ソプデト

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ソプデト。

ソプデト(Sopdet)あるいはセペデト(Sepedet)は、古代エジプトの豊穣の女神で、「尖ったもの」「鋭いもの」を意味する。シリウス星が神格化されたもので、古ラテン語ソティス(Sothis)とも呼ばれる。ソプデト=ソティスを表す聖獣は(雌)犬。ソプデトはイシスの化身とされる。シリウス星は「ナイルの星」、「イシスの星」として崇められた。シリウス星はヘブライ語では「シホール」(Sihor)と呼ばれた。

概要[編集]

エジプトにおけるシリウス信仰の歴史は古く、エジプト第1王朝の時代には既に確認されている。

シリウス星は夏の代名詞であり、太陽が昇る直前に東の地平線上にシリウス星が現れる(ヘリアカルライジング)時期(7月後半頃。エジプト暦(ソティス暦)の元旦)になると、ナイル川が年に一度の洪水を起こし始め、エジプトの大地に水の恵みをもたらす。そのため、洪水の時期を知らせるシリウス星であるソプデトは、肥沃の神としても崇拝された。

シリウス星の出てくる方向に建てられた女神イシスの神殿では、ヘリアカルライジング(ヘリアカル(heliacal)は「太陽の」「太陽に近い」「太陽と同じ頃に出る(沈む)」という意味)の朝は、太陽(太陽神ラー)とシリウス星(女神ソプデト=イシス)の光が地平線上で交じり合いながら神殿内に差し込んだと言われている。

この時期の特性から、シリウス星は「明けの明星」あるいは「啓明星」さらには「太陽を呼ぶ星」と呼ばれた。

エジプト人は元日の贈物として、小さな雌犬の(素焼きの)像を作り、交換し合った。その像は常に、短い脚、巻かれた尾、立った耳、首輪をつけた姿に象られていた。

後にローマ人がエジプトを占領し、ローマ世界にソプデト=ソティスに関する多くの風習が採り入れられた。

ソプデトの夫はオリオン座に相当する「サフ」で、息子は「ソペド」(ソプドゥフ)。ソプデトはオシリスとの間に「明けの明星」を儲けたともされる。ピラミッド・テキストでは、ソプデトはラーの妹で、「明けの明星」はラーの子とされる。

関連[編集]