自由と繁栄の弧
| 自由と繁栄の弧 | |
|---|---|
| 著者 | 麻生太郎 |
| 発行日 | 2007年(平成19年)6月 |
| 発行元 | 幻冬舎 |
| 国 | |
| 言語 | 日本語 |
| 形態 | 並製本・文庫本 |
| ページ数 | 389 |
| コード | ISBN 978-4344013339 ISBN 4-34401-333-6 |
『自由と繁栄の弧』(じゆうとはんえいのこ)とは、日本の政治家・麻生太郎の演説集。2007年に出版された。
[編集] 概要
本書は7つの章で構成されている。題名となっている価値観外交としての「自由と繁栄の弧」の構想や、対米、対中関係などの外交政策を含めた包括的な政見が示されている。
- 第1章:自由と繁栄の弧
- 第2章:日米の深い絆
- 第3章:台頭する中国と日本の戦略
- 第4章:ネットワーク型アジアの未来
- 第5章:「何のための」の経済外交か
- 第6章:新しい日本の自画像
- 第7章:特別編・靖国神社
麻生の外交方針は価値の外交と、それに基づいた自由と繁栄の弧の構想によって表現される。従来の日本外交の指針は日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約の体制に基づいた日米関係の増強、そして中国、韓国、ロシアとの関係を強化することに特徴付けられる。麻生が論じる価値の外交とはこの外交政策に新しい方向性をもたらすものである。そして民主主義、自由、人権、法の支配、そして市場経済という普遍的価値を外交政策の理念として掲げることを価値の外交と位置づける。さらにこの価値の外交を実践するために特定の政策対象の領域を想定している。それは普遍的価値を共有する諸国の連合の構想が自由と反映の弧である。大まかな範囲には冷戦後の世界において日本列島から朝鮮半島、中国大陸、東南アジア、インド半島、中東、ヨーロッパ大陸を包括するユーラシア大陸の外周である。この弧に含まれる具体的な諸国としては、日本、韓国、中国、ラオスなどのASEAN諸国、インド、アフガニスタンやトルコなどのイスラム諸国、ウクライナなどのGUAM諸国、そしてノルウェーやエストニアなどの東欧、北欧諸国がある。麻生はこの政策方針の中で特に石油資源の獲得や設備投資や市場開拓、そして中東地域が現時点において戦略的分岐点にあるという観点から中東の安定化を重視している。イスラエル・パレスチナの対立を解決するために2006年に発表された平和と繁栄の回廊の構想はその下位政策である。
従来の外交指針であった日米同盟は普遍的価値の共有、日米安全保障条約やミサイル防衛の安全保障上の連携によって確立されていると麻生は評価している。しかし中国が台頭しつつあるアジア方面に対しては、三つの新しい方針を示している。それは日本をアジアのソートリーダー(Thought Leader)、スタビライザー、そしてピア・ツー・ピア(Peer to peer)の関係締結国として日本が国際的なリーダーシップを発揮することと述べている。これは日本は革新的な思考を担うナショナリズムや環境、人口などの問題に対処する方法を示し、アジア地域の経済や安全保障の面において安定性をもたらし、そして国家間に上下関係を持ち込まないという基本姿勢を示すものである。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 麻生太郎『自由と繁栄の弧』幻冬舎、2007年6月