クル (シュメール神話)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クル(Kur)とは、シュメール神話における冥界及び大地の神である。「生きた山」と表現される。大地や山という表現は、とりわけザグロス山脈の事を指す。
大地神であることから、大地の奥深く存在する冥界神でもある。冥界での仕事は、冥界に流れる河の番人であり、ギリシャ神話でいうステュクス川とほぼ同義の河を見張るという神である。『クル』とは大地の甘い水の下に位置する、 乾燥した塵だらけの土地「帰還する事のない土地」の意であり、「『クル』・ヌ・ギ・ア」と呼ぶのである。この土地が冥界である。なお、この冥界を支配するのはクルではなくエレシュキガルである。
家族構成は、夫アプスー(原生の海)と母であるMa神(地球の意)の間の子となっている。アヌンナキ神群の一員で、エレシュキガル、エンキ、エンリルの兄弟である。
楔形文字「KUR」[1]とは「山」を意味したが、場合によっては、名が王国の名前の前に置かれるのに応じて「陸」(または「土地」)という意味にもなった。 アッシリア語は「matu」と言い、発音は「mât」である。[2]。「matu」は「死」という意味と「大地」・「国」という意味がある。このことからもわかる通り、アッシリアにおいても冥界神であり、かつ大地神でもある。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- Sumerian Mythology By Samuel Noah Kramer, p.110 "Scenes from the Shadow Side",
- Frans Wiggermann, Mesopotamian Poetic Language, Brill, 1996, pp. 208-209
- Gods, Demons and Symbols of Ancient Mesopotamia: An Illustrated Dictionary:Jeremy A. Black, Anthony Green, Tessa Rickards, University of Texas Press, 1992 ISBN 0292707940, p 114
- Sumerian Mythology, By Samuel Noah Kramer, p.110 passim
[編集] 脚注
- ^ The Unicode Standard, version 5.1: Cuneiform (PDF)では、U+121B3 "CUNEIFORM SIGN KUR"
- ^ aina.org: "Akkadian Words in Modern Assyrian"では、Akkadian(アッカド語) 「matu」。同志社大学#徽章の説明では「ムツウ」。