回帰熱
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回帰熱(かいきねつ、relapesing fever)は、シラミまたはダニによって媒介される、スピロヘータの一種ボレリア Borrelia を病原体とする感染症の一種。発熱期と無熱期を数回繰り返すことからこの名がつけられた。
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疫学 [編集]
本邦では、少なくとも統計が残っている1950年以降は患者は報告されていなかったが、2010年ウズベキスタン渡航後に回帰熱に罹患した症例が奈良市で初めて報告された。その後、2012年にも北アフリカのアルジェリア民主人民共和国に在住する邦人男性が罹患した[1]
病原体 [編集]
回帰熱関連ボレリアのうち、少なくとも十数種が病原性を示すことが知られている[2]。一部の例外を除き、多くの種が軟ダニと呼ばれるヒメダニ科ヒメダニ属 "Ornithodoros" により媒介される。
- Borrelia recurrentis :本種は現在知られる回帰熱関連ボレリアのうち、唯一シラミが媒介する。ダニ媒介性の回帰熱に比べ高い致命率(4〜40%)を持つ。
- B. hermsii
- B. turicatae
- B. parkeri
- B. mazzottii
- B. venezulenis
- B. duttonii
- B. crocidurae
- B. merionesi
- B. microti
- B. dipodilli
- B. persica
- B. caucasica
- B. latyschewii
- B. miyamotoi :1995年に北海道で発見された本種は、従来病原性不明であったが、2012年のロシアでの報告により新たに病原性が示唆された。また、この種は例外的に硬ダニと呼ばれるマダニ科マダニ属 Ixodes により媒介される。[3]
症状 [編集]
上述の通り、発熱期と無熱期を数回繰り返すことが最大の特徴である。
- 発熱期
- 悪寒を伴い発熱(~40℃)し、頭痛、筋肉痛、関節痛、全身倦怠感、咳嗽を訴える。髄膜炎、点状出血、紫斑、結膜炎、肝臓や脾臓の腫大、黄疸などを併発することもある。発熱期は3~7日程度続き、その後無熱期に移行する。
- 無熱期
- 解熱と共に血中の菌が検出されなくなる特徴がある。この期間中の症状としては発汗、倦怠感、時に低血圧症や斑点状丘疹をみることもある。5~7日程度で再び発熱期に入る。
- その他の症状
- 肝炎、心筋炎、脳出血、脾臓破裂、大葉性肺炎などを併発することがある。
- 致死率と死因
- 致死率は治療を行わない場合で数~30%程度とかなり高い。その際の死因としては不整脈を伴う心筋炎、脳出血、肝不全、解熱期の血圧低下、ショックなどが挙げられる。
治療 [編集]
抗生物質による治療が有効で、状況によって以下の薬剤を使い分ける。
ダニ媒介性の場合:テトラサイクリン
シラミ媒介性の場合:テトラサイクリンとエリスロマイシンの併用、若しくはドキシサイクリン
小児の場合はエリスロマイシンが推奨される。
治療にともないヤーリッシュ・ヘルクスハイマー (Jarisch‐Herxheimer) 反応がみられることもある。
脚注 [編集]
- ^ http://www.nih.go.jp/niid/ja/relapsing-fever-m/relapsing-fever-iasrd/3174-kj3961.html アルジェリアで回帰熱と診断された日本人男性の1例 (IASR Vol. 34 p. 43-44: 2013年2月号)
- ^ http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/379-relapsing-fever-intro.html
- ^ http://idsc.nih.go.jp/iasr/32/382/fr3822.html ロシアにおけるBorrelia miyamotoi 感染による回帰熱の流行(IASR Vol. 32 p. 370-371: 2011年12月号)
参考文献 [編集]
- Plorde, JJ (1994), “Spirochetes”, in Ryan, KJ et al, Sherris Medical Microbiology, Stamford: Appleton & Lange, pp. 385-400, ISBN 0838585418