ヘアーアイロン

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ヘアーアイロンHair iron)とは、熱の力によって髪型を変えるために使う器具である。

電化製品の普及前はアイロンと同様に炭火によって器具を温めて使用する方法が一般的であったが、現代では電気(ジュール熱)を使用した電熱器具のひとつに数えられる。

手に持つための取っ手部、熱を発生させるためのアイロン部に分かれる。近代的な電熱式のものは電気を使用するために取っ手部末尾に電気コードが付属し、かつ 耐熱プラスチックで構成されているものが多く、旧式の炭火式のものは炭火の熱に耐えるため・熱を長持ちさせるために厚みのある鉄製であることが多い。

日本におけるヘアーアイロンの変遷[編集]

1904年頃、当時流行していた二百三高地という女性の髪型を作る道具として、火箸を炭火でよく暖めたものを、現在のヘアーアイロンのように用いていた。[1]この道具は古くから存在していたため、日本にこれ以前から原始的なヘアーアイロンが存在していた可能性も考えられる。

1990年代中盤、縮毛矯正と共に日本のヘアーアイロンは急成長した。業務用品は、耐久性が高く、高温設定可能である。

縮毛矯正の施術を目的として、進化してきたため、スタイリングを目的として進化した世界の製品と比べるとデザイン、扱いやすさ、値段の面において、少し見劣りする。[2]業務用から一般用まで、インターネットで購入が可能である。

値段は、安いものは、3000円程度、高いものは、5万円と値段も質もいろいろな物が乱立している。

1990年代から今日にかけて、急成長をとげたヘアーアイロンだが、日本は独自の進化を遂げてきたため(詳しくは縮毛矯正を参照)、世界的にみると韓国製の物の方が幅広く出回っておりマーケティングシェアを広げている。[2]

世界のヘアーアイロンは、イギリスやアメリカなどの企業が韓国の中小企業に依頼し製造しているためOEM製品のものが多い。[2]日本の業務用製品では、ウエラやルベルが販売しているヘアーアイロンは、株式会社ハッコー製のOEM製品などがある。

なお世界においては、2000年初期に登場したイギリスのGHD社がヘアーアイロン1つで成功を収め、0から創め、320億円のブランドにまで成長した。

この背景には、1本2万円相当の高くもなく安くもない値段設定と、ファッションという観点からのビジネス戦略で、2009年現在、世界のセレブから一般市民まで使用している。[2]

ヘアーアイロンの種類[編集]

カールアイロン(カーリングトング)[編集]

電気式カーリングアイロン

カーリングアイロン (Curling iron) 、カーリングトング (Curling tong) はカール(巻き髪)に整髪するためのヘアーアイロンの種類のひとつである。

カーリングトングとも知られているカーリングアイロンは、髪をウェーブ状またはカール状に形作る。最近のカーリングアイロンは、直径の違うもの、金属の違うもの、ハンドルの形が違うものなど、いろいろな種類のカーリングアイロンがある。そのバレルの直径は、9ミリメートル (0.35 in)から38ミリメートル (1.5 in)まである。一般的に、細めのバレルのものはスパイラルカールを作るために使われ、太めのバレルのものは、髪型にボリュームを出し、形付けるのに使われている。[3]

カーリングアイロンの材質はテフロンセラミックストルマリンチタンなどがある。バレルは円柱円錐を合わせた様な形になっている。付属品でダブルバレルやトリプルバレルに変えられるものやブラシを着けられるものもある。[3] 

主に数種類のタイプに分けられ、バネ付きのものをスプリングタイプ、バネが付いていないものをマルセルタイプと呼ばれている。スプリングタイプの物が一般的に使われていて、バネの力ではさむ。スプリングタイプのものは、他のものより安価でより使いやすいが、壊れやすく、またはさむところが縮れ毛の原因になることもある。マルセルハンドルのマルセルとは、考案者マルセル・グラトーの名前より付けられた。マルセルタイプのものは髪をはさむ力を自分自身で調整する。これらの理由によって使いづらいため、マーセルアイロンは普段、業務用として使われることが多い。クリップの付いていないただの棒状のものもあり、単純に髪をロッドに巻きつける。ほとんどのクリップなしカーリングアイロンには、火傷防止用のケブラー手袋が付いている。[3]クリップなしの円錐のカーリングアイロンをコニカルカーリングアイロン (conical curling iron) またはコニカルアイロン (conical iron) と言う。

ストレートアイロン(ストレートナー)[編集]

イギリスGHD社製のストレートナー

ストレートニングアイロン (Straightening iron) 、ストレートナー (Straightener) 、フラットアイロン (Flat iron) などの別名がある。これらは髪をまっすぐに伸ばすためのヘアーアイロンの種類のひとつである。

ヘアーストレートナーでスタイリングできるのは、水と熱によって髪の毛の水素結合とイオン結合の一部が切断され、乾燥によって再結合されるからである。 しかしこのスタイリングは、空気中の水分で再び結合が切れるため長持ちしない。[4]

電熱式の近代的なフラットアイロンは、アイロンで発生させた熱を髪に伝える時間がそのアイロン部分のセラミック材質とコーティング剤の質で異なる。一般に、非常に高価な複合セラミック層を使用したアイロンならば、髪に使用する時間は十数秒という短時間で済み、かつ均一な分布の熱を与え、長く使用することが可能だが、安価な材質のものはそれより長時間を要し、不均等な熱の与え方しかできず、またアイロン部がすぐに摩耗するために髪にダメージを与えやすい。[4]

ヘアーストレートナーの付加機能は、頭髪を熱で乾かすことにより痛める恐れがあるといわれることから、頭髪を痛めないようにすることを目的とする機能が多い。

実効性については賛否両論があり、商売上の差別化のためだけと揶揄(やゆ)されることもあるが、これらの機能が付加されていると、高機能のイメージのため、高価格でも市場に受け入れられることも多い。

ワッフルアイロン(クリンパー)[編集]

クリンパー (crimper) とは、髪をジグザグの波形にするためのヘアーアイロンの種類のひとつである。

クリンピング または、クリンパー は ソウトゥースファッションで髪をノコギリ波状にするのに使われている。 その見た目は、ブレイドを解いた後に似ている。1972年、クリンパーは、セバスチャンプロフェッショナルの創設者の1人、ゲリ・クセンザによって発明された。[5]1980年代半ば、アメリカで初めて髪をジグザグにすることが大流行した。

トリプルウェーバー[編集]

トリプルウェーバー(Triple Waver)とは、三本のバレルで髪を波状にするためのヘアーアイロンの種類のひとつである。スプリングタイプ、マルセルタイプが主流だったが、ストレートナーやクリンパーのような形をしたトングタイプもある。

ヘアーアイロンと和製英語[編集]

※ストレートアイロン(英語ではStraightening iron)、カールアイロン(英語ではCurling iron)、Waffle iron(英語でWaffle ironはワッフルを焼くための調理器具)、ワッフルヘアー(英語ではHair crimping)は和製英語である。

ヘアーアイロンブランド[編集]

日本
世界

脚注[編集]

  1. ^ 「奇態風俗史」宮武外骨 P.100
  2. ^ a b c d GHDTM公式ウェブサイト参照のこと
  3. ^ a b c Curling Iron
  4. ^ a b Read, Melissa B. (2004年6月). “Designing a Better Hair Straightener ({{{1}}} (PDF))” (英語). マサチューセッツ工科大学. 2009年2月7日閲覧。
  5. ^ Hair Crimping

関連項目[編集]

  • ヘアドライヤー
  • 縮毛矯正
  • アイロン
  • マーセル・ウェーブ英語版 - 1890年にフランス人のマルセル・グラトー (Marcel Grateau) が開発したセット用のヘアーアイロンの熱で一時的に頭毛部分に変化を与えてつくったウェーブ。初め、婦人のウェーブ用としてヨーロッパに普及した。日本では、マーセル・ウェーブまたはマルセル・ウェーブと呼ばれている。