グローバリズム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
グローバリズム(globalism)とは、球(globe)、即ち地球主義とも呼ばれる主義で、地球を1つの共同体と考える主張である。
1992年以後は、多国籍企業が国境を越えて地球規模で経済活動を展開する行為や、アメリカ型の市場原理主義を全地球的に拡大する行為を指す事が多い。
[編集] 概要
「グローバリズム」という語は1992年以後に使われるようになったが、歴史的には何度も見られた傾向である。19世紀から1945年までの欧米列強による帝国主義・植民地主義もグローバリズムの一種であるが、3国以上の列強の勢力圏で閉じた経済活動を行うブロック経済であった。
1991年12月にソ連が死滅した後は、アメリカ合衆国の一方的な軍事力を背景とした世界の画一化や新自由主義を指す事が多い。これは、しばしば各国独自の伝統・慣習と衝突するため、「アメリカ帝国主義」「アメリカナイゼーション」であるとして批判される事があり、近年では国際会議の折などに反グローバリズムのデモが行われることがある。しかし、ロシア、中国やインドの急速な台頭や、大陸同士の経済連合の動き(南米の南の銀行、ヨーロッパのユーロ通貨など)により、今後アメリカの影響力は徐々に相対的に低まると予想される。
「宇宙船地球号」「かけがえのない地球」というような表現は、世界が一つという認識や行動。
[編集] 功罪
グローバリズムの推進によって、多くの国家が世界を一つの市場として利害を共有すれば、世界規模の戦争勃発の危険性を大きく低下させる可能性がある。特にインターネットなどの情報通信技術の急速な発展は大きな役割を果たしている。しかし、グローバリズムの推進が失敗に終わり、一部の国が世界を一つの市場として共有することを拒否すれば、再びブロック経済が第二次世界大戦を勃発させた時に近い状況になってしまい、第二次世界大戦前の状況に回帰する危険性を妊んでいる。
一方、グローバリズムは、多国籍企業の市場の寡占もしくは独占固定化に至る可能性が高い。例として、参入に巨額の資金が必要な半導体製造等の業種は、リスクが高く新規参入が困難で、多国籍企業の市場寡占・独占固定化の可能性が高い。参入が困難な業種ほど寡占・独占固定化が進むと予測される。
近年の原油を初めとする資源価格高騰のように、持てる者である資源国がますます富み、無資源国が高値で資源購入を余儀なくされる状況や、市場の寡占・独占固定化が強すぎ、参入がほぼ不可能となった場合、無資源国で市場参入もできない国は世界を一つの市場として共有するメリットは少なく、グローバリズムの市場共有を放棄する国も出始める可能性も生ずる。
逆に、ソフトウェア産業等のようにわずかの資金で参入でき、国境の障壁も少なく、1人の人間のアイデアが大きく生かされる業種は、今後さらなる市場拡大と発展が予想される。

