向翔一郎

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獲得メダル
日本の旗 日本
柔道
世界選手権
2019 東京 90kg級
世界団体
2018 バクー 90㎏級
グランドスラム
2018 パリ 90kg級
2018 大阪 90㎏級
2017 東京 90kg級
ユニバーシアード
2017 台北 90kg級
ユニバーシアード団体戦
2017 台北 90kg級
世界ジュニア団体戦
2014 フォートローダーデール 90kg級
2015 アブダビ 90kg級

向 翔一郎(むかい しょういちろう、1996年2月10日 - )は、富山県高岡市出身の、日本柔道選手である。階級は90kg級。身長178cm。組み手は左組み。得意技は内股[1][2]メイプル超合金カズレーザー似とも言われている[3]

経歴[編集]

父親が柔道の指導者だったこともあり、4歳の時に姉の向奈津美に続いて柔道を始めた[1][4][5]。小学校1年の時に新潟県へ移ると、白根柔道連盟凰雛塾の所属となった[2]。小学校4年から本格的に取り組み始めると、この時期が一番強かったのではないかと思えるほど試合で勝ち続けていたという[4]

中学は上京して講道学舎の所属となった。講道学舎では非常にきつい練習を課せられたが、要領よく立ち回り先輩からも好意的に接せられたこともあって体重も10kgほど増えた。これだけ太った生徒は講道学舎始まって以来だという[4]。その後富山県の雄山中学へ移ったが、講道学舎出身というプライドが邪魔して伸び悩むことになった[2]高岡第一高校へ入学しても、講道学舎出身だということで周囲からちやほやされて、熱心に練習することはあまりなかった。しかし、中学まで圧勝していた同級生に敗れた際に、これまでの無作法な態度を父親に諭されたことなどもあって、以降は真剣に練習に取り組むことになった[4]。3年の時にはインターハイの81kg級で5位となった[1]。大学では柔道をやめてアメリカンフットボールに取り組む予定だったが、日本大学の柔道部にスカウトされて柔道を続けることに決めた[4]

2014年に日本大学へ進学すると、1年の時には9月の全日本ジュニア決勝で天理大学の具志堅一弘を破って優勝した[6]。10月の世界ジュニアでは2回戦でジョージアのベカ・グビニアシビリに合技で敗れた。団体戦では決勝のジョージア戦でグビニアシビリに敗れるも、大将戦で小川雄勢が勝利したことでチームは優勝を飾った[7]

2年の時には6月の優勝大会で3位となった[8]。9月の全日本ジュニア決勝では筑波大学の大橋賢人を破って2連覇を達成した[6]。10月の世界ジュニアでは初戦でロシアのミハイル・イゴルニコフに指導1で敗れた。団体戦では決勝のジョージア戦で勝利を収めてチームは昨年に続いて優勝を飾った[1]

3年の時には6月の優勝大会決勝で東海大学に敗れて2位だった[8]。10月の学生体重別では決勝で大橋を破って優勝を飾った。試合後には、「(リオデジャネイロオリンピック金メダリストの)ベイカー茉秋を倒します」と宣言するに至った[9][10]。10月の体重別団体では3位だった[11]。11月の講道館杯では3位となった[12]。12月のグランドスラム・東京では7位に終わった[13]

4年の時には4月の体重別の決勝で千葉県警加藤博剛を指導2で破って初優勝を飾った。この際に、「ベイカーさんにスタイルでは勝っていると思う。最終的な目標は東京五輪で優勝すること」とコメントした[3][14]アジア選手権では準決勝でタジキスタンのコムロンショフ・ウストピリヨンに技ありで敗れて3位だった[15]。8月のユニバーシアードでは準決勝で韓国の郭同韓GSに入ってから技ありを取られて3位だった。団体戦では決勝のロシア戦で一本勝ちするなどしてチームの優勝に貢献した[16][17][18]

大会後、日大柔道部の集合日に遅刻したことで、柔道部監督で全柔連強化委員長も務める金野潤に咎められた。過去にも度々遅刻を繰り返していたことから、柔道部の出入り禁止を喰らい退寮も余儀なくされた。そのため、警視庁国士舘大学へ出稽古に赴く日々が続いた[19]。そんななか、11月の講道館杯では準決勝まで全て一本勝ちすると、決勝ではセンコーの釘丸太一を背負投の技ありで破って優勝した[20]。大会後、金野に詫びを入れると、再び柔道部に受け入れられた[19]

12月のグランドスラム・東京では準々決勝でブラジルの選手に敗れるも、敗者復活戦を勝ち上がって3位になった[21]。2018年2月のグランドスラム・パリでは準決勝で郭に棄権勝ちすると、決勝ではグビニアシビリを開始早々の背負投で破るなどオール一本勝ちしてIJFワールド柔道ツアー初優勝を飾った。なお、決勝で投げられた際に左膝を負傷したグビニアシビリの肩をかけて退場を手伝ったことにより、観衆からスタンディングオベーションを受けることになった[22][23]。また、以前は90kg級の選手ながら僅か83kgしかなかったが、これではベイカーに対抗できないと悟ってウェイトトレーニングと食事改善に取り組んだ結果、普段の体重が99kgまで増えることになった[19]

2018年4月からは綜合警備保障の所属となった[1]。体重別では準決勝でJRAのベイカーに技ありで敗れて3位だった。この際に、「自信はあったけど、五輪チャンピオンはでかかった。純粋にベイカーさんに勝ちたかった。(自分の)今の力はこの程度。成長しなきゃいけない」とコメントした[24][25]世界選手権代表にはなれなかったが、世界団体の代表には選出された[26]。8月のグランプリ・ブダペストでは準々決勝でスペインのニコロス・シェラザディシビリに反則負けするなどして7位に終わった[27]。9月の世界団体では準々決勝のアゼルバイジャン戦で敗れるも、決勝のフランス戦で個人戦3位のアクセル・クレルジュ裏投げで破ってチームの優勝を決定付けた。試合後には、「みんなの足を引っ張りたくない一心だった」「ここで負けたら日本に帰れないと思った。これで何とか帰国できます」とコメントした[28][29][30]。11月の講道館杯では3位だった[31]。続くグランドスラム・大阪では準決勝でジョージアのウシャンギ・マルギアニを技ありで破ると、決勝ではオランダのノエル・ファントエンドに反則勝ちして優勝した[32]

2019年2月のグランドスラム・パリでは準々決勝でカザフスタンのイスラーム・ボズバエフに敗れると、その後の3位決定戦でもパーク24長澤憲大に横四方固で敗れて5位に終わった[33]。4月の体重別では準決勝で東海大学1年の村尾三四郎腕挫腋固で破ると、決勝では長澤にGSに入ってから反則勝ちして今大会初優勝を飾り、世界選手権代表に選出された[34][35][36]。なお、頭を左右に振る独特の間合いは、キックボクシングの体験を活かしたものだという[5][37]。5月のグランドスラム・バクーでは2回戦でトルコのメルト・シスマンラルに合技で敗れた[38][39]。7月のグランプリ・ブダペストでは準決勝で便意を催しながらも世界2位であるキューバのイバン・フェリペ・シルバ・モラレス小外刈の技ありで破るも、決勝では世界チャンピオンとなったシェラザディシビリに隅落で敗れて2位だった。この際に、「まだ我慢が必要。最後(決勝)は我慢することができなかった」「日本人たるもの、世界一は使命」と語った。なお、今大会の初戦で左中足骨を骨折するも、「普通の人なら全治1カ月でも、1週間で治します!」と自らに気合を入れた[40][41][42]。8月に東京で開催された世界選手権では準々決勝でシルバモラレスを小内刈、準決勝でスウェーデンのマルクス・ニマンに反則勝ちするなど全て一本勝ちして決勝まで進むも、ファントエンドに技ありで敗れて2位にとどまった[43][44]。この際に、「まだまだ我慢が足りない。自分にムカつく。2位は1回戦負けと同じだし、これだけ悔しいのは初めて」とコメントした[45]

IJF世界ランキングは3961ポイント獲得で8位(19/9/2現在)[46]

戦績[編集]

(出典[1]JudoInside.com)。

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f 「柔道全日本強化選手名鑑 2019」近代柔道 ベースボールマガジン社、2019年4月号
  2. ^ a b c ユニバ柔道・銅の向、古巣で指導 新潟南区 鳳雛塾生に技披露 47NEWS 2017年9月3日
  3. ^ a b カズレーザー似の21歳・向が90キロ級で初V! スポーツ報知 2017年4月3日
  4. ^ a b c d e 向翔一郎 著名な柔道選手インタビュー
  5. ^ a b 異能の柔道家・向翔一郎 東京五輪「金」の向こう側に見えるカズレーザーとの合体 東京スポーツ
  6. ^ a b 全日本ジュニア柔道体重別選手権大会
  7. ^ 「全国高等学校柔道大会」近代柔道 ベースボールマガジン社、2014年12月号 48頁
  8. ^ a b 全日本学生柔道優勝大会
  9. ^ 全日本学生柔道体重別選手権大会
  10. ^ 「全日本学生柔道体重別選手権大会」近代柔道 ベースボールマガジン社、2016年11月号 14頁
  11. ^ 全日本学生柔道体重別団体優勝大会
  12. ^ 平成28年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
  13. ^ Judo Grand-Slam Tokyo 2016[リンク切れ]
  14. ^ 平成29年全日本選抜柔道体重別選手権大会
  15. ^ 稲森、藤原らが優勝 アジア選手権/柔道 サンケイスポーツ 2017年5月27日
  16. ^ 向、3位決定戦は危なげない快勝「今の自分の力は出せた」/夏季ユニバ
  17. ^ 柔道団体、男女とも金 時事通信 2017年8月24日
  18. ^ Daily Competition Schedule Judo
  19. ^ a b c 「柔道界の異端児」向翔一郎、東京五輪へ人生懸ける 日刊スポーツ 2018年2月28日
  20. ^ 小川、男子100キロ超級制す=女子52キロ級は高校生阿部-講道館杯柔道 時事通信 2017年11月12日
  21. ^ Grand Slam Tokyo 2017
  22. ^ 影浦、向、藤原がV 新井2位 柔道グランドスラム - 柔道 日刊スポーツ 2018年2月12日
  23. ^ Gold Medals, Good Judo and Fairplay
  24. ^ 平成30年全日本選抜柔道体重別選手権大会
  25. ^ 小川Jrが初V!注目の阿部詩は準決勝敗退 ベイカーは決勝で敗れる/柔道 サンケイスポーツ 2018年4月8日
  26. ^ 柔道・小川ジュニア初の世界切符、世界選手権&アジア大会代表発表 デイリースポーツ 2018年4月29日
  27. ^ Grand-Prix Budapest 2018
  28. ^ 日本、混合団体で連覇=世界柔道 時事通信 2018年9月27日
  29. ^ 男女混合団体『金』 喜びの声 サンケイスポーツ 2018年9月28日
  30. ^ 向翔一郎「僕は年上!」男女壁なく柔道混合団体V2 日刊スポーツ 2018年9月28日
  31. ^ 平成30年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
  32. ^ ウルフが男子100キロ級優勝=女子78キロ級は佐藤が制す-柔道GS大阪 時事通信 2018年11月25日
  33. ^ Grand Slam Paris 2019
  34. ^ 原沢久喜が2度目の優勝 柔道体重別、18歳素根輝V3 産経新聞 2019年4月6日
  35. ^ 「異端児」向翔一郎が90キロ級V、素行猛省し成長 - 柔道 日刊スポーツ 2019年4月6日
  36. ^ 世界選手権の代表に大野将、阿部一ら/柔道 サンケイスポーツ 2019年4月7日
  37. ^ 柔道向翔一郎 世界王者の「赤ゼッケン取りいく」 - 柔道 東京スポーツ 2019年4月18日
  38. ^ 浜田は3位=柔道グランドスラム 時事通信 2019年5月13日
  39. ^ Grand-Slam Baku 2019
  40. ^ 向翔一郎、世界選手権へ意気込み「世界一は使命」/柔道 サンケイスポーツ 2019年7月15日
  41. ^ 世界柔道代表の向翔一郎が中足骨折「1週間で治す」 - 柔道 スポーツニッポン 2019年7月18日
  42. ^ Budapest Grand-Prix 2019
  43. ^ 柔道男子90キロ 新星・向翔一郎、初出場で銀メダル スポーツニッポン 2019年8月29日
  44. ^ World Judo Championships 2019
  45. ^ 天才向翔一郎が涙の銀「これだけ悔しいの初めて」 - 柔道 日刊スポーツ 2019年8月30日
  46. ^ World ranking list

外部リンク[編集]