなく、かつて三島郡(小千谷市片貝地区)、旧古志郡(小千谷市東山地区)、旧東頸城郡(十日町市松代地域、松之山地域)に属していた区域も産地に含まれている。 平成の大合併で誕生した魚沼市は旧北魚沼郡の川口町を除く地域によって構成される市であり、その区域は元来「魚沼」と呼ばれてきた地域の一部(北魚沼)である。したがって、魚沼コシヒカリは魚沼「市」で収穫されたものとの理解は誤りである。

魚沼コシヒカリ 標高300m の栽培地帯 『姥沢新田』(航空写真)
魚沼コシヒカリ 塩沢産(日本百名山 巻機山を望む、標高300m の栽培地帯 『姥沢新田』 )
巻機山古峰山を望む、標高400m の栽培地帯 『台原(だいっぱら)』
標高500m の栽培地帯
清水 西谷後』 2014.09.27
金城山豪雪地帯の積雪が雪解け水となり、水量豊富な稲作最適栽培地帯となる)

面積・収穫量[編集]

  • 2011年の魚沼地域の水稲収穫量は、作付面積15,757ha 収穫量81,526tであり、全国収穫量 (8,397,000t)の約1%になる[2]
    • 小千谷市 (作付面積 2,100ha、収穫量 11,400t)・ (耕作面積 2,830ha、本地 2,610ha)
    • 長岡市川口) (作付面積 383ha、収穫量 2,050t)・ (耕作面積 512ha、本地 469ha)[3]
    • 魚沼市 (作付面積 2,650ha、収穫量 13,700t)・ (耕作面積 3,300ha、本地 3,060ha)
    • 南魚沼市 (作付面積 4,830ha、収穫量 24,900t)・ (耕作面積 6,040ha、本地 5,630ha)
    • 湯沢町 (作付面積 174ha、収穫量 786t)・ (耕作面積 241ha、本地 217ha)
    • 十日町市 (作付面積 4,200ha、収穫量 21,000t)・ (耕作面積 6,230ha、本地 4,940ha)
    • 津南町 (作付面積 1,420ha、収穫量 7,690t)・ (耕作面積 1,910ha、本地 1,650ha)
      • 減反合計 2,819ha (本地-作付面積)
      • けい合計 2,487ha (耕作面積-本地)棚田が多いため。
      • 魚沼地域の水田面積 (耕作面積 21,063ha、本地 18,576ha)

魚沼と隣接地域との比較[編集]

出典[4][5]

市町村名 作付面積(ha) 収穫量(t) 農家数(戸)
みなかみ町 414 2,240 868
川場村 160 898 277
沼田市 556 3,130 1,293
利根沼田 計 1,130 ha 6,268 t 2,438 戸
中之条町 258 1,370 513
長野原町 20 103 41
嬬恋村 50 253 164
高山村 116 614 233
東吾妻町 264 1,400 616
吾妻郡 708 ha 3,740 t 1,567 戸
木島平村 417 2,340 743
飯山市 1,360 7,790 2,630
野沢温泉村 153 849 428
栄村 228 1,160 494
飯山地域 計 2,158 ha 12,139 t 4,295 戸
小千谷市 2,100 11,400 1,659
十日町市 4,200 21,000 3,993
魚沼市 2,650 13,700 2,567
南魚沼市 4,830 24,900 4,240
湯沢町 174 786 197
津南町 1,420 7,690 1,212
魚沼地域 計 15,400 ha 79,600 t 14,238 戸
合 計 19,396 ha 101,747 t 22,538 戸

産出額[編集]

  • 2009年では、魚沼地域 (29,990百万円)、新潟県 (190,300百万円)[3]
    • 小千谷市 (4,430百万円)
    • 長岡市(川口) (700百万円)
    • 魚沼市 (4,970百万円)
    • 南魚沼市 (9,040百万円)
    • 湯沢町 (290百万円)
    • 十日町市 (7,810百万円)
    • 津南町 (2,750百万円)

販売農家数、専業農家数[編集]

  • 2012年では、魚沼地域 (14,238戸、専業農家数 2,206戸)、新潟県 (66,601戸、専業農家数11,602戸)[6]
    • 小千谷市 (1,659戸、専業農家数 238戸)
    • 長岡市(川口) (370戸、専業農家数36戸)[7]
    • 魚沼市 (2,567戸、専業農家数 456戸)
    • 南魚沼市 (4,240戸、専業農家数 458戸)
    • 湯沢町 (197戸、専業農家数 30戸)
    • 十日町市 (3,993戸、専業農家数 746戸)
    • 津南町 (1,212戸、専業農家数 242戸)

評価[編集]

魚沼コシヒカリの仮渡金価格は、2008年頃では、新潟県産の一般コシヒカリに比べて1俵(60kg)あたり5000~6000円程度高い値が付いている[8]

沿革[編集]

中国商標

環境条件[編集]

気候[編集]

越後平野は、対馬海流の影響で冷害がなく日本海側気候のため、夏季に晴天日が多く日照時間が長いため登熟は良いがフェーン現象が出穂期にあると、登熟障害になる。魚沼は、盆地のため気温の日較差が大きくイネの消耗が少ないため澱粉の蓄積条件が良く大粒の良質米ができる。登熟期間の平均気温はコシヒカリの最適登熟気温(24℃)に近い地域のため、食味に関係する澱粉アミロース含有率が低くなり粘りが増す。最近は猛暑温暖化の影響で標高300m~400m地域(南魚沼市上田地区南部湯沢町津南町)の品質向上が注目されている。

水量・水質[編集]

  • 豪雪地帯のため、水量豊富で水質の良い冷水が夏の時期にも田んぼに入る用水は、透明度と溶存酸素値が高く、窒素燐酸などの有機物の汚染が少ない。

土壌[編集]

栽培条件[編集]

  • コシヒカリの弱点である、耐倒伏性・いもち病抵抗性に対応した栽培技術では耐倒伏性の欠点は、多肥栽培でなく肥料を抑制するため食味向上になり、いもち病対策としては「コシヒカリBL」に更新して抵抗性があるため、低農薬栽培になっている[18]
  • 魚沼地域の栽培区分(難易度別)

品質条件[編集]

  • 目標収量・構成要素
    • 収量(510kg/10a)、穂数(360本/㎡)、総籾数 (26,000粒/㎡)、登熟歩合(90%)、千粒重(22.0g)
  • 記帳
    • 生産履歴(栽培管理状況、肥料の商品名・施肥量、農薬の商品名・散布量)
      • 新施肥体系:有機物由来の窒素成分30%(魚沼ロマン有機30)
      • 新病虫害防除・除草剤体系:化学合成農薬30%減化(13成分回数)
  • 種子
    • 新潟県種子協会から供給され、100%種子更新したコシヒカリBL(指定採種ほ産種子)
    • 温湯消毒(60℃10分間)平成19年度よりJA十日町、平成22年度より、JAしおざわで実施。
  • 整粒歩合
    • 85%以上(ライスグレーダーの網目を1.85mm)
  • 検査格付
    • 登録検査機関で受検(2等以上)
  • 食味値・たんぱく質(%)
    • 蛋白質含有率5.5%~6.0%以下(水分15%時)
魚沼コシヒカリ 新之助 (米) いちほまれ つや姫
6.0以下 6.3以下 6.4以下 6.4以下
区分 蛋白含有率 整粒歩合
SSランク 4.8~5.3% 79%以上
SAランク 5.4~5.5% 76~78%
S・A・Bランク 5.6~6.0% 70~75%

脚注[編集]

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  1. ^ 平成元年産からの特Aランク一覧表”. 日本穀物検定協会. 2013年2月15日閲覧。
  2. ^ 平成23年産 北陸の作物統計”. 北陸農政局 新潟農政事務所. 2014年2月28日閲覧。
  3. ^ a b 平成20年産水稲市町村別収穫量及び耕地面積統計. (新潟)”. 北陸農政局 新潟農政事務所. 2012年2月8日閲覧。
  4. ^ 群馬農林水産統計年報”. 関東農政局. 2015年1月18日閲覧。
  5. ^ 長野農林水産統計年報”. 関東農政局. 2015年1月18日閲覧。
  6. ^ 新潟県統計年鑑 2012(第6章 農林水産業)”. 新潟県 (2013年3月27日). 2014年2月28日閲覧。
  7. ^ 新潟県統計年鑑 2007 農林水産業”. 新潟県. 2012年2月8日閲覧。
  8. ^ ライスランド・インフォメーション (Report). 12. 農林水産省北陸農政局. (2009-12). http://www.maff.go.jp/hokuriku/food/riceinfo_12/index.html. 
  9. ^ 新潟・魚沼産コシヒカリ 舌が感じた危機感にブランド防衛15カ条”. 産經新聞 (2007年9月26日). 2012年12月30日閲覧。
  10. ^ 米政策改革下における産地の対応” (2008年1月8日). 2012年12月30日閲覧。
  11. ^ 平成元年産からの特Aランク一覧表”. 日本穀物検定協会. 2013年2月15日閲覧。
  12. ^ 新潟・魚沼産コシヒカリ 舌が感じた危機感にブランド防衛15カ条”. 産經新聞 (2007年9月26日). 2012年12月30日閲覧。
  13. ^ 魚沼米憲章”. 新潟県 (2012年4月1日). 2012年12月30日閲覧。
  14. ^ 六日町は魚沼産コシヒカリ発祥の地です。”. 六日町観光協会. 2012年2月8日閲覧。
  15. ^ JA北魚沼米食味コンテスト2012”. 五ツ星お米マイスター西島豊造の「豊かに造ろう」 (2012年12月7日). 2012年12月9日閲覧。
  16. ^ JA北魚沼米食味コンテスト2013 開催要領”. JA北魚沼. 2013年11月6日閲覧。
  17. ^ 南魚沼市がコシヒカリ普及条例「朝食に食べて」新潟”. 産経ニュース (2013年9月20日). 2013年9月20日閲覧。
  18. ^ 6-26 主要農薬流通量(平成19~23年度)”. 新潟県. 2014年2月28日閲覧。
  19. ^ (社)新潟自然栽培研究会”. 新潟農業・バイオ専門学校. 2014年2月28日閲覧。
  20. ^ 有機農産物の生産行程管理者”. NPO法人 赤とんぼ. 2014年2月28日閲覧。
  21. ^ エコファーマーの認定に関する手続きについて”. 新潟県. 2013年11月6日閲覧。
  22. ^ 増産時代をリードした松島省三の「V字理論稲作」”. 2013年11月6日閲覧。
  23. ^ への字稲作(へのじいなさく)”. 農山漁村文化協会. 2013年11月6日閲覧。
  24. ^ あぐり~ん2012 9月号”. 2012年12月6日閲覧。
  25. ^ 上田の郷 『ぬか釜工房』”. 産経新聞 『ニッポンの食、がんばれ!』 (2011年10月12日). 2012年2月10日閲覧。

外部リンク[編集]

新潟県
JA
農林水産省