ツーブロック
ツーブロックもしくはツーブロック・カット(和製英語:two block cut)とは、おかっぱ頭の下半分をバリカンで刈り上げて上半分をそのまま残し、段差が出来るようにしたヘアスタイル[1]。1910年代から1940年代にかけ、男性の間で世界的に流行したことがある。1980年代から2010年代にかけて再び流行した。
概要
ツーブロックは頭頂部に十分な毛量をキープしたうえで、側頭部、もみあげ、襟足などを短くカットした髪型で、その長さには定義がなく、明らかに長さの違う髪のブロックが2箇所あるかどうかが判断基準となる[2][注釈 1]。それに対して、かりあげは傾斜はつくものの段差は強調されない[2][3]。ツーブロックは、頭頂部の長い毛髪にパーマネントウエーブをかけたり、オールバックにしたりというアレンジも可能である[2]。
ツーブロックは、日本では1980年代後半から1990年代前半に若い男性を中心に爆発的に流行したが、YMO(イエローマジックオーケストラ)のメンバーがしていたテクノカット+ツーブロック+ボブのスタイルが特に脚光を浴びた。また、1989年ワールドカップバレーボールで活躍したアメリカ男子チームの人気選手、アダム・ジョンソンのツーブロックヘアも注目された。以降、日本では俳優の吉田栄作、福山雅治らの影響もあって人気が高かった[2][4]。2010年代前半からツーブロックの人気が再上昇したが、これは俳優の小栗旬、伊勢谷友介、オダギリジョーらの影響もあるといわれる[4]。このスタイルは女性からも一定の支持を得ており、ツーブロックを披露する芸能人も増えている[4][注釈 2]。
なお、サイドのツーブロックで襟足を長めにしたスタイルは、一時期、不良(「ヤンキー」)を象徴するものであったが、ツーブロックそのものが決して「不良」にみえる理由なのではない[3][注釈 3]。したがって、日本の中学校・高等学校における「ツーブロック禁止」という校則は意味をなさないものであるという指摘がある[3][注釈 4]。
ギャラリー
-
アレックス・マードック
-
ハッリ・モントネン
脚注
注釈
- ^ ツーブロックについては、髪型ではなく、むしろ刈り上げの仕方であり、カットの技法のひとつだという専門家からの指摘がある[3]。
- ^ 歌手の木村カエラ、俳優の山田優、モデルのIMALU、アイドルだった大島優子らがツーブロックを披露した[4]。
- ^ 側頭を刈り上げて襟足を長く伸ばす不良風髪型の原型は1990年代以降のプロレスラーの天山広吉による「天山ヘア」にあり、さらに、そのルーツはゴルフ選手の尾崎将司(当時、ジャンボ尾崎)の「ジャンボカット」にさかのぼるという見方がある[3]。
- ^ 昭和天皇や今上天皇もフォーマルな場でツーブロックの技法を用いた髪型をしており、ツーブロックそのものは推奨されるべき要素があるという指摘もなされている[3]。
出典
- ^ 『ツーブロックカット』 - コトバンク
- ^ a b c d “ハズさないツーブロックのヘアスタイル30選! ビジネスでも好印象なメンズヘアを一挙公開”. OZmall. スターツ出版 (2022年8月19日). 2022年9月8日閲覧。
- ^ a b c d e f 操作イトウ (2022年1月24日). “「ツーブロックというのはそもそも…」現役美容師が解説する、ツーブロック禁止の学校が“勘違い”していること”. 文春オンライン. 文芸春秋. 2022年9月8日閲覧。
- ^ a b c d “木村カエラや山田優だけじゃない 「刈り上げ女子」が増殖中”. J-CASTニュース (2013年7月20日). 2022年9月8日閲覧。