カルロ・ベルガミーニ級フリゲート (2代)
カルロ・ベルガミーニ級フリゲート | ||
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汎用型の「カルロ・ベルガミーニ」 | ||
艦級概観 | ||
艦種 | フリゲート | |
艦名 | ||
就役期間 | 2013年 - 就役中 | |
前級 | マエストラーレ級 | |
次級 | 最新 | |
性能諸元 (ASW型) | ||
排水量 | 満載:5,950 t | |
全長 | 142.00 m | |
全幅 | 19.40 m | |
吃水 | 5.4 m | |
機関 | CODLAG方式 | |
ディーゼル発電機 (2,820 bhp) | 4基 | |
電動機 (3,000 bhp) | 2基 | |
LM2500+G4ガスタービンエンジン (43,500 shp) | 1基 | |
スクリュープロペラ | 2軸 | |
速力 | 最大27ノット | |
航続距離 | 6,000海里 (15kt巡航時) | |
乗員 | 145名 | |
兵装 | 127mmコンパット砲 ※汎用型のみ。対潜型では76mmスーパー・ラピッド砲に換装 |
1基 |
76mmスーパー・ラピッド砲 ※対潜型では2基搭載 |
1基 | |
エリコンKBA 25mm機銃 | 2基 | |
シルヴァーA50 VLS (8セル; アスター15/30 SAM用) |
2基 | |
テセオSSM 4連装発射機 ※汎用型は4連装発射機を4基搭載 |
2基 | |
ミラスSUM 4連装発射機 ※対潜型のみ。汎用型ではテセオSSMの4連装発射機に換装 |
2基 | |
連装魚雷発射管 (MU90用) | 2基 | |
艦載機 | NFH90哨戒ヘリコプター | 2機 |
レーダー | EMPAR 多機能型 | 1基 |
SPS-791 対水上捜索型 | 1基 | |
NA-25XP 砲射撃指揮用 | 2基 | |
SPS-753 航海用 | 2基 | |
ソナー | TMS-4110CL 艦首装備式 | 1基 |
UMS-4229 曳航式 | 1基 | |
電子戦・ 対抗手段 |
電波探知妨害装置 | |
SCLAR-H 20連装デコイ発射機 | 2基 | |
SLAT 対魚雷システム |
ベルガミーニ級フリゲート(イタリア語: Fregate Classe Bergamini)は、イタリア海軍が運用するフリゲートの艦級[1][2]。フランス・イタリア共同で進められてきた多任務フリゲート(FREMM)計画に基づいて、イタリア海軍向けとして設計・建造されたものである。
設計
本級は、レーダー・光波・音波などあらゆる領域についてシグネチャーの低減を企図したステルス艦として設計されている。レーダー断面積(RCS)低減のため船体外壁には傾斜が付されており、レーダー波反射源となる搭載艇などは船体内に収容するか、開閉式のシャッターによって覆われている[1]。
また主機関をCODLAG方式としたことも、水中放射雑音の低減によるステルス性の向上に役だっている。本級では、巡航時にはディーゼル・エレクトリック方式による電気推進で、高速時にはさらにフィアット-ゼネラル・エレクトリックLM2500+G4ガスタービンエンジンによる機械駆動も併用して推進器を駆動する方式とされている。これによって、特に巡航域での燃費は非常に改善されており、12〜14ノットでの航行時にはディーゼル発電機2〜3基を作動させれば航行に必要な電力を供給できることもあって、ガスタービンを使って同速度で航行した場合と比べて、電気推進であれば30〜40%の燃料費節約になるとされている[1][3]。
装備
C4ISR
メインセンサーとなるのはCバンドの回転型多機能レーダーであるEMPARで、これは艦橋構造物上方に設置されている。なおアンテナ部は、従来はパッシブ・フェーズド・アレイ(PESA)式とされていたが、本級向けのものはアクティブ・フェーズド・アレイ(AESA)式に改正されたともされている。また電子攻撃を受けている場合や電波管制(EMCON)状況を想定した電子光学センサーとして、SASS赤外線捜索追尾システムも装備されている[1][3]。
水測機器としては、5キロヘルツ級の低周波ソナーであるTMS-4110CLをバウ・ソナーとして装備するほか、艦尾からは曳航式のUMS-4229 CAPTASを展開できる[1][3]。
武器システム
対潜型・汎用型ともに、艦橋構造物直前の前甲板にアスター15個艦防空ミサイルおよびアスター30艦隊防空ミサイルのためのシルヴァーA50 VLS 2基(計16セル)を装備している。これらはEMPAR多機能レーダーによって誘導を受けている。
また近距離での戦闘に対処するため、対空・対水上用としてはエリコンKBA 25mm機銃をオート・メラーラ社の単装マウントに配して前檣両脇の上部構造上に1基ずつ、また対潜用としてはMU90短魚雷用の連装魚雷発射管を上部構造物中部両舷のシャッター内に配している[3]。
その他のミサイル兵器および砲熕兵器については、対潜型と汎用型では差異が生じている。
対潜型
艦砲としては、オート・メラーラ社製スーパー・ラピッド76mm単装速射砲を採用しており、艦首甲板と上部構造物後端(ハンガー上)に1基ずつの計2基を搭載している。これらは、同社が開発した対空誘導砲弾であるDARTに対応している[1]。砲射撃指揮装置としてはNA-25XPが採用されている[3]。
また、艦対艦ミサイルとしてテセオMk.2を4連装発射機2基に収容して搭載するほか、その対潜ミサイル版であるミラスも同数搭載される予定である[1][3]。
汎用型
基本的は配置は対潜型と同様だが、艦首の76mm単装速射砲にかえて、64口径長のコンパット 127mm単装速射砲が搭載される。これは、やはり同社が開発した対地攻撃用のGPS誘導砲弾であるヴルカーノの運用に対応する。
またミラス対潜ミサイルは搭載されず、かわりにテセオMk.2の搭載数が倍増する予定である[1][3]。
同型艦
形式 | # | 艦名 | 起工 | 就役 |
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汎用 | F 590 | カルロ・ベルガミーニ (Carlo Bergamini) |
2008年 2月 |
2012年 9月14日 |
対潜 | F 591 | ヴィルジニオ・ファサン (Virginio Fasan) |
2009年 | 2013年 12月19日 |
F 592 | カルロ・マルゴッティーニ (Carlo Margottini) |
2010年 9月 |
2014年 2月27日 | |
F 593 | カラビニエーレ (Carabiniere) |
2011年 4月 |
2015年 4月28日 | |
F 594 | アルピーノ (Alpino) |
2012年 | 2016年 (予定) | |
汎用 | F 595 | ルイージ・リッツォ (Luigi Rizzo) |
2013年 3月5日 |
2017年 (予定) |
F 596 | フェデリコ・マルティネンゴ (Federico Martinengo) |
2014年 6月5日 |
2018年 (予定) | |
F 597 | 艦名未定 | 2015年 7月12日 |
2019年 (予定) | |
F 598 | n/a | 2020年 (予定) | ||
F 599 | 2021年 (予定) |
参考文献
- ^ a b c d e f g h 多田智彦「カルロ・ベルガミーニ級FF (特集 世界の新型水上戦闘艦)」『世界の艦船』第782号、海人社、2013年8月、90-91頁、NAID 40019721131。
- ^ “Fregate Multiruolo”. イタリア海軍. 2014年6月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g Eric Wertheim (2013). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 16th Edition. Naval Institute Press. pp. 330-331. ISBN 978-1591149545