内之浦宇宙空間観測所

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M-V with ASTRO-E2 on launch pad.jpeg
M型ロケット発射装置のプレート(2001年8月15日、内之浦宇宙空間観測所、当時は鹿児島宇宙空間観測所)

ウオッちず Google Map 内之浦宇宙空間観測所

内之浦宇宙空間観測所(うちのうらうちゅうくうかんかんそくしょ、Uchinoura Space Center 、略称USC)は、日本の宇宙空間観測施設・ロケット打ち上げ施設である。世界でも珍しい山地に立つロケット発射場である。

2007年にDOCOMOMO JAPAN選定 日本におけるモダン・ムーブメントの建築に選ばれた。

概要[編集]

内之浦宇宙空間観測所は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の施設の一つで、科学観測用衛星の打ち上げと追跡・管制を行っている。日本国内のロケット打ち上げ施設としては種子島宇宙センターと並ぶ存在である。立地条件が、市街地から離れ、物資輸送が便利で、東側が開け、国内で地表の自転速度が速い地域ということで、種子島とともに選ばれた。

前身は文部省宇宙科学研究所(ISAS)付属の鹿児島宇宙空間観測所で、JAXA統合後に現在の名称に改められた。秋田ロケット実験場に続く日本で2番目のロケット打ち上げ施設として1962年に起工され、1963年12月9日に開所された。旧名称の英略はKSCでケネディ宇宙センターと同じであった。しかし、命名はこちらの方が先であるという経緯もあり、かつては元祖KSCを名乗っていた。

日本最初の人工衛星である「おおすみ」(内之浦のある大隅半島にちなんで名づけられた)の打ち上げなど、ISASが独自に開発した固体燃料ロケットであるカッパラムダミューなどを用いての宇宙観測や技術試験、天文観測衛星惑星探査機の打ち上げ、また、それらの追跡・管制を行っている。

内之浦では大型ロケットの打ち上げとしては世界的に珍しい傾斜発射を行うことを特徴としていた。これは、ロケットを早く海上に放出することで、万一事故が発生した場合の被害を少なくするためである。この傾斜発射台はイプシロンロケットでは不要な為、通常の垂直発射台に改造された。

主なロケット打ち上げ実績[編集]

計約400機が打ち上げられている。

主な施設[編集]

  • Mセンター(ミューセンター)
    ミューロケットの発射台地(打ち上げ施設)で、ロケット組立、打ち上げ管制、発射装置(発射塔とランチャー)などの機能を持つ。固体燃料ロケットとしては世界最大級のM-Vロケットの打ち上げに使用されていた。M-Vロケット廃止に伴いイプシロンロケット打ち上げ用に改修が行われた。2001年までは2基目のラムダ発射台が設置されており、ロケットセンターがKSセンターに改修された後のラムダロケットの打ち上げに使用されていた。
  • KSセンター
    小型のS-520ロケットS-310ロケットMT-135型観測ロケットの発射台地で、ロケット組立、打ち上げ管制のコントロールセンター、ランチャーなどの機能を持つ。ラムダ発射台(国立科学博物館前に展示がある)等の設備を有していたロケットセンターの跡地に建設されたものである。ランチャーは高さ約17mの鉄筋コンクリート製ランチャードームの屋内に設置されている。打ち上げ時には天井が開く仕組みとなっており、ロケットはドーム内で打ち上げ態勢に入り、そのまま打ち上げられる。
  • 打ち上げ管制センター
    内之浦宇宙空間観測所で打ち上げられるロケットの打ち上げ管制を行う施設。最悪の場合の爆破指令もここで行う。ロケットの最終段燃焼終了後、衛星・探査機の管制は宇宙科学研究所(神奈川県相模原市)内の管制センターに引き継がれる。
  • レーダーセンター
    • 60cm反射式天体望遠鏡及びシュミットカメラ - 主として、打ち上げた衛星の追跡を行う望遠鏡。
  • テレメーターセンター
    • 10メートルアンテナ
      地球周回軌道の科学衛星との交信を行うアンテナ。UHF帯及びS帯に対応している。2010年現在あけぼのの運用のみに使用されている。
    • 20メートルアンテナ
      主に地球周回軌道の科学衛星との交信を行うアンテナ。S帯の送受信及びX帯の受信に対応している。宇宙探査機の電波捕捉用として用いられる場合もある。1989年度に完成した。
    • 34メートルアンテナ
      地球周回軌道の科学衛星及び宇宙探査機との交信を行うアンテナ。S帯及びX帯の送受信に対応し、Ka帯の受信にも対応している(受信装置は未整備)。1998年度に完成した。臼田宇宙空間観測所64mアンテナのバックアップとしても位置づけられている。
  • 宇宙科学資料館
    ロケットや科学衛星、科学機器のモデルなどが展示されている。開館時間 08:30〜16:30、原則として年中無休、入館料無料。

60cm反射式天体望遠鏡は日本光学工業(現ニコン)製。衛星追跡用として開発が行われたもので、国内では珍しいグレゴリアン式反射望遠鏡となっている。

JAXAサイト内にみられる「うっちーさん」とは、当観測所の34メートルアンテナのことである。台風銀座に建設された為、強風時の運用において優れている。(一方、「うすださん」とは臼田宇宙空間観測所の64mパラボラアンテナのことである。)

多くの建物が1970年代の物、もしくはそれに改修を加えた物であり、設備も古く1970年代の管制装置を2006年初頭まで運用していた。管制室内で雨漏りまでする状態であったが、その箇所から機材を遠ざけるなどして対処していた。1997年のM-Vロケット1号機の打ち上げ直前に、アメリカ航空宇宙局(NASA)の宇宙科学局長であるウェズリー・ハントレス英語版らが視察に訪れた際には、「マリリン・モンロー浮浪者の服を着ているみたいだ」と老朽化した施設、設備を嘆いたという[1][2]

文部省時代には敷地にフェンスは存在しなかったが、宇宙航空研究開発機構が発足して半官半民の組織となったため、施設管理がシビアになったことと、宇宙観測機の打ち上げ等で人的被害が出ることを危惧して対応が行われた。

所在地[編集]

ギャラリー[編集]

参考文献[編集]

関連項目[編集]

本施設の運用機関[編集]

ロケット[編集]

衛星打ち上げロケット[編集]

観測ロケット[編集]

大型衛星打ち上げ実施機関[編集]

外部リンク[編集]

座標: 北緯31度15分04秒 東経131度04分34秒 / 北緯31.25115度 東経131.076125度 / 31.25115; 131.076125