A1E1 インディペンデント重戦車

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A1E1 インディペンデント重戦車
IWM-KID-109-Vickers-Independent.jpg
性能諸元
全長 7.6 m
全幅 2.7 m
全高 2.7 m
重量 33 t
懸架方式 コイルスプリング ボギー式
速度 32 km/h
主砲 Ordnance QF 3ポンド 砲(口径47 mm)
副武装 7.7 mm ヴィッカース機関銃 4挺
装甲 13-28 mm
エンジン アームストロング シドレー 空冷V型12気筒
370 hp
乗員 8名
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ヴィッカース A1E1 インディペンデント重戦車は、イギリス多砲塔戦車

概要[編集]

ヴィッカース社によって、戦間期の1925年に製造された。試作段階にしか達しなかったものの、多数の戦車の設計に影響を及ぼした。

戦車に”A”、装軌式装甲車に”B”、装輪式装甲車に”D”で始まる参謀本部制式番号(General Staff number)を付与する方針により、イギリス陸軍初の制式重戦車として"A1"の参謀本部制式番号が与えられた。これに1番目の試作車を意味する"E1"を加え、"A1E1"とされた。

インディペンデントは実戦には一度も参加しなかったが、各国陸軍は本車を模倣した。A1E1のデザインが影響したとみなせるものとしては、ソビエト連邦T-28中戦車T-100多砲塔戦車、ドイツノイバウファールツォイク、さらにイギリス軍Mk.III中戦車巡航戦車 Mk.I(3砲塔型)、日本の試製1号戦車などの戦車が挙げられる。ソ連赤軍T-35多砲塔戦車は、本車の計画とレイアウトに多大な影響を受けたものであった。

また、A1E1が大型・高価な戦車となる事から、それを補うための小型・安価な戦車としてイギリスはカーデン・ロイド豆戦車を開発し、多くの国が購入、あるいは模倣した豆戦車を開発し、間接的な影響を与えた。

歴史[編集]

1924年にイギリス陸軍参謀本部は、歩兵の支援無しに単独で塹壕を突破可能な、重戦車の試作型を発注した。1925年に製造され、1926年に試作車が陸軍省に納入されたものの、資金不足のために開発は放棄されることとなった。

現在、インディペンデント多砲塔戦車はイギリスのボービントン戦車博物館で保存されている。

設計[編集]

後方から見たボービントン戦車博物館のインディペンデント重戦車

設計主務者はウォルター・ゴードン・スミス。

インディペンデント戦車は多砲塔形式であり、中央の砲塔はOrdnance QF 3ポンド 砲を装備した。4つの副砲塔はそれぞれ水冷式の7.7mmヴィッカース機関銃を装備した。副砲塔のうち2つは前方に、もう2つは後方に配置された。コーナーに位置する砲塔は航空機に対処するために上下させることができた。

車体前部に設けられた操縦席の後方に全周旋回可能な主砲塔が備わり、ここには車長用の全周旋回可能なキューポラが設けられた。各砲塔には目標指示器が装備され、車長はこの装置と車内通信機により射撃指揮を行うことが出来た。乗員は8名であった。

本車には、アームストロング・シドレー35.8リットルのV12空冷式エンジンが搭載された。また、重さと速度を配慮して、特別に開発された、新しい油圧ブレーキシステムが組み込まれた。

脚注[編集]

出典[編集]

  • Tucker, Spencer (2004). Tanks: An Illustrated History of Their Impact. ABC-CLIO. pp. 49?51. ISBN 1576079953. 

外部リンク[編集]