ワセリン
種類 | 白色ワセリン |
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主要使用国 | グローバル |
ワセリンは石油から得た炭化水素類の混合物を脱色して精製したもの。大部分は、分岐鎖を有するパラフィン(イソパラフィン)および脂環式炭化水素(シクロパラフィン、ナフテン)を含む。ワセリンという場合、一般的には白色ワセリンを指す事が多い。
概要
ワセリン | |
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別称 白色ワセリン ペトロリウム | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 8009-03-8 |
E番号 | E905b (その他) |
RTECS番号 | SE6780000 |
特性 | |
化学式 | CXHY 混合物につき不定。 概ねX=15~20。 |
外観 | ペースト状の油脂 |
密度 | 0.9 g/cm3 |
融点 |
36~60℃ |
沸点 |
302℃ |
危険性 | |
主な危険性 | 可燃性 |
引火点 | 182~221℃ |
発火点 | 290℃ |
半数致死量 LD50 | >50 gm/kg (経口) |
出典 | |
ICSC番号:1440 RTECS #: SE6780000 | |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
「Vaseline」はユニリーバの商標であるが、世界各地で一般名詞化されている。英語での一般名称はpetroleum jellyであるが、日常会話では、同種の軟膏は包括してvaselineと呼ばれることの方が多い。スペイン語圏やポルトガル語圏の国々でもvaselineは一般名詞であり、ユニリーバの商品はVasenolとして売られている。ドイツでは、ユニリーバ以外の製薬会社でもVaselineとして販売している。日本では商標として登録されているが(第5280546号)、恐らくそれ以前から日本薬局方に一般名称として記載されていたためか、複数の医薬品会社から「白色ワセリン」が販売されている。
日本では日本薬局方において白色ワセリンは「石油から得た炭化水素類の混合物を脱色して精製したものである」と定義されている[1]。
用途
ワセリンは皮膚表面に油分の膜を張り、角質層の水分蒸発を防ぐことで皮膚の乾燥を防ぐ効果に加え、外的刺激から皮膚を保護するという働きがあることから、鎮痛・消炎・鎮痒の軟膏剤のような医薬品の基剤や、化粧クリームのような化粧品などの基剤として用いられる。また潤滑剤や皮膚の保湿保護剤としても用いられる。
鉱物油からの精製による純度の違いにより黄色ワセリンと白色ワセリンがあるが、医療用では白色ワセリンを用いることがほとんどである。眼軟膏には特に純度の高いものを用いることが多い。
湿潤療法のために、使用される事がある。乾燥をきっかけとする皮膚病や、切り傷からの出血を一時的に止める為にも多用されている。
米国では、「Uses-temporarily protects minor- cuts- scrapes- burns- temporarily protects and helps received chapped or cracked skin and lips- helps protect from the drying effects of wind and cold weather 」と製品ラベルに明記されている。すなわち「切創、擦過傷、熱傷、ひび割れ、乾燥肌に使う」とうたわれている。
塑造用粘土の一種である、プラスティシンはワセリンをカルシウム塩、脂肪酸を合成して製造したパテ状のもので、ウォレスとグルミットで使用されている。
副作用
アレルギー、発赤、発疹、かゆみなど。プロペトの添付文書には接触皮膚炎と記載されている[2]。
脚注
参考資料
- アメリカ合衆国特許第 127,568号, Robert A. Chesebrough, "IMPROVEMENT IN PRODUCTS FROM PETROLEUM", issued 1872-06-04.
関連項目
- ゲイロード・ペリー:元メジャー投手。スピットボール(不正投球)にワセリンを使用し、引退後ワセリンを販売する会社を営んだ。
- パラフィン
- ヘパリン
- プラスチベース
- 軟膏剤
- ロバート・チーズブロー(Robert Chesebrough)
- クリーム (基礎化粧品)
- リップクリーム
- 整髪料