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2009年4月25日 (土) 00:24時点における版

ピストン(Piston)とは、機械部品の一種。中空の円筒形の部品の内側にはまりこむ円筒形のものの一般的な名称。ガソリンエンジンディーゼルエンジンなどの内燃機関や、蒸気機関スターリングエンジンなどの外燃機関に使われるほか、注射器の内筒や管楽器の音程を決めるバルブ部分にも使われている。

以下、本稿ではレシプロエンジンのピストンについて述べる。

レシプロエンジンのピストン

原動機のピストンとコネクティングロッド

燃焼室(シリンダー)の断面は一般的に円形であるため、ピストンの断面も円形である。効率の良い燃焼(火炎伝播)を得てかつ、バルブとの干渉を避けるために、燃焼室の形状は複雑化している。そのため、燃焼室の底面を兼ねるピストン上面も凹凸を持つことが多い(バルブリセス)。高い圧縮比を得るために、上面に大きく凸形状を与えられることもある(ペントルーフ)。 ピストンの素材にはアルミニウム合金、チタン合金などを用いる。生産性とコストを重視する場合は、鋳造によって製造するが、燃焼時の衝撃に耐える強度を確保するため、レースエンジンやチューニングエンジンでは鍛造されることが多い。

シリンダー内の気体、液体がピストン側から漏れると効率が落ち、危険でもある。しかしながらシリンダーとピストンの断面の形状を全く同一にすると、摩擦による運動エネルギーの損失が生じる。そこで、ピストンの周囲に鉢巻のような構造であるピストンリングを付ける。ピストンリングは機能別に2 - 3本付けることが多い。

ピストンはその形状から、スカート付、スカート無(スリッパータイプ)の2種類がある。スカートは、ピストンがシリンダー内部で傾倒するのを防止する目的でつけられる。ピストンの移動量が少ないショートストロークではスカートを省略し、摩擦力を軽減して高回転化をはかっている。また近年スカート部にコーティングを施し、スカート無しピストン並の性能を持たせた物もある。コーティングの組成はエンジン性能を直接左右する為、多くのメーカーで秘密とされるが、主にモリブデンを含むテフロン樹脂であるとも言われている。

運動の変換

ピストンはシリンダ内の混合気の燃焼により、ガス膨張圧を受け止め、シリンダの体積を増やす方向に移動する。このような直線的な運動をそのまま動力源として用いることは少なく、通常はコネクティングロッド(コンロッド)と呼ばれる棒状の部品を介して回転運動可能なクランクシャフトに接続する。

このような構成を採ることで、往復運動をタイヤプロペラスクリューなどの回転運動に変換できる。発電機に接続し、機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する場合もある。

よく間違われるのは、この「ピストン=クランク機構」のピストン位置の時間変化曲線が、正確なサインカーブを描かない(上死点側の動きがより急になる)点である。これがエンジンの振動を悪化させる場合もある。

なお、混合気の吸気と圧縮、燃焼ガスの排気サイクルでは、クランクシャフト側がピストンを動かしている。

ボアとストローク

ピストンの直径と往復の距離の比からショートストローク=高回転と思い込む風潮がかつて存在したが、最高回転における平均ピストンスピード9m/秒の機械的強度限界を機械工作精度と材質の向上により克服した現在においては、

  • ロングストローク=低フリクション
  • 大直径燃焼室=燃焼効率低下

などの実験結果もあり、乗用車用エンジンでは「高回転エンジンなのにロングストローク」が最近の流行になりつつある。

関連項目

外部リンク