オサイリス・レックス

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オサイリス・レックス
小惑星に接近するオサイリス・レックスの想像図
オサイリス・レックス(想像図)
所属 NASA, UA
主製造業者 LM
公式ページ OSIRIS-REx Mission
OSIRIS-REx|NASA
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
運用者 アメリカ航空宇宙局 (NASA)
国際標識番号 2016-055A
カタログ番号 41757
状態 運用中
目的 小惑星サンプルリターン
観測対象 ベンヌ
計画の期間 2016年9月 - 2025年9月
打上げ機 アトラス V
打上げ日時 2016年9月8日19時5分(EDT)[1]
ランデブー日 2018年12月3日[2]
運用終了日 2025年9月30日(予定)
物理的特長
本体寸法 2.43 × 2.43 × 3.15 m[3]
最大寸法 6.20 × 2.43 × 3.15 m
(太陽電池パネル展開時)[3]
質量 2,110 kg[3]
発生電力 1,226 - 3,000 W[3]
姿勢制御方式 三軸制御方式
搭載機器
OCAMS OSIRIS-Rexカメラ
OVIRS 可視赤外分光計
OTES 熱放射分光計
OLA レーザー高度計
REXIS レゴリスX線撮像分光器
TAGSAM サンプル採取メカニズム
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オサイリス・レックス[4]英語: Origins, Spectral Interpretation, Resource Identification, Security, Regolith Explorer、OSIRIS REx)はアメリカ航空宇宙局ゴダード宇宙飛行センター(NASA/GSFC)がアリゾナ大学月惑星研究所などと共同開発しているベンヌからのサンプルリターンを目的とした宇宙探査機である。日本語では「オサイレス・レックス」「オシリス・レックス」などとも表記され、「アメリカ版はやぶさ」と呼ばれることもある[5]ニュー・フロンティア計画の3番目のミッションであり、2016年9月に打ち上げが成功した。2018年12月3日にベンヌ付近(距離19キロメートル)へ到達。2018年12月31日にベンヌから2キロメートル以内に接近し、周囲を61時間で一周する軌道に入った[6]。2020年にベンヌ表面から試料を採取し、2023年に地球へ持ち帰る予定である[7]

概要[編集]

ミッションロゴ

炭素質の地球近傍小惑星であるベンヌの詳細観測とサンプルリターン、ヤルコフスキー効果の観測を主目的としており[8]、また、2020年代に実施する有人小惑星探査の重要な一歩として位置づけられている[9]。総事業費は約8億ドルである[3]

NASAは2017年2月、ベンヌへ向け飛行中のオサイリス・レックスに、地球太陽ラグランジュ点の一つ、L4に存在する可能性がある小惑星を観測するミッションを追加した[10]

経緯[編集]

当初は「オサイリス (OSIRIS)」という名称であった。2004年にアリゾナ大学とロッキード・マーティンによりディスカバリー計画の11番目のミッションの候補として初めて提案されたが、チャンドラヤーン1号へ相乗りする観測機器が選定されたため採用されなかった[11]2006年にはゴダード宇宙飛行センターが加わり、同計画12番目のミッションの候補として再提案された[11]。理学、工学、ミッションデザインなどで良評価を得て、月探査機GRAILや金星探査機ヴェスパーとともに最終候補まで残ったものの、最終的にGRAILが採用されたため不採用となった[11]。不採用となった理由は、ディスカバリー計画の$425Mまでという予算枠に対して高すぎると判断されたためである[11]。その後、名称をオサイリス・レックスへ変更し、ロケットを除き$650Mまで[8]とディスカバリー計画より多い予算をもつニュー・フロンティア計画の3番目のミッションとして2009年に再提案された[11]。同年12月29日には月サンプルリターン探査機ムーン・ライズや金星着陸機セイジとともに最終候補に残り[12]2011年5月25日にニュー・フロンティア計画3番目のミッションとして正式に決定した[13]。採用されたのは3つの候補のうちマネジメントおよびコストの面で科学的目標が最も実現可能だと判断されたためである[9]

2014年4月にミッションの詳細設計審査 (CDR) を終了し、製造フェーズへの移行が認められた[14]

サンプルの採取方法[編集]

サンプル採取のイメージ

オサイリス・レックスは、アームの先端に付けたTAGSAM という円盤形状の装置を小惑星の表面に押し付け、窒素ガスで表面物質を吹き飛ばしてサンプルを採取する方式を採用している。サンプルを採取した後は、TAGSAMはアームを使って回収カプセルに内に収納される。サンプルする物質は60グラム以上を想定している[15]

JAXAとの協力[編集]

日本のJAXAと、NASAは、「はやぶさ2」とオサイリス・レックスで回収したサンプルを分け合うことで2014年11月17日に両宇宙機関長が協定に署名した。NASAは、「はやぶさ2」のサンプル(1g以上を目標、最大では数g)の10%を、JAXAはオサイリス・レックスのサンプル(60g以上を目標、最大では2kg)の0.3gを得る。この協定は、どちらかのミッションが失敗しても保証される。またNASAは、ディープスペースネットワークを使った「はやぶさ2」の深宇宙通信をサポートする[16]

経過と予定[編集]

名前を搭載するイベント[編集]

NASAはオサイリス・レックスに世界中の人々の名前を載せるイベントを2014年1月から9月30日まで実施した。名前はマイクロチップにエッチングする形で搭載される。カプセルは2023年に地球へ戻ってくるが、名前は衛星本体に搭載されたままになるため、カプセルを地上に回収した後も探査機と共に飛び続ける[17]

出典[編集]

  1. ^ NASA’s OSIRIS-REx Speeds Toward Asteroid Rendezvous”. OSIRIS-REx Mission. アメリカ航空宇宙局 (2016年9月8日). 2019年12月7日閲覧。
  2. ^ NASA’S OSIRIS-REx Spacecraft Arrives at Asteroid Bennu”. OSIRIS-REx Mission. アメリカ航空宇宙局 (2018年12月3日). 2019年12月7日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g “OSIRIS-REx Asteroid Sample Return Mission” (プレスリリース), アメリカ航空宇宙局, (2016年8月), https://www.nasa.gov/sites/default/files/atoms/files/osiris-rex_press_kit_0.pdf 
  4. ^ “赤外線天文衛星「あかり」、小惑星に水を発見 -小惑星の進化過程に赤外線観測で迫る:リュウグウなど始原的小惑星を理解する大きな手がかり-” (プレスリリース), 宇宙航空研究開発機構, (2018年12月17日), http://www.jaxa.jp/press/2018/12/20181217_astro_f_j.html 2019年2月22日閲覧。 
  5. ^ オシリス・レックス 米国版はやぶさの挑戦”. 日経サイエンス (2016年10月). 2019年2月22日閲覧。
  6. ^ NASA’s OSIRIS-REx Spacecraft Enters Close Orbit Around Bennu, Breaking Record”. OSIRIS-REx Mission. アメリカ航空宇宙局 (2018年12月31日). 2019年12月7日閲覧。
  7. ^ “NASA's OSIRIS-REx Spacecraft Arrives at Asteroid Bennu” (プレスリリース), アメリカ航空宇宙局, (2018年12月4日), https://www.nasa.gov/press-release/nasas-osiris-rex-spacecraft-arrives-at-asteroid-bennu 
  8. ^ a b Dante Lauretta (2008年6月5日). “The mission Osiris (PDF)” (英語). Marco Polo Workshop. 2011年5月26日閲覧。
  9. ^ a b Jaggard, Victoria (2011年5月25日). “NASA Asteroid Mission Set for 2016” (英語). ナショナルジオグラフィック. http://news.nationalgeographic.com/news/2011/05/110525-nasa-asteroid-mission-sample-return-earth-osiris-rex-space-science/ 2011年5月26日閲覧。 
  10. ^ NASA's OSIRIS-REx Begins Earth-Trojan Asteroid Search”. NASAホームページ. 2017年5月13日閲覧。
  11. ^ a b c d e Michael Drake, Dante Lauretta (2009年5月18日). “The Genealogy of OSIRIS-REx (PDF)” (英語). International Symposium Marco Polo and other Small Body Sample Return Missions. 2011年5月26日閲覧。
  12. ^ NASA Chooses Three Finalists for Future Space Science Mission to Venus, an Asteroid or the Moon” (英語). NASA (2009年12月29日). 2011年5月26日閲覧。
  13. ^ NASA to Launch New Science Mission to Asteroid in 2016” (英語). NASA (2011年5月25日). 2011年5月26日閲覧。
  14. ^ “Construction to Begin on NASA Spacecraft Set to Visit Asteroid in 2018”. NASA. (2014年4月10日). http://www.nasa.gov/press/2014/april/construction-to-begin-on-nasa-spacecraft-set-to-visit-asteroid-in-2018/index.html 2014年4月12日閲覧。 
  15. ^ “OSIRIS-REx Investigates Asteroid Bennu (CGビデオ)”. NASA. (2013年5月16日). http://www.youtube.com/watch?v=U-VR6pNi70k&feature=youtube_gdata 2013年8月10日閲覧。 
  16. ^ “NASA, JAXA reach asteroid sample-sharing agreement”. Spaceflightnow. (2014年12月15日). http://spaceflightnow.com/2014/12/15/nasa-jaxa-reach-asteroid-sample-sharing-agreement/ 2014年12月23日閲覧。 
  17. ^ “NASA Invites Public to Send Names on an Asteroid Mission and Beyond”. NASA. (2014年1月15日). http://www.nasa.gov/press/2014/january/nasa-invites-public-to-send-names-on-an-asteroid-mission-and-beyond/#.UuSh1UBUuIV 2014年1月26日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]