Famiポート
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Famiポート(ファミポート)は、日本のコンビニエンスストア・ファミリーマートが2000年より全国各地の店舗に設置している端末装置(いわゆるマルチメディアステーション)のことである。
名前の由来は、様々な顧客と接点・接続口(ポート)を設けたいという意味からファミリーマートのファミとポートを合体させた造語である。なお、台湾のファミリーマートにおいても「FamiPort」の名称で、同様のサービスを行っている。
沿革[編集]
ファミネット期(1997年 - 2007年)は、小型液晶パネルがついたFAX機器にチケットサービスを搭載した機械。Famiポートが導入される以前に店舗に設置されていた。FAXの送信のほか、チケットぴあ(1998年 - )、JTB旅行商品の取り扱い、収納表発行サービスを行っていた。後にファミネットはFamiポートと置き換えられ、FAXのみの機能を残した。その後2007年に完全に撤去。FAXは新型機へ入れ替わった。
第1期(2000年 - 2006年)は、トヨタ自動車製造の『e-TOWER』をイープラット社を通じて店舗に供給していた。(途中よりイープラットを経由せず供給)端末の上部にはモニターがあり、コマーシャルや番組などの音声をモニターを通じて店内に放映していた。また、SDカードなどのメモリスロット、デジタルプリント、スキャナーなども実装されていた。
第2期(2006年 - 2014年)は、独自に開発した端末を供給。2006年9月から2007年2月までにかけて、第1期の旧端末を第2期の新端末に入れ替えを行った。尚、これに伴い、一部のサービスの見直しが生じた。宮崎県・鹿児島県の一部店舗にはこれまで設置されていなかったが、第2期導入を期に47都道府県全店導入となる(一部店舗除く)。プライバシー保護の観点から、タッチパネル画面に特殊フィルムが張られており、覗き見防止の措置がとられている。
第3期(2014年 - )は、スリム&ベストをモットーとして第2期よりコンパクトを追求した。2014年6月より順次切り替え予定。2014年12月には全店入れ替えを行う予定。第2期および第3期の製造元は株式会社PFUが供給している。
プラットフォーム[編集]
初代のFamiポートはWindows 2000を使っており衛星並びISDN回線を使用していた。
二世代目は光回線(一部はADSL)をメインにISDN回線をバックアップ使用している。 二世代目はWindows XP Embeddedを搭載。 三世代目はWindows Embedded 8を搭載。 初代のバウチャープリンタは京セラミタが製造。 二世代目のバウチャープリンタはOKIが製造。NTTデータにOEMしている。 機種はA型バウチャープリンタ・B型バウチャープリンタ・C型バウチャープリンタである。
特徴[編集]
取扱サービスは、公共料金や電子マネーの支払い、通信販売の申し込みのほか、チケットぴあとの提携による各種イベントの入場券オンライン購入(プレイガイド機能)[1]、JTBとの提携による一部高速バス路線の空席照会・予約・乗車券購入、スポーツ振興くじ(toto)の購買(2006年度より一般市民の購入可)などが可能であり、競争の激しいコンビニエンスストアの利用価値の幅を広げている。
また、Suicaショッピングサービス加盟店舗では、FamiポートでSuicaチャージ(入金積み増し)の申し込みを行い、Famiポートから出てきた申し込み完了レシートを持っていきレジでチャージを行うことができた。尚、2007年7月にレジでEdy/iDの利用開始に伴い、Edyとともにチャージはレジで可能となった。
取扱サービス[編集]
購入[編集]
- e+ - 各種チケット発券[1]。e+および提携サイトから申し込んだチケットの支払・発券や座席選択サービスも利用可能。
- CNプレイガイド - CNプレイガイドおよび提携サイトから申し込んだチケットの支払・発券
- JTBトラベル・レジャー
- 高速バス - 高速バス乗車券の新規予約、予約済乗車券の支払・発券
- レジャーチケット - テーマパーク・日帰り温泉・美術館などの割引チケットの購入・発券
- 東京ディズニーリゾート - 「1デーパスポート」など、日付指定ができる入場予約券の購入・発券(なお、2015年2月1日以降はFamiポートで発券した入場予約券で入園可能となった)
- 交通チケット - レンタカーチケット、フェリー券、空港バス・空港駐車場のチケットの購入・発券
- 商品番号入力 - 予約済みチケットの発券手続
- えらべる倶楽部クーポン発券 - 福利厚生サービスクーポン(宿泊補助券など)の発券。JTBベネフィットがサービスを提供。
- チケットよしもと - 吉本興業が運営する「チケットよしもと」で購入したチケットの支払・発券。2014年4月より開始。
- キッザニア - キッザニア東京・キッザニア甲子園の入場チケット購入(入場日・時間帯指定による購入のみ)
- プリペイド - 携帯電話/国際・国内電話/インターネット電話・無線LAN/音楽配信/電子マネー(オンラインマネー)/Gマネー/オンラインゲームチケット(ポータル・タイトル)/家庭用ゲーム機(2014年5月現在、65銘柄を取り扱っており、取扱銘柄数は最多規模である)
- 高速バス - 高速バス乗車券の新規予約、予約済み乗車券の受取・支払(新規予約はJTBの「発車オ~ライネット」・「ハイウェイバスドットコム」を利用)
- スポーツ振興くじ「toto」 - くじの購入 (取扱種類:toto・minitoto・totoGOAL2/3・BIG・BIG1000・miniBIG及び楽当)
- イオンシネマ全国共通鑑賞券 - イオンエンターテイメントが運営する全国のイオンシネマ(イオンシネマ弘前を除く)で利用できる割引鑑賞券(2013年6月までは「ワーナー・マイカル・シネマズ全国共通映画鑑賞券」となっていたが、同年7月にイオンシネマズと合併したことに伴って改称し、対象の劇場が旧イオンシネマの劇場にも拡大した)。
※e+・CNプレイガイドについては、主催者側の都合により公演中止・延期・変更に伴って払い戻しが発生した場合、発券したチケットをレジに提示することで払い戻しの手続きが可能である。
- 数字選択式全国自治宝くじ[2]「ナンバーズ・ロト」- くじの購入
支払[編集]
- 代金お支払い
- 収納票発行 - ネットショッピング・チケット・その他代金の支払。スカイマークの予約済み航空券、シマンテックの「ノートン」、レオパレス21の「レオネット」、DMM.comなどが対象。
- 各種代金お支払い - 花キューピット・三井ダイレクト損害保険・駿台予備校など払王を利用した支払及びAmazon.co.jp・マルチペイメントサービス・航空会社のキャッシュチケットレスサービス・予約済高速バス運賃の支払。
- ちょコム - 電子マネー「ちょコム」のチャージ予約。利用の際は「ちょコムネット」上での貯金箱番号である「ちょコムID」が必要。
- イーコンテクスト - ネットショッピングの支払方法でイーコンテクスト(インターネット受付)を選択した場合における代金の支払
- 金融サービス - プロミス(SMBCコンシューマーファイナンス)、SMBCモビット、ティーエスキュービックカード(トヨタファイナンス)、アイフル、アプラスにおける借入金(カードローンやクレジット)の返済。
- スマートピット - 提携する通信販売・ネットショッピング・国際電話などの利用料金の支払い
- Famiパス - 事前予約で申し込んだチケット等の支払・受取
暮らし[編集]
- はこBOON/はこBOON mini - ヤフオク!(旧・Yahoo!オークション)で落札された商品を出品者が落札者宛に宅配するネット配送サービス。無料の専用袋を用いる「はこBOON mini」の発送・受け取り手続きも可能(施設内や駅構内の店舗など一部の店舗では非取扱)。
- 申込・請求
- 店頭受取サービス - 本サービスは駅構内にある店舗などでは未取扱
- Amazon(店頭受取) - Amazon.co.jpで購入した商品の受取・店頭での代金引換を指定した場合の代金支払
- 楽天ブックス - 楽天ブックスで購入した商品の受取・店頭での代金引換を指定した場合の代金支払
- famima.com - famima.comで購入した商品の受取・店頭での代金引換を指定した場合の代金支払
- ヤマト運輸(宅急便店頭受取サービス) - 不在時の荷物受取。利用の際は「クロネコメンバーズ」の会員登録が必要
- 家事代行サービスチケット - e+(各種チケット)購入時と同じ手順で購入。サービスエリアは関東・関西地区の8都府県のみだが、ハウスクリーニングは愛知県・広島県・福岡県でも利用可能。
- Famiポート募金 - 事前の手続き不要でいつでも募金ができるサービス。12の寄付先団体(2014年5月現在)と金額を指定可能。
- 国際送金サービス - SBIレミット、ソフトバンク・ペイメント・サービス、ウエスタンユニオンの3社が提供(ウエスタンユニオンはWEB事前予約かFamiポート申込が可能、それ以外の2社はWEB事前予約のみ)。利用の際は事前に会員登録と送金依頼(送金依頼はWEB事前予約で利用する場合のみ)も必要。
得する[編集]
- ファミマTカードメニュー - クレジット機能なしカード(ポイントカード)におけるお客様情報の登録(未登録の場合のみ可能)、クレジット機能付きカードにおけるクレジット利用代金の支払
- 電子マネー 楽天Edy - ポイント交換やキャンペーンで取得した楽天Edyの受け取りサービス「楽天Edyギフト」の受け取り手続きやオンライン残高照会が可能。
- 電子マネー WAON - ファミリーマートでも利用可能なイオングループが展開する電子マネー。残高・利用履歴照会、ポイントチャージ、景品で取得あるいはJMBマイル・提携ポイントから交換手続きを済ませたWAONやWAONポイントのダウンロードが可能。
- クーポン発行 - Famiポートクーポン(事前送付の案内に「Famiポートクーポン」が記載されている方限定)やクーポン券(お弁当ギフト券・商品引換券・割引券など)の発券
取扱を休止したサービス[編集]
- プリントサービス - フィルムプリント(カウンター受付に変更)、デジタルプリント、ケータイプリント、フォトフレーム、証明写真(一部店舗では店頭の証明写真機で利用可能)、デジフォト、プリントスポット、占い、競馬予想。
- ダウンロードサービス - MD・SDカードへの音楽ダウンロード、ゆめカラ、G-BOOK
- 申込みサービス - KDDIメタルプラス、検定受験料支払い(他支払サービスに移行)、願書取り寄せ
- Gazoo - トヨタ自動車の車情報。
- 電子チケットぴあ - 音楽/スポーツ/映画/演劇/アート/イベントなど[3]
- 電子チケットぴあ - デジポケ紙発券/Yahoo!チケット紙発券[3]
- Suicaチャージ - 2007年7月よりレジでチャージ可能になりワンストップオペレーションが可能に。
- Yahoo!ゆうパック - 会員向け宅配サービス(2009年7月1日14時をもってYahoo! ゆうパックのサービス自体が終了)。
- 賃貸物件検索サービス - アットホームが提供
- QUOカード申込み - 30枚以上の特別注文サービス。名入れやメッセージ印刷も行っていた。2014年2月28日をもってサービス終了。
- ケータイファミマパーク - ファミリーマートの会員制モバイルサイト。携帯電話にタッチすると1ファミコインがもらえる(1店舗につき1日1回限り、複数店舗でのファミコイン取得可)。5ファミコイン以上獲得すると抽選でモバコイン(mobage)、GREEのゴールド、アメゴールド(Ameba)のいずれかと交換できた。
脚注[編集]
- ^ a b ファミリーマートはかつてセゾングループの傘下にあり、チケットセゾン(現在は清算され、実質的にはエンタテインメントプラス(e+)に継承)のプレイガイド機能を持っていたが、セゾングループから撤退後はチケットぴあとの提携に変更された(1998年)。その後、2009年にe+との提携とFamiポートでの発券業務を開始。事実上11年ぶりにファミリーマートでのプレイガイド展開を再開したことになった。
- ^ 一部店舗にて販売。数字選択式宝くじ ファミリーマート
- ^ a b e+との提携開始(実質再開)に伴い、2010年5月末でチケットぴあとの提携を解消し、以後はセブンイレブンとの提携に変更したが、2016年11月からイープラスとの提携も継続したうえで、チケットぴあとの提携を再開することも発表した(時期未定)(「チケットぴあ」再びファミマに ユニーと統合機に (2016年11月8日 日本経済新聞))
関連項目[編集]
- ファミリーマート
- ファミマ・ドット・コム
- チケットぴあ
- i.JTB
- 東京ディズニーリゾート
- ワーナー・マイカル・シネマズ
- toto
- ファミマカード
- ウェルネット
- QUOカード
- 東京海上日動
- 全国労働者共済生活協同組合連合会
- Yahoo!ゆうパック
- バイク王
- Loppi - ローソンのマルチメディアステーション