ニシネズミザメ

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ニシネズミザメ
Lamna nasus noaa.jpg
ニシネズミザメ
Lamna nasus
保全状況評価[1]
VULNERABLE
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 VU.svg
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 軟骨魚綱 Chondrichthyes
亜綱 : 板鰓亜綱 Elasmobranchii
: ネズミザメ目 Lamniformes
: ネズミザメ科 Lamnidae
: ネズミザメ属 Lamna
: ニシネズミザメ L. nasus
学名
Lamna nasus
(Bonnaterre, 1788)
英名
Porbeagle

ニシネズミザメ Lamna nasus (西鼠鮫、英: Porbeagle)は、ネズミザメ目ネズミザメ科に属するサメ大西洋南半球の寒冷な海域に生息する。北太平洋に分布するネズミザメ属 Lamnaネズミザメ L. ditropis と非常に近縁であるが、分布域は異なる。全長3.6m。卵食型の胎生。人を襲う危険性がある。

名称[編集]

属名 Lamna はギリシア語で「凶暴な魚」、種小名 nasus はラテン語で「吻」を意味する[2]。英名Porbeagleの由来はさまざまな説があり、"Porpoise" + "Beagle"(イルカに似た流線形の体とビーグル犬のような行動、狩りをする姿から)の複合語などと考えられている。

分布[編集]

Lamna nasus rangemap.png

北半球では大西洋北部と地中海南半球では南緯30〜60度帯で広くみられる。季節回遊を行うが、大西洋の東部と西部の個体群には交流がない。また北半球と南半球の個体群間でも移動はない。外洋に多いが、沿岸域にも現れる。生息水深帯は海表面から水深700 m以深[3]

形態[編集]

Porbeagle head.jpg

最大で全長355cm[1]、体重230kg[4]。Compagno (2002) は、全長370cmまでになる可能性があるとしている[3]。成熟サイズは雄全長約150〜200 cm、雌全長約200〜250 cm[3]。ただし地域によって異なる。体は紡錘型。尾柄隆起線は顕著で、尾鰭にもう一つの隆起線がある。尾鰭は三日月型。背側の体色は濃青色から灰色、腹側は白色である。第一背鰭は大きい。また第一背鰭の内角には白色斑があり、同属のネズミザメと見分けるときのキーになる。両顎歯はほぼ同形。細長い主咬頭の両側に小さい副咬頭をもつ。

生態[編集]

餌を選り好みしない機会選択的な捕食者である。北西大西洋では餌生物として真骨魚類が主であり、イカなど頭足類がそれに続く[2]

胎生。卵食型で、胎仔は未受精卵を食べて成長する。妊娠期間は8-9ヶ月で、産仔数は1-6尾[2]。しかし通常は一つの子宮に2尾の胎仔が育つため、産仔数は4尾である[2]。産まれてくる幼魚のサイズは68〜80 cm[2]。寿命は最大約30年と見積もられている[2]

人との関わり[編集]

国や地域によって漁獲対象種あるいは混獲種になる。またスポーツ・フィッシングの対象になる。過剰漁獲により資源量は減少している[1]

人を襲う危険性がある。国際サメ被害目録では、ニシネズミザメによるダイバーへの攻撃例が2件報告されている[2]。ただし人に対して常に攻撃的とは限らず、警戒して去っていったり興味を示すだけのこともある。

参考文献[編集]

  1. ^ a b c Stevens, J., Fowler, S.L., Soldo, A., McCord, M., Baum, J., Acuña, E., Domingo, A. & Francis, M. 2006. Lamna nasus. In: IUCN 2011. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2011.1. <www.iucnredlist.org>. Downloaded on 14 July 2011.
  2. ^ a b c d e f g Biological Profiles: Porbeagle Florida Museum of Natural History, Ichthyology Department.
  3. ^ a b c Leonard J. V. Compagno (2002) "Sharks of the world: An annotated and illustrated catalogue of shark species known to date" Volume 2, Food and Agriculture Organization of the United States. pp.121-125.
  4. ^ Lamna nasus Froese, R. and D. Pauly. Editors. 2011.FishBase. World Wide Web electronic publication. www.fishbase.org, version (06/2011).