2026 FIFAワールドカップ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
2026 FIFAワールドカップ
大会概要
日程 2026年
チーム数 48
 < 20222030

2026 FIFAワールドカップ: 2026 FIFA World Cup)は、2026年に開催される予定の第23回目のFIFAワールドカップ。当大会より、本大会参加国数が2022年大会までの32か国から48か国に増加する。開催地については2018年6月13日ロシアモスクワで開催されるFIFA総会(FIFA Congress)で決定される予定(開催希望地の状況の項で後述)[1][2]

開催国選定の経緯[編集]

ワールドカップ(W杯)開催国決定は、初期から途中までは、FIFA総会の投票で決定していたが、近年、FIFA理事会(現FIFA評議会)の投票で決定する方式に変更されていた。その後、2010年12月2日の2018年及び2022年W杯開催国投票まで、FIFA理事会(現FIFA評議会)のわずか24名のFIFA理事の投票(会長は同数の時のみ1票投じる)で決まる方式だったため[3]、買収工作も容易だった(2015年FIFA汚職事件参照のこと)との反省から、2018年6月13日の2026年W杯開催投票からFIFA総会(FIFACongress)での開催立候補国を除く全加盟協会での投票方式に再び変更された(FIFA Statutes2016年版P28の28 Ordinary Congress agendaの2.のs) [4])。また、従来の不透明なW杯招致手順を明確化し、各段階で審査プロセス等を公式発表していくとした[5]。2017年11月7日、2026年W杯招致手引書[6]を発表し、開催立候補国のコンプライアンス(法令遵守)や施設面、人権への配慮、コストや収益などを評価すること、そして、評価の比重は、スタジアムが35%、交通が13%、チケット収入、商業収入、コストが各10%などとした[6]。ワールドカップ招致活動の明確な禁止事項を定め、買収工作や不適切な贈答品やW杯招致に向けたサッカー振興プロジェクト及び親善試合開催などを禁じた[6][4]。なお、2026年W杯開催国投票は、2018年ロシアW杯開幕戦前日の2018年6月13日のロシア首都モスクワでのFIFA総会で行われる。カナダメキシコアメリカの3カ国共同開催提案書[7]モロッコの単独開催提案書[8]を、招致手引書の評価基準[6]の下、評価手順[9]に則り評価し、問題ないということで両候補を受け付けた。投票手続き[10]に則って、立候補国4カ国を除いた残り207協会での投票となり、2つの候補の内、最多票を得た側が2026年W杯開催国となる[10][11]。先述の通り、加盟協会は、規模やサッカーの強さに関係なく、1票のみ持つ。その協会所属の代表者本人のみに投票権があり、代理人及び手紙による投票はできない。また、FIFA理事は、任期中は協会の代表者にはなれない[4]

出場国[編集]

出場枠[編集]

開催国
アフリカ
(CAF)
欧州
(UEFA)
南米
(CONMEBOL)
北中米カリブ海
(CONCACAF)
アジア
(AFC)
オセアニア
(OFC)
プレーオフ
合計
本大会
出場枠
1 8 16 6 6 8 1 2 48

出場国拡大構想[編集]

FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長はこの大会から48ヵ国に出場国を拡大するという構想を持っている[12]。当初、インファンティーノ会長は出場国を40チームに増やすと、2016年2月に行われたFIFA会長選の公約に掲げていた[13]。具体的には各大陸予選で最高成績を挙げた16ヵ国がグループリーグからの登場となり、その上で、残りの32ヵ国は1試合のプレーオフを行う事を明らかにしているという[12]。その一方で、決勝トーナメント進出は16ヵ国という点では変わりない[14]

これについて、インファンティーノ会長は「現行の32チームが戦うワールドカップは継続するが、48チームがこの盛大なパーティーに参加できるということだ。私の案はサッカーを世界中に発展させるもので、ワールドカップは単なる競技会ではなく、社会的なイベントになる。来年(2017年)までにベストな選択をする」と話しており、2017年1月のFIFA評議会(旧FIFA理事会)までに結論を得たい考えを示している[15]

しかし、サッカードイツ代表のヨアヒム・レーヴ監督は2016年10月2日にドイツ紙のインタビューで、「小さな国が大きな大会に出られるという恩恵は絶対的に理解している」としたが、サッカーの欧州選手権の出場国が16ヵ国から24ヵ国に広げたことを例に挙げて、「長期的に見て、質が低下していることをはっきりさせなければならない。やり過ぎてはいけない」と「否定的な見解」を示している[16]。また、一部の「サッカー関係者」からも「ワールドカップの価値を下げるおそれがある」として批判が上がっている[15]

その後、2016年12月23日にAP通信が伝えたところによれば、もし、FIFAワールドカップの参加国数を48に増やした場合、1次リーグを3チーム、それぞれ、16のリーグで競い合う形式が最も適しているという報告書をまとめたという[17]。しかし、現在の32チームによる1次リーグの方式でも、「競技の質を保つ上では最良」とこの報告書では述べている[17]

また、この報告書では、この方式が導入された場合2018 FIFAワールドカップの収入が、55億ドルから2割増え、利益も6億4千万ドル増えることが試算されているが、これまでの大会方式を「財政的な理由」として変えるべきではないとも指摘している[17]

この出場国拡大については2016年10月13日・14日に行われるFIFA評議会(旧FIFA理事会)で議論されたが[14]、このFIFA評議会(旧FIFA理事会)では決定せず[18][19]、2017年1月10日に、正式に、現在の32チームから48チームに出場国が拡大されることになった[1][20]。これは、この大会に参加する国や地域が増え、放送権料の収益が増えることが見込むことができるため、開催国の拡大を行うもので、1チーム当たりの試合の数に加え、日程については、およそ1カ月に及ぶ期間を延長しない見通しとなる[21]。今回の開催国の拡大案に関しては、反対するFIFAの理事もいたものの、FIFA側が、「出場枠の拡大によって収益が増えることなどのメリット」を説明したことで、FIFA評議会(旧FIFA理事会)内の反対する意見は、ほぼ無くなっていった[22]。なお、大会方式は48のチームを、16のグループに分け、1グループ3チームで1次リーグを戦い、その後は、従来通り、決勝トーナメントという流れになる[22]

開催国
アフリカ
(CAF)
欧州
(UEFA)
南米
(CONMEBOL)
北中米カリブ海
(CONCACAF)
アジア
(AFC)
オセアニア
(OFC)
プレーオフ
合計
今大会出場枠
(前大会出場枠)
1
(1)
8
(5)
16
(13)
6
(4)
6
(3)
8
(4)
1
(0)
2
(2)
48
(32)

開催希望地の状況[編集]

2009年、国際サッカー連盟(FIFA)は、ワールドカップの開催立候補地について、これに先立つ2大会の開催地と同一の大陸連盟に所属する国は立候補できないという規定を制定した。2010年12月2日、FIFAは2018年大会欧州サッカー連盟(UEFA)所属のロシア2022年大会アジアサッカー連盟(AFC)所属のカタールで開催する事を決定したため、この両協会に所属するヨーロッパやアジア[23]での開催は不可能となった。

しかし、2015年にFIFAは2大会連続開催が禁止されていると発表したたことから、アジアサッカー連盟のみが招致の対象外となった[24]

2022年大会の開催地がカタールに決定する前は、中国が2026年大会の招致に意欲を見せ、2010年7月には中国サッカー協会が中国のスポーツ行政を管轄する国家体育総局に大会誘致の許可を申請する予定と報じられていたが[25]、2022年大会にはカタール以外にもAFC加盟協会から日本[26]韓国オーストラリアも招致活動を行い、正式な立候補書類を提出していたため、中国の意向はこれと競合していた。2010年10月、AFCのモハメド・ビン・ハマム会長は国家体育総局サッカー管理センターの韋迪主任(zh)の話として、中国が2026年大会の招致を断念したと語った[27]

ワールドカップ(W杯)開催国決定は、2010年12月2日の2018年及び2022年W杯開催国投票まで、旧FIFA理事会(現FIFA評議会)のわずか24名のFIFA理事の投票(会長は同数の時のみ1票投じる)で決まる方式だった[28]。そのため買収工作も容易だったのとの反省から、改正されたFIFA Statutes(FIFA規則・定款)2016年版の2016年4月27日の施行により[4]、今大会のW杯開催投票からFIFA総会(FIFA Congress)での開催立候補国を除く全加盟協会での投票方式に変更された。また、ワールドカップ招致活動に、買収工作や金品や不適切な贈答品などの明確な禁止規定を設けた[4]

その後、2016年10月14日に行われたFIFA評議会(旧FIFA理事会)において、2026 FIFAワールドカップにおいて立候補できる大陸を原則アジアとヨーロッパ以外とすることを決定した[29]

なお、2017年11月7日に発表になった招致手引書によれば、かつての大会で分かりにくい所が多かった手順が明確になっている[30]。評価の基準は「法令順守や施設面、人権への配慮、コストや収益」となっていて、2018・2022のFIFAワールドカップの招致で問題になった「不適切な贈答品やサッカー振興プロジェクト、親善試合開催」は禁止された[30]

2018年3月16日、FIFA評議会(旧FIFA理事会)が、今大会2026年W杯開催国投票は、2018年ロシアW杯開幕戦前日の2018年6月13日に、ロシア首都モスクワでのFIFA総会(FIFA Congress)で行うことを承認した。3カ国共同開催での立候補のアメリカカナダメキシコ、単独開催での立候補のモロッコ、これら4カ国を除いた残り207協会での投票となり、2つの候補の内、最多票を得た側が2026年W杯開催国となる[2]。加盟協会は、規模やサッカーの強さに関係なく、1票のみ持つ[4]

立候補国[編集]

カナダ・メキシコ・アメリカ合衆国共同開催構想[編集]

2012年になってから、北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)所属のカナダは2026年大会の招致に関心を見せている事が明らかとなった。同年7月にカナダサッカー協会のヴィクトル・モンタリアーニ会長が、FIFAに対して口頭で、2026年大会の招致活動が始まった場合にはカナダがその立候補国の一つとなると伝えたと明かした[31]。カナダはワールドカップの開催経験はないが、2007年に2007 FIFA U-20ワールドカップを開催し、2015年には2015 FIFA女子ワールドカップを開催した。

カナダに引き続き同じ北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)所属のメキシコは2012年9月に、メキシコサッカー連盟のフスティノ・コンペアン会長が、メキシコが2026年大会の招致を目指すと述べた[32]。メキシコは1970年大会1986年大会の開催実績があり、2018年大会と2022年大会の招致にも意欲を見せていたため、どの国もまだ経験していない3度目のワールドカップ開催となってもすぐに準備できるとした。

アメリカ合衆国は2026年のワールドカップ招致にカタールに敗れてから開催意思を示していなかったが、2017年4月8日に前述のカナダ、メキシコとの3か国共催での立候補を表明した[33]北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)の会合で3カ国での共催案が決まり、同年4月10日に正式発表された。ロイター通信によると、アメリカで60試合、カナダとメキシコで10試合ずつを行い、準々決勝以降の試合をアメリカで開催する計画であるが、各国間で交渉中だという[34]

モロッコ開催構想[編集]

2017年8月11日にアフリカ連盟のモロッコが開催に立候補を表明した。モロッコは1994年、1998年、2006年、2010年のワールドカップ招致に立候補したがいずれも敗れており、 5度目の挑戦となる。

その他[編集]

南米サッカー連盟(CONMEBOL)からはウルグアイアルゼンチンとの共催で2030年大会の招致を目指している[35]。しかし、コロンビアも立候補に興味を示しており、コロンビアで行われた2011 FIFA U-20ワールドカップを開催後、ワールドカップ招致の検討が始まった。コロンビアは1974年に1986 FIFAワールドカップの開催に選ばれていたが、直前で政情不安や財政難等の問題からメキシコに開催返上した経緯がある。2015年にホルヘ・エスピノーザ議員がフアン・マヌエル・サントス大統領に招致へ向けての協力を要請した[36]

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ a b チューリヒ(スイス)時事 (2017年1月10日). “サッカーW杯、48チームに=26年大会から拡大”. 時事通信. http://www.jiji.com/jc/article?k=2017011000792&g=scr 2017年1月10日閲覧。 
  2. ^ a b ボゴタ=共同 (2018年3月17日). “26年サッカーW杯開催地、6月総会で決定へ”. 日本経済新聞. https://www.nikkei.com/article/DGXLSSXK60499_X10C18A3000000/ 2018年3月18日閲覧。 
  3. ^ FIFA W杯が最大の収入源-日本経済新聞2015年5月28日
  4. ^ a b c d e f The FIFA Statutes (in force as of 27 April 2016)-FIFA公式HP
  5. ^ 2026 FIFA World Cup bid books now available-FIFA公式HP、2018年3月26日
  6. ^ a b c d FIFA REGULATIONS for the selection of the venue for the finalcompetition of the 2026 FIFA World Cup™-FIFA公式HP、2017年11月7日
  7. ^ カナダ・メキシコ・アメリカ3カ国共同開催提案書-FIFA公式HP
  8. ^ モロッコ単独開催提案書-FIFA公式HP
  9. ^ 2026年W杯評価手順概要-FIFA公式HP
  10. ^ a b 2026 FIFA World Cup 投票手続き-FIFA公式HP
  11. ^ 26年サッカーW杯開催地、6月総会で決定へ-日本経済新聞2018年3月17日
  12. ^ a b “W杯出場国を48チームに拡大する新方式を提案、FIFA会長”. AFPBB News. (2016年10月4日). http://www.afpbb.com/articles/-/3103110 2016年10月5日閲覧。 
  13. ^ “FIFA 14日まで理事会 焦点は本大会の出場チーム数”. 毎日新聞. (2016年10月13日). http://mainichi.jp/articles/20161013/k00/00e/050/271000c 2016年10月13日閲覧。 
  14. ^ a b 共同通信社 (2016年10月4日). “FIFA会長、W杯48チーム出場を提案 理事会で協議へ”. サンケイスポーツ. http://www.sanspo.com/soccer/news/20161004/sci16100411030001-n1.html 2016年10月5日閲覧。 
  15. ^ a b “FIFA会長 W杯出場を48チームに拡大提案へ”. NHK. (2016年10月4日). http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161004/k10010717811000.html 2016年10月5日閲覧。 
  16. ^ “サッカー=ドイツ代表監督、W杯出場枠拡大に否定的見解”. ロイター通信. (2016年10月3日). http://jp.reuters.com/article/loew-world-cup-expanison-idJPKCN12308O 2016年10月5日閲覧。 
  17. ^ a b c 共同通信 (2016年12月23日). “W杯48チームなら16組で FIFA報告書”. サンケイスポーツ. http://www.sanspo.com/soccer/news/20161223/sci16122323420004-n1.html 2016年12月29日閲覧。 
  18. ^ チューリヒ(スイス)共同 (2016年10月14日). “W杯、来年1月に出場数決定へ FIFA会長は拡大意向”. 中日新聞. http://www.chunichi.co.jp/s/article/2016101401000611.html 2016年10月14日閲覧。 
  19. ^ チューリヒ=河野正樹 (2016年10月14日). “サッカーW杯、出場枠は40?48? 来年1月に結論”. 朝日新聞. http://www.asahi.com/articles/ASJBG0SGKJBFUHBI04C.html 2016年10月14日閲覧。 
  20. ^ “サッカーW杯、出場枠拡大 26年大会から48チームに”. 朝日新聞. (2017年1月10日). http://www.asahi.com/articles/ASK1B66BSK1BUTQP01T.html 2017年1月10日閲覧。 
  21. ^ 共同通信 (2017年1月10日). “FIFA、W杯出場チーム数を48に拡大 26年から”. サンケイスポーツ. http://www.sanspo.com/soccer/news/20170110/sci17011019520010-n1.html 2017年1月10日閲覧。 
  22. ^ a b “FIFA W杯出場枠を48チームに拡大”. NHK. (2017年1月4日). http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170110/k10010834701000.html 2017年1月10日閲覧。 
  23. ^ アジアにはAFC所属のオーストラリアも含まれる。
  24. ^ FIFA (2015年6月10日). “Current allocation of FIFA World Cup™ confederation slots maintained”. FIFA. http://www.fifa.com/worldcup/news/y=2015/m=5/news=current-allocation-of-fifa-world-cuptm-confederation-slots-maintained-2610611.html 2016年5月11日閲覧。 
  25. ^ ロイター通信日本語版、2010年7月11日付記事、「サッカー=中国、2026年のW杯開催に意欲」、2013年5月29日閲覧。
  26. ^ 同構想を参照。
  27. ^ 人民網2010年10月18日付、「中国、2026年W杯招致を断念」、2013年5月29日閲覧。
  28. ^ FIFA W杯が最大の収入源-日本経済新聞2015年5月28日
  29. ^ チューリヒ(スイス)=共同 (2016年10月14日). “26年W杯はアジアと欧州以外 FIFA、共催立候補も認める”. 日本経済新聞. http://www.nikkei.com/article/DGXLSSXK50985_U6A011C1000000/ 2016年10月14日閲覧。 
  30. ^ a b 共同通信 (2017年11月8日). “【2026年サッカーW杯】招致手引書を発表 FIFAが不透明だった手順を明文化”. 産経新聞. http://www.sankei.com/sports/news/171108/spo1711080005-n1.html 2017年11月9日閲覧。 
  31. ^ カナダ放送協会(CBC) Sport、2012年7月6日付、"Canadian Soccer Association to bid for 2026 World Cup"、2013年5月29日閲覧。
  32. ^ ESPNニュース、2012年9月21日付、"Mexico to bid for 2026 World Cup"、2013年5月29日閲覧。
  33. ^ 26年W杯、米が立候補へ メキシコなど3カ国共催で日本経済新聞、2017年4月9日閲覧
  34. ^ 米国など共催で立候補発表=26年サッカーW杯ヤフースポーツ、2017年4月11日閲覧
  35. ^ ウルグアイは1930年に第1回大会となる1930 FIFAワールドカップを開催しており、2030年はそれから100年となる。
  36. ^ BN Americas (2015年6月10日). “Colombian senator calls on country to step up campaign for 2026 World Cup”. FIFA. http://www.bnamericas.com/news/infrastructure/colombian-senator-calls-on-country-to-step-up-campaign-for-2026-world-cup1 2016年5月11日閲覧。