忍野八海

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忍野八海(おしのはっかい)は山梨県忍野村にある湧泉群。富士山の雪解け水が80年の歳月をかけ濾過し、湧水となって8ヶ所のを作る。国指定の天然記念物名水百選に指定されている。また新富岳百景選定地にもなっている。

忍野八海からみた冬の富士山
  • 英名:Springs of Mt.Fuji
  • 相模川水系
  • 忍野八海守護神「八大竜王

目次

[編集] 歴史

[編集] 概要

延暦19年-21年(800年-802年)の富士山延暦噴火により、宇津湖が山中湖と忍野湖に分かれた。後に忍野湖が乾き盆地になり、湧水口が(泉)として残った姿が忍野八海である。

「八海」の名前は、富士講の人々が富士登山の際に行った八海めぐりからきており、富士講では忍野八海のことを「元(小)八海」と呼んでいる。

その神秘的な自然景観や現象から、観光客も多く、富士山周辺でも人気のスポットとして知られている。しかし、周囲は観光客用の店や施設などが立ち並んで完全に観光地化されており、自然環境を満喫できる環境とはあまり言えない状態となっている。

[編集] 観光

忍野富士と呼ばれるほど富士山が美しく、冬場は泉より朝霧が立ち込め幻想的。一番深い「湧池」を中心にして7つの池を歩いて回る観光客が多く、一つだけ離れた「出口池」には少ない。また、あまり目立たない「鏡池」「菖蒲池」などを省く観光客もおり、そちらも比較的少ない傾向にある。

[編集] 観光化による自然破壊

  • 美しく神秘的な自然の景観で有名であるが、近年は周辺地域の開発や土産物屋などの増加によって自然破壊が進んでおり、このままでは水質の悪化や湧水の枯渇が起きる可能性があると言われており、現在の忍野八海の状態について一部からは問題視されている。
  • 「中池」は池本荘により人工的に掘削された穴である。「水車小屋」の水は「湧池」内部より汲み上げられている。その為、「湧池」の湧水量は激減し、2003年に池の縁が一部崩落した。また、水が「濁池」の中より「中池」へ流出したため、「濁池」の状態が著しく変化している。

[編集] 観光時における注意点

忍野八海には、その名の通り「8ヶ所」に池があるのだが、周辺にはそれ以上の数の池が存在する。ただし「出口池」「御釜池」「底抜池」「銚子池」「湧池」「濁池」「鏡池」「菖蒲池」の8つ以外の池は「忍野八海」とは何ら関係の無い人工池である。特に池本荘の正面にある「中池」は、比較的規模が大きく目立つ上に忍野八海の中心に位置する事などから、多くの観光客はこれが忍野八海の1つと勘違いしてしまうが、「中池」は前述の通り人工物であり、忍野八海ではない。同様に、「はんのき資料館」内部の大きな池も人工池であり、忍野八海には含まれない。

[編集] 水質問題

忍野村が1995年以降から毎年秋に「湧池」の水を使って水質調査を実施しているが、毎年のように大腸菌群が検出される他、化学物質テトラクロロエチレンも検出され、名水存続の危機が叫ばれている。ただし、これらの検出はいずれも汚染が疑われるほどのものではなく、検出される理由は不明。周辺地域の自然破壊と繋がりがあるのかどうかも不明である。[1]

[編集] 各池の概説

[編集] 出口池(でぐちいけ)

出口池

忍野八海中最大の池。出口池の高台に出口稲荷社が建つ。

  • 第1の霊場:難陀竜王(なんだりゅうおう)
  • 石碑に「あめつちの ひらける時にうこきなき おやまのみつの 出口たうとき」との和歌が刻まれている。
  • 水温:12.5 ℃
  • 湧水量:0.265 m³/秒
  • 面積:1,467 m²
  • 水素イオン濃度:7.2
  • 水深:約0.5 m

[編集] 御釜池(おかまいけ)

御釜池

池の中央に直径2m水深4mの穴があいている。水量が豊富。

  • 第2の霊場:跋難陀竜王(ばつなんだりゅうおう)
  • 今はない石碑に「ふじの根のふもとの原にわきいづる水は此の世のおかまなりけり」との和歌が刻まれていた。
  • 水温:13.5 ℃
  • 湧水量:0.18 m³/秒
  • 面積:24 m²
  • 水素イオン濃度:7.2
  • 水深:4 m

[編集] 底抜池(そこぬけいけ)

底抜池

はんのき資料館の一番奥にある池。資料館(有料)に入場しなければ見る事ができない。

  • 第3の霊場:釈迦羅竜王(しゃからりゅうおう)
  • 石碑に「くむからにつみはきへなん御仏のちかひぞふかしそこぬけの池」との和歌が刻まれている。
  • 水温:14 ℃
  • 湧水量:0.155 m³/分
  • 面積:208 m²
  • 水素イオン濃度:7.1
  • 水深:1.5 m
  • はんのき資料館内

[編集] 銚子池(ちょうしいけ)

銚子池

湧水が間欠的。名前の由来は長柄の銚子に似ていることから。

  • 第4の霊場:和脩吉竜王(わしゅきちりゅうおう)
  • 石碑に「くめばこそ銚子の池もさはぐらんもとより水に波のある川」との和歌が刻まれている。
  • 水温:13.5 ℃
  • 湧水量:0.02 m³/秒
  • 面積:79 m²
  • 水素イオン濃度:7.2
  • 水深:3 m

[編集] 湧池(わくいけ)

湧池の地下水脈
朝霧の湧池

八海中最大の湧水量を誇る。珪藻土層でなる水中洞窟は奥に続く。景観も良く、周辺住民の飲み水にも利用されている。

  • 第5の霊場:徳叉迦竜王(とくしゃかりゅうおう)
  • 石碑に「いまもなほわく池水に守神のすへの世うけてかはれるぞしる」との和歌が刻まれている。
  • 水温:13 ℃(年平均)
  • 湧水量:2.2 m³/秒
  • 面積:152 m²
  • 水素イオン濃度:7.1
  • 水深:池底 4 m 洞窟 7 m

[編集] 濁池(にごりいけ)

濁池

池本荘にある池から大きな排水溝が空いており、湧水は池底から少しだけ湧き出ている。川に隣接。部分的に濁ってはいるが、水は綺麗な方。

  • 第6の霊場:阿那婆達多竜王(あなばたつだりゅうおう)
  • 今は池に埋もれてないが石碑に「ひれならす竜の都のありさまをくみてしれとやにごる池水」との和歌が刻まれていた。
  • 水温:12 ℃
  • 湧水量:0.041 m³/秒
  • 面積:36 m²
  • 水素イオン濃度:6.5

[編集] 鏡池(かがみいけ)

水は濁り、湧水の綺麗なイメージとは異なる。名前の由来は逆さ富士が映る事から。

  • 第7の霊場:麻那斯竜王(まなしりゅうおう)
  • 今はない石碑に「そこすみてのどけき池はこれぞこのしろたへの雪のしづくなるらん」との和歌が刻まれていた。
  • 水温:11.5 ℃
  • 湧水量:月によって消長あり
  • 面積:144 m²
  • 水素イオン濃度:5.8

[編集] 菖蒲池(しょうぶいけ)

現在は沼地と化している。その名の通り周囲に菖蒲が生えている。

  • 第8の霊場:優鉢羅竜王(うはつらりゅうおう)
  • 石碑に「あやめ草名におふ池はくもりなきさつきの鏡みるここちなり」との和歌が刻まれている。
  • 水温:12 ℃
  • 湧水量:月によって消長あり
  • 面積:281 m²
  • 水素イオン濃度:6.2

[編集] 関連項目


[編集] 脚注

  1. ^ 富士山麓の清流 忍野八海の名水が汚染の危機 - 平成13年4月14日 産経新聞

[編集] 外部リンク

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