学費

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学費(がくひ、tuition, academic fee, schooling fee, school expense)とは、学校や塾での学習など、教育を受けるためにかかる費用のことである。


費用項目(日本)[編集]

学校内[編集]

私立学校では特に区別はないが、公立学校においては条例等に徴収の定めがあり地方自治体の収入となる公費と、学校ごとの取り決めに照らして徴収され学内で経理処理される私費に区分されている。次のうち、授業料・入学金については公費となる。条例・規則に定めのある空調使用料も公費である。これら以外の私費については保護者への説明や明確な法的根拠無しに徴収されている場合もある。また、学内のみで処理されているため、しばしば横領等の経理事故が起きることがある。

  • 授業料
    授業を受けるために必要な費用。毎年掛かるもの。
  • 入学金(入学料)
    その学校に入学するために必要な費用で、支払いは初年度のみである。併設型中高一貫校では中学入学時だけでなく高校進学時にも入学金がいる場合があるが、中等教育学校の場合は不要である。入学初年度に納入する授業料や入学金などをまとめて「初年度納入金(初年度納付金)」と呼称する。
  • 教科書代
    教科書の購入にかかる費用。小学校、中学校、中等教育学校の前期課程並びに盲学校、聾学校及び養護学校の小学部及び中学部については、義務教育諸学校の教科用図書の無償に関する法律(無償法)により無料となっている。
  • 給食費
    給食に掛かる代金。近年、滞納が増えており、給食の質への影響がある例も出ている。
  • (副)教材費
    参考書、工作セットなどの教材の代金。
  • 寮費
    学生寮に入るための費用。
  • 寄付金
    私立学校で募集するもので、多くの場合は支払い義務はないものであるが、支払う場合が多いとされる。近年問題となった名門校での過大な寄付金要請には非難の声もある。
  • 学債
    学校が一時的に資金を借りる、債権の一種。寄付金とは違って満期後に返還されるが、受け取らずにそのまま寄付される場合もある。
  • 空調使用料
    冷房使用に必要な費用。一部の府県の公立学校において、教室への冷房実施とあわせて導入されている。
  • PTA会費
    PTAの活動に必要な費用。
  • 修学旅行
    修学旅行の参加費として積み立てるもの。
  • 学年費・学級費
    その他、公費支出が困難な経費にあてる費用。
  • その他
    とくに日本の私立大学では、実習にかかる費用として実験実習費、施設整備のための積立金として施設費、各種の研究会費や同窓会費などを、学生から毎年徴収する事が多く、学生や親にとっては経済的負担になっている。

学校外[編集]

  • 塾費
    学習塾に通学する場合に必要となる費用。

各課程における学費[編集]

以下は各課程における一般的な学費の一覧。

日本の一人当たり学費総額[編集]

2005年の国民生活白書(内閣府)によれば、一人の子供が大学を卒業するまでにかかる教育費は528万円と試算している。

一方、AIU保険の試算によれば、1,345~4,424万円(内訳は、学校教育費(授業料、制服代、PTA会費)、給食費、お稽古事、補助学習費(塾や家庭教師、図書費)。最も少ないのは、幼稚園から大学まで全て国・公立に通った場合。最も多いのは、私立幼稚園、公立小、私立中、私立高、私立大医学・歯学部に通った場合)かかるとしている。

日本の小・中学校[編集]

公立の小・中学校に関しては日本では義務教育制度の為、日本国憲法第26条第2項の「義務教育は、これを無償とする」という規定および学校教育法第6条の規定により、授業料は徴収されない。ただし給食費修学旅行の代金など、一部の行事および教材に関する費用はかかる(詳細は義務教育#義務教育に関わる費用も参照されたい)。

また一部に義務教育であることなどを理由にこれらを支払わないという保護者がおり、近年増加傾向にある。

しかし、義務教育の「義務」とは親が子供に教育を受けさせる義務を負うことを意味しており、本来の意味を理解していない、あるいは知っていながらわざと、と思われる。

高等学校[編集]

高等学校学費無料の国[編集]

参照:http://www.jcp.or.jp/youth/gakuhi/co_01.html



日本[編集]

公立高等学校の授業料は、学校設置者の自治体が条例で決定しているが、高校無償化法の施行により2010年度より原則徴収しないこととされ、高校卒業後の再入学者や修業年限超過者などの例外を除いて、授業料は無償となっている。ただし各学校ごとに、PTAや同窓会などの会費、修学旅行等の積立金などが別途徴収される場合もある。

たとえば東京都立高校の場合、2009年度は初年度納入金(全日制)は128,050円であり、内訳は入学料5,650円、授業料122,400円となっていたが、平成22年度からは無償化対象者については入学料のみ。また大阪府立高校の場合も、2009年度は初年度納入金(全日制)は154,900円であり、内訳は入学料5,500円、授業料144,400円、空調使用料5,400円となっていたが、2010年度は授業料のほか空調使用料も無償となり、すべての生徒が入学料のみとなっている。なお、いずれにおいてもこれらの他に年間10万円前後の私費負担や日本スポーツ振興センター共済掛金の負担は生じる。

私立高等学校の場合、授業料・入学金などの諸経費は各学校ごとに独自に決定する。2006年の文部科学省調査によると、私立高校の初年度納入金の2006年度全国平均は、授業料346,296円、入学金163,902円、施設設備費等181,829円の、計692,027円(全日制)となっている。 2010年度の高校無償化法施行により就学支援金の支給が開始され、条件を満たす者に対して、年収に応じて118,800円~237,600円が国費より授業料に充当されることとなった。

大学[編集]

世界各国の大学の学費[編集]

橘木俊詔・八木匡の研究(『経済セミナー No.636』p.86、日本評論社、2008年4月1日)によると、現在の世界各国の大学授業料(初年度納付金=入学料+授業料)は以下のようになっている。「日本の国立大学の学費は極めて高く、高等教育の機会が経済的側面において公平に確保されているとは言えない」(同書、p.85)。アメリカの州立大学よりも遥かに高くなっており、「国公立大学でも諸外国との比較で重い負担を強いられている」(同書、p.86)。

  • イギリス - 国立が23万円(但し、2010年現在45万円)、私立(1校のみ)が120万円
  • ドイツ - 州立が1.8万円
  • フランス - 国立が1.9万円
  • アメリカ合衆国 - 4年制大学の国内平均は州立が140万円、私立が270万円、公立のコミュニティカレッジは10万円~100万円、アイビーリーグなどの名門私立は2000万円以上と隔たりがある。
  • 日本 - 国公立が82万円、私立が131万円
公立 14.97 ユーロ/単位(2010)[1] 
私立 18,000 ユーロ/年
  • オーストラリア 5242 AUS(42万円、2003年)但しオーストラリア政府は大学及び大学院で掛かる費用を、オーストラリアの市民権を所有する者に全額ローンとして貸すHigher Education Contribution Scheme (HECS)という制度を採用している。最大で一人豪ドル$112,134まで連邦政府から借りる事ができ、卒業後10年から20年で返済に当てる。


高等教育(公立大学)学費無料の国[編集]

学期中の授業は無料。 追加のプログラム履修の際に学費を支払う。

全ての学士課程、多くの大学院課程
かつて無償高等教育を採用した国[編集]
日本[編集]
日本の公立大学平均学費[編集]
  • 公立大学平均学費:536,238円
  • 公立大学平均入学費:399,351円
  • 公立大学入学申請費用:17,095円

[6]

国立大学[編集]

国立大学は日本国憲法第26条に定める教育を受ける機会の均等を図る必要性から、2003年度までは授業料と入学金は一律として定めていた。 2004年度の国立大学法人化により、文部科学省は新たに国立大学等の授業料その他の費用に関する省令を公布・施行し、そこでは2003年度の授業料等の額を標準額として定め、各大学法人には標準額を超えて授業料を定めることも可能とする裁量権(標準額の10%までが上限)を認めた。それでも初年度以外の学費は50万円前後であり私立大学よりも低い。

  • 標準額を上回る授業料を徴収している大学・研究科
    • 東北大学大学院経済学研究科(会計専門職専攻)
    • 東京農工大学大学院技術経営研究科(技術リスクマネジメント専攻)

など6大学

目的別大学・大学校[編集]
6年間の学費は2200万円程度だが在学中は貸与され、卒業後9年間指定公立病院等に勤務した場合その返還は免除される。
6年間の学費は2200万円程度だが、学費から国立大学の入学金および授業料に相当する額を除いた額は貸与され、卒業後9~11年間指定された機関で勤務すればその返還が免除される。
2003年度(平成15年度)以前の入学者は学費の全額が貸与されていたが、補助金の削減などに伴い制度の改変がなされた。さらに、施設費など毎年徴収されるようになり、国立大学の3倍ほどの授業料が必要となっている。
学費(入学金と授業料)は無料。
学生は定員外の防衛省職員・自衛隊員(特別職国家公務員)となり、毎月の学生手当(給与)と年2回の期末手当(2006年時点で月額106,700円。期末手当が年額約380,000円)、および被服が支給される。 9年以内に自衛隊を退官する場合は、大学校卒業までの経費(最高5,021万円)を国庫に返還する必要がある。
防衛大学校は一般の大学と同じように、入校に際し試験に合格する必要があるが、一般の大学入試とは異なり、入校すると防衛省職員として勉学が「課業」となるため、いわゆる入学試験ではなく「採用試験」が正式な呼称である。
採用後は給与や被服も支給され、2006年4月現在で学生手当(給料)が月額約11万円、年2回の期末手当(賞与)が年額約38万円。支給される学生手当からは、共済組合掛金、福祉貯金、団体保険掛け金等が控除され、実際の受取額は約8万5千円程度。
学費(入学金,授業料,学生寮費)無料。教科書代,食費等は有料。
気象大学校の学生に採用されると、気象庁職員として国家公務員の一員となる。
給与(148,506円 平成22.4.1現在)、年2回の期末勤勉手当、及び諸手当が支給。
国家公務員共済組合員として医療制度,年金制度等の保障が受けられる。
学費無料。 学生は、入校と同時に国家公務員として海上保安庁の職員に採用され、給与が支給される(2006年現在で俸給月額13万8400円)。
学費無料。 給与148,506円 (平成22年4月1日時点)
諸手当
扶養手当 月額13,000円
ボーナス
1年間に俸給の約4.15月分


日本の私立大学[編集]

私立大学は一般に国公立より学費が高く、その学費は当然、大学間で差があり、さらに学部学科間でも差がある。高い順から並べると、一般に医学部歯学部薬学部工学部理学部、そして文系学部の順番になる。これには設備投資費用の差に加え、教員一人あたりに対する学生の数が影響している。実際、この数は全学部学科平均約23名であるが[要出典]、医学部や歯学部はその平均を大幅に下回っている。

国立大学と異なり、私立大は、学生数が多ければ学生1人が払う学費は低くなる傾向がある。私立大学の中には学生数が数万人を超えるような大規模大学もあり、そのようなところは比較的学費が安い。 アメリカでは私立大学が少人数教育を行っており、とくにアイビー・リーグとよばれる名門大学や、少人数教育を行うリベラル・アーツ・カレッジでは、1年間の学費が日本円で400万円を超えることも多い。それに加え寮費を数百万円強制的に徴収されるのが普通である。ただし各種の奨学金がある。また、学内にてノーベル賞をとった教員と日常的に接することが可能であり、数十人以下の科目で討論中心の教育を行うなど、教育の質が日本の大学とは異なる。ただし、このような高度な教育を受けることができる学生は、アメリカでも一部の富裕層のみであり、アメリカでは約8割の学生が、州立や市立などの公立大学に入学して、日本の私立大と同様の大教室で教育を受けるのが普通である。[要出典]

その他[編集]

学費の免除[編集]

例えば、1995年の阪神大震災や2004年の新潟県中越地震が起こった際、大学によって被災した学生の入学受験料や入学金を免除したケースがある。

国公立の高等学校や大学では、経済的に厳しい家庭の学生に対する学費の減額・免除制度が存在する。私立の高等学校や大学ではそのような制度を持つところは少ないため、多くの学費支弁困難者は奨学金を利用するケースがほとんどであり、他に成績優秀者などについて特待生特別奨学生のような名目で学費の全額や半額が免除となることもあるが対象となっているのは少数である。

神奈川大学では「給費生試験」を実施しており、12/23の試験で、学費相当分の奨学金を4年間支給し、なおかつ自宅外通学者には年額60万円の生活援助金も支給している。

学費の滞納[編集]

日本では、2007年度末時点での公立校の学費滞納額は、約5億8952万円になるという調査がある。滞納額は、過去に比べ増加傾向にある。要因としては「保護者の経済的な理由」「モラル低下」の順だが、一方で滞納が増えた要因としては「モラル低下」が大きいという[7]

なお、給食費の滞納については、給食#学校給食費の問題を参照。

学費延納制度・学費返還訴訟[編集]

一部の学校では、合格直後にあらかじめ入学金などを受け取っておくため、いわゆる滑り止めの学校に合格して入学費用を支払ったが、他の学校に受かったために入学しないというような場合は、受験者にとって負担となる。このため一部の学校では、実際に入学しない場合に、すでに払った学費の一部を返還したりする制度がある。また一部の大学では、学費の返還請求が裁判となった。

これは、大阪・毎日放送のニュース番組「VOICE」の「憤懣本舗」で、視聴者から寄せられた手紙が発端だと言われている。

なお、学費返還訴訟の詳細については、学費返還訴訟を参照されたい。

発展途上国における学費以外費用[編集]

今日の発展途上国において、初等教育から教育機関の授業料は無料にも関わらず、食べ物、教科書、制服、通学費など学校生活を送るための費用が捻出できないために子どもが通学できないという状況がある。

比喩的な用法[編集]

多大な期待を持って購入した商品やサービスが購入者の意図に合致せず、以前に購入もしくはさらに別途購入した商品やサービスのほうがまだまともであると感じた場合、期待していた商品やサービスが思っていたのと違っていたことを学んだという意味で、その商品やサービスの購入に要した費用を「学費」・「授業料」と表現することがある。

脚注・参照[編集]

関連項目[編集]