二重規範

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二重規範(にじゅうきはん)とは、類似した状況に対してそれぞれ異なる指針が不公平に適用されること。ダブルスタンダードとも。この概念は、すべての状況が同じ指針の適用を受けること(単一規範)を理想とする立場から使用される[1]。活字には遅くとも1895年には登場していた[2]。二重規範の端的な例は、ある概念(例:言葉・文・社会的規範・規則など)を一方のグループに対して適用することは許容され、もう一方のグループに適用することは許容されない、あるいはタブーとみなされる事である。

したがって二重規範とは、万人が平等に自由を享受する原則が特定のグループに対して偏って道徳的に不公平な形でねじ曲げられる事だと言える。このような二重規範は「法の下の平等」を謳った現代法の基本原理に反するので不当である。また、二重規範は個々人それぞれに違った基準を生み出すので、あらゆる基準は社会階級地位民族性別宗教性的嗜好人種などに基づく主観的な偏見・偏愛に拠らず全ての人に同じように適用されるべきだとする公平無私の原則にも反する。

なお、人間の習慣や道徳には民族・宗教により差異があるため、その差異に応じて適用される法律が異なる場合があり、これを二重規範と呼ぶかどうかは難しい問題である。たとえば南アフリカでは一夫多妻制の習慣が古くからある部族にのみ、一夫一妻制の例外が公認されている。また、信仰する宗教によって戒律が異なるため、たとえば刑務所で、ヒンズー教徒の囚人に牛肉入りの料理を食べさせると虐待となるが、仏教徒なら牛肉に限らず肉料理全般が問題であり、ユダヤ教徒なら律法にのっとって屠殺された肉しか食べない。この場合、刑務所の管理規定で仏教徒のメニューとユダヤ教徒のメニューが異なるというようになっていても、それがただちに二重規範であるとして非難されることにはなりにくい。

プロボクシングのタイトルのうち、一部団体で18歳以上24歳未満を対象とした「ユース王座」と呼ばれるものが存在するが、特例として24歳を過ぎていても1度だけ防衛することが可能となっているものもあり、これを「オーバーエイジ」と呼ぶ場合もある。また、防衛戦の相手にオーバーエイジの選手を選ぶこともできるため、オーバーエイジで王座を奪取した選手も存在する。2011年12月に31歳の誕生日直前だった玉越強平メキシコ国内で地元のスターダンテ・ハルドンを倒し奪取したWBCユース世界スーパーフェザー級王座が該当するが、日本ボクシングコミッション(JBC)はこれを公認していない(即返上)。野崎雅光は規定の年齢内でWBCユース世界バンタム級王座奪取したが2012年11月末24歳の誕生日に伴いオーバーエイジ王者として初防衛成功後に王座返上。丸木凌介は規定の年齢内でWBCユース世界スーパーウェルター級王座挑戦したが敗北し2015年3月29日自身の24歳の誕生日に伴いオーバーエイジチャレンジャーとしてKO奪取しJBC管轄下の興行でオーバーエイジチャンピオンとして初防衛成功し即返上したがJBCは玉越の場合とは対応異なりダブルスタンダードで公認。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ double standard", Dictionary.com (英語)
  2. ^ See "Purity Alliance Work; Proceedings of the Congress Held in Baltimore Yesterday," New York Times, October 16, 1895. [1]. (英語) アーカイブの閲覧には購読が必要

外部リンク[編集]