円より子

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円より子
まどか よりこ
生年月日 (1947-02-10) 1947年2月10日(77歳)
出生地 神奈川県横須賀市
出身校 津田塾大学英文学科
前職 評論家
現職 元参議院議員
所属政党 民主党
称号 英文学士
公式サイト MADOKA YORIKO/円より子ネット

日本の旗 元参議院議員
選挙区 比例区
当選回数 3回
在任期間 1993年 - 2010年
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円 より子(まどか よりこ、本名 山﨑 順子(やまざき よりこ)、1947年(昭和22年)2月10日 – )は、日本政治家。元参議院議員(3期)。民主党元副代表。

経歴

神奈川県横須賀市生まれ。香川県立高松高等学校から東京都立大泉高等学校に転入し、津田塾大学英文学科卒業。ジャパンタイムズ編集局勤務を経て、フリージャーナリスト作家として活動する。

女性のための政治スクール、現代家族問題研究所、ニコニコ離婚講座、ハンド・イン・ハンドの会離婚110番などの活動を行っている。

略歴

政治的主張

シベリア抑留問題の解決

  • 「戦後強制抑留者問題解決促進議員連盟」会長として、戦後、満州の日本人がソ連に抑留され、強制労働させられた問題(いわゆるシベリア抑留問題)の被害者を救済する法律の成立に向け、中心的な役割を果たしている。

日本新党繰上補充事件

1992年参議院議員選挙比例代表区日本新党名簿7位として立候補したが、日本新党の当選枠が4人だったため落選した。翌1993年、同党の比例名簿順位5位だった松崎哲久除名処分で比例名簿から除外され、さらに、比例上位で当選していた細川護煕小池百合子両参議院議員が同年7月の総選挙立候補で失職となったため、円が繰り上げ当選により参議院議員となった。この際、除名された松崎が除名処分による比例名簿からの除外は無効だと主張し、自らの当選と円より子の当選無効の訴えを起こしている(日本新党繰上補充事件)。高裁では松崎の主張が通り円が当選無効とする判決が出たが、最高裁では高裁判決が破棄され円の当選を有効とする判決が出た。

フィリバスター

1999年8月11日の参議院本会議において、犯罪捜査のための通信傍受に関する法律の反対演説(フィリバスター)を2時間8分行った。当時の国会における演説時間としては戦後最長であった。国内におけるフィリバスター(議事妨害)の最長記録は、1929年帝国議会衆議院)における武富濟5時間30分。戦後の最長記録は、2004年6月3日の参議院本会議における森裕子(民主党)の3時間1分

投票ボタンの押し間違いによる反対投票

2008年6月11日、「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律の一部を改正する法律案」と「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律案」に対して、他の議員の全てが賛成票を投じる中、一人だけ反対票を投じた(押しボタン式投票)[9] [10]。円は投票の後、「自らの意志とは異なる投票を行った」として参議院議長に謝罪した。なお、両法案は一括しての議題・採決であったため、一度の投票で二つの法案に対する投票となる。反対票は円の1票だけであった。

掲示板炎上・ブログ閉鎖事件

  •  「従軍慰安婦や外国人の地方参政権問題に取り組んでいるため、ホームページに酷いバッシングを受けている。」と嘆いている。[11]
  • 2008年5月14日、「街中に氾濫している美少女アダルトアニメ雑誌やゲームは、小学生の少女をイメージしているものが多く、このようなゲームに誘われた青少年の多くは知らず知らずのうちに心を破壊され、人間性を失っており、既に幼い少女が連れ去られ殺害される事件が起きている」として、「美少女ゲームの販売を規制すべき」とする内容の請願の紹介議員に、下田敦子参議院議員とともになった(これはカスパルによる請願)。「美少女ゲームをプレイした人間は、その多くの者の精神が異常をきたす」という科学的根拠や、幼い少女の誘拐殺人との因果関係を示す根拠は示されてはいなかった(もっとも、円自身は、戦後一貫して青少年の殺人・強姦事件の件数が減少していることは事実として認めている[12])。

請願は日本国憲法第16条請願権に基づいており、国会への請願は議員の紹介によってなされなければならないとされている[13]。円議員は自らのブログにて「誰でも請願を通じて国会に苦情を訴え、これが公の場で議論されるようにすれば、透明で開かれた政治が行われる」という考えを示していた[14]

今回の請願内容とほぼ同一の請願書は以前ジュベネイル・ガイドカスパル等の組織の請願によってなされていた(ジュベネイル・ガイドを参照の)

  • 2008年5月23日参議院議員円より子Blog閉鎖。
  • 2008年6月6日、公式掲示板が停止。公式サイト『まどかより子ネット』内の掲示板[15]には、投稿者から数百件の批判的な意見が寄せられた[16]ものの、円より子議員からの返答が何らなされないまま経過。その後、同掲示板への意見が数千件以上[要出典]に達した時点で「アクセスが集中した」として、一時的に機能停止とされた。

外国人住民基本法

平成21年3月、参議院法務委員会に提出された「外国人住民基本法の制定に関する請願」[17]の紹介議員となっているが、同請願は審査未了となった。 その内容は、 「日本は難民条約や国際人権規約、女性差別撤廃条約、子どもの権利条約、人種差別撤廃条約に加入している。しかし、国内法に十分に反映されてないため、日本で暮らす外国人には、国際人権条約で保障されている社会保障を受ける権利、自らの文化を維持・発展させる権利、子供の教育の権利、地域社会に参画する権利など、多くの権利が制限されている。また、差別発言、就職差別、入居拒否、入店拒否など、日常生活においても外国人に対する敵視と排斥が繰り返されている。日本社会に今なお根強く残っている偏見や、差別を容認する法制度などの不正義を克服しなければならない。国際社会で承認され広く共有されている人権の理解を基に、外国人を地域の住民として認める法制度を実現すべきである」との認識に基づき、以下の事項の実現を求めるものである。

  1. 国会は、外国人住民に対する総合的な人権保障制度を確立するための特別委員会を設け、外国人住民公聴会を各地で開くとともに、自治体・市民団体・弁護士の提言を尊重し、外国人法制度の根本的な改正を行うこと。
  2. 国会は、日本国憲法及び国際人権条約に基づいて「外国人住民基本法」を制定すること。

なお、この請願に伴い、「外登法問題と取り組む全国キリスト教連絡協議会」第12 回全国協議会が作成した「外国人住民基本法(私案)」が提出されたとの情報が流布されているが、そのような事実はない。

金融政策について

  • 2004年、女性として初の参議院財政金融委員長に就任。

2008年の世界金融危機について

  • 2008年12月10日の参議院予算委員会[18]で、「イギリスなどの欧米に比べて経済支援の金額が少ない」「イギリスに比べて経済対策のスピードが遅い」と追求したが、麻生太郎総理大臣からは「日本は欧米と違って金融危機で銀行が破綻しているわけではない。実際に銀行が破綻している国より経済対策の額が少ないのは当然だと考えている。」と返答された。逆に麻生から「経済対策法案については金融機能強化法の採決について、1ヶ月前から民主党に協力を求めているが、どうなっているのか?」と切り返され、「金融機能強化法については明日採択する」と返答した。また、「国ごと借金漬けのドルは基軸通貨として駄目だと思います。」と麻生を追及するが、麻生から「ドルの代わりになる通貨が何かあるのですか?」と逆質問されると、「私もドルを支えるしかないとずっと思ってました。」と麻生に協調する姿勢を見せた。
  • 2008年12月10日の国会答弁で、「世界金融危機による不況は全治3年」と主張する麻生に対して、「1929年の大恐慌は回復に25年かかりました。全治3年どころじゃなく今回も同じだけかかるのではないですか。」と麻生を追及するが「その25年には各国経済のブロック化から欧州大戦、世界大戦が含まれております。現在は経済のブロック化も発生しておりませんし、これから世界大戦を経る事もないと思います。」と切り返されると「私も25年も掛かると思っていません。でも、3年というのは甘過ぎます。」と根拠を示さずに返答した。
  • バブル崩壊後の長期経済停滞について、財政金融政策による経済成長軌道の回復を一貫して訴えている。
  • 過去の円売りドル買いの為替介入について、その効果を冷静に検討するべきとの立場。
  • 日銀による超低金利政策の効果と是非、即ち低金利により投資を促進し、経済を活性化すると同時に、政府の国債利払い費の抑制という政策目的とその効果を、低金利により本来国民の金融資産から国民が得るべき金利収入が失われている負の効果と比較し、冷静に検討するべきとの立場。
  • 対ドルの円レートを、円安に維持して輸出刺激を図ることと、日本の購買力や国家の経済規模が減殺されることの影響を、冷静に比較衡量すべきとの立場。特に、インフレ(=貨幣価値の減殺)が進んだ米ドルに対する日本円の名目レートを安く維持することは、実際の通貨価値以上に円の価値を安くすることであると指摘し、強い円によっても活力を維持する経済構造への転換を進めるべきと主張。
  • 国会における財政や金融分野の質疑内容については、国内メディアではあまり取り上げられることがない一方、ロイターやブルームバーグといった外国メディアは比較的多く取り上げている。

主な著書

  • 『愛に渇いた人々』(白石書店)
  • 『円テーブルの家族』(文化出版局)
  • 『主婦症候群』(ちくま文庫)
  • 『夫、あぶない』(ちくま文庫)
  • 『ターニングポイント』(新潮社)
  • 『ママ、笑ってごらん』(ネスコ・文藝春秋)
  • 『40歳からの夫と妻の向き合い方』(大和書房)
  • 『夫と妻がもっとわかりあうために』(大和書房)
  • 『子育てが終わった夫婦のための本』(大和書房)
  • 『ママの離婚』(ちくま文庫)
  • 『妻たちの静かな反乱』(ちくま文庫)
  • 『どういう子に育てたいですか』(主婦と生活社)
  • 『夫婦が離婚する理由、しない理由』(大和書房)
  • 『一人でも変えられる』(日本評論社)
  • 『30代は二度こない 子どもとキャリアどちらもほしい』(ミネルヴァ書房)
  • 『女と通貨と政治文化─失われた二十年をこえて』(第一法規)

関連項目

脚注

  1. ^ 国会議員署名これまでと今後の展望 - 空港はいらない静岡県民の会
  2. ^ 参議院ホームページ投票結果
  3. ^ 『産経新聞』 2005年9月30日
  4. ^ 朝鮮新報 国会議員、市民団体ら 参院議員会館で集会 「慰安婦」解決促進法、早期制定を [1]
  5. ^ 参議院 請願948 
  6. ^ http://www.ksyc.jp/gaikikyou/
  7. ^ 「上程11年、もう待てぬ」 参政権促求集会 民団新聞より
  8. ^ 週刊かけはし(日本革命的共産主義者同盟 (JRCL)発行) 「戦時性的強制被害者問題解決促進法案」の成立今こそ[2]
  9. ^ 参議院ホームページ 投票結果
  10. ^ 参議院ホームページ 投票結果
  11. ^ [3] 民団新聞 "韓日議員メッセージ 磐石の新時代へ民団主導を期待"
  12. ^ MADOKA YORIKO/円より子ネット - 増えていない少年の凶悪犯罪
  13. ^ 請願:参議院ホームページ - 美少女アダルトアニメ雑誌及び美少女アダルトアニメシミュレーションゲームの製造・販売を規制する法律の制定に関する請願
  14. ^ livedoor ニュース - 「美少女ゲーム・アニメをする人は心を破壊され、人間性を失っているので規制すべき」と主張するトンデモ請願が参議院に
  15. ^ http://www.madoka-yoriko.jp/bbs2/top.htm
  16. ^ 「エロゲーで人間性失う」 円議員掲示板に批判数百件”. 産経新聞 (2008年5月23日). 2008年5月23日閲覧。
  17. ^ http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/seigan/171/futaku/fu17100650948.htm
  18. ^ 国会会議録検索システム[4] 平成20年12月10日参議院予算委員会で検索

外部リンク

議会
先代
峰崎直樹
日本の旗 参議院財政金融委員長
2009年
次代
大石正光
先代
平野貞夫
日本の旗 参議院財政金融委員長
2004年
次代
浅尾慶一郎