ティアマト
ティアマト(Tiamat)は、古代バビロニア神話の女神であり、全ての神々を生み出した母なる神(下半身が蛇という説もある[1])である。その名は「苦い水(塩水)」を意味し、伴侶である神アプスーは「甘い水(淡水)」の意である。
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神話 [編集]
アプスーとティアマトは多くの神々を生んだが、彼らとの生活が煩わしかったアプスーは、ティアマトに彼らを殺すよう持ちかけた。しかし、母なるティアマトはそれを拒み、逆に息子達へアプスーの企みを教えて、警告した。エアは、ティアマトの警告を聞くと、兄弟姉妹と語らってアプスーを殺してしまった。
ティアマトは太母として敬われたが、やがてエアたちは権威を欲し、ティアマトに神々の主の座を降りてくれるように願った。この要求はティアマトを激怒させ、使いの神を吊るし上げて辱めた上で、返した。ティアマトの力に恐れをなした神々だが、彼女を怒らせた以上、退く事も出来なくなってしまった。
さて、孫の世代に当たる神々に、マルドゥク(エアの息子)という勇猛な神がいた。最強の武神たるマルドゥクは、ティアマトへ宣戦布告する。ティアマトのほうも、権威の象徴たる「天の石版」をキングーという神に授け、マルドゥクを迎え撃った。しかし、マルドゥクの力の前にキングーはあっさりと敗れてしまう。ティアマトはその巨体で戦いに臨み、マルドゥクを飲み込もうと襲い掛かったが、マルドゥクには秘策があった。ティアマトが彼を飲み込もうと口をあけた瞬間、暴風を叩きつけて口が閉じられないようにし、ティアマトの体の中へ剣を突き通した。さしものティアマトも、これには耐え切れず死んだ。
マルドゥクは彼女の体を二つに引き裂き、一方を天に、一方を地に変えた。彼女の乳房は山になり、そのそばに泉が作られ、その眼からはチグリスとユーフラテスの二大河川が生じたとされる。こうして、母なる神ティアマトは、世界の基となった。
ティアマトが生み出した11の魔物 [編集]
- ウシュムガル(龍)
- ムシュマッヘ(七岐の大蛇)
- ムシュフシュ(蠍尾竜)
- ウガルルム(巨大な獅子)
- ウリディンム(狂犬)
- ウム・ダブルチュ(嵐の魔物)
- ラハム(海魔)
- ギルタブリル(蠍人間)
- クサリク(有翼の牡牛)
- バシュム(毒蛇)
- クリール(魚人間)
フィクションにおけるティアマト [編集]
ティアマトはフィクション作品でしばしば竜(ドラゴン)とされる。テーブルトークRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』に登場する女神Tiamatは多頭のドラゴンでもある。日本においても、ロールプレイングゲーム『真・女神転生』シリーズで「邪龍」に分類され、同じロールプレイングゲームの、『オウガバトルサーガ』や『ファイナルファンタジーシリーズ』でもドラゴンの姿で登場する。 しかし出土した粘土板等で実際の女神について確認できる記述は、彼女が「角」と「尾」を持っていたことのみである。