安芸国
安芸国(あきのくに)は、かつて日本の地方行政区分だった令制国の一つ。山陽道に位置する。別称は芸州(げいしゅう)。領域は現在の広島県の西部にあたる。『延喜式』での格は上国、遠国。
「安芸」の名称と表記
安芸は古くは「阿岐」と書いた。『古事記』には、阿岐国と記載されている。
沿革
7世紀に阿岐国造の領域に安芸国が設置された。
国内の施設
国府
国府は安芸郡にあった。現在の安芸郡府中町と推定されるが、遺跡はまだ見つかっていない。
国分寺・国分尼寺
- 安芸国分寺
- 広島県東広島市西条町吉行。
神社
地域
郡
- 沼田郡…「ぬたぐん」と読む。鎌倉期までに豊田郡に併合され消滅した。寛文4年(1664年)に佐東郡を改称した近世沼田郡(こちらは「ぬまたぐん」と読む)とは領域が異なり、現在の東広島市東部や三原市西部などが該当。全7郷。
- 賀茂郡…現在の東広島市中部など。1956年(昭和31年)に豊田郡と所属市町村を調整。全9郷。
- 安藝郡…現在の安芸郡や呉市西部など。鎌倉期までに安北郡と安南郡に分割され、江戸期に安南郡を再改称した。全11郷。
- 佐伯郡…現在の広島市南西部や廿日市市など。鎌倉期までに佐東郡と佐西郡に分割され、寛文4年(1664年)に佐西郡を再改称。全12郷。
- 山縣郡…現在の山県郡とほぼ同じ。全8郷。
- 高宮郡…鎌倉期までに高田郡に併合消滅。江戸期に安北郡を改称した近世の高宮郡とは領域が異なる。現在の安芸高田市高宮町・甲田町・美土里町などは古代高宮郡の領域であったとされる。全6郷。
- 高田郡…現在の安芸高田市西部など。後に高宮郡と統合・再編される。全7郷。
- 豊田郡…はじめは「沙田郡」(ますたぐん)と表記。中世までに改称された。芸予諸島のうち広島県に属する部分の多くは豊田郡。全6郷。
江戸時代の藩
人物
国司
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安芸守
- 坂上苅田麻呂:宝亀2年(771年)任官
- 藤原園人:延暦4年(785年)任官
- 藤原伊勢人:大同元年(806年)任官
- 豊前王:承和14年(847年)任官
- 紀綱雄:嘉祥元年(848年)任官
- 橘真直:嘉祥2年(849年)任官
- 橘貞根:嘉祥3年(850年)任官
- 清原瀧雄:斉衡元年(854年)任官
- 百済安宗:天安2年(858年)任官
- 大和吉直:天安2年(858年)任官
- 藤原関主:貞観3年(861年)任官
- 基兄王:貞観7年(865年)任官
- 藤原興世:貞観11年(869年)任官
- 橘岑守:貞観11年(869年)任官
- 安倍肱主:仁和2年(886年)任官
- 源頼清
- 源有光:康平5年(1062年)頃
- 平清盛:久安2年(1146年)任官
- 平経盛:保元元年(1156年)任官
- 平頼盛:保元元年(1156年)任官
- 源季遠
安芸介
守護
鎌倉幕府
- 1189年 - ? : 武田信光?
- 1196年 - 1221年 : 宗孝親
- 1231年 - ? : 武田信光
- 1235年 - ? : 藤原親実
- 1270年 - 1276年 : 武田信時
- 1293年 - ? : 名越宗長
室町幕府
- 1335年 - 1345年 : 武田信武
- 1345年 - 1368年 : 武田氏信
- 1371年 - 1390年 : 今川貞世
- 1392年 - 1394年 : 細川頼元
- 1394年 - 1400年 : 渋川満頼
- 1404年 - 1406年 : 山名満氏
- 1406年 - 1411年 : 山名熙重
- 1418年 - 1419年 : 山名教孝
- 1429年 - 1433年 : 山名時熙
- 1433年 - 1454年 : 山名持豊
- 1454年 - ? : 山名教豊
- 1462年 - 1475年 : 山名是豊
- 1475年 - ? : 山名政豊
戦国大名
武家官位としての安芸守
- 江戸時代以前
- 江戸時代安芸広島藩主
- 江戸時代その他
安芸国の合戦
- 1517年 : 有田中井手の戦い、毛利元就 × 武田元繁
- 1523年 : 鏡山城の戦い、尼子経久・毛利元就 × 大内氏
- 1540年 - 1541年 : 吉田郡山城の戦い、毛利・大内連合軍(毛利元就、陶晴賢) × 尼子詮久
- 1554年 : 折敷畑の戦い、毛利元就 × 陶晴賢(宮川房長)
- 1555年 : 厳島の戦い、毛利元就 × 陶晴賢