ジュゼッペ・ガリバルディ (空母)

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DN-SC-95-00994.jpg
1994年時の「ジュゼッペ・ガリバルディ(C 551)」
艦歴
発注 フィンカンティエリモンファルコーネ造船所
起工 1981年3月
進水 1983年6月
就役 1985年9月
前型 ヴィットリオ・ヴェネト (C 550)
後型 カヴール (C 550)
要目
艦種 軽空母
排水量 基準:10,000 t
満載:13,850 t
全長 180.2m(飛行甲板全長:174m)
全幅 33.4m(飛行甲板全幅:30m)
吃水 6.5m
機関 COGAG方式(82,000hp), 2軸推進
LM2500ガスタービンエンジン 4基
速力 30kt
航続距離 20kt / 7,000nmi
乗員 550人
(航空要員230人、司令部要員45人)
兵装 Mk.29 8連装ミサイル発射機
アルバトロス短SAM; 48発)
2基
40 mm 連装機関砲
ダルド・システムを構成)
3基
ILAS-3 3連装短魚雷発射管 2基
艦載機 AV-8B+ ハリアー II + 16機
またはSH-3D 18機
搭載数:格納庫12機、露天係止12機
C4I 海軍戦術情報システム
リンク 11/14; リンク 16対応予定)
IPN-20戦術情報処理装置
レーダー AN/SPS-52C 3次元レーダー
MM/SPS-768 (RAN 3L) 2次元対空捜索
SPS-774 (RAN-10S) 低空警戒
SPS-702 CORA 対水上
SPN-749 航法
SPN-728 着艦誘導
RTN-30 射撃指揮
RTN-10X 射撃指揮
ソナー DE-1160LF 船首装備
電子戦
対抗手段
SLQ-732 ECM装置
SCLAR チャフフレア発射機
SLAT 対魚雷システム
SLQ-25 ニクシー 曳航式デコイ
モットー Obbedisco

ジュゼッペ・ガリバルディイタリア語: Giuseppe Garibaldi, C 551) は、1985年9月に就役したイタリア海軍軽空母。その名は、イタリア王国統一に貢献した19世紀の軍事家ジュゼッペ・ガリバルディに由来する。

目次

概要 [編集]

本艦で運用されるSH-3 シーキング

ジュゼッペ・ガリバルディは、1975年の海軍法に基づいて1977年にフィンカンティエリモンファルコーネ造船所に発注され、1981年に起工、1983年に進水し、1985年に竣工した。イタリアは1937年に制定された空軍法によって「海軍は固定翼機を保有しない」と定めており(ヘリコプター回転翼機であって固定翼ではないため海軍でも保有が認められた)、当初、公式にはヘリ空母として計画された。

1977年の発注から起工した1981年までに何度かの設計変更が行われているが、設計当初から飛行甲板として、勾配6.5度のスキージャンプ台を装備、VTOL機の運用を意図していた。イタリア海軍は航空兵力の取得に熱心で、法で認められたヘリコプターの艦艇への搭載はアンドレア・ドーリア級護衛巡洋艦(計画当初、のちミサイル巡洋艦に類別、1964年就役)で初めて行われたが、これは空母船型以外の水上戦闘艦艇にヘリコプターを複数搭載した世界初の例でもある。1967年にはイタリア海軍向けハリアー50機の購入契約が結ばれたが、空軍法によってキャンセルされた経緯もあった。

1992年に撮られた本艦。後方の艦はアメリカ海軍の「アメリカ

空軍法を改正する前のイタリア海軍は、同艦のスキージャンプ勾配を「甲板への波浪の影響を避けるため」と説明していたが、1988年にはアメリカ海兵隊のハリアーとのクロスデッキ演習も行われている。1989年に空軍法が改正され、固定翼機の保有が認められると訓練用の複座型ハリアーを発注、アメリカへの要員の訓練を委託した。翌1990年には単座型16機プラスオプション8機を発注し、1994年から順次引き渡された(3機は完成品輸入、13機はイタリア国内での最終組み立て。オプション8機は行使せず)。

設計と装備 [編集]

艦形 [編集]

竣工時の本艦を上から見た図
1992年に撮られた本艦。後方の艦はフランス海軍の正規空母「フォッシュ」とスペイン海軍の軽空母「プリンシペ・デ・アストゥリアス

本艦の船体構造は、従来の航空母艦を小型化したものではなく、護衛艦を大型化したものに近いとされている。エンクローズ型艦首から続く飛行甲板は全長165m×幅12mで、その前端部にはスキージャンプ勾配が設置されている。このスキージャンプの角度は6.5度で、イギリス海軍インヴィンシブル級航空母艦の改装前の7度や、改装後のインヴィンシブル級および制海艦系列の各艦、ロシア海軍の「アドミラル・クズネツォフ」で採用された12度よりも浅い。

その下の[1]格納庫は前後2か所に分けられており、その全体の長さは前後合計で110mあり、幅15.6m×高さ6.3mとなっている。

エレベーターは舷側式ではなく船内設置方式を採用しており、やや右舷側に寄らせてアイランドの前後部に各1基の合計2基が設置されている。形状はいずれも8角形で長さ18m×幅10m、約15トンの耐荷重を有する。船体の水面下には小型の艦でも航空機の運用能力を確保するため、引き込み式のフィンスタビライザーを片舷2枚ずつ計4枚装備して安定化に努めている。

武器システム [編集]

竣工時の「ジュゼッペ・ガリバルディ」(1990年)。艦尾の艦対艦ミサイルが見える。
近代化改装後の「ジュゼッペ・ガリバルディ」(2004年)。艦尾の艦対艦ミサイルは撤去済である。

本艦は重装備で知られており、就役時にはテセオ艦対艦ミサイル単装発射筒を飛行甲板後部に片舷2基ずつの計4基による対水上打撃力、DE-1160LF 船首装備ソナーおよびILAS-3 3連装短魚雷発射管を右舷側の船体内に前後に1基ずつ計2基搭載による対潜戦闘力を備えており、近接対空火器としてOTO 40 mm 連装機関砲を飛行甲板の前側に並列配置で片舷1基ずつ2基・甲板後部に1基の計3基を竣工時に搭載していた。

このうち、とくに艦対艦ミサイルは、西側諸国の空母としては唯一の装備であったが、2002年から2003年にかけて近代化改装を行った際、指揮管制装置と通信装置の増設による重量増加、それに伴う重心の上昇を解消するために撤去された。

機関 [編集]

竣工時の「ジュゼッペ・ガリバルディ」(1994年)。煙路をアイランド内で纏めたために煙突をマストの後方に配置する事が出来た。

本艦の機関区は前後2箇所にに分けられており、機関室において防振支持台に載ったガスタービンエンジン 4基は、1室あたり2基ずつ分散配置されている。このガスタービンエンジン 4基によるCOGAG方式という点ではイギリス海軍のインヴィンシブル級と同様であるが、煙突は1本にまとめられている。これは前部機関室からの排気筒がアイランドを前から後ろまで斜めにほとんど貫く形で後部機関室から垂直に伸びる後部排気筒とつながって排煙されている工夫のおかげである。これにより熱に弱い指揮装置やレーダーアンテナなどの精密機器を高温の煤煙の被害を受けにくくできる利点があった。

艦歴 [編集]

本艦で運用されるハリアー II
1996年に撮られた本艦。後方の艦はアメリカ海軍の「ハリー・S・トルーマン

現在ではグロッタグリエ海軍航空基地に展開するGRUPAER(固定翼航空部隊)がハリアーIIプラスを16機、複座型TAV-8Bを2機、計18機を運用しており、任務によって艦載ヘリコプターASH-3との混載を行っている。

2007年に新空母「カヴール」が就役するのと入れ替わりに大規模修理に入る予定。

脚注 [編集]

  1. ^ 編集部「現代軽空母のメカニズム」、『世界の艦船』第451集、海人社、1992年6月、 94-99頁。


参考図書 [編集]

外部リンク [編集]