宮殿

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ヴェルサイユ宮殿フランス
カゼルタ宮殿の庭園、イタリア共和国カンパニア州

宮殿(きゅうでん)は、王族皇族などの君主およびその一族が居住する、もしくは居住していた御殿。初期は、ただ領主が居を構える城塞であったが、次第に豪華さを重視するものが主流になり、これらを主に「宮殿」と呼ぶ。元来、宮殿は、王族や皇族が居住する御殿のことをいうが、臣下の身分が建てた豪華な建造物の事もまれにさす(例:ハンプトン・コート、臣下のトマス・ウルジー枢機卿が大規模な建造を行った)。

概要

ホーフブルク宮殿の新宮殿。ウィーンの中心にある。第一次世界大戦まで代々のオーストリア・ハプスブルク家の皇居であった。

主に宮殿は、君主が政務や外国使節の謁見、国家的な儀式などを行う外朝部分と、君主が私的な生活を行う内廷部分に分かれる。中世ヨーロッパにおいては戦士階級と世俗君主階級が一体化していたため、城壁に囲まれた城砦の中に国王や領主が居住し、君主が住み政治的機能を有する城砦を宮殿と同時に呼ぶことが一般的であった。しかし、時代の変遷とともに城砦形式の有効性が低下したことなどから、防衛機能より見た目の豪華さ、壮大さや居住性を重視して、都市の中に建設されるようになった。ヨーロッパ大陸諸国では都市の中に建てられた貴族の壮麗な邸宅を指すことがある。ヨーロッパ諸語における「Palace(英)」、「Palast(独)」「 Palais(仏)」、「Palazzo(伊)」という表現は、古代ローマローマの七丘の一つである「Palatinus Mons(パラティーノ)」に由来する。この丘にローマ貴族の多くが邸宅を建て、初代皇帝も居住したことによる。

日本においては戦士階級武士に対して、天皇の形式上の地位が保たれていたことから、天皇の住居のみが宮殿と呼ばれ、武士の住居および軍事的基地である城砦とは明確に区別される。日本語の「御所」は「宮殿」と共に英語のPalaceに意味が近い。イタリア語のPalazzoは宮殿というより単に大邸宅を指す語となっている。

東洋の宮殿

東アジア

紫禁城

「天子南面」の道教に由来する宮殿建築のあり方が、日本、中国をはじめとする、韓国、ベトナムなどに伝わって、東洋の宮殿建築の基本となっている。

また、中国の宮殿では、歴代皇帝の即位式や万寿節(皇帝の誕生日)・結婚、それに元旦や冬至などを祝う時と重要な朝会・筵宴・出征、そして皇帝の葬儀など宮廷の重大な式典を行った最も重要な建物である。式典が行われるときには、正殿前の広場に官吏たちがずらりと並び、全員で三跪九叩頭の礼を行ったりする、君主の住居という役割以外にも、儀式を行う場としての役割もあった。

その他のアジア地域

宮殿の一覧

日本

京都御所 紫宸殿
江戸城 本丸・二ノ丸御殿
首里城 正殿(2019年の焼失前)

また、歴代天皇最大の古墳である仁徳天皇の皇居、 難波高津宮 - 古墳時代など、近畿地方は数多くの宮跡が存在する。

中国

北京 故宮
ポタラ宮殿
頤和園
満州国皇宮

ヨーロッパ

英国

バッキンガム宮殿

フランス

ヴェルサイユ宮殿

オーストリア

シェーンブルン宮殿

ハンガリー

ドイツ

サンスーシ宮殿
ニンフェンブルク宮殿

オランダ

ハウステンボス宮殿

ベルギー

王宮

イタリア

サヴォイア王家の王宮群

スウェーデン

ドロットニングホルム宮殿

ノルウェー

デンマーク

スペイン

マドリード王宮

ポルトガル

ギリシャ

ギリシャの王宮(現ギリシャ議会議事堂)

ロシア

エカテリーナ宮殿
クレムリン大宮殿

トルコ

トプカプ宮殿

アジア

インド

ラクシュミー・ヴィラース宮殿
湖の宮殿
ファーティプル・シークリー
マイソール宮殿
モーティー・バーグ宮殿

タイ

王宮 (プノンペン)
景福宮(勤政殿)
フエの王宮

カンボジア

大韓民国

ベトナム

アメリカ

ブルネイ

台湾

南米

サン=クリストヴァン宮殿


※なお、このページでは、主な宮殿についてのみを挙げた。

関連項目

外部リンク