「ネオジオポケット」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
編集の要約なし
21行目: 21行目:
|次世代ハード = [[NEO GEO X]]
|次世代ハード = [[NEO GEO X]]
}}
}}
'''ネオジオポケット'''('''NEOGEO POCKET''')とは、[[SNK]]が発売した[[携帯型ゲーム]]機。略称「NGP」<ref>「NGP」という略称は、SCEが発表した携帯型ゲーム機「[[プレイステーション・ヴィータ]]」の仮名と同一だが、両者は無関係で全く別のゲーム機である。</ref>、「ネオポケ」。改良型の上位互換機「'''[[ネオジオポケットカラー]]'''(NGPC)」及び「(NEW)'''ネオジオポケットカラー'''」を含めた全体的な事項もここで述べる
'''ネオジオポケット'''('''NEOGEO POCKET''')とは、[[SNK]]が発売した[[携帯型ゲーム]]機。略称「NGP」<ref>「NGP」という略称は、SCEが発表した携帯型ゲーム機「[[プレイステーション・ヴィータ]]」の仮名と同一だが、両者は無関係で全く別のゲーム機である。</ref>、「ネオポケ」。

2012年にSNKの後継会社である[[SNKプレイモア]]が次世代機『[[NEO GEO X]]』を発表した<ref>{{Cite web|date=2012-03-16|url=http://www.famitsu.com/news/201203/16011643.html|title=[海外ゲームニュース]NEO GEO携帯機が発表!? - ファミ通.com|publisher=[[エンターブレイン]]|accessdate=2012-03-17}}</ref>。


== 機種 ==
== 機種 ==
41行目: 39行目:
本体中央部の液晶ディスプレイは[[モノクローム|モノクロ]]8階調。「'''ネオジオポケットカラー'''」専用のソフトは本機では動作させることはできない。ただし、全く動かないというわけではなく、ソフト側にネオジオポケットカラーでの動作を促す警告文が入っている場合は、それが表示されるようになっている。なお、モノクロ版とカラー版の双方に対応したソフトも存在する。ちなみに、モノクロ版の[[ローンチタイトル]]の中にすでにカラー対応ソフトが含まれていた。
本体中央部の液晶ディスプレイは[[モノクローム|モノクロ]]8階調。「'''ネオジオポケットカラー'''」専用のソフトは本機では動作させることはできない。ただし、全く動かないというわけではなく、ソフト側にネオジオポケットカラーでの動作を促す警告文が入っている場合は、それが表示されるようになっている。なお、モノクロ版とカラー版の双方に対応したソフトも存在する。ちなみに、モノクロ版の[[ローンチタイトル]]の中にすでにカラー対応ソフトが含まれていた。


対応ソフトの大半はSNKから発売された。同社の他も、[[エーディーケイ|ADK]]や[[夢工房]]といったネオジオに関わっていた開発企業がソフト開発を担当した。ソフト数は少ないが、[[カプコン]](5本)や[[セガ]](セガ2本、セガトイズ1本)等の競合他社もサードパーティとして参入していた。またソフトの発売には至らなかったものの、[[ソニー・コンピュータエンタテインメント|SCE]]も参入の意思を表明していた<ref>[http://www.academyhills.com/aboutus/gijiroku/21/21_17.html 過去の講義レポート集|アカデミーヒルズ] ネオジオポケットカラーのドリームキャストとの連携や、ソフトへのソニー・コンピュータエンタテインメントの参入</ref>。売り上げ面では苦戦したとはいえ、これまでの携帯ゲーム機にはない作品が揃っていた。ファンの要望に応えるべく、対戦格闘ゲームのほかに、[[脱衣麻雀]]や[[パチンコ]]・[[パチスロ]]のシミュレーターなど、大人のためのソフトも充実していた。また、携帯ゲーム機としてはゲーム業界で初めて、推奨年齢表示を箱に表示している。特にカジノゲームを扱った作品に多く、性的要素が無いものでも18歳以上推奨の表示が有る作品がある。<!--しかし、初期タイトルにはどうしようもない代物が揃っており、[[ビデオポーカー]]や[[ビデオスロット]]など、明らかにコンシューマー向けでないタイトルや、タイトル数稼ぎのためとしか思えないような陳腐なゲームが揃っていたことが良質なソフトを埋もれさせる原因となってしまった。←個人的見解が多分に入っているように見えるので、コメントアウト-->
対応ソフトの大半はSNKから発売された。同社の他も、[[エーディーケイ|ADK]]や[[夢工房]]といったネオジオに関わっていた開発企業がソフト開発を担当した。ソフト数は少ないが、[[カプコン]](5本)や[[セガ]](セガ2本、セガトイズ1本)等の競合他社もサードパーティとして参入していた。またソフトの発売には至らなかったものの、[[ソニー・コンピュータエンタテインメント|SCE]]も参入の意思を表明していた<ref>[http://www.academyhills.com/aboutus/gijiroku/21/21_17.html 過去の講義レポート集|アカデミーヒルズ] ネオジオポケットカラーのドリームキャストとの連携や、ソフトへのソニー・コンピュータエンタテインメントの参入</ref>。売り上げ面では苦戦したとはいえ、これまでの携帯ゲーム機にはない作品が揃っていた。ファンの要望に応えるべく、対戦格闘ゲームのほかに、[[脱衣麻雀]]や[[パチンコ]]・[[パチスロ]]のシミュレーターなど、大人のためのソフトも充実していた。また、携帯ゲーム機としてはゲーム業界で初めて、推奨年齢表示を箱に表示している。特にカジノゲームを扱った作品に多く、性的要素が無いものでも18歳以上推奨の表示が有る作品がある。


== 経緯 ==
== 経緯 ==
91行目: 89行目:


==その他==
==その他==
当時の売れ残り在庫は[[プライズゲーム]]の景品として販売された。[[社団法人全日本アミューズメント施設営業者協会連合会]]の規程した「景品1個の価額は、市販価額で800円を超えてはならない。」という自主規制から察するに販売価格が800円以下であることは確実で、完全な投売りだった。またアルゼ開発のプライズゲーム PP-AA01 CP-AA02の設定変更用の操作機器として使われるなど転用も行われた。
だぶついていた在庫はアルゼ開発のプライズゲーム PP-AA01 CP-AA02の設定変更用の操作機器として使われるなど転用も行われた。


本機は海外でも発売されており、[[ファームウェア]]の設定に日本語と英語の切り替えがある。
本機は海外でも発売されており、[[ファームウェア]]の設定に日本語と英語の切り替えがある。

2012年4月12日 (木) 19:38時点における版

ネオジオポケット
メーカー SNK
種別 携帯型ゲーム機
発売日 日本の旗 1998年10月28日
対応メディア ロムカセット
外部接続 5ピンコネクター
互換ハードウェア ネオジオポケットカラー
NEWネオジオポケットカラー
次世代ハードウェア NEO GEO X
テンプレートを表示

ネオジオポケットNEOGEO POCKET)とは、SNKが発売した携帯型ゲーム機。略称「NGP」[1]、「ネオポケ」。

機種

カラー液晶を搭載。
  • (NEW)ネオジオポケットカラー - 1999年10月21日発売
ネオジオポケットカラーの小型・廉価化。

概要

対戦格闘ゲームの雄だったSNKが生み出しただけあり、作品も対戦型格闘ゲームが中心だった。一般のゲーム機の十字キーに相当する部分はメカニカルスイッチを利用したジョイスティックで、コマンドの入力し易さや親指への負担軽減に一役買っていた。このジョイスティックが評価され、ネオジオポケットは1998年グッドデザイン賞を受賞している[2]。デザイナーはインターデザイン研究所上田幸和

内蔵ソフトを搭載しており、ROMカセットを挿入せずに本体電源を入れると内蔵ソフトが立ち上がる。その中に時計・カレンダー機能があり、設定しておくと指定時間に自動的に電源がONになるアラーム機能も有していた。時計・カレンダー機能はROMカセットのソフトウェアからも使用でき、一部のソフトでは特定の時間や日付に遊ぶことで通常とは異なる動作をさせるといった使い方がされていた。

本体色は多数用意され、カーボン柄や迷彩柄など複数の色を使ったものや、中身が透けて見える半透明のものも存在した。

本体中央部の液晶ディスプレイはモノクロ8階調。「ネオジオポケットカラー」専用のソフトは本機では動作させることはできない。ただし、全く動かないというわけではなく、ソフト側にネオジオポケットカラーでの動作を促す警告文が入っている場合は、それが表示されるようになっている。なお、モノクロ版とカラー版の双方に対応したソフトも存在する。ちなみに、モノクロ版のローンチタイトルの中にすでにカラー対応ソフトが含まれていた。

対応ソフトの大半はSNKから発売された。同社の他も、ADK夢工房といったネオジオに関わっていた開発企業がソフト開発を担当した。ソフト数は少ないが、カプコン(5本)やセガ(セガ2本、セガトイズ1本)等の競合他社もサードパーティとして参入していた。またソフトの発売には至らなかったものの、SCEも参入の意思を表明していた[3]。売り上げ面では苦戦したとはいえ、これまでの携帯ゲーム機にはない作品が揃っていた。ファンの要望に応えるべく、対戦格闘ゲームのほかに、脱衣麻雀パチンコパチスロのシミュレーターなど、大人のためのソフトも充実していた。また、携帯ゲーム機としてはゲーム業界で初めて、推奨年齢表示を箱に表示している。特にカジノゲームを扱った作品に多く、性的要素が無いものでも18歳以上推奨の表示が有る作品がある。

経緯

モノクロ版は任天堂の携帯ゲーム機ゲームボーイカラーの1週間後に発売された上、SNKが発売前から上位機種のカラーシリーズを5ヶ月後に発売すると予告していた為に売れ行きは芳しくなかった。モノクロ版の売れ行きの悪さがSNKを赤字転落に追いやった元凶になったとも言われる[要出典]

CMで「I'm not BOY. 誰だってBOYを捨てるときがくる」という挑戦的なキャッチコピーを打ちだし、ゲームボーイとの差別化を図ろうとした。しかし、認知度はいまひとつで、一般層へ浸透している「携帯ゲーム機=ゲームボーイ」という認識は変えられなかった。 SNKがパチスロメーカーアルゼに子会社化された後は、パチスロメーカーサミーの関わっていたワンダースワンとの、アルゼVSサミー代理戦争の様相を見せたが、結局は共倒れになった。

SNK倒産後は知的財産や在庫などが競売にかけられた。しかし、すでにより高性能なゲームボーイアドバンスが存在しており、ネオジオポケットやそのタイトルに関する権利には買い手が付かず、SNKプレイモアでもネオジオポケットを扱っていない。

仕様

ネオジオポケット

  • CPU - 16ビット(東芝製TLCS-900/Hコア 最大クロック周波数6.144MHz)+8ビット(Z80相当品 クロック周波数3.072MHz/サウンド用)
  • 色数・解像度 - モノクロ8階調 160ドット×152ライン
  • スプライト - 8×8ドット、3色+透明1色、512枚同時表示
  • サウンド - 矩形波3ch+ノイズ1ch
  • メディア - ROMカセット
  • 電源 - 単4乾電池×2本+リチウムボタン電池CR2032(バックアップ用)×1個
  • 連続動作時間 - 約20時間
  • 外部端子
  • 5ピンコネクター(本体上面右寄りに配置、通信ケーブル等用)
  • ステレオヘッドホン端子
  • ACアダプター端子
  • 操作系 - 8方向ジョイスティック、A・Bボタン、OPTIONボタン、電源ボタン、音量調節つまみ
  • 内蔵ソフト - 占い、時計・アラーム機能、各種設定機能
  • 価格 - 7,800円

内蔵ソフト

カートリッジを挿さずに電源を入れると、以下の機能が利用できる。

  • カレンダー
  • 世界時計
  • 星占い
  • アラーム
  • 設定
    • 言語(日本語・英語)
    • 日時

カラーバリエーション

  • オリジナルカラー
    • プラチナブルー(1998年10月28日-)
    • プラチナシルバー(1998年10月28日-)
    • プラチナホワイト(1998年10月28日-)
    • カーボンブラック(1998年10月28日-)
    • メイプルブルー(1998年10月28日-)
    • カモフラージュブルー(1998年10月28日-)
    • カモフラージュブラウン(1998年10月28日-)
    • クリスタルホワイト(1998年10月28日-)

その他

だぶついていた在庫はアルゼ開発のプライズゲーム PP-AA01 CP-AA02の設定変更用の操作機器として使われるなど転用も行われた。

本機は海外でも発売されており、ファームウェアの設定に日本語と英語の切り替えがある。 また、ハードの解析や自作プログラムの開発を趣味とする者にとっては、すでに遊び尽くされた感のあったゲームボーイシリーズに代わる格好の材料であり、海外の一部で盛んに解析や開発が行われていた。

周辺機器

通信ケーブル
本体上面の5ピンコネクターに接続して使用する。2人での対戦が可能。
無線ユニット
5ピンコネクターに接続、本体上面に固定して使用する。アンテナは発表当初の写真では伸縮式アンテナだったが、実際に市販された物ではぶら下げる形状になっている。電波の届く範囲は半径10メートル程度で、理論的には最大64人まで通信可能。対応ソフトは限られ、対戦格闘ゲームなどの即応性が要求されるソフトには使用できない。
ACアダプタ
専用端子に接続する。モノクロ・カラーとも同じものが使用可能。
ドリームキャスト接続ケーブル
本体上面の5ピンコネクターに接続して使用。

主なソフト

関連項目

脚注

  1. ^ 「NGP」という略称は、SCEが発表した携帯型ゲーム機「プレイステーション・ヴィータ」の仮名と同一だが、両者は無関係で全く別のゲーム機である。
  2. ^ Good Design Award
  3. ^ 過去の講義レポート集|アカデミーヒルズ ネオジオポケットカラーのドリームキャストとの連携や、ソフトへのソニー・コンピュータエンタテインメントの参入

外部リンク