Microsoft Office Specialist

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Microsoft Office Specialist
英名 Microsoft Office Specialist
略称 MOS
実施国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
資格種類 民間資格
分野 コンピュータ・情報処理
試験形式 CBT
認定団体 Microsoft Corporation
認定開始年月日 1997年6月
等級・称号 Microsoft Office Specialist
公式サイト http://mos.odyssey-com.co.jp/
ウィキプロジェクト ウィキプロジェクト 資格
ウィキポータル ウィキポータル 資格
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Microsoft Office Specialist(マイクロソフト オフィススペシャリスト、略称 MOS)は、マイクロソフトが認定するMicrosoft Officeに関する国際資格である。日本では、オデッセイコミュニケーションズが運営・実施している。かつてはMicrosoft Office User Specialist(略称MOUS)という名称であったが名称が長すぎるなどの理由で2003年11月に改名された。

概要

Microsoft Office(以下、Office)の基本操作ならびに応用的な操作を実践的に行う資格で、Officeの各バージョン及び各アプリケーションごとに試験科目が分かれている。通常使う上で最低限必要な操作方法を出題するスペシャリストレベル(旧:一般コース)と、スペシャリストレベルの基礎的な内容を十分に踏まえた上でより応用的な操作ができるかどうかを問うエキスパートレベル(旧:上級コース)の2段階に分かれている(WordExcel以外はスペシャリストレベルのみ)。

Microsoft Office Specialist資格は国籍や年齢を問わずに誰でも挑戦できる上、多くの企業でMicrosoft Officeを使用していること等から、主に事務関係・営業関係の就職に有利とされている。

ただし、この資格はアプリケーションのバージョンに依存するため取得しても永年的に活用できるような資格ではないが、パソコン検定に比べても、企業(特に大手)やハローワークで評価される事が多く、MOS以外のパソコン関連資格が軽視されている実情もある。

なお、公式発表によれば、日本国内における累計受験者数は2020年2月29日現在で4,400,243名であるが、この人数は「合格者」ではなく「受験者」であること(つまり不合格者を含む)及び「累計」であるため以前のバージョンの受験者も含んでいることに注意が必要である。また、この発表によればMicrosoft Office Masterの日本国内における累計認定者数は2019年12月31日現在で87,765名である[1]

Office 2007とWindows Vistaの発売を期に、Microsoft Office Specialistの代わりにMicrosoft Certified Application Specialist(マイクロソフト認定アプリケーションスペシャリスト、略称:MCAS)とMicrosoft Certified Application Professional(略称:MCAP)が新設されることになった(MCAPにおいては2008年12月現在、国内試験の実施予定なし)。MCASは、それまでのMicrosoft Office Specialistと同内容の5科目にOSの操作に関する試験が追加された。また、WordとExcelにあったスペシャリストレベルとエキスパートレベルが統合された。2010年、MCASと比較してMOSの方が知名度が高いという理由で、MCASはMOSへと統合された。

Microsoft Office Master資格

また、Office 2000バージョンの試験においては、試験が行われている全てのアプリケーションにおいて合格(WordとExcelは一般と上級の2コースあるが上級だけの合格でよい)すると、Microsoft Office Master(マイクロソフト オフィス マスター、MOS マスター)に認定される。

Office XPバージョン以降(Office 2013バージョン以外、MOS 2013マスターは後述)の試験では、WordとExcel(2段階に分かれている場合はエキスパートレベルの方だけで良い)、及びPowerPointの3科目の合格は必須だが、あとはAccessとOutlookのどちらか1科目の合格でMicrosoft Office Masterに認定されるようになった。

2005年11月以降Microsoft Office Master資格は、Microsoft Office Specialist試験を同一受験IDで受験した場合、受験者の4科目目の合格と同時に自動的に認定される。その場合、改めて認定を申請する必要はない。

試験名称の変更

2003年11月1日より、従来のMicrosoft Office User Specialistから「User」を除いた、現行のMicrosoft Office Specialistへと変更となった。両者に試験内容自体の変更はない。

なお名称変更直後は、Microsoft Office Specialistという世界統一表記とされたため、頭文字をとった「MOS」という短縮表記は公式で認められていなかった。

試験科目

この試験は各バージョン・アプリケーションごとに実施されるため、随時、試験科目が更新・変更される。

現在

2021年1月現在、受験・取得可能な試験は以下の通り。

試験時間は、全て50分間。

Office 365 & 2019

Word 365&2019
Word 365&2019 エキスパート
Excel 365&2019
Excel 365&2019 エキスパート
PowerPoint 365&2019
Access 365&2019
Outlook 365&2019

○印4科目のうち3科目合格すると「MOS Associate」認定

MOS Associate認定の状態で●印3科目のうち2科目合格すると「MOS Expert」認定

Office 2016

Word 2016
Word 2016 エキスパート
Excel 2016
Excel 2016 エキスパート
PowerPoint 2016
Access 2016
Outlook 2016

●印3科目及び○印選択1科目(合計4科目)に合格するとMOS 2016 マスター認定

Office 2013

Word 2013
Word 2013 エキスパート Part1
Word 2013 エキスパート Part2
Excel 2013
Excel 2013 エキスパート Part1
Excel 2013 エキスパート Part2
PowerPoint 2013
Access 2013
Outlook 2013

※Office 2013のみWord 2013 エキスパート及びExcel 2013 エキスパートはPart1、Part2の両科目に合格するとエキスパートレベル認定
▲印3科目及び△印選択1科目(合計4科目)に合格するとMOS 2013 マスター(Wordコース)認定
■印3科目及び□印選択1科目(合計4科目)に合格するとMOS 2013 マスター(Excelコース)認定
●印4科目に合格するとMOS 2013 マスター(エキスパートコース)認定

過去に提供された試験

2021年1月現在、提供が終了している試験は以下の通り。ただし、この資格に失効はないため、現在も有効。

なおここでは、2003年11月1日にMicrosoft Office Specialist (MOS)試験として名称変更される前の、Microsoft Office User Specialist (MOUS)試験でのみ提供された試験も含む。

Office 2010

(2020年3月31日をもって終了)

Word 2010
Word 2010 エキスパート
Excel 2010
Excel 2010 エキスパート
PowerPoint 2010
Access 2010
Outlook 2010

●印3科目及び○印選択1科目(合計4科目)に合格するとMOS 2010 マスター認定

Office 2007

(2016年3月31日をもって終了)

  • Word 2007
  • Word 2007 エキスパート
  • Excel 2007
  • Excel 2007 エキスパート
  • PowerPoint 2007
  • Access 2007
  • Outlook 2007

(2013年12月29日をもって終了)

Office 2003

2013年12月29日をもって終了)

  • Word 2003
  • Word 2003 Expert
  • Excel 2003
  • Excel 2003 Expert
  • PowerPoint 2003
  • Access 2003
  • Outlook 2003

Office XP

2011年7月31日をもって終了)

  • Word 2002
  • Word 2002 Expert
  • Excel 2002
  • Excel 2002 Expert
  • PowerPoint 2002
  • Access 2002
  • Outlook 2002

Microsoft Office User Specialist (MOUS) 試験では、「一般」/「上級」/「総合」にレベルが分別されていた。現在でいうExpertレベルが「上級」、PowerPointのみ「総合」、その他は「一般」となっていた。

Office 2000

2006年6月30日をもって終了)

  • Word 2000 一般
  • Word 2000 上級
  • Excel 2000 一般 
  • Excel 2000 上級
  • PowerPoint 2000 一般
  • Access 2000 一般
  • Outlook 2000 一般

XPトラックと違いPowerPointのレベルは「一般」だった。

Office 97

  • Word 97 一般
  • Word 97 上級
  • Excel 97 一般 
  • Excel 97 上級
  • PowerPoint 97 上級

受験会場

基本的には決められた日時に全国一斉で試験が行われるが、一部のパソコンスクールや専修学校では随時試験が開催される。他の試験と異なり任意の時間に利用できる為、いつでも受験できるメリットがある。

合格者の特典

他の資格試験との関係

MOSの各科目の合格者は、他のオデッセイ コミュニケーションズの認定試験の受験料の割引制度や、科目免除制度を利用できる場合がある。
ただしVBAエキスパートの受験料割引の場合は、MOS2013エキスパートの単科目合格(Part1またはPart2のどちらかのみ合格)は対象外である。

  • VBAエキスパートの受験料の割引
  • ビジネス統計スペシャリストの受験料の割引
  • Word、Excel、PowerPointの3科目に合格している者は、IC3試験のキーアプリケーションズ科目が免除される。

Microsoft Official Trainer(MOT)

Microsoft Office Specialist資格の他に、Microsoft Officeを使用する人のトレーナーとしての資格を証明するためのMicrosoft公認資格として、Microsoft Official Trainer (MOT) がある。MOTに関してはMicrosoft Windowsの項を参照。また、Microsoft Office Specialist各試験内の全セクションにおいて、50%以上の正解率を挙げて合格する事を特別に「MOTレベルで合格」と言う。これはMOT2002、MOT2003に認定されるための条件として、当該Microsoft Office Specialist試験の全セクションにおいて50%以上の正解率を求めている事による。

2010年5月現在、MOTはMicrosoft Certified Trainer (MCT) へ統合されることになり、また新たにMOT2007となるための申請期限が過ぎたため、早急にMCTへの移行が望まれる。

脚注

  1. ^ 試験に関するデータ
  2. ^ 日商PC検定2級、P検の準2級および3級、情報活用試験(J検)2級と同等の評価である。

関連項目

外部リンク