除名
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
除名(じょめい)とは、ある団体の構成員に対し、当該構成員の意に反して構成員たる地位を失わせる処分。
通常、当該構成員が団体の規則に違反し、それに対する制裁として行われる。この場合、地位の復権は認められない。
目次 |
[編集] 法律における除名
[編集] 議員の除名
国会議員の除名については日本国憲法第58条、国会法第122条、衆議院規則第245条、参議院規則第245条に、地方議員の除名については地方自治法第135条に規定している。除名処分は、院内の秩序を乱した議員が対象である。除名対象議員が所属する議院の本会議において出席議員の三分の二以上(地方議員は四分の三以上)の多数の賛成による議決が必要である。除名処分が下されると、議員の身分を失う。除名処分者は処分後の選挙で当選することによって、再び議員となることができる。
議院規則に基づき、本会議決議における除名決議において出席議員の三分の二以上の多数による賛成がなかった場合、他の懲罰を科することができる。
[編集] 過去に除名された国会議員
| 本会議採決日 | 議院 | 議員 | 賛 | 反 | 比率 | 理由 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1893年12月13日 | 衆議院 | 星亨 | 185 | 92 | 66.78% | 収賄疑惑によって議長不信任が議決されたにも関わらず、議長の座に固執したため |
| 1938年3月23日 | 衆議院 | 西尾末広 | 320 | 43 | 88.15% | 国家総動員法案の審議において近衛首相を「スターリンの如く」と賞賛した発言を逆に政友・民政両党が問題視したため |
| 1940年3月7日 | 衆議院 | 斎藤隆夫 | 296 | 7 | 97.69% | 反軍演説が軍部の反発を招いたため |
| 1950年4月7日 | 参議院 | 小川友三 | 118 | 10 | 92.19% | 本会議での予算案採決に際し、反対討論を行っていながら賛成票を投じたことが国会運営の原則を無視するものだとして野党の反発を招いたため |
| 1951年3月29日 | 衆議院 | 川上貫一 | 239 | 71 | 77.10% | 代表質問での不規則発言(政府・GHQの政策を反動と非難して社会主義国家と革命を賞賛、議会政治の否定とも受け取れる発言)への陳謝を拒否したため |
[編集] 除名決議に関連する訴訟事件
[編集] 民法上の除名
組合においては、正当な理由がある場合、他の組合員が全員一致すれば、組合員を除名することができる。ただし、この要件は組合の内規により緩和することができる。公益社団法人における社員(社団法人の構成員)の除名については、定款で定める(民法37条)。
[編集] 政党の除名
政党においても、党規則で反党行為に対する党員への除名を定めている。特に、国会議員経験者や中央幹部経験者の行動における政党本部による処分の場合は注目される。
[編集] 国会議員経験者及び後の国会議員に対する政党からの除名処分
- 自由党
- 自民党
- 辻政信(1959年)
- 松田九郎(1995年)
- 柿澤弘治(1999年)
- 栗本慎一郎(1999年)
- 上川陽子(2000年、同年中に復党)
- 新井正則(2004年)
- 坂井隆憲(2004年)
- 宮島大典(2004年)
- 吉田幸弘(2004年)
- 中西一善(2005年)
- 綿貫民輔(2005年)
- 亀井静香(2005年)
- 亀井久興(2005年)
- 津島恭一(2005年)
- 滝実(2005年)
- 青山丘(2005年)
- 宮本一三(2005年)
- 小林興起(2005年)
- 長谷川憲正(2005年)
- 荒井広幸(2005年)
- 野呂田芳成(2005年)
- 亀井郁夫(2005年)
- 佐藤静雄(2007年)
- 大仁田厚(2007年)
- 民主党
- 山本譲司(2000年)
- 田中甲(2001年)
- 熊谷弘(2002年)
- 佐藤敬夫(2002年)
- 金子善次郎(2002年)
- 山谷えり子(2002年)
- 江崎洋一郎(2002年)
- 古賀潤一郎(2004年)
- 佐藤観樹(2004年)
- 田村秀昭(2005年)
- 小林憲司(2005年)
- 西村真悟(2005年)
- 渡辺秀央(2008年)
- 大江康弘(2008年)
- 公明党
- 民社党
- 河村たかし(1985年)
- 日本新党
- 松崎哲久(1993年)
- 日本共産党
- 1995年までの日本社会党、1996年以降の社民党
- 江田三郎(1977年)
- 阿部昭吾(1977年)
- 田英夫(1977年、1989年処分取消、1997年復党)
- 辻一彦(1983年、1986年処分取消され復党)
- 安恒良一(1992年)
- 渋谷修(1993年)
- 小林正(1993年)
- 伊東秀子(1995年)
- 金田誠一(1995年)
- 川俣健二郎(1995年)
- 堀込征雄(1995年)
- 矢田部理(1996年)
- 山口哲男(1996年)
- 栗原君子(1996年)
- 山花貞夫(1996年)
- 嶋崎譲(1996年)
- 上原康助(1998年)
- 山本正和(2001年)
- 田嶋陽子(2002年)
- 大渕絹子(2002年)
- 原陽子(2004年)
- 横光克彦(2005年)
- 厳密には、山花と嶋崎は除名より一段階下の除籍
- 新進党
[編集] 政党の除名における訴訟事件
[編集] キリスト教の除名
キリスト教会において、異端の誤った教理の主張者や、罪を犯した者に対して、戒規処分として執行される。除名された者は教会員として扱われなくなり、教会から一切の交際を絶たれるが、悔い改めが認められた場合は、復帰が許される。

