シルヴァー (ミサイル発射機)

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シルヴァー A43型

Sylver: SYstème de Lancement VERtical)は、フランスナバル・グループ社が開発したミサイル垂直発射システム

概要[編集]

シルヴァー VLSは、PAAMS武器システムのミサイル装備の中心となるものとして開発された。当初はアスター艦対空ミサイルの運用のみを行っていたが、のちに、本機に対応して、より小型の個艦防空ミサイルや、長射程の巡航ミサイルも開発された。

シルヴァー VLSは、アメリカ合衆国Mk.41と同様のホット・ローンチを採用しており、8セルが1モジュールを構成する。Mk.41と同様、ミサイルコンテナの高さに応じてA35, A43, A50, A70の4つのタイプが開発されている。これらは、それぞれの名称がコンテナの高さを表しており、例えばA43型の全高は4.3メートルである。これらはそれぞれ、下記のようなミサイルを運用できる。

シルヴァーVLSの規格と、搭載可能なミサイルの図式(ロシア語)
シルヴァー VLS[1]
A35 MICA VL VT1
A43 アスター15
A50 アスター30
A70 SCALP Naval

このうち、小型・短射程のVT1は、アメリカのESSMのように、4連装のキャニスターを介して搭載できるので、搭載弾数を増やすことができる。また、A70型では、アメリカ製のスタンダード SM-2ER艦隊防空ミサイルトマホーク巡航ミサイルなどの運用も可能である。

搭載艦[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

関連項目[編集]

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  • PAAMS - 本機を採用した対空武器システム。
  • VLS
    • Mk.41 - アメリカ製のVLS。多用途型VLSの嚆矢となった機種である。
    • Mk.48 - アメリカ製のVLS。小型の艦対空ミサイルの運用に特化することで、多用途のMk.41よりも小型・軽量となっている。