レーザー脱毛

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レーザー脱毛(レーザーだつもう)とは、レーザー光が特定の色に吸収されるという特性を用いた、脱毛方法のひとつ。レーザーの種類としては固体レーザーとなる。

概要[編集]

原理
黒色、または茶色に吸収される波長のレーザーを皮膚に照射することで、や毛根、周辺組織にダメージを与え、脱毛する[1][2]。また、毛のライフサイクルのうち、成長期に照射した分のみが永久的に脱毛されるといわれる。これは、毛根に対して十分な熱量が与えられるのがこの期間に限られるからである。
表層に出ている毛は15~20%程度であり、1回の処置では脱毛効果は体感しづらい。だいたい3回目くらいから、目に見えて毛が少なくなってきたことを実感できるようになる。中~長期的に考えれば、最低でも5回程度は照射しないと、大きな実感は得られにくい。
照射回数
毛周期にもよるが、適切な熱量・間隔で照射した場合、3回の照射で50%程度、5回の照射で70%程度、10回の照射で90%程度を脱毛できるといわれる(一回ごとに、80%程度の密度になるよう想定して照射していった場合、100% → 80% → 64% → 51% → 41% → 33% → 26% → 21% → 17% → 13% → 11%)。この事から考えても、全くの無毛にはならず、産毛は残ることになる。見た目に無毛に近い状態にしようと思えば、15回以上の照射が必要になる。
身体の場合には、2〜3ヶ月に1回のペースで5〜12回程度を目安に、照射していくことが望ましい。男性の顔ヒゲなどの場合には、少し短いサイクルで1ヶ月に一度、10〜12回程度の照射をすることが多い。
照射周期
毛周期のサイクルの下で脱毛する必要があり、また肌の回復を待つ必要があるため、身体の場合には2〜3ヶ月ごと、顔ヒゲの場合には1ヶ月ごとの周期でする必要がある。保湿を怠ったり、日焼けなどをしてしまった場合には、この限りではない。
予算や暇がない場合など、少ない脱毛回数で、より効果的に脱毛をしたい場合には、周期を長めにとることで、より多くの毛を脱毛することができる(身体なら4〜6ヶ月ごと、顔髭なら2〜3ヶ月ごとが目安)。
その他
10回以上の脱毛をしたとしても、新規の発毛に伴いポツポツとした「無駄毛」が生えてくることがある。これは新しい毛が作られたわけではなく、休眠していた毛が活動を開始したものであり、レーザー脱毛が不完全だったわけではない。無毛に近い状態を維持しようと思うなら、1〜2年に一度くらいのペースで、その都度レーザー脱毛をする必要がある。
稀にではあるが、レーザー脱毛をすることで刺激され、部分的に「太くなった毛」が生えてくる場合がある。その場合にも、レーザー脱毛を繰り返すことで、しだいに細い毛が揃うようになる。以上のような理由からレーザー脱毛は、短期的に5~10回、さらに中長期的に5~10回以上の照射を追加して行うことが必要になる。

処置[編集]

処置時間
実際の処置時間は、広く使用されているアレキサンドライトレーザーの場合、準備・待ち時間など全て含めて、ビキニライン全体で40分程度、顔全体で60分程度、手全体で60分程度、足全体で120分程度である。実際に照射にかかる時間は、この半分程度の時間になる。
痛み
レーザー脱毛の広告などでは、「痛みはない」という表現がされている事が多いが、それは誤りである。レーザー脱毛以前の「針脱毛」と比較すれば、かなり痛みは軽減されているため、痛みはないという表現になったと思われる。
個人差もあるが実際には、毛の濃い部分では、輪ゴムで軽く弾いたような痛みが生じ、日焼けしている部位は激痛が生じる。脱毛効果が現れるにつれ、この痛みは弱まっていくが、通常レーザーの出力を毛の太さに合わせて段階的に強くしていく為、基本的には回数を重ねても同様の痛みは続く。しかし、照射する医療従事者も強すぎる出力での照射は避けるため、1回目から2回目が最も痛い事が殆どであり、段階的に痛みは減っていく事が殆どである。また、最終的に無毛状態になれば、レーザーを照射しても痛み・刺激はない。
なお、黒人のように肌の色が濃い人種や、日本人でもかなりの日焼けをしている場合、またシミやホクロの上など地色が濃い場合には、痛みが激しかったり熱傷を起こす危険性があるため、脱毛を行うことは禁忌である。
針脱毛との違い
これまでの針脱毛と比べれば、圧倒的に痛みがなく、短時間ですませることができる。また、針脱毛では経験・技術が必要であったが、レーザー脱毛の場合には誰がやっても、ほぼ同じ結果が得られることから、コスト削減が図れることが人気の理由である。針脱毛の得意なのは、1本単位でのピンポイントな脱毛であり、レーザー脱毛は面単位での脱毛になる。

処置前後のケア[編集]

処置前
処置前には、可能であれば化粧品などで「保湿」をしっかりとしておくことで、肌の状態を良好に保つことができる。また、日焼けには十分に注意する必要がある。特に顔などの場合には、あとあとのトラブル(熱傷や乾燥肌)を起こさないためにも、保湿・日焼けは注意する必要がある(ただし施術当日はチタンなど「金属の含まれた日焼け止め」を付けていてはいけない)。
初めてレーザー脱毛を受ける際には、30分程度のカウンセリングがある。脱毛の照射日には、前日の夜か当日の朝毛を剃って来院し、カウンセリング後に脱毛を始める事が多い。
処置後
多くの場合、手術後には日焼け後と同様の軽いヤケド状態になり、肌がポツポツと赤くなる。通常、2~3時間くらいで回復するが、痛み・痒みなどが1週間以上続く場合には、塗り薬(リンデロンVGなど)をぬる必要があり、ひどい場合にはすぐに診察を受ける必要がある。
照射した当日は、ヒフの熱を下げるため、入浴は避けてシャワーのみにすることが望ましい。専門医によると、炎症などを避けるため、処置を続けている間は、液体石鹸を使わず、固形石鹸を使うほうが良いとされる。

種類[編集]

レーザー脱毛にはいくつか媒体が使用されている。

  1. ルビーレーザー
    • 波長:694nm
  2. アレキサンドライトレーザー
    • 波長:755nm
  3. ダイオードレーザー
    • 波長:800nm(可変である)
  4. YAGレーザー
    • 波長:1064nm(NdYAG)

医師法との関係[編集]

針脱毛やレーザー脱毛は医療行為とされ、医師のいないエステティックサロンでの営業には法的問題があった。また、高額な内容であるにもかかわらず、その場ですぐに契約させようとするといった問題もあった。厚生労働省が、2001年に『医師免許の無い者がレーザー脱毛をすることは医師法違反』と通達した厚生労働省の通達のを受け、各エステティックサロンは、業界団体の再編やそこでの検討を経て、レーザーの出力を一定値以下に抑えるなどして対応している。

しかし、2009年には、神戸市をはじめ近畿・中国地方の西日本地区に店舗を展開するエステティックサロンチェーンが、医師免許を持たない従業員にレーザー脱毛を行わせていたことが判明し、兵庫県警が医師法違反容疑で捜索を行っている。この店の利用者の中には、火傷などのトラブルに見舞われた者もいるという。

2012年3月にはエアフール(大阪府大阪市北区茶屋町)女性社長とエアフール梅田店店長、従業員の3人は、2011年7月に、医師免許がないのに20代の女性に脱毛する医療行為をして、医師法違反で6日、大阪府警生活環境課と曽根崎署に逮捕された。続いて同年6月には山形市のエステ店で医師免許を持たずに医療行為の「光脱毛」を行ったとして、山形県警生活環境課と山形署は29日、同店を経営する「ブラッサム」社長ら3容疑者を医師法違反(無資格医業)の疑いで逮捕した。

2014年4月にも、姫路市のエステサロン「ハニーフラッシュ」の経営者・亀山道弘容疑者(50)と元店長の合わせて3人が医師法違反の疑いで逮捕された。同店では8年前から客に対して同様の脱毛行為を行い、これまでに少なくとも310人の客が店側に健康被害を訴え出ていたとのこと。[3]

またさらに2014年8月6日共同通信より、厚生労働省研究班が調査した結果によると、エステの利用後に健康被害を訴える人が相次いでいることが判明。火傷した患者324人の内41%がエステ脱毛による火傷を負っていることが明らかにされた。

脚注[編集]

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  1. ^ 黒色から濃茶色ではない体毛(脱色した体毛・金髪・白髪など)の脱毛は苦手とする
  2. ^ 肌の地色が濃い場合は、そちらにも反応してしまうため、一般的には施術を避ける
  3. ^ 医師の資格持たずに"光脱毛"経営者ら逮捕 兵庫(14/04/08) 2014年4月8日

外部リンク[編集]