二重規範

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二重規範(にじゅうきはん)またはダブルスタンダード英語: Double standard)とは、同じ人物・集団において、類似した状況に対してそれぞれ異なる対応が不公平に適用していることへの皮肉の言葉である。 この概念は、すべての状況が同じ指針の適用を受けるべきという当然(単一規範)を理想とする立場から使用される[1]。活字には遅くとも1895年には登場していた[2]

二重規範の端的な例は、ある概念(例:言葉・文・社会的規範・規則など)を一方のグループに対して適用するのに、もう一方のグループに適用することは許容しない、あるいはタブーとみなす事である[3]

概要[編集]

人間の習慣や道徳には民族・宗教により差異があるため、その差異に応じて適用される法律が異なる場合があり、これを二重規範と呼ぶかどうかは難しい問題である。たとえば南アフリカでは一夫多妻制の習慣が古くからある部族にのみ、一夫一妻制の例外が公認されている。また、信仰する宗教によって戒律が異なるため、たとえば刑務所で、ヒンドゥー教徒の囚人に牛肉入りの料理を食べさせると虐待となるが、敬虔な仏教徒の場合なら牛肉に限らず肉料理全般が問題であり、ユダヤ教徒なら律法にのっとって処理された肉しか食べない。この場合、刑務所の管理規定で仏教徒のメニューとユダヤ教徒のメニューが異なるというようになっていても、二重規範であるとして非難されることにはならない。

用例[編集]

「差別反対」を主張してきた人が差別言動や自分たちにだけ甘いことをすることなど、身内や自身への基準と他者とが異なり、基準が一つではない人物へ矛盾批判に用いられる。

東亜日報は2018年にドナルド・トランプの言動を人種差別だと批判していた反トランプ派の人物が過去に人種や性差別発言をしていたことが発覚して、二重基準があると報道した。トランプを人種差別的だと批判して人気になったコメディアンのトレバー・ノアは、オーストラリア公演で2013年に原住民の容貌を侮蔑し、原住民女性がそのために売春する可能性があるとの発言が2018年7月末に注目され、オーストラリアでボイコット運動が起きた[3]

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシージェームズ・ガン監督はペドフィリア擁護やレイプをジョークにするようなツイートを暴露されて、ディズニーに解雇される事態になった。東亜日報は差別反対という道義的優位性を主張していた陣営による過去の人種・性差別的な書き込みや映像が二重基準で批判を受けて弱点を晒していると伝えている[3][4][5]。 2021年4月にはイタリアで 司会者のゲリー・スコティとミシェル・フンジカーはイタリア放送協会(RAI)の北京支局を紹介する過程で、両目尻をつり上げ、西欧圏で東洋人が「R」の発音ができない発音を真似た。 特にこの2人は普段から性的少数者および女性の権利伸張を求めるフェミニズム主張してきた点、フンジカーが「誰かを傷つけたとすれば心からお詫びする」「人々が自身の権利に敏感な時にこれを考慮しなかったのは不注意だった」でダブルスタンダードと何が悪いかも分からない謝罪文を載せたことで非難はさらに強まった[6]

韓国では、文在寅政権下において政府高官や政権与党の共に民主党内に二重規範が蔓延しているとされ、 ニューヨーク・タイムズは、2021年4月7日に投開票が行われたソウル市釜山市の市長選挙で与党・共に民主党の候補が大敗したニュースを報じる際に、その敗因を「ネロナ厶ブル(私がすればロマンス、他人がすれば不倫=身内に甘く、身内以外に厳しいこと)」と評した。「ダブルスタンダード」とは訳さず、「naeronambul」とそのまま表記した背景に、他の世界のどの国にもない「韓国左派特有のダブルスタンダード」という意味であったからと報じられた。実際に今回の韓国左派寄りであった韓国の選挙管理委員会は「特定の政党を連想させる」との理由でネロナムブルの言葉使用を選挙中禁じてまで共に民主党・韓国左派のための措置を取った。朝鮮日報は国内でさえ特有である韓国左派のダブルスタンダード固有性を指すネロナムブルが世界的な地位を獲得したのだの指摘している[7]

ダブルスタンダード
A「アメリカは帝国主義の戦争勢力! ソ連、中国、北朝鮮は平和勢力でパラダイスだ!」
B「ソ連はアフガニスタンに、中国はベトナムに侵攻していますが・・・。」

A「我々はアメリカの軍備増強、核実験に断固反対する!」
B「どうして中国の核実験には反対しないんですか?」
A「何を言う!? アメリカの軍や核は戦争の為にあるんだぞ! ソ連や中国は平和勢力だ! 軍も核も人民解放の為にある! 平和の為に必要なんだ!!」

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ double standard", Dictionary.com (英語)
  2. ^ See "Purity Alliance Work; Proceedings of the Congress Held in Baltimore Yesterday," New York Times, October 16, 1895. [1]. (英語) アーカイブの閲覧には購読が必要
  3. ^ a b c 「反トランプ」セレブたち、ダブルスタンダードで批判を受ける」『japanese.donga.com』、2018年8月7日。2018年8月7日閲覧。
  4. ^ NYTimes Communications on Twitter」『Twitter』。2018年8月7日閲覧。
  5. ^ “ジェームズ・ガン監督が『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』第3弾をクビ…過去ツイートが問題視され - シネマトゥデイ” (日本語). シネマトゥデイ. https://www.cinematoday.jp/news/N0102389 2018年8月7日閲覧。 
  6. ^ 放送中に「つり目」ポーズ…イタリア有名司会者に「人種差別」批判(中央日報日本語版)” (日本語). Yahoo!ニュース. 2021年4月15日閲覧。
  7. ^ 【萬物相】世界語になった「ネロナムブル」(朝鮮日報日本語版)” (日本語). Yahoo!ニュース. 2021年4月18日閲覧。
  8. ^ 引用エラー: 無効な <ref> タグです。「:7」という名前の注釈に対するテキストが指定されていません
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  11. ^ NYTに登場した「Naeronambul」…韓国与党惨敗の原因に挙げる(中央日報日本語版)” (日本語). Yahoo!ニュース. 2021年4月15日閲覧。
  12. ^ INC, SANKEI DIGITAL (2017年6月4日). “【ソウルからヨボセヨ】文在寅政権は他人に厳しく自分に甘い! 「ナロナムブル」という造語も飛び出し…” (日本語). 産経ニュース. 2020年7月15日閲覧。
  13. ^ 韓経:「韓国与党のネロナンブル・無能さにあきれた」…20代男性たちの理由のある反乱(2)(中央日報日本語版)” (日本語). Yahoo!ニュース. 2021年4月15日閲覧。
  14. ^ 不正疑惑の韓国の法務部長官候補 言行不一致な点も多く” (日本語). ライブドアニュース. 2021年4月15日閲覧。

外部リンク[編集]