カトリーナ・バルフ

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カトリーナ・バルフ
Caitriona Balfe
ニューヨークで行われた『アウトランダー』プレミア上映にて
生誕 (1979-10-04) 1979年10月4日(44歳)
アイルランドの旗 アイルランド
ダブリン県ダブリン
職業 ファッションモデル女優
活動期間 2006年 -
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カトリーナ・バルフCaitriona Balfe〈発音:[kəˈtrnə ˈbælf]〉、1979年10月4日 - )は、アイルランド女性ファッションモデル女優。テレビドラマシリーズ『アウトランダー』のクレア役で知られる。

来歴[編集]

映画では『SUPER8/スーパーエイト』『グランドイリュージョン』や、シルヴェスター・スタローンアーノルド・シュワルツェネッガー両名が主演の『大脱出』に出演して映画界でも広く知られた"The Beauty Inside""Crush""H+: The Digital Series"

2014年に放送が始まったテレビドラマシリーズ『アウトランダー』では主役のクレア・ビーチャムを演じ、サターン主演女優賞(テレビドラマ部門)を受賞、ゴールデングローブ賞主演女優賞(テレビドラマ部門)にノミネートされた。

1999年ダブリン県立大学で音楽と演劇を学んでいた時、パリでファッションモデルの仕事のオファーを受ける。ドルチェ&ガッバーナモスキーノ英語版ロベルト・カバリマックスマーラボッテガ・ヴェネタH&Mオスカー・デ・ラ・レンタなどの多くのブランドの広告やキャンペーンに登場し、10年以上ランウェイでも活躍した後、演技の世界へ転向した。

モデルとしてのキャリア[編集]

地元のモールでチャリティの募金集めをしていた時にエージェントからスカウトされモデルになる[1][2]。19歳の時、ダブリンでモデルの仕事中に、ニューヨークモデルエージェンシーフォード・モデルズ英語版のスカウトの目に止まり、パリへとスカウトされた[1]シャネルモスキーノ英語版ジバンシィドルチェ&ガッバーナアルベルタ・フェレッティ英語版ルイ・ヴィトンなどの[3][4][5][6][7]有名ブランドで複数回ファッションショーのオープニングやクロージングを飾ったほか[8]、各ブランドのショーでも活躍したり(ドルチェ&ガッバーナ 12回、シャネル 8回、マーク・ジェイコブス / ナルシソ・ロドリゲス / モスキーノ 7回、エトロ 6回、アルマーニ / ロベルト・カバリ / マックスマーラ / アン・ドゥムルメステール / ルイ・ヴィトン 5回、ジバンシィ / オスカー・デ・ラ・レンタ / ミッソーニ / ボッテガ・ヴェネタ / バーバリー / アルベルタ・フェレッティ / アレキサンダー・マックイーン / エマニュエル・ウンガロ 4回、ロシャス / クリスチャン・ラクロワ英語版 / ラウラ・ビアジョッティ英語版 / キャシャレル英語版 / マックス・アズリア / ソニア・リキエル / アレッサンドロ・デラクア英語版 / ケンゾー 3回)、カルバン・クラインリーバイスバリーコスチューム・ナショナルエスカーダハッシュパピー英語版ニーマン・マーカスドリス・ヴァン・ノッテンウエラヴィクトリアズ・シークレットなどの広告キャンペーンに登場した。2002年のヴィクトリアズ・シークレットのファッションショーに出演し、『ヴォーグ』『ハーパーズ バザー』『ELLE』などの有名ファッション雑誌の表紙を飾った[2][8][9]。ランウェイを歩いた回数は2002年シーズンには73回、2003年シーズンには96回、2004年シーズンには83回に上る[8]。単に「カトリーナ」として度々クレジットされ、キャリアの最高潮時には世界的モデルの上位20人に数えられた[10][11]

上述したほかにバルフがファッションショーに登場したブランドは、アンナ・モリナーリ(ブルフィン)アナスイバレンシアガセリーヌチャド・ラルフ・ルッチクロエクリスチャン・ディオールディーゼルDKNYドリス・ヴァン・ノッテンエミリオ・プッチフェンディジャンフランコ・フェレヒューゴ・ボスフセイン・チャラヤンアイスバーグイッセイ・ミヤケジル・サンダーen:Julien Macdonald|ジュリアン・マクドナルドラ・ペルララコステランバンロエベマイケル・コースミュウミュウニコール・ミラーパコ・ラバンヌペリー・エリスローラン・ムレサルヴァトーレ・フェラガモステラ・マッカートニーヴァレンティーノヴィクター&ロルフヨウジヤマモト

2002年及び2003年シーズンにミラノで30万ドル近く稼いだが、イタリアのエージェンシー、パオロ・トメイが破産の申し立てを行った。バルフを含め所属していたモデルらが得るはずだった報酬を求めて支援者らと共に陳情したが、イタリアの法律ではモデルはフリーランスの職業であるため、弁護士に訴訟を諦めるよう諭された。数年後の2009年BCBGの仕事をしていた時に、支払いが遅れた上、財政上の問題で支払いを拒否されるという似たようなシチュエーションに遭遇したが、エージェンシーと支払いを保証される契約を個人的にしていた。エージェンシーのアドバイスに従わず、支払いが完遂されるまでBCBGと仕事をしないと決め、最終的に会社もそれに応じた[12][13]。こういった事態を受けて、非営利のモデル・アライアンスが創設された[13]

自身のモデルのキャリアを振り返り、バルフは「モデルはある意味で“老い”が早いから、フラストレーションも溜まっていましたし、決して情熱を傾けられる仕事ではありませんでした」とコメントし[1]、今後、モデルの道一本で生きていくつもりはないと述べた[14]2013年に「ナチュラル・ビューティ」シリーズに写真家のジェームズ・ヒューストンに採用され、アンテロープ・キャニオンで撮影が行われ、モデル業は「時々」続けている[1][15]

女優としてのキャリア[編集]

『アウトランダー』の共演者トビアス・メンジーズ(左)とサム・ヒューアン(中央)と

ニューヨークに住んでいた頃、映画『プラダを着た悪魔』(2006年)に雑誌『ランウェイ』の社員として端役で出演した[10]2009年、拠点をニューヨークからロサンゼルスへ移し[1]、ワーナー・ローリン・スタジオやサンフォード・マイズナー・センター、ジュディス・ウェストン・スタジオで1年半をかけて演技を学んだ[16][17]2011年に『SUPER8/スーパーエイト』で主人公の母親役を、2013年に『グランド・イリュージョン』でマイケル・ケイン演じるキャラクターの妻役を、『大脱出』でシルヴェスター・スタローン演じるレイ・ブレスリンを雇うCIAの弁護士役を演じた[1][18]

2012年トファー・グレイス演じる青年アレックスが毎日異なる肉体でストーリーを語る全6エピソードのソーシャル・フィルム"The Beauty Inside" にアレックス#34役で出演[19]。2013年、イギリスのミュージシャン・ボノボ"First Fires"[20]フランスのバンド・フェニックス"Chloroform (song)" のミュージックビデオに出演した。後者の監督はソフィア・コッポラだった[21]

2012年から2013年にかけて、ワーナー・ブラザースのウェブシリーズ『H+ デジタルシリーズ』のメインキャスト、24時間いつでもインターネットに接続できるようコンピュータを埋め込まれたヒトの開発を行うバイオテクノロジー企業の幹部役ブレナ・シーハン役で出演[22]

2013年9月、ダイアナ・ガバルドンのベストセラー小説を原作とするStarzのテレビシリーズ『アウトランダー』の主役クレア・ビーチャム・ランダル・フレイザー役であることが判明し、2014年8月にプレミア上映が行われた。バルフが演じるのは、戦争で荒廃する18世紀のスコットランドハイランド地方へとタイムスリップしてしまう20世紀半ばの看護婦役である[23]。バルフの演技だけでなく作品そのものも絶賛され[24]、『ヴァニティ・フェア』のリチャード・ローソンは「バルフが非常に魅力的で、彼女のおかげでクレアという女性が大変活発で勇ましいヒロインたりえている」と述べ[25]、『ハリウッド・リポーター』のティム・グッドマンは「彼女の演技がクレアという女性に陰影を与えていて、彼女が間違いなく素晴らしい女優であり、それだけでも見る価値がある作品だ」という記事を書いた[26]。『エンターテインメント・ウィークリー』のジェフ・ジェンスンは「バルフがスターになる時が来た」と述べ[27]、『タイム』のジェームズ・ポニウォジックは「(クレアに)伝染するように夢中になる」と評した[28]。『アウトランダー』は2024年以降放送されるシーズン8をもって終了予定である。

2014年12月、『エンターテインメント・ウィークリー』はバルフを「2014年にブレイクした12人」の1人に数え[29]BBCアメリカの「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」にも投票された。

2015年1月29日、ジョディ・フォスターが監督を務め、ジョージ・クルーニージュリア・ロバーツが主演する映画『マネーモンスター』に出演することが発表された。[30]

同年4月、第12回アイルランド映画・テレビアカデミー賞の主演女優賞にノミネートされ[31][32]、雑誌『ピープル』で「世界で最も美しい50人」の1人となった。6月25日、サターン主演女優賞(テレビ部門)を受賞した[33]

私生活[編集]

1979年アイルランドダブリンに生まれ[34]モナハン近くのテダブネット村で育つ。7人家族で、父親は元ガルダ・シーハーナ(アイルランド治安防衛団)[1]。本格的に芝居を始めた時はロサンゼルスを拠点にし、モデル時代はニューヨーク、パリ、ロンドン、ミラノ、ハンブルク東京などを転々としたが[16][35][36]、現在はグラスゴーを拠点としている[37]。英語のほか、アイルランド語も話せる[38]

フィルモグラフィ[編集]

映画[編集]

タイトル 役名 備考 吹き替え
2006年 プラダを着た悪魔
The Devil Wears Prada
クレジットなし[10]
2009年 Picture Me 本人役 ドキュメンタリー、プロデューサー兼任 N/A
A Herculean Effort エミリー 短編映画 N/A
2011年 SUPER8/スーパーエイト
Super 8
エリザベス・ラム
(主人公の母親)
Lust Life オーブリー 短編映画 N/A
2012年 The Wolf サリー 短編映画 N/A
Lost Angeles ヴェロニク N/A
2013年 Crush アンディ ビデオスルー N/A
グランド・イリュージョン
Now You See Me
ジャスミン・トレスラー
大脱出
Escape Plan
ジェシカ・ミラー 長尾明希
2015年 The Price of Desire ガブリエル・ブロック N/A
2016年 マネーモンスター
Money Monster
ダイアン・レスター 恒松あゆみ
2019年 フォードvsフェラーリ
Ford v Ferrari
モリー・マイルズ
2021年 ベルファスト
Belfast
マー

テレビ[編集]

タイトル 役名 備考 吹き替え
2010年 The Model Scouts 本人役 ランウェイ指導[10] N/A
2014年 - アウトランダー
Outlander
クレア・ビーチャム・ランダル・フレイザー 主演 恒松あゆみ
2019 ダーククリスタル: エイジ・オブ・レジスタンス
The Dark Crystal: Age of Resistance
タヴラ Netflix人形劇シリーズの声

ウェブ[編集]

タイトル 役名 備考
2012年 The Beauty Inside アレックス #34
2012年 – 2013年 H+ デジタルシリーズ ブレナ・シーハン 計7話

受賞・ノミネート[編集]

作品 部門 結果
2014年 BBCアメリカ Anglophenia Fan Favorite Award ウーマン・オブ・ザ・イヤー 受賞
アウトランダー サターン賞 サターン主演女優賞(テレビ部門) 受賞
第12回アイルランド映画・テレビ賞 最優秀主演女優賞(ドラマ部門) ノミネート
ライジング・スター賞 ノミネート
2015年 第42回ピープルズ・チョイス・アワード ケーブルテレビSFファンタジー・女優部門 受賞
第73回ゴールデングローブ賞 主演女優賞(テレビシリーズ部門) ノミネート
Women's Image Network Awards 優秀女優賞(ドラマシリーズ部門) 受賞
2016年 第74回ゴールデングローブ賞 主演女優賞(テレビシリーズ部門) ノミネート
2017年 第75回ゴールデングローブ賞 主演女優賞(テレビシリーズ部門) ノミネート
2018年 第76回ゴールデングローブ賞 主演女優賞(テレビシリーズ部門) ノミネート

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g Monaghan native Caitriona Balfe tells why she made the right move”. Irish Independent. 2014年11月10日閲覧。
  2. ^ a b A model life”. Politico. 2013年3月12日閲覧。
  3. ^ Chanel AW 2002 Haute Couture”. Vogue. 2014年11月9日閲覧。
  4. ^ Givenchy AW 2002 Haute Couture”. Vogue. 2014年11月9日閲覧。
  5. ^ Moschino Cheap & Chic Spring 2004”. ELLE. 2015年11月24日閲覧。
  6. ^ Dolce & Gabbana Resort 2008”. Vogue. 2015年11月24日閲覧。
  7. ^ Philosophy di Alberta Ferretti Fall 2003”. Livingly. 2015年11月24日閲覧。
  8. ^ a b c Balfe Profile of Caitriona Balfe”. Fashion Model Directory. 2013年1月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月27日閲覧。
  9. ^ Photo of Catriona Balfe - Fashion Model - ID291324 - Profile on FMD”. Fashion Model Directory. 2013年1月27日閲覧。
  10. ^ a b c d The Model Scouts Ep 2”. RTE Television. 2014年10月8日閲覧。
  11. ^ How To Be A Supermodel”. Irish Independent. 2014年10月27日閲覧。
  12. ^ €240,000 Of Lost Wages In Italy And A Year To Pay In LA”. The Model Alliance. 2014年11月11日閲覧。
  13. ^ a b Fashion industry initiative cracks down on labels that don't pay models”. The Daily Mail. 2014年12月3日閲覧。
  14. ^ Caitriona Balfe vows not to return to modelling”. Goss.ie. 2014年11月12日閲覧。
  15. ^ PHOTO STORY: Caitriona Balfe, Arizona Slot Canyon”. Milk Made. 2014年11月18日閲覧。
  16. ^ a b “The Gorgeous Determination of Caitriona Balfe”. (2015年4月2日). http://www.backstage.com/interview/gorgeous-determination-caitriona-balfe/ 2015年4月4日閲覧。 
  17. ^ “'Outlander' star had to unlearn her modeling skills”. (2015年4月2日). http://www.sunherald.com/2015/03/30/6150585_outlander-star-had-to-unlearn.html 2015年4月4日閲覧。 
  18. ^ カトリーナ・バルフ - Rotten Tomatoes(英語)
  19. ^ The Beauty Inside Trailer”. Creativity Online. 2015年4月4日閲覧。
  20. ^ Bonobo - First Fires”. 2014年12月23日閲覧。
  21. ^ Phoenix - Chloroform”. 2014年12月28日閲覧。
  22. ^ Hplus Nano Teoranta – About the Company”. 2012年9月6日閲覧。
  23. ^ Caitriona Balfe Gets The Lead In Starz’s ‘Outlander’”. Deadline.com (2013年9月11日). 2013年9月25日閲覧。
  24. ^ OUTLANDER: SEASON 1”. Rotten Tomatoes. 2014年11月10日閲覧。
  25. ^ Outlander Refuses to Define Itself, and That's a Good Thing”. ヴァニティ・フェア. 2014年11月18日閲覧。
  26. ^ 'Outlander': TV Review”. The Hollywood Reporter. 2014年11月18日閲覧。
  27. ^ Outlander (2014)”. Entertainment Weekly. 2014年11月18日閲覧。
  28. ^ REVIEW: Outlander Is Many Kinds of Show, All in One Kilt”. Time Magazine. 2014年11月21日閲覧。
  29. ^ 12 Breakout Stars of 2014”. Entertainment Weekly. 2014年12月14日閲覧。
  30. ^ 'Outlander' Star Joining George Clooney, Julia Roberts in 'Money Monster'”. The Hollywood Reporter. 2015年1月30日閲覧。
  31. ^ IFTA 2015 NOMINEES”. The Irish Film & Television Academy. 2015年4月29日閲覧。
  32. ^ IFTA Announces Rising Star Nominees with the Irish Film Board”. The Irish Film & Television Academy. 2015年5月12日閲覧。
  33. ^ The 41st Annual Saturn Awards Winners 2015”. Saturn Awards. 2015年6月26日閲覧。
  34. ^ Dublin-born Caitriona Balfe could be the new face of Moschino”. Vogue UK. 2014年11月25日閲覧。
  35. ^ Caitriona Balfe serves up an insider's view of 'Outlander'”. latimes. 2015年12月19日閲覧。
  36. ^ OUTLANDER STAR CAITRIONA BALFE: "ICH VERFOLGE DEUTSCHE FANS AUF TWITTER!"”. 2015年12月19日閲覧。
  37. ^ Go Away With ... Caitriona Balfe”. chicagotribune. 2015年12月19日閲覧。
  38. ^ “Outlander Boss on Jamie's [Spoiler, Season 2 in France and Why [Spoiler] Went Full-Frontal in the Finale”]. (2015年5月30日). http://tvline.com/2015/05/30/outlander-season-2-spoilers-france/ 2016年2月15日閲覧。 

外部リンク[編集]