トランスグローバル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
トランスグローバル株式会社
TRANS GLOBAL
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
102-0094
東京都千代田区紀尾井町1番10号
北緯35度40分48.1秒 東経139度44分10.2秒 / 北緯35.680028度 東経139.736167度 / 35.680028; 139.736167座標: 北緯35度40分48.1秒 東経139度44分10.2秒 / 北緯35.680028度 東経139.736167度 / 35.680028; 139.736167
設立 1963年10月[1]
業種 情報・通信業
法人番号 2010001024755
事業内容 映像の配給事業
代表者 公望亮治(代表取締役)[1]
資本金 1億8,671万6,000円[1]
従業員数 1~5名[1]
関係する人物 公望聰史(元代表取締役)[2][3]
杉原日出弥(所属スタッフ)
テンプレートを表示

トランスグローバル株式会社(トランスグローバル)は、東京都千代田区紀尾井町に本社を置く、海外作品の輸入及び国内配給・字幕や吹き替えの翻訳などを行っていた企業である。日本音声製作者連盟に加盟[4]

外国映画の配給や日本語版制作で名を知られ、国内最大手でもあった。

概要[編集]

戦後すぐの時期(1945年頃)から創業し活動。過去の正式社名は株式会社グローバル・プロダクション[5]

1950年代からは外国製ドラマ・アニメの輸入代理を引き受けており、吹き替え制作も行っていた[6]。また、アニメーション制作を行っていたこともある。

過去には、倒産した会社などが保有している特撮作品の版権・フィルムを買い取りしていた時期があり、一部ネガフィルムが消失した『怪獣王子』はLD-BOX化の際に、トランスグローバルが保管していた再放送用フィルムを使用してソフト化された。

2016年12月31日には、東京都新宿区揚場町に存在した「トランスグローバルスタヂオ株式会社」と本社と同じ住所に存在した「株式会社弁慶橋エステート」を合併している。

住宅金融公庫融資住宅として西五反田には社員寮があり、現在はそこで小児科が入居・営業している[7][8]

近年は、会社自体は存在しているが表立った活動を行っていない。

エピソード[編集]

吹き替え制作の下請けする際は「機材を揃えていること」「演出料だけを支払う」という条件を出していた[6]

音響監督田島荘三によると、以前の社長は「ルー」という華僑出身の人物だった[6]

1965年から数年間放送された『ペイトンプレイス物語』が成功したことから、現在の赤レンガで造られた洋館風である社屋「グローバルハウス[1]」を建設。当時は「ペイトンビル」と呼ばれた[9]

翻訳クレジットでは翻訳者の名前を出さず、一貫して「トランスグローバル」名義だった。このことについて、翻訳家の額田やえ子は社名こそ出さなかったものの「横のもの(海外作品)が縦(日本語)になってりゃいいのさ」と言う関係者がいたことを証言し、非難している[10]。また、1967年には翻訳の著作権関係で裁判も起こされている[5]

過去の所属スタッフ[編集]

  • 杉原日出弥(ミキサー)

録音スタジオ[編集]

  • 紀尾井町スタジオ(トランスグローバルスタジオ) - 本社に併設。

主に配給・吹き替え制作をした作品[編集]

映画[編集]

海外ドラマ[編集]

アニメーション[編集]

テレビアニメ[編集]

長編アニメ[編集]

主に権利やフィルムを保有している国内作品[編集]

自社製作作品[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e トランスグローバル株式会社”. BIZMAPS. 2022年5月4日閲覧。
  2. ^ 日本放送作家組合日本音声製作者連盟 (1 April 1978). 外国映画日本語版の翻訳著作物使用に関する協定書 (PDF) (Report).
  3. ^ 月例親睦会 卓話「21世紀映画産業の行方」”. 日本橋倶楽部 (2010年6月3日). 2022年5月4日閲覧。
  4. ^ 加盟社一覧”. 日本音声製作者連盟. 2020年3月27日閲覧。
  5. ^ a b 東京高等裁判所 昭和42年(ネ)2698号 判決”. 大判例. 2020年3月27日閲覧。
  6. ^ a b c 『猿の惑星<日本語吹替完全版>コレクターズ・ブルーレイBOX』田島莊三|インタビュー”. 吹替の帝王. 2015年9月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年2月2日閲覧。
  7. ^ トランスグローバルすくすくこどもクリニック”. 病院地図検索 医者どこネット. 2022年5月4日閲覧。
  8. ^ トランスグローバル すくすく・こどもクリニック”. 品川区医師会. 2022年5月4日閲覧。
  9. ^ 柴田耕太郎『翻訳家になろう!』青弓社、2012年。ISBN 4787233351 
  10. ^ 額田やえ子『アテレコあれこれ―テレビ映画翻訳の世界』中央公論社〈中公文庫〉、1989年。ISBN 412201588X