オリーブ・オイル
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オリーブ・オイル(オリーブ油)はオリーブの果実から得られる植物油。阿列布油と当て字することがある。
主に地中海に面した地域(イタリア、スペイン、ギリシャ、マシュリクなど)で好んで使われる。食用のほか、化粧品、薬品、また石鹸などの原料としても用いられる。これらの地方では単に油といえばオリーブ・オイルをさすことが多い。酸化されにくいオレイン酸を比較的多く含むため、他の食用の油脂に比べて酸化されにくく固まりにくい性質を持つ(不乾性油)。
特に、エクストラ・バージン・オイルと呼ばれるものは、香りと味が良質で高級とされる。ワインの産地にワインの文化があるように、オリーブ・オイルの産地にはオリーブ・オイルの文化があると言っても過言ではない。ギリシア語での語源が「喜び」と共通することから正教会では斎の対象となる。
また標本製作でホルマリンなどの防腐剤が無かった頃はオリーブ・オイルを使って保存・固定していたこともあった。
2006年3月27日、アメリカ合衆国の健康専門月刊誌『ヘルス』による世界の5大健康食品が発表され、スペインのオリーブ油、日本の大豆、ギリシャのヨーグルト、インドの小粒の豆類、韓国のキムチの5品目が選出された。
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[編集] 製法
種子や果実から採取される植物油の多くが加熱工程や溶剤抽出工程を経て得られ、特にほとんどの場合植物組織から油を分離するのに加熱工程が不可欠であるのに対し、オリーブ・オイルは生の果肉から非加熱で果汁を絞って放置しておくだけで、自然に果汁の表面に浮かび上がり、これを分離することで得ることができる。オリーブと同様に果肉から多量の油が得られるアブラヤシの果実からパーム油を採油する場合、原産地であり伝統的栽培地帯である西アフリカの熱帯雨林地帯における伝統的手法でも、パーム油は飽和脂肪酸を多く含むため常温では固形であり、砕いた果肉を煮沸しなければ抽出できないのと大きな違いであり、この点がオリーブ・オイルの最大の特質となっている。つまり、ワインが本来、限られた季節にしか得られないブドウの果汁を一年中飲むことができる保存果汁としたものとして発展したのと同様、同じ地中海文化の中で利用が発展したオリーブ・オイルも、正に油という形で保存された生の果汁としての性質を、食品化学的にも、文化的にも、色濃く持っている。
今日では収率を上げるため、果実をすりつぶして絞った果汁を遠心分離機にかけて、効率よく採油している。伝統と品質を重んじる採油所では、この果実のすりつぶしに伝統的な石臼が用いられているが、工業的に大量に処理する採油所では機械による粉砕が行われている。石臼による粉砕の場合、適度に荒く砕かれた種子によって果汁を絞るときに粉砕された果実が過度に圧搾されるのが妨げられ、余計な雑味の少ない良質な油が得られるといわれている。このオリーブ絞り用の石臼は、東アジアの穀物粉砕用の石臼のように溝を切った二枚の石の円板が水平に重なり合って回転し、磨り合う形態ではなく、巨大な石の皿の上で垂直に立てられた石の円板が、車輪のように転がりながら円運動をする形態のものである。
こうして果汁から遠心分離などによって直接得られた油をバージン・オイルと呼び、その中でも果汁としての香りが良好で油としての品質も高いものを特にエクストラ・バージン・オイルと呼んでいる。
さらに今日では果実に含まれる油を無駄なく回収するため、果汁を絞った絞りかすからも溶剤抽出によって油が採取されている。こうして絞りかすから溶剤抽出された油や、食用に適さない品質の悪いバージン・オイルを精製して得られた味や香りに乏しい油を、中程度の品質のバージン・オイルとブレンドして作られているのが、単なるオリーブ・オイルとして販売されているものである。
また、オリーブの種子から溶剤抽出によって得られた油をオリーブ核油と呼んでいる。
[編集] 健康とオリーブ・オイル
伝統的にオリーブ・オイルを大量に使う食習慣を持つギリシャの人々の心臓病の発生率が、ほかの欧米諸国の約1/3ときわめて低いことから、オリーブ・オイルが循環器系疾患のリスクを減らす可能性が注目されている。
オリーブ・オイルの経口摂取で、血圧や、(いわゆる悪玉コレステロールである)LDLコレステロール値、中性脂肪値が下がったという報告がある。オリーブ・オイルにはオレイン酸という不飽和脂肪酸が70~80パーセント含まれているが、オレイン酸はリノール酸などに比べて酸化されにくく、加熱しても有害なトランス脂肪酸を生成しにくい。過酸化脂質やトランス脂肪酸は、動脈硬化など循環器系疾患の原因の一つである可能性が指摘されている。
更にオレオカンタールという、高級オリーブ・オイルに含まれる物質は、風邪薬に入っているイブプロフェンに構造が似ている。どちらもシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害するので、機能も似ている。しかもイブプロフェンよりも抗炎症能力が高いのでインフルエンザなどへの有効性も期待される。
[編集] 発祥
オリーブ・オイル発祥の地は地中海地方であり、日本ではイタリア発祥と思われている場合が多いが、そのルーツは実はギリシャで、ギリシャからイタリアへと伝えられ、イタリア料理と共に日本に入ってきたものである( 出典「オリーブ賛歌」モート・ローゼンブラム著)
ギリシャでの消費量は世界一で、日常の食卓に日本の醤油感覚で様々な料理に使われており、ギリシャ最高のオリーブオイルは世界最高だといわれている。
[編集] 品質
ギリシャには、伝統的な製法で作られた世界最高の品質を誇るオリーブ・オイルが存在する。オリーブ・オイルを多用するギリシャでは日常生活に欠かせないため、当地では価格も比較的安価である。
ギリシャ・カラマタ地方産のオリーブオイルが世界最高品質のオリーブ・オイルとされている。
そのほとんどが手搾りの貴重なオリーブオイルで、入手困難な最高級品質だと言われている。
ギリシャのカラマタの産オリーブオイルは世界最高だと言われているが、日本ではあまり知られていない。
その理由は、小さな農家ばかりで、プラント化と大量生産をするような業者がいないからである。 そのほとんどが昔ながらの手搾りのオリーブオイルで、入手困難な最高級品質だと言われている。
その上、イタリアなどの業者が多量に買い付け、スペイン産やチュニジア産のオリーブオイルの品質改善のためのブレンドに利用されることが多く、純粋なカラマタ種のオリーブオイルはほとんど市場に出回らない。( 出典「オリーブ讃歌」モート・ローゼンブラム著)
稀にカラマタ種のオリーブオイルとして販売されているが、そのほとんどはイタリア産などとのブレンド品であることが多いので注意が必要である。
そのため「ギリシャのカラマタ産」として市場に出回ることはほとんどなく、純粋なカラマタ種のオリーブオイルは限られたルートで、イタリアなどの最高級レストランにしか出荷されていない。( 出典「オリーブ讃歌」モート・ローゼンブラム著) その品質は、そのまま飲めるほどだといわれており、一度口にするとその香ばしさは忘れられず、他のオリーブオイルを口にすることはできなくなると言われている。
( 出典「オリーブ讃歌」モート・ローゼンブラム著)
[編集] 日本のオリーブ・オイル
小豆島は日本のオリーブ発祥の地で、島のあちこちにオリーブの樹が植えられており、純国産のオリーブ・オイルが作られている。
[編集] 料理の例
イタリア料理、スペイン料理、ギリシャ料理、トルコ料理、レバノン料理、フランスのプロヴァンス料理やバスク料理では、オリーブ・オイルが多く使われる。
- バター代わりにパンや野菜につけて食べる
- フムス
- サラダ
- パスタのソースなど。オイルソースの項に詳しい。ペスト・ジェノヴェーゼにも欠かせない。
- マリネ
- ブルスケッタ
- バーニャ・カウダ
- アイオリ
- 魚介類(主にイワシやマグロ)や果実の油漬け。
- 冷やして、または室温で食べる料理全般
- カトリック教会と正教会の大斎や小斎など動物性食品が制限される期間の料理
- ペペロンオイル - オリーブ・オイルに唐辛子を漬け込んで作る調味料。辣油のイタリア版。
[編集] 文化
- イタリアなどでは、毎年オリーブの収穫の季節に、絞りたてのオリーブ油を賞味して収穫を祝う習慣がある。
- 宗教的な用途に用いられることもあった。キリスト教の祖イエスの名の一部としばしば誤解される「キリスト」は救世主を意味するが、原義は「油で聖別された者」の意で、聖別にオリーブ油が使われたと見られるほか、聖書にオリーブ油が頻繁に登場するのはパレスチナの文化にオリーブ油が根付いていた証拠である。
- 古代ローマでは不作の年に備えて公共の貯蔵庫を設け、祝賀の時には人々にふるまわれる事もあった。カエサルがウティカの戦いで勝利を収めたときには軍の兵士に一人あたり2ガロンもの油が与えられたという。
- マシュリクでは、美容と健康のためにそのまま飲むこともある。
[編集] 外部リンク


