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大黒座 (浦河町)

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大黒座
Daikokuza
大黒座の場内
地図
情報
正式名称 大黒座
完成 1918年9月1日
開館 1994年12月1日
客席数 48席
設備 ドルビーデジタル5.1ch、DLP
用途 映画上映
旧用途 芝居小屋
所在地 057-0013
北海道浦河郡浦河町大通2丁目18
位置 北緯42度9分44.5秒 東経142度46分26.8秒 / 北緯42.162361度 東経142.774111度 / 42.162361; 142.774111 (大黒座)座標: 北緯42度9分44.5秒 東経142度46分26.8秒 / 北緯42.162361度 東経142.774111度 / 42.162361; 142.774111 (大黒座)
最寄バス停 道南バスジェイ・アール北海道バス「大通3丁目」停留所
外部リンク https://www.daikokuza.com/
特記事項 完成年月日は初代劇場の開場日。開館年月日は現劇場の開場日。
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北緯42度9分44.5秒 東経142度46分26.8秒 / 北緯42.162361度 東経142.774111度 / 42.162361; 142.774111

大黒座(だいこくざ)は、北海道浦河郡浦河町にある映画館。通称は浦河大黒座(うらかわだいこくざ)。

1918年(大正7年)に開館し、1994年(平成6年)に建物を建て替えた。北海道に現存する映画館としては最も古いとされる。劇場正面の看板には「大黑座」(黒は旧字体)と書かれている。

歴史

サイレント期に上映した『雄呂血』(1925年)

開館

1918年(大正7年)9月1日[1]、当時建築業などを営んでいた三上辰蔵により、旅役者や浪曲師が出演する芝居小屋として開業したのが始まりである[1][2]。1925年(大正14年)の火災により焼失するも、程なくして再建[3]1920年代サイレント期には『雄呂血』(監督二川文太郎、主演阪東妻三郎、1925年、製作阪東妻三郎プロダクション奈良撮影所[4][5]などが上映された記録が残っている。

終戦から8年後の1953年(昭和28年)、220席の映画館として改築[1]。以降も引き継いだ運営者がクリーニング業を兼務しながら営業を継続。この頃の北海道内には364館の映画館があり、そのうち日高支庁内には当館を含めた16館があった[注 1]。1960年(昭和35年)正月期に片岡千恵蔵主演の東映映画『血槍無双』(監督佐々木康)を上映した際は、子供達の行列が出来た写真が残っている[1]

再開館

ロビー

建物の老朽化や道路拡張工事等の事情により、1994年(平成6年)5月に2代目の建物を取り壊した[2]。同年12月1日、48席の映画館として再オープン[1]。2004年(平成16年)からは毎年秋に『大黒座まつり』(当初は「大黒座オリオンちかぢか祭」)と題したイベントを開催している。

2005年(平成17年)、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭鉄ちゃんシネマ大賞」を受賞[7][8]。2005年4月23日に苫小牧市にシネコンディノスシネマズ苫小牧」がオープンした影響で、同市中心部にあった苫小牧日劇苫小牧東宝・セントラル映劇が相次いで閉館している。

2013年(平成25年)、長年続けたフィルム上映の減少を機にデジタル上映設備を導入。同年12月21日『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(監督長井龍雪)と『そして父になる』(監督是枝裕和)からデジタル上映を開始した[2][9]。また長らく制作していなかった公式ウェブサイトが2014年(平成26年)1月に開設されている。

2018年(平成30年)で創業100周年を迎え、同年秋には『第72回北海道新聞文化賞』社会文化賞を受賞した[10]。だが令和改元された翌年の2020年(令和2年)に新型コロナウイルスが全国的に感染拡大。北海道でもいち早く道独自の緊急事態宣言を発令したが、政府の方針も重なり同年4月20日から5月31日まで大黒座は臨時休館した[11][12]

2021年(令和3年)4月1日付で日高本線鵡川駅 - 様似駅[注 2]が完全廃止され、最寄駅だった浦河駅も鉄道駅としての業務を終了したため[13]、周辺に鉄道駅と鉄道路線が存在しない道内唯一の映画館となった。

大黒座がロケ地になった映画

大黒座を訪れた著名人

『幕が上がる』上映時に舞台挨拶で訪れたももいろクローバーZの百田夏菜子(写真左)と高城れに 『幕が上がる』上映時に舞台挨拶で訪れたももいろクローバーZの百田夏菜子(写真左)と高城れに
『幕が上がる』上映時に舞台挨拶で訪れたももいろクローバーZの百田夏菜子(写真左)と高城れに

関連作品

小さな町の小さな映画館

小さな町の小さな映画館
監督 森田惠子
製作 森田惠子
音楽 遠藤春雄
撮影 森田惠子
編集 四宮鉄男
配給 「小さな町の小さな映画館」上映委員会
公開 日本の旗 2011年6月18日公開
上映時間 105分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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小さな町の小さな映画館』は、2011年(平成23年)6月18日に公開された日本のドキュメンタリー映画[26]。大黒座を支える一家とそれを取り巻く町民たちとの人間模様を描く。ナレーションは中村啓子が担当。上映時間105分。

常設映画館では蠍座(札幌市)、みやこシネマリーン(岩手県宮古市)、シネマテークたかさき(群馬県高崎市)、川越スカラ座(埼玉県川越市)、ポレポレ東中野(東京都中野区)、下高井戸シネマ(東京都世田谷区)、新潟・市民映画館シネ・ウインド(新潟市)、京都みなみ会館(京都市)、元町映画館(神戸市)、宝塚シネ・ピピア(兵庫県宝塚市)、シネマ尾道(広島県尾道市)、シネマルナティック(松山市)、ガーデンズシネマ(鹿児島市)などで上映され、その他にも多数の映画祭などで上映された[27]

スタッフ
  • 監督・撮影・プロデューサー:森田惠子
  • 構成・編集:四宮鉄男
  • 音楽:遠藤春雄
  • デザイン:石原雅彦
  • 浦河コーディネート:小野寺信子
  • 配給:「小さな町の小さな映画館」上映委員会

大黒座ベイ・ブルース

北海道文化放送(uhb)で2019年(平成31年)3月17日14:00 - 14:55(JST)に放送されたドキュメンタリー番組

創業100年を迎えた2018年夏から『ボヘミアン・ラプソディ』(監督ブライアン・シンガー)が上映された2019年の年明けまでを取材し、大黒座の館主一家とそこを訪れる浦河町民達の日常などを映し出した。ナレーションは女優の石橋静河が担当。

クレジット
  • 朗読:遠藤雅
  • 音楽:新田敦子[28]
  • MA:梅原浩介
  • ドローン撮影:金林里奈(PLATINAMIX)[29]
  • 協力:プロセンスタジオ
  • 撮影・編集:湊寛
  • プロデューサー:大塚政人
  • 制作著作:北海道文化放送

脚注

注釈

  1. ^ 1953年の映画館(北海道地方)「消えた映画館の記憶」を参照した[6]
  2. ^ 但し日高本線はJR北海道の駅ナンバリングが実施されていない(室蘭本線との分岐駅である苫小牧駅(H18)を除く全線)。
  3. ^ 佐藤泰志は翌年の1990年(平成2年)10月10日に自殺している。

出典

  1. ^ a b c d e 「発信・浦河「国内屈指の老舗映画館・大黒座の100年」(上)」『北海道新聞北海道新聞社、2017年5月2日、3面。2021年4月1日閲覧。
  2. ^ a b c 深沢博 (2018年11月11日). “わがまち遺産「時代ごと生まれ変わる“大黒座”」(浦河町)”. 朝日新聞 (朝日新聞北海道支社). http://www.asahi.com/area/hokkaido/articles/MTW20181112011580001.html 2021年4月1日閲覧。 
  3. ^ 2.観光資源調査(歴史・文化)”. 地域創生部地域政策課. 日高振興局 (2016年9月21日). 2017年5月5日閲覧。
  4. ^ 雄呂血 - KINENOTE, 2013年12月29日閲覧。
  5. ^ “大黒座【浦河町/日高振興局】”. 札幌市経済新聞 ふりっぱーWEB (総合商研株式会社). http://www.fripper.jp/detail/index_3663.html 2013年12月29日閲覧。 
  6. ^ 『全国映画館総覧 1953年版』時事通信社。1953年。
  7. ^ ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2005「鉄ちゃんシネマ大賞」
  8. ^ 全国映画よもやま話vol.003「夫婦守り続ける老舗の映画館」”. シアターキノ. 2012年5月3日閲覧。
  9. ^ “デジタル映写21日から 浦河の大黒座、機材の設置完了”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2013年12月6日) 
  10. ^ 北海道新聞文化賞”. 北海道新聞社. 2021年4月1日閲覧。 “第72回(2018年):【社会】大黒座=町の映画館として100年にわたり地域文化に貢献”
  11. ^ 大内啓輔 (2020年6月2日). “北海道の老舗映画館・大黒座が営業再開”. シネマトゥディ. 2021年4月1日閲覧。
  12. ^ “浦河・映画館「大黒座」1日40日ぶり再開へ 三上館主「たくさんの支援や励ましに感謝」”. 苫小牧民報 (苫小牧民報社). (2020年5月30日). https://www.tomamin.co.jp/article/news/area2/20482/ 2021年4月1日閲覧。 
  13. ^ 宮武和多哉 (2021年3月31日). “日高本線バス転換でどうなる? 全国「鉄道廃止→バス化」その後”. 乗りものニュース. 株式会社メディア・ヴァーグ. 2021年4月1日閲覧。
  14. ^ 佐藤泰志「浦河の映画館 - この上ない喜び提供 踏んばって続けてほしい」『北海道新聞夕刊』北海道新聞社、1989年6月2日、4面。2021年4月1日閲覧。
  15. ^ 浦河町「大黒座」”. NMA DIARY. はてなダイアリー (2007年2月16日). 2013年12月29日閲覧。
  16. ^ 映画上映会のお知らせ - 浦河出身 女優 宮下ともみさんが出演「JAZZ爺MEN」」(PDF)『広報うらかわ』、浦河町、2011年11月、10頁、2017年5月5日閲覧 
  17. ^ 素敵な1日、その2”. 宮下ともみオフィシャルブログ「もみの木」 (2011年12月17日). 2013年8月14日閲覧。
  18. ^ 浦川さんと宇梶さんがあいさつ「カムイと生きる」上映【浦河】”. 北海道ニュースリンク (2012年3月6日). 2013年8月14日閲覧。
  19. ^ 北海道浦河で「ゴーシュ」「デビルマン」上映”. ANIDO official website (2013年7月20日). 2013年8月14日閲覧。
  20. ^ あたふたトーク”. オープロダクション社長日記 (2013年8月4日). 2013年8月14日閲覧。
  21. ^ kumoako1972 (2014年7月3日). “映画『ハーメルン』苫小牧と浦河の初日(7/5)は、舞台挨拶&トークがあります!”. 坪川拓史. Twitter. 2014年7月14日閲覧。
  22. ^ “弁士や楽団も登場 創成期再現、70年ぶり無声映画「12月の三輪車」浦河・大黒座で来月9日”. 北海道新聞朝刊地方版苫小牧 (北海道新聞社): p. 29. (2005年9月14日) 
  23. ^ “浦河に「ももクロ!!」主演映画あいさつにファン160人”. 北海道新聞朝刊地方版苫小牧 (北海道新聞社). (2015年8月11日). http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/doo/1-0167270.html 2015年8月13日閲覧。 
  24. ^ "浦河町で100年 映画館「大黒座」を守る家族のヒストリー". マチュアライフ北海道. Episode 第35. 4 December 2016. テレビ北海道. 2016年12月5日閲覧
  25. ^ "旅のトビラ~旅立ちの季節…春の日高路めぐり". どさんこワイド179. 30 March 2018. 札幌テレビ放送. 2018年4月2日閲覧
  26. ^ 小さな町の小さな映画館 映画.com
  27. ^ 上映情報 小さな町の小さな映画館
  28. ^ ドキュメンタリー番組「大黒座ベイ・ブルース」”. Atsuko Nitta coucou official website (2019年3月2日). 2021年4月1日閲覧。
  29. ^ 大黒座ベイ・ブルース”. PLATINAMIX Inc. (2019年3月2日). 2021年4月1日閲覧。

外部リンク