柳ヶ瀬 (岐阜市)
柳ケ瀬(やながせ)は、岐阜県岐阜市にある中部地方有数の歓楽街・繁華街。地形図では「柳ケ瀬」だが表記には揺れがあり、「ケ」が小さい「柳ヶ瀬」と表記することも多く[1]、地元でも厳密な区別はされていない。
概要[編集]
地名としての柳ケ瀬は、元々は稲葉郡上加納村の字名である。1889年に上加納村の北部が合併で岐阜市の一部となったさい、岐阜市の地名となっている。
柳ケ瀬は美川憲一のヒット曲『柳ヶ瀬ブルース』に唄われる街として昭和40年代に全国的な知名度を得、地方都市の歓楽街としては規模の大きな街として、かつては名古屋市から訪れる人も多かった。
昭和期はかなりの活況を呈していたが、他の都市と同様、平成に入ってからは郊外型店舗の立地による中心街空洞化の波を受け、また、市内電車(名鉄岐阜市内線)の廃止等により、近年は精彩を欠いている。
著しい衰退の中、2005年10月1日に柳ケ瀬唯一、市内唯一となった高島屋百貨店が開店以来の大規模リニューアルオープンをした。リニューアル後の業績は概ね好調で、柳ケ瀬再興の数少ない光の一つとなっている。
柳ケ瀬メインストリートに、『柳ヶ瀬ブルース』の歌碑が埋め込まれている。
柳ケ瀬商店街は2009年3月に「新・がんばる商店街77選」に選ばれた。
2008年より、非公式キャラクターやななを中心に中心市街地活性化へ向けてのプロジェクトが行われる。
2011年4月22日、中心市街地の活性化を目的として地元商店街と岐阜市が誘致した「ドン・キホーテ柳ケ瀬店」が、旧メルサ跡地にオープンした。これにより近年遠退いていた若年層の客足が戻りつつあるほか、高島屋との間に買物客の回遊性が生まれたことで、商店街の中には「大型店のレシートを提示すると割引」等、サービスを行う店も出てきている。
2012年7月13日、柳ヶ瀬商店街にて町おこしの一つとして岐阜発祥の口裂け女を主役とした『柳ヶ瀬お化け屋敷 恐怖の細道』が企画され開催された。多くのマスコミに取り上げられ新たな風物詩となった。 プロデューサーはオカルト作家の山口敏太郎であり、名誉顧問は美川憲一である。
2014年7月2日、美川憲一が歌手生活50周年を迎えた記念として柳ヶ瀬歌謡ショー2014に参加し特別ゲストとして歌唱しトークショーサイン会など開催した。
2016年4月1日、『柳ヶ瀬ブルース』発売50周年を記念し7月22日に美川憲一がホテルグランヴェール岐山にてチャリティーコンサートを行い、翌日には旧長崎屋前特設ステージにて観覧無料の『憲ちゃんまつり』が開催され数千の人が訪れ、昭和の柳ヶ瀬商店街の特徴であった「肩をぶつけながら歩く」がその日再び戻ったのである。
位置[編集]
メインストリートとなる柳ケ瀬通は、JR岐阜駅の北約1kmの付近に東西方向に約500mにわたって伸びている。西側は忠節橋通り(国道157号)、中心付近は金華橋通り、東側は長良橋通り(国道256号)がそれぞれ南北に横切っている。
柳ケ瀬を舞台にした作品[編集]
- 柳ヶ瀬ブルース(1966年)(美川憲一)
- 柳ヶ瀬の女(1966年)(美川憲一)
- 夜の柳ケ瀬(1969年)(カサノヴァ7)、(リッキー&960ポンド)
- 柳ヶ瀬恋物語(2007年)(坂井千春)
- 柳ケ瀬ルンバ(2008年)(小島勇司)
映画
イメージキャラクター
- やなな(2008年-2013年3月引退)
大型商業施設[編集]
かつては大型商業施設が5店舗あったが、近年の相次ぐ大型ショッピングモールの開業や名古屋の大型商業施設との競合により4店舗が撤退。最後に残った岐阜高島屋が2005年にリニューアルオープンするなどして奮戦している。
2011年4月にドン・キホーテ柳ケ瀬店が旧岐阜メルサ跡地にオープンしてからは、近年遠退いていた若年層の客足が戻りつつある。
現存店[編集]
岐阜高島屋
- 柳ケ瀬唯一の百貨店。売上高は1991年の249億円をピークに徐々に減少し2005年2月期には156億円にまで落ち込んでいた。業績低迷に歯止めをかけるため、2005年に大規模なリニューアル工事を実施した結果、業績の回復に成功し、リニューアルオープン以来、業績は好調に推移している。そして好調な業績を持続するために2006年12月1日には別館に無印良品をオープンさせた。
ドン・キホーテ柳ケ瀬店
- 2011年4月22日に旧岐阜メルサ跡地にオープンした、岐阜県では2店舗目、岐阜市へは初出店となる大型ディスカウントストア。
- ビルを所有する名古屋鉄道から全館を借りて営業。1階から3階までを直営店とし、ほかに百円ショップやネイルサロンなどが入居する。長時間深夜営業(午前10:00〜深夜3:00まで)、低価格と豊富な品揃えを売りに若者から絶大な人気を誇る。
- また8F「ぎふ葵劇場」は客席数300席を有し、大衆演劇の常設劇場としては全国屈指の規模である。
- ここは2011年7月に柳ケ瀬通より大衆演劇場「豊富座」が移転したもので、館内ではドリンクや弁当などを販売し、飲食スペース等も併設している。
閉鎖店[編集]
岐阜近鉄百貨店(1999年9月閉店/現・岐阜中日ビル)
- 京都物産館岐阜支店として開業した丸物をルーツとする京都近鉄百貨店支店。
長崎屋岐阜店(2002年2月閉店/跡地未定)
- スーパー。長崎屋本体の経営破綻の影響により閉店。その後も商店街の真ん中に解体もされない廃ビルとして残っている。
岐阜センサ(2004年8月閉店/跡地未定)
- ファッションビル。グランドタマコシの岐阜店として開業した後、ファッションビルへ業態転換を図った。運営母体であった総合スーパーのグランドタマコシが2004年2月に民事再生法を申請し、支援する平和堂への営業譲渡対象から外れたため清算された。全盛期には88店舗が入居し、岐阜における若者文化の発信地であった。
岐阜メルサ(2009年8月閉店/現・ドン・キホーテ柳ケ瀬店)
- 名古屋鉄道系列。ファッション館とグルメ館があり、ファッション館8Fにはコンサートホール(名称:メルサホール)があった。
中京銀行岐阜支店(金宝町)
再開発[編集]
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上述したような近年の著しい衰退を止めるために柳ケ瀬通周辺約9haの地域は、同じく衰退が著しい岐阜駅北約21haと共に都市再生緊急整備地域の指定を受け、再開発計画が動き出している。
柳ケ瀬通北地区市街地再開発(2011年度着工済み、同年度完成予定)
高島屋南市街地再開発(2017年度着工予定)
- 敷地面積:約4,000m2。平成23年度都市計画決定。
交通[編集]
鉄道[編集]
バス[編集]
ギャラリー[編集]
脚注[編集]
- ^ 例えば美川憲一の曲『柳ヶ瀬ブルース』や地元を走る岐阜バスのバス停では「柳ヶ瀬」表記。