スカーレットブーケ

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スカーレットブーケ
欧字表記 Scarlet Bouquet
品種 サラブレッド
性別
毛色 栗毛
生誕 1988年4月11日(36歳)
死没 (存命)
ノーザンテースト
スカーレットインク
母の父 Crimson Satan
生国 日本の旗 日本北海道千歳市
生産者 社台ファーム
馬主 吉田勝己、ほか9人
調教師 伊藤雄二栗東
競走成績
生涯成績 21戦6勝
獲得賞金 3億1175万5600円
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スカーレットブーケ日本競走馬繁殖牝馬。競走馬時代は中央競馬重賞を4勝するなど快速馬として知られた。ダイワメジャーダイワスカーレットなど多くの活躍馬を送り出す繁殖牝馬としても知られている。馬名は英語で「緋色の花束」の意。

全姉に報知杯4歳牝馬特別の優勝馬スカーレットリボンや、ヴァーミリアンサカラートの祖母スカーレットローズ、トーセンジョウオーの祖母スカーレットブルーがいる。

戦績

1990年7月7日札幌でデビュー。初戦を5馬身差で圧勝すると、続く札幌3歳ステークスにも勝利し、2連勝で重賞に初優勝。その後社台ファームに短期放牧に出されるが、ソエのため十分な調教が積めず[1]、後2戦を8着、2着とした後、年明け緒戦のクイーンカップを3馬身差で勝利し重賞2勝目を挙げた。しかしその後は、桜花賞ではシスタートウショウの4着、優駿牝馬(オークス)ではイソノルーブルの5着など、堅実に走るものの勝ちきれないレースが続いた。

古馬となって緒戦のオープン特別で12着と大敗した後、人気を落とした京都牝馬特別で約1年ぶりの勝利を挙げる。続く中山牝馬ステークスも快勝し4つ目の重賞を制覇。その後4戦を経たターコイズステークスで、トップハンデの58kgを背負いながらこれに勝利をするも、レース後に肉体、精神ともに疲労が見られたため[1]、このレースを最後に引退することになり、翌年の春から、故郷の社台ファームで繁殖入りとなった。

競走成績

年月日 競馬場 レース名 人気 着順 距離 (m) タイム(上3F 着差 騎手 斤量 勝ち馬/(2着馬) 馬体重
1990. 7. 7 札幌 3歳新馬 1人 1着 芝1000(良) 59.2 (35.5) 5身 柴田政人 53 (ハローエイティ) 440
7. 29 札幌 札幌3歳S GIII 5人 1着 芝1200(良) 1:11.5 (37.4) 1身3/4 的場均 53 (プリンセスロマンス) 450
11. 10 京都 デイリー杯3歳S GII 6人 8着 芝1400(良) 1:23.6 (37.9) 0.5秒 武豊 53 ノーザンドライバー 452
12. 22 京都 ラジオたんぱ杯3牝S GIII 4人 2着 芝1600(良) 1:35.6 (37.3) 0.6秒 武豊 53 イソノルーブル 446
1991. 1. 27 東京 クイーンC GIII 1人 1着 芝1600(良) 1:35.4 (35.6) 3身 武豊 54 (マジョルカシチー) 446
3. 10 中京 チューリップ賞 OP 2人 2着 芝1700(良) 1:44.5 (35.3) 0.4秒 武豊 54 シスタートウショウ 446
4. 7 阪神 桜花賞 GI 3人 4着 芝1600(稍) 1:34.8 (38.3) 1.0秒 武豊 55 シスタートウショウ 440
4. 28 東京 4歳牝馬特別・東 GII 1人 2着 芝2000(良) 2:02.3 (35.3) 0.1秒 千田輝彦 54 ヤマニンマリーン 440
5. 19 東京 優駿牝馬 GI 3人 5着 芝2400(良) 2:28.6 (36.2) 0.8秒 武豊 55 イソノルーブル 450
9. 29 中京 サファイヤS GIII 1人 2着 芝2000(良) 2:01.7 (34.4) 0.0秒 武豊 54 テンザンハゴロモ 460
10. 20 京都 ローズS GII 1人 3着 芝2000(良) 2:02.2 (37.7) 0.8秒 武豊 55 リンデンリリー 460
11. 10 京都 エリザベス女王杯 GI 7人 3着 芝2400(良) 2:30.2 (39.0) 0.6秒 千田輝彦 55 リンデンリリー 460
12. 15 阪神 阪神牝馬特別 GIII 3人 3着 芝2000(良) 2:04.1 (39.6) 0.4秒 千田輝彦 54 マチノコマチ 466
1992. 1. 12 京都 洛陽S OP 3人 12着 芝1600(良) 1:35.8 (37.5) 1.3秒 千田輝彦 56 エイシンウィザード 466
2. 2 京都 京都牝馬特別 GIII 5人 1着 芝1600(良) 1.36.8 (36.6) 3/4 千田輝彦 56 (ミルフォードスルー) 470
3. 1 中山 中山牝馬S GIII 1人 1着 芝1800(良) 1:47.6 (35.5) 2身1/2 柴田政人 57 (ユーセイフェアリー) 454
4. 25 東京 京王杯SC GII 4人 6着 芝1400(良) 1:22.2 (36.2) 0.6秒 千田輝彦 54 ダイナマイトダディ 456
10. 11 東京 毎日王冠 GII 7人 5着 芝1800(良) 1:46.4 (35.4) 0.8秒 柴田政人 55 ダイタクヘリオス 466
10. 31 京都 スワンS GII 2人 7着 芝1400(良) 1:22.0 (36.4) 0.4秒 千田輝彦 55 ディクターガール 470
11. 15 東京 富士S OP 3人 5着 芝1800(良) 1:48.7 (35.2) 1.1秒 田中勝春 55 シンコウラブリイ 460
12. 19 中山 ターコイズS OP 3人 1着 芝1800(良) 1:48.2 (34.9) 1身3/4 柴田政人 58 ダンツセントー 468

引退後

繁殖牝馬としては準オープンクラスで活躍したスリリングサンデー、グロリアスサンデー等を輩出し堅実な成績を残す。2000年に第5子ダイワルージュ新潟3歳ステークスを制し産駒の重賞初優勝を挙げると、以降産駒成績が急速に上向き、2004年にはダイワメジャー皐月賞を制してGI優勝馬の母に、2007年には同馬とダイワスカーレットの2頭がこの年のGI競走で5勝を挙げるという大活躍を示した。さらに2008年の有馬記念において、ダイワスカーレットが自身GI4勝目となる有馬記念を制した事により、産駒のGI級競走勝利数が9となり、自身とパシフィカスベガフリッパンシーが保持した8勝を更新、単独記録保持馬となった。下表のとおり仔出しがよく、後継となる牝馬も多数誕生している。

繁殖成績

馬名 誕生年 毛色 厩舎 馬主 戦績・用途
1 スカーレットメール 1994年 栗毛 トニービン 栗東・伊藤雄二 社台レースホース 13戦1勝
チューリップ賞2着
繁殖牝馬(2004年用途変更
2 ヴィノロッソ 1995年 鹿毛

栗東・伊藤雄二
→栗東・西園正都
美浦小桧山悟
→上山・鈴木長次
→水沢・千葉博次
社台レースホース
→渡辺善治郎
→菊地玄
110戦4勝(うち地方89戦3勝)
3 スリリングサンデー 1996年 栗毛 サンデーサイレンス 栗東・伊藤雄二
→美浦・矢野進
社台レースホース 18戦5勝
種牡馬
4 グロリアスサンデー 1997年 黒鹿毛 栗東・伊藤雄二 36戦5勝
乗馬
5 ダイワルージュ 1998年 鹿毛 美浦・上原博之 大和商事 19戦3勝
新潟3歳S-GIII、桜花賞-GI 3着、阪神3歳牝馬S-GI 2着
繁殖牝馬(2010年死亡)
6 ソフィーズローズ 1999年 鹿毛 ナリタブライアン 栗東・松田国英 吉田千津 3戦0勝
繁殖牝馬
7 ダイワメジャー 2001年 栗毛 サンデーサイレンス 美浦・上原博之 大和商事
大城敬三
28戦9勝(うち海外1戦0勝)
皐月賞-GI、天皇賞(秋)-GI、安田記念-GI、マイルCS-GI 2回、ドバイデューティーフリー-G1 3着
種牡馬
8 レットバトラー 2002年 鹿毛 栗東・瀬戸口勉
→栗東・松永昌博
社台レースホース 37戦5勝
乗馬
9 キャスケードブーケ 2003年 鹿毛 スペシャルウィーク 栗東・藤岡健一 5戦0勝
繁殖牝馬
10 ダイワスカーレット 2004年 栗毛 アグネスタキオン 栗東・松田国英 大城敬三 12戦8勝
有馬記念-GI、桜花賞-JpnI、秋華賞-JpnI、エリザベス女王杯-GI、有馬記念-GI 2着
繁殖牝馬
11 ブーケフレグランス 2005年 栗毛 ダンスインザダーク 栗東・角居勝彦 社台レースホース 32戦4勝
繁殖牝馬(2011年 - )
12 シャガール 2007年 栗毛 ネオユニヴァース 美浦・藤沢和雄 山本英俊 15戦4勝
乗馬
13 ピカソ 2008年 黒鹿毛 ディープインパクト 17戦1勝
乗馬
14 スカーレットポピー 2010年 栗毛 アグネスタキオン 美浦・田村康仁 吉田千津 5戦0勝
繁殖牝馬(2014年 - )

血統表

スカーレットブーケ血統ノーザンダンサー系 / Lady Angela4×3=18.75%(父内)、Nearco4×5=9.38%) (血統表の出典)

*ノーザンテースト
Northern Taste 1971
栗毛 カナダ
父の父
Northern Dancer 1961
鹿毛 カナダ
Nearctic Nearco
Lady Angela
Natalma Native Dancer
Almahmoud
父の母
Lady Victoria 1962
黒鹿毛 カナダ
Victoria Park Chop Chop
Victoriana
Lady Angela Hyperion
Sister Sarah

*スカーレットインク
Scarlet Ink 1971
栗毛 アメリカ
Crimson Satan 1959
栗毛 アメリカ
Spy Song Balladier
Mata Hari
Bull Poise Requiebro
Papalona
母の母
Consentida 1962
鹿毛 アメリカ
Beau Max Bull Lea
Bee Mac
La Menina Royal Charger
Your Hostess F-No.4-m

父ノーザンテーストは通算11度の中央競馬リーディングサイアーを獲得した大種牡馬。母スカーレットインクは、本馬や他の姉妹の競走馬・繁殖馬としての活躍により名牝系の根幹牝馬と認知され、同馬から派生した系統出身馬は俗に「スカーレット一族」とも呼ばれている。

主な近親

出典

  1. ^ a b 『優駿』(日本中央競馬会)2008年3月号

外部リンク