ラシャプ
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ラシャプ(Rassap)は、西セム系民族に伝わる疫病の神。 その名は「火をつける者、照らす者」を意味する。別名レシェフ(Reseph)。 弓矢や死を司り、稲妻と悪疫をばら撒くため、「矢の王」の異名を持つ。
先の尖った帽子を被り、斧または棍棒と盾を振り回した姿で現されることが多い。非常に凶暴な神であり、アナトの夫とされることもあった。
ラシャプ信仰は広く、ウガリット・カナンはもちろん、フェニキア、エブラ、古代エジプト、キプロス、スペインでも信仰された。人々はラシャプを祭ることにより、逆に病を退けようとしたという。
ラシャプはその信仰の広さから、他の宗教に組み込まれることも多い。例えば古代メソポタミアでは、ネルガルやナムタルに結び付けられた。古代エジプトではレシェフと呼ばれ、在エジプト外国人に、善なる軍神として崇拝され、ローマ時代にはヘーラクレースと習合された。キプロスではアポローンと同一視されたという。
別名であるレシェフという単語は旧約聖書にもみられ、歴代誌上の7章25節では人物名としても出てくる。 岩波文庫収録のヨブ記の日本語訳を行った関根正雄はヨブ記5章7節にある「レシェフ」を他の言葉に置き換えずにそのまま訳出し、巻末の註釈において上述の異教神として解説を加えている。なお、新共同訳聖書だとこの部分は「火花」と訳されている。また、岩波委員会訳聖書の雅歌の解説によれば8章6節の「炎」の原語は疫病と炎を司る神からとられたレシェフであると書かれる。
参考文献 [編集]
- 池上正太 『オリエントの神々』 新紀元社、2006年、196頁。
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