第78回ヴェネツィア国際映画祭
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オープニング | 『パラレル・マザーズ』 |
---|---|
クロージング | 『Il Bambino Nascosto』 |
会場 | イタリア ヴェネツィア |
創設 | 1932年 |
賞名 | 金獅子賞 - 『あのこと』[1] |
主催者 | セレーナ・ロッシ[2] |
期間 | 2021年9月1日 - 11日 |
ウェブサイト |
labiennale |
ヴェネツィア国際映画祭開催史 |
第78回ヴェネツィア国際映画祭は2021年9月1日から11日まで開催された[3] 。2020年1月15日、コンペティション部門の審査員長は監督のポン・ジュノが務めることが発表された[4][5]。金獅子賞はオードレイ・ディヴァン監督の『あのこと』が受賞した[6][7]。
概要
[編集]今回も前回に引き続き、新型コロナウイルス感染症の世界的流行が続いている状況であったため、会場の定員を半分に減らし、ワクチン接種か新型コロナウイルスから回復したことを証明できる証明書、もしくは抗原検査やPCR検査の陰性証明が必要になるなどの厳しい規則を設けたほか、イタリア保健省はアメリカ、カナダ、日本、イスラエル、イギリスが発行したワクチン接種証明書を入国時に認める水際対策を映画祭の開催を前にして発表した[8][9]。
日本からはオリゾンティ部門に湯浅政明監督の『犬王』[10]と短編コンペティションで山下つぼみ監督の「かの山」[11]、VR部門「Venice VR Expanded」にWOWOWとCinemaLeapが共同製作した「Clap」[12]がそれぞれ出品された[13][14][15]。
公式選出
[編集]ラインナップは7月26日に発表された[16]。
コンペティション
[編集]コンペティションとして以下の作品が選ばれた[16][17][18]。
非コンペティション
[編集]コンペティション外上映として以下の作品が選ばれた[16][19][20][21][22][23]。
- フィクション
日本語題 | 原題 | 監督 | 製作国 |
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Il Bambino Nascosto(クロージング作品) | ロベルト・アンド | イタリア フランス | |
Les Choses Humaines | イヴァン・アタル | フランス | |
Ariaferma | レオナルド・ディ・コスタンツォ | イタリア スイス | |
ハロウィン KILLS | Halloween Kills | デヴィッド・ゴードン・グリーン | アメリカ合衆国 |
La Scuola Cattolica | ステファノ・モルディーニ | イタリア | |
Old Henry | ポッツィ・ポンチローリ | アメリカ合衆国 | |
最後の決闘裁判 | The Last Duel | リドリー・スコット | アメリカ合衆国 イギリス |
DUNE/デューン 砂の惑星 | Dune | ドゥニ・ヴィルヌーヴ | アメリカ合衆国 ハンガリー ヨルダン アラブ首長国連邦 ノルウェー カナダ |
ラストナイト・イン・ソーホー | Last Night in Soho | エドガー・ライト | イギリス |
- ノンフィクション
日本語題 | 原題 | 監督 | 製作国 |
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Life of Crime 1984-2020 | ジョン・アルパート | アメリカ合衆国 | |
Tranchées | ループ・ビューロー | フランス | |
Viaggio Nel Crepuscolo | アウグスト・コンテント | フランス イタリア | |
Republic of Silence | ディアナ・エル・ジェイルディ | ドイツ フランス シリア カタール | |
Hallelujah: Leonard Cohen, A Journey, A Song | ダニエル・ゲラー デイナ・ゴールドファイン |
アメリカ合衆国 | |
Deandré#Deandré Storio di un Impiegato | ロベルタ・リナ | イタリア | |
Becoming Led Zeppelin | バーナード・マクマホン | イギリス アメリカ合衆国 | |
Django & Django | ルカ・レイ | イタリア | |
モリコーネ 映画が恋した音楽家 | Enrio | ジュゼッペ・トルナトーレ | イタリア ベルギー 中国 日本 |
Ezio Bosso: Le cose che restano | ジョルジオ・ベルデッリ | イタリア |
- シリーズ
日本語題 | 原題 | 監督 | 製作国 |
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ある結婚の風景 | Scenes from a Marriage(episodes 1-5) | ハガイ・レヴィ | アメリカ合衆国 |
- 短編作品
日本語題 | 原題 | 監督 | 製作国 |
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Plastic Semiotic | ラドゥ・ジュデ | ルーマニア | |
Liang Ye Bu Neng Liu | ツァイ・ミンリャン | 台湾 | |
Sad Film | ヴァシリ | ミャンマー オランダ |
オリゾンティ
[編集]- コンペティション
日本語題 | 原題 | 監督 | 製作国 |
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Atlantide | ユリ・アンカラニ | イタリア フランス アメリカ合衆国 カタール | |
Miracol | ボグダン・ジョージ・アプツリー | ルーマニア チェコ ラトビア | |
Piligrimai | ローリナス・バレイサ | リトアニア | |
Il Paradiso del Pavone | ローラ・ビスプリ | イタリア ドイツ | |
Pu Bu | チョン・モンホン | 台湾 | |
El Hoyo en la Cerca | ホアキン・デル・パソ | メキシコ ポーランド | |
Amira | モハメド・ディアブ | エジプト ヨルダン アラブ首長国連邦 サウジアラビア | |
À Plein Temps | エリック・グラベル | フランス | |
Cenzorka | ペテル・ケレケシュ | スロバキア チェコ ウクライナ | |
Vera Andrron Detin | カルトリナ・クラスニキ | コソボ アルバニア 北マケドニア | |
Les Promesses | トーマス・クルイトホフ | フランス | |
ホワイト・ビルディング | Bodeng Sar | カヴィッチ・ネアン | カンボジア フランス 中国 カタール |
Wela | ジャクラバル・ニルタムロン | タイ フランス オランダ シンガポール | |
El Otro Tom | ロドリゴ・プラ ローラ・サントゥロ |
メキシコ アメリカ合衆国 | |
大いなる運動 | El Gran Movimiento | キロ・ルッソ | ボリビア フランス カタール スイス |
Once Upon a Time in Calcutta | アディティヤ・ヴィクラム・セーングプタ | インド フランス ノルウェー | |
Nosorih | オレグ・センツォフ | ウクライナ ロシア | |
True Things | ハリー・ウートリフ | イギリス | |
犬王 | 湯浅政明 | 日本 中国 |
- 短編コンペティション
日本語題 | 原題 | 監督 | 製作国 |
---|---|---|---|
Don’t Get Too Comfortable | シェイマ・アル=タミミ | イエメン カタール アラブ首長国連邦 アメリカ合衆国 オランダ | |
Techno, Mama | Saulius Baradinskas | リトアニア | |
Desente | メフディ・フィクリ | フランス | |
Mukaqat | シーマブ・グール | パキスタン | |
Heltzear | ミケル・グレア | スペイン | |
骨 | Los Huesos | クリストバル・レオン ホアキン・コチニャ |
チリ |
Tou Sheng, Ji Dan, Zuo Ye Ben | ルオ・ランシャオ | 中国 | |
Il Turno | キアラ・マロッタ ロリス・ジュゼッペ・ニース |
イタリア | |
Fall of The Ibis King | ジョシュ・オカイム ミカイ・ジェロニモ |
アイルランド | |
La Fée Des Roberts | レアン・ヴィヴィエ・チャパス | フランス | |
かの山 | 山下つぼみ | 日本 |
- 短編非コンペティション
日本語題 | 原題 | 監督 | 製作国 |
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Ato | バーバラ・パズ | ブラジル | |
Preghiera Della Sera | ジュゼッペ・ピッチョーニ | イタリア |
- エクストラ
日本語題 | 原題 | 監督 | 製作国 |
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Costa Brava | モーニア・アックル | レバノン フランス スペイン スウェーデン デンマーク ノルウェー カタール | |
Mama, Ya Doma | ウラジーミル・ビトコフ | ロシア | |
Ma Nuit | アントワネット・ブラ | フランス ベルギー | |
La Ragazza Ha Volato | ウィルマ・ラベート | イタリア スロベニア | |
7 Prisioneiros | アレクサンドル・モラット | ブラジル | |
Land of Dreams | シリン・ネシャット シュジャー・アザリー |
アメリカ合衆国 ドイツ カタール | |
Sokea Mies, Joka Ee Halunnut Nähdä Titanicia | テーム・ニッキ | フィンランド | |
La Macchina Delle Immagini Di Alfredo C. | ローランド・セイコ | イタリア |
審査員
[編集]- ポン・ジュノ ( 韓国/映画監督・脚本家) 審査員長
- サヴェリオ・コスタンツォ ( イタリア/映画監督・脚本家)
- ヴィルジニー・エフィラ ( ベルギー・ フランス/女優)
- シンシア・エリヴォ ( イギリス/女優・歌手)
- サラ・ガドン ( カナダ/女優)
- アレクサンダー・ナナウ ( ルーマニア/ドキュメンタリー映画監督)
- クロエ・ジャオ ( 中国/映画監督・脚本家)
- ヤスミラ・ジュバニッチ ( ボスニア・ヘルツェゴビナ/映画監督) 審査員長
- モナ・ファストヴォルド ( ノルウェー/映画監督)
- シャフラム・モクリ ( イラン/映画監督)
- ジョッシュ・シーゲル ( アメリカ合衆国/ニューヨーク近代美術館(MoMA)映画部門監督)
- ナディア・テラノヴァ ( イタリア/小説家)
- ウベルト・パゾリーニ ( イタリア/映画監督・映画プロデューサー) 審査員長
- マーティン・シュヴァイクホーファー ( オーストラリア/映画評論家)
- アマリア・ウルマン ( アルゼンチン/ビジュアル・アーティスト)
受賞結果
[編集]公式部門
[編集]- 金獅子賞 – 『あのこと』 - オードレイ・ディヴァン
- 審査員大賞 – 『Hand of God -神の手が触れた日-』 - パオロ・ソレンティーノ
- 銀獅子賞 - ジェーン・カンピオン - 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
- ヴォルピ杯:
- 脚本賞 - マギー・ジレンホール - 『ロスト・ドーター』
- 審査員特別賞 – 『洞窟』 - ミケランジェロ・フランマルティーノ
- マルチェロ・マストロヤンニ賞 – フィリッポ・スコッティ - 『Hand of God -神の手が触れた日-』
- 作品賞 - 『Piligrimai』 - ローリナス・バレイサ
- 監督賞 - エリック・グラベル -『フルタイム』
- 審査員特別賞 – 『大いなる運動』 - キロ・ルッソ
- 女優賞 - ロール・カラミー - 『フルタイム』
- 男優賞 - ピセス・チュン - 『ホワイト・ビルディング』
- 脚本賞 - 『Cenzorka』 - ペテル・ケレケシュ、イヴァン・オストロチョフスキー
- 短編映画賞 - 『Los Huesos』 - クリストバル・レオン、ホアキン・コチニャ
- アルマーニ・ビューティ・オーディエンス賞 - 『The Blind Man Who Did Not Want to See Titanic』 - テーム・ニッキ
- ルイジ・デ・ラウレンティス賞 - 『Imaculat』 - モニカ・スタン、ゲオルゲ・チッパー゠リールマーク
- VR審査員賞 (VRの技術に対して) - 『Goliath: Playing with Reality』 - バリー・ジーン・マーフィー、メイ・アブダラ
- VRエクスペリエンス賞 (インタラクティブなコンテンツに対して) - 『Le bal de Paris de Blanca Li』 - ブランカ・リー
- VRストーリー賞 - 『End of Night』 - デヴィッド・アドラー
批評家週間
[編集]- 批評家週間[28]
- 大賞 - 『Zalava』 - アルサラン・アミリ
- マリオ・セランドレイ賞 - 『They Carry Death』 - サムエル・M・デルガド、エレナ・ヒロン
- 短編映画賞 - 『Inchei』 - フェデリコ・デマッテ
- 監督賞 - 『Inchei』 - フェデリコ・デマッテ
- 技術貢献賞 - 『L'Incanto』 - キアラ・カテリーナ
独立部門
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特別賞
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c d e “OFFICIAL AWARDS OF THE 78TH VENICE FILM FESTIVAL”. Venice Film Festival. 2021年9月12日閲覧。
- ^ “SERENA ROSSI TO HOST THE OPENING AND CLOSING NIGHTS OF VENEZIA 78”. labiennale.org. ヴェネツィア・ビエンナーレ (2021年9月1日). 2021年9月6日閲覧。
- ^ “BIENNALE CINEMA 2021 78TH VENICE INTERNATIONAL FILM FESTIVAL”. labiennale.org. ヴェネツィア・ビエンナーレ. 2021年9月6日閲覧。
- ^ Vivarelli, Nick (15 January 2021). “'Parasite' Director Bong Joon Ho to Head Jury at Venice Film Festival”. Variety. 2021年9月6日閲覧。
- ^ “ポン・ジュノ監督がベネチア国際映画祭審査委員長に就任”. 映画.com. (2021年1月19日) 2020年9月6日閲覧。
- ^ “第78回ベネチア国際映画祭、金獅子賞は仏監督オドレイ・ディワンに 予期せぬ妊娠をした女子学生の苦悩描く”. 映画.com. (2021年9月12日) 2021年9月12日閲覧。
- ^ 小原篤 (2021年9月12日). “「ハプニング」に金獅子賞 ベネチア国際映画祭、日本作品は賞逃す”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞) 2021年9月12日閲覧。
- ^ “第78回ベネチア国際映画祭が開幕、審査委員長ポン・ジュノ「コロナによって映画産業が破壊されるとは思わない」”. 映画.com. (2021年9月2日) 2021年9月6日閲覧。
- ^ “ベネチア国際映画祭に光明 アメリカや日本のワクチン接種証明書認可で”. 映画.com. (2021年8月6日) 2021年9月6日閲覧。
- ^ “INU-OH”. ヴェネツィア・ビエンナーレ. 2021年9月6日閲覧。
- ^ “KANOYAMA (THE LAST DAY)”. ヴェネツィア・ビエンナーレ. 2021年9月6日閲覧。
- ^ “CLAP”. ヴェネツィア・ビエンナーレ. 2021年9月6日閲覧。
- ^ 佐藤美鈴 (2021年7月27日). “ベネチア映画祭オリゾンティ部門に湯浅政明監督「犬王」”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞) 2021年9月6日閲覧。
- ^ “女王蜂アヴちゃんと森山未來、湯浅政明の新作アニメ「犬王」でW主演!特報解禁”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2021年7月27日) 2021年9月6日閲覧。
- ^ “VRアニメーション「Clap」が第78回ヴェネチア国際映画祭VR部門「Venice VR Expanded」にノミネート”. 株式会社WOWOW (2021年7月30日). 2021年9月6日閲覧。
- ^ a b c d “2021年ベネチア国際映画祭 ラインナップが発表!”. Fan's Voice. (2021年7月26日) 2021年9月6日閲覧。
- ^ Roxborough, Scott (26 July 2021). “Venice Film Festival 2021 Full Lineup”. The Hollywood Reporter. 2021年9月6日閲覧。
- ^ “VENEZIA 78 COMPETITION”. La Biennale Di Venezia. 2021年9月6日閲覧。
- ^ Hollywood Cheers AT&T Retreat, Viewing Discovery As More Talent-Friendly Warner Steward; HBO Max Day-And-Date Strategy For ‘Dune’ Gets A Rewrite
- ^ Vivarelli, Nick (14 May 2021). “Venice Fest Prepares to Roll Out Red Carpet for Full-Fledged Physical Edition (EXCLUSIVE)” (英語). Variety. 2021年9月6日閲覧。
- ^ Venice: Jamie Lee Curtis to Receive Lifetime Achievement Golden Lion; ‘Halloween Kills’ Screening Out of Competition
- ^ Roxborough, Scott (26 July 2021). “Venice Film Festival 2021 Full Lineup”. The Hollywood Reporter. 2021年9月6日閲覧。
- ^ “OUT OF COMPETITION”. La Biennale Di Venezia. 2021年9月6日閲覧。
- ^ “ORIZZONTI”. La Biennale Di Venezia. 2021年9月6日閲覧。
- ^ a b c “Venice Competition Jury: Chloé Zhao & Cynthia Erivo Join President Bong Joon Ho” (英語) (21 July 2021). 2021年9月6日閲覧。
- ^ a b c “THE INTERNATIONAL JURIES OF THE BIENNALE CINEMA 2021”. La Biennale Di Venezia (2021年9月1日). 2021年9月6日閲覧。
- ^ a b c d “French Abortion Drama 'Happening' Wins Venice Film Festival”. The Hollywood Reporter. 2021年9月12日閲覧。
- ^ “COLLATERAL AWARDS OF THE 78TH VENICE FILM FESTIVAL”. labiennale.org (September 10, 2021). 2021年9月12日閲覧。