曹国

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曺国
조국 (曺國)
Jo Guk (2017-05).jpg
2017年5月
法務部長官
任期
2019年9月9日 – 2019年10月14日[1]
大統領 文在寅
前任者 朴相基朝鮮語版
後任者 金浯洙朝鮮語版(職務代行)
秋美愛
青瓦台民情首席秘書官英語版
任期
2017年5月11日 – 2019年7月26日
前任者 曹大煥朝鮮語版
後任者 金照源朝鮮語版
個人情報
生誕 (1965-04-06) 1965年4月6日(55歳)
大韓民国の旗 大韓民国釜山直轄市西区
市民権 大韓民国の旗 大韓民国
政党 共に民主党
配偶者 チョン・ギョンシム
子供 2人
出身校 ソウル大学校
カリフォルニア大学バークレー校
曺国(チョ・グク)
各種表記
ハングル 조국
漢字 曺國
発音: チョ・グク
ローマ字 Jo Guk
英語表記: Cho Kuk
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曺国(チョ・グク、朝鮮語: 조국1965年4月6日 - )は、 大韓民国法学者政治家2009年よりソウル大学校教授。他に大統領府民情首席秘書官、法務部長官等の公職を複数歴任している[1][2]

姓名の表記方法[編集]

日本語を使うマスメディアは、漢字で「曺国」と表記する方法[3]、漢字とカタカナを混用して「チョ国」と表記する方法[4]、そして名前中黒で区切りながらカタカナで「チョ・グク」と表記する方法[1]のいずれかを用いて姓名を記載している。

「曺国」という漢字は、朝鮮における漢字正字体では「曺國」と表記され、日本における漢字の正字体(新字体)では「曹国[注 1]と表記される。だが、いずれのマスメディアもこれらの表記方法を用いていない。

経歴[編集]

1965年4月6日に釜山直轄市(現、釜山広域市)で生まれた[5]

学歴は、1986年2月にソウル大学校法学科1989年2月に同大学の大学院法学科を卒業し、1991年8月に同大学院の法学博士課程を修了。その後、海外博士課程の奨学生に選ばれた為カリフォルニア大学バークレー校アメリカ)のロースクール留学し、1995年5月にLL.M.1997年12月にJSD学位を取得した[6]

職歴は、蔚山大学校講師1992年3月~1994年10月)、蔚山大学校助教授1999年3月~2000年4月)、東国大学校助教授(2000年3月~2001年12月)、ソウル大学校助教授(2001年12月~2004年3月)、及びソウル大学校副教授(2004年4月~2009年3月)を経て、2009年4月からソウル大学校(法科大学)教授(専攻分野:刑事法)を務めている[6]

大学で教員職を務める傍ら、行政府司法府が設けた各種諮問委員会の委員や参与連帯司法監視センターの責任者を務め、教授就任後も国家人権委員会人権委員(2007年12月~2010年12月)と大法院量刑委員(2009年4月~2011年4月)を歴任している。また、文在寅大統領に就任すると、大統領府民情首席秘書官(2017年5月~2019年7月)[6]、及び文在寅政権法務部長官(2019年9月[4]2019年10月[1])も務めた。なお、韓国では教育公務員法の規定によって、教授が公務員に任用された場合在任期間中の休職と任用期間終了後の復職が認められている[7]。そのため、教授就任後の曺国は何度か休職と復職を繰り返していた。

曺国事態[編集]

曺国は2019年8月9日文在寅大統領から次期法務部長官候補に指名されたが[8]、その直後から不正の疑惑が次々に浮上した為[9]、長官就任を巡って全国規模の大きな論争を引き起こした。この論争と疑惑追及の動きを韓国では曺国事態(チョ・グクじたい、朝鮮語: 조국 사태)と称している。

疑惑の提起後、8月23日夜には高麗大学校とソウル大学校で真相究明を訴えるろうそく集会が開かれ[10][11]、同時期に実施された世論調査では長官就任反対が6割に達した[12]。これを受け、法務部長官としての的確性を審査する国会の聴聞会は野党の反発もあって数日間の延期を余儀なくされた[13]。事態が深刻化する中、曺国は9月2日に緊急記者会見を開き、11時間にも及ぶ会見の中で改めて疑惑を否定した[14]。そして、9月6日には国会の聴聞会に休憩を挟んで14時間かけて臨んだが、同日夜には曹の妻で東洋大学校朝鮮語版教授のチョン・ギョンシムが私文書偽造容疑で在宅起訴されるなど[15]厳しい状況に追い込まれた。その後、曺国は9月9日に文在寅から法務部長官へ任命されたが[4][16]、曺国の擁護と検察改革を主張する進歩派と曺国の長官辞任を要求する保守派がそれぞれ大規模デモを頻発に開いて[17][18]国内が混乱したため、10月14日に法務部長官を即日辞任すると発表した[1]

朴槿恵政権崩壊の原因となった崔順実ゲート事件では、崔順実の娘チョン・ユラの不正入学疑惑を批判していたことから、野党からは韓国の学歴社会を批判したドラマ「SKYキャッスル」の現実版、それを揶揄した「チョ・グクキャッスル」、「チョロナンブル(조로남불)」(自分がすればロマンス、他人がすれば不倫という二重規範を批判する韓国語「내로남불」のもじり)と批判された[19]、また自身は剥いても剥いても疑惑が出てくることから「江南左派(강남좌파)」のもじりで「江南タマネギ(강남양파)」、「タマネギ男(양파남)」[20]と揶揄されるに至った。また疑惑が広がっていた時期に韓国政府が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決定したのは、文在寅大統領が自らの後継と考えている曹の疑惑から国民の目をそらすためではないかという推測までなされた[21][22][23]

長官辞任後、曺国の妻で在宅起訴中のチョン・ギョンシムが逮捕され[24]、曺本人も在宅起訴された[25]。両者はいずれも嫌疑内容を否定し、法廷闘争を行っている。曺の長官辞任を受け韓国社会は一応の落ち着きを見せたが、曺を引き続き支持する人々は2020年3月8日開かれた民主党を結成し、 第21代総選挙での議席獲得に挑戦した。

疑惑[編集]

曺国事態の際に追及された疑惑は、次の通りである。

親族をめぐる疑惑[編集]

娘の不正入学疑惑
娘の高麗大学入学にあたって高校時代の2週間のインターンだけで研究論文の筆頭著者に挙げられそれを利用して不正入学したとされる疑惑[26]
娘の不正進学疑惑
娘の大学院進学にあたって偽造された東洋大学校総長の表彰状が利用された疑惑[26]。このほか別の大学でインターンをしていたとする時期とケニアで医療ボランティアをしていたとする時期が重なっていることも疑惑として指摘されている[26]
息子の徴兵忌避疑惑
アメリカ生まれの息子が米韓の二重国籍状態にあり、2019年8月時点で入営を5度延期していたことから、兵役逃れを試みていたとする疑惑[9]
私募ファンドの不正投資疑惑
民間投資会社(私募ファンド)に74億ウォンの投資約定をしながら実際は10億5000万ウォンしか投資しないことで財産隠しを謀ったのではないかという疑惑[9]。2019年9月16日には私募ファンドの実質的運営者であるチョ・ボムドンが逮捕された[26]

著作権違反疑惑[編集]

2019年9月4日には、曹が大学教授になるのに決定的な役割を果たしたソウル大法学修士論文において、実は複数の日本人学者の先行論文をそのまま出典もつけずに韓国語訳されてる部分が33ヶ所もあり、それが論文の30%も占めることが発覚した。曹が1989年に書いた「ソビエト社会主義法・刑法理論の形成と展開に関する研究」は明らかに藤田勇上田寬織田博福島正夫中山研一を始めとする日本人らの論文などをただ韓国語訳してコピーした後、脚注などの出典や引用のための引用符使用、さらには自分の言葉で言い換えるパラフレージングも全く行わず、そのまま剽窃していたことが確認された。単独で書いたことになっていたが、共著者レベルの剽窃を受けた日本人らから著作権違反での提訴も可能だと指摘されている。朝鮮日報は、反日を扇動していた曹が日本に依存していた実態に驚愕したと伝えている[27]

2019年に始まった日本政府主導の「キャッシュレス」化政策にも影響を与えたと言われる韓国のキャッシュレス比率の高さ(96%と言われる。)には、歴代の韓国の左翼政権による政策と深い関係があり、それを引き継ぐ文大統領の理論的な支柱になっている曺国が、藤田勇らの業績を学習した結果でもあり、そういった方面にまで日本との韓国との関係が存在するとの櫻井澄夫による指摘がある[36]。

年齢詐称疑惑

2019年9月韓国元野党議員のカン・ヨンソク弁護士がYouTubeで、曹国は(自らが主張している1965年ではなく)1963年生まれと、「1963年4月6日」生れと記された軍隊所属時代の名簿(写真)を証拠として告発した[3]。これが事実であれば「ソウル大学に16歳で飛び級入学した」という逸話も(1963年生まれならば入学は18歳で普通であるため)虚偽であった事になる。

発言[編集]

反日を招いた数々の主張がもともと日本の朝総連系の知識人、いわゆる韓国批判北朝鮮支持だった日本の左派たちによって1960年代から始められた金日成の考案した冠のひも戦術によるものだと指摘し、「歴史問題に関する嘘や無知、誤解に基づく韓国の『反日』は、未発達な精神文化の表れであり、これを克服しなければ韓国社会の発展はない」「この国は嘘つきの天国です。偽証罪と誣告罪が日本の数百倍」などの主張を著した李栄薫の『反日種族主義』について、曹は「反民族的売国親日派」と批判した。理論や根拠に基づかない批判だとして、李栄薫たち著者は、2019年8月20日、ソウル地検に曹国を侮辱の疑いで告訴した[28][29][30][31]

韓国の保守勢力支持者から「江南左派」(シャンパン社会主義者)だと批判されている[32][33][34]。だが、本人は「江南左派」であることを自認しながら進歩的な政策を主張することで大衆から一定の支持を集め、2019年8月に疑惑を追及されるまで「江南左派」に対する否定的イメージを逆に変えることに成功していた[35]

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ 「曺」の字は、朝鮮では姓氏専用で用いられる「曹」と別個の正字体として扱われるが、日本では「曹」の異字体として扱われる。また、「國」の字はかつて日朝双方で正字体だったが、当用漢字導入後の日本では「国」の旧字体という扱いに変わった。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e “韓国のチョ・グク法相が辞任表明”. 共同通信. 共同通信社. (2019年10月14日). https://this.kiji.is/556343151705293921?c=39550187727945729 2019年10月14日閲覧。 
  2. ^ 文在寅大統領の“超側近”に捜査のメスで韓国激震!不正疑惑で政権大ピンチ!?” (日本語). FNN.jpプライムオンライン. 2019年8月29日閲覧。
  3. ^ a b 韓国“玉ネギ法相”の年齢詐称疑惑 告発者を直撃した” (日本語). 文春オンライン. 2019年9月26日閲覧。
  4. ^ a b c “文大統領 側近の法相任命を強行”. 聯合ニュース. (2019年9月9日). https://jp.yna.co.kr/view/AJP20190906004000882 2019年9月9日閲覧。 
  5. ^ 조국”. NAVER人物検索. 2019年9月3日閲覧。
  6. ^ a b c 조국(ソウル大学校・教授陣紹介のページより。)
  7. ^ “曺国前法相、ソウル大教授に復職”. KBSワールドラジオ. (2019年10月16日). http://world.kbs.co.kr/service/news_view.htm?lang=j&Seq_Code=73639 2020年3月30日閲覧。 
  8. ^ 文大統領が内閣改造 法務相に対日批判の急先鋒を起用 朝日新聞、2019年8月9日
  9. ^ a b c <韓国>文大統領の後継候補が大ピンチ 「公平」主張しながら財産隠しと子供の不正進学、軍入隊忌避など疑惑続々 アジアプレス・インターナショナル 2019年8月21日
  10. ^ 고려대·서울대생 1000여명 성난 촛불 "조국 딸 진실을" "조국 교수 사퇴하라"” (朝鮮語). news.chosun.com (2019年8月23日). 2019年8月24日閲覧。
  11. ^ 韓国国民の怒りの矛先、日本よりもチョ・グク疑惑へ 文在寅政権揺るがす「最側近」から浮かび上がる疑惑の数々 JBpress 2019年8月24日
  12. ^ “<中央日報緊急世論調査>韓国法務相候補に賛成27%・反対60%”. 中央日報. (2019年8月26日). https://japanese.joins.com/article/916/256916.html 2019年9月3日閲覧。 
  13. ^ 韓国 大統領側近の聴聞会 6日開催で与野党合意”. NHK. NHKNEWSWEB (2019年9月4日). 2019年9月8日閲覧。
  14. ^ “文氏側近が11時間会見 質問無制限、不正疑惑は否定”. 朝日新聞. (2019年9月3日). https://www.asahi.com/articles/ASM932T4PM93UHBI006.html 2019年9月4日閲覧。 
  15. ^ “韓国検察、法相候補妻を在宅起訴=文大統領、厳しい局面に”. 時事ドットコム. 時事通信社. (2019年9月7日). https://www.jiji.com/jc/article?k=2019090700069&g=int 2019年9月9日閲覧。 
  16. ^ “韓国大統領、側近を法相に任命 妻や娘の疑惑くすぶるなか”. 産経新聞. 産経新聞社. (2019年9月9日). https://www.sankei.com/world/amp/190909/wor1909090007-a.html 2019年9月9日閲覧。 
  17. ^ “「検察改革」「チョ・グク守護」瑞草洞ろうそく集会…主催側「200万人参加」”. ハンギョレ. (2019年9月28日). http://japan.hani.co.kr/arti/politics/34500.html 2020年3月31日閲覧。 
  18. ^ “「検察改革ろうそく」に対抗集会、保守陣営の総力戦”. ハンギョレ. (2019年10月4日). http://japan.hani.co.kr/arti/politics/34556.html 2020年3月31日閲覧。 
  19. ^ 한국당 '조국 딸' 의혹 십자포화 "조로남불…현실판 스카이캐슬"(종합)” (朝鮮語). 연합뉴스 (2019年8月20日). 2019年8月26日閲覧。
  20. ^ 韓国政治、深まる分断 文氏側近の疑惑で保革が攻防 日本経済新聞、2019年9月2日
  21. ^ “側近は“タマネギ”疑惑に揺れる文在寅政権”. 日テレNEWS24. 日本テレビ放送網. (2019年8月28日). http://www.news24.jp/articles/2019/08/28/10489980.html 2019年9月3日閲覧。 
  22. ^ 韓国大統領側近の不正疑惑 釜山市長室を強制捜査」『NHK NEWS WEB』(NHK)、2019年8月29日。2019年8月30日閲覧。オリジナルの2019年8月29日時点におけるアーカイブ。
  23. ^ 「韓国大統領は疑惑かわすため反日世論あおり」見方強まる」『NHK NEWS WEB』(NHK)、2019年8月29日。2019年8月30日閲覧。オリジナルの2019年8月29日時点におけるアーカイブ。
  24. ^ “韓国検察、チョ前法務部長官の妻、チョン教授を逮捕”. ハンギョレ. (2019年10月24日). http://japan.hani.co.kr/arti/politics/34740.html 2020年3月31日閲覧。 
  25. ^ ““監察もみ消し”起訴されたチョ・グク前長官、「結論ありきの捜査、法廷で反論する」”. ハンギョレ. (2020年1月18日). http://japan.hani.co.kr/arti/politics/35507.html 2020年3月31日閲覧。 
  26. ^ a b c d 韓国チョ法相の娘を聴取 名門大不正入学疑惑…焦点は妻の役割” (日本語). 産経新聞. 2019年9月17日閲覧。
  27. ^ 조국 석사논문, 日 법학책 33군데 출처 안 밝히고 베꼈다” (朝鮮語). news.naver.com. 2019年9月5日閲覧。
  28. ^ 「この国は嘘つきの天国」韓国ベストセラー本の刺激的な中身” (日本語). Newsweek日本版 (2019年8月23日). 2019年8月29日閲覧。
  29. ^ 統一日報 : 左派支配の学界を痛打「反日種族主義」”. 統一日報. 2019年8月29日閲覧。
  30. ^ 한겨레. “日本極右代弁「反日種族主義」…恥ずかしい日本語版出版”. japan.hani.co.kr. 2019年8月29日閲覧。
  31. ^ 韓国で「反日は迷信」と訴える韓国人学者の本『反日種族主義』が売り上げ好調|ニフティニュース” (日本語). ニフティニュース. 2019年8月29日閲覧。
  32. ^ “특목고 혜택 상위계층이 누려” 비판하더니… 조국의 ‘내로남불’”. archive.is (2019年8月19日). 2019年8月28日閲覧。
  33. ^ 統一日報 : 「江南左派」の二重生活”. 統一日報. 2019年8月28日閲覧。
  34. ^ 統一日報 : 「江南左派」や祝福を受けたキリスト教徒が従北になる理由”. 統一日報. 2019年8月28日閲覧。
  35. ^ [중앙시평 조국의 강남 좌파, 싸가지 없는 진보로 추락하다]”. 중앙일보 (2019年8月23日). 2019年8月28日閲覧。

 36.↑”曺国法相と文在寅大統領の経歴から学ぶ韓国と日本”『月刊消費者信用』(金融財政

   事情 研究会.2019年11月)「叢談カードの世紀」第171回。

関連項目[編集]

  • 呉巨敦 - 釜山広域市市長(2018年-)。娘の奨学金受給の便宜を図ったとして、2019年8月、市長室に家宅捜査が入った。
公職
先代:
朴相基朝鮮語版
大韓民国の旗 大韓民国法務部長官
2019年9月-10月
次代:
金浯洙朝鮮語版
(職務代行)
先代:
曹大煥朝鮮語版
青瓦台民情首席秘書官英語版
2017-2019
次代:
金照源朝鮮語版