十二人の死にたい子どもたち

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十二人の死にたい子どもたち
著者 冲方丁
発行日 2016年10月15日
発行元 文藝春秋
ジャンル 長編小説
エンタメ
ミステリ
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判 上製カバー装
ページ数 408
公式サイト books.bunshun.jp
コード ISBN 978-4-16-390541-9
ISBN 978-4-16-791150-8文庫判
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十二人の死にたい子どもたち』(じゅうににんのしにたいこどもたち)は、冲方丁長編ミステリー小説である。『別冊文藝春秋2015年7月号から2016年7月号に連載[1]、2016年10月15日に文藝春秋より刊行、2018年10月10日に文春文庫より文庫化された。集団自殺を目的に廃病院の一室に集った初対面の12人の少年少女を巡る密室劇

担当編集者は『火花』『コンビニ人間』も手がけた浅井茉莉子。

2017年に漫画化、2019年映画化された[2]

執筆背景[編集]

発案は10年以上前で、「自殺サイト」を知ったことが執筆のきっかけになった[3]。『マルドゥック・スクランブル』や『天地明察』などのSFや時代ものを手掛けてきた冲方丁の初めてとなる長編ミステリー[4]で、海外で過ごした少年時代の体験がもとになっている[5]

あらすじ[編集]

廃病院に集まった12人の子供たち、彼らの目的は安楽死をすること。しかし、彼らが集まった地下の一室では、いるはずのない13人目の少年が先に眠りについていた。 自分たちの中に13人目を殺した犯人がいる可能性があり、このまま安楽死を実行すれば自分たち全員が犯人扱いされる恐れがある。このまま計画を実行すべきか、13人目の正体を解明すべきか。彼らはこの集いのルールである「全員一致」にのっとり議論を進めていく。

登場人物[編集]

書誌情報[編集]

漫画[編集]

熊倉隆敏の作画によりコミカライズされており、『good!アフタヌーン』(講談社)にて2017年7月号から2018年12月号まで連載、講談社アフタヌーンKCより全3巻で刊行された。

書誌情報(漫画)[編集]

実写映画[編集]

十二人の死にたい子どもたち
監督 堤幸彦
脚本 倉持裕
原作 冲方丁
製作 飯沼伸之
小林美穂
製作総指揮 伊藤響
出演者 杉咲花
新田真剣佑
北村匠海
高杉真宙
黒島結菜
橋本環奈
吉川愛
萩原利久
渕野右登
坂東龍汰
古川琴音
竹内愛紗
音楽 小林うてな
主題歌 The Royal Concept「On Our Way」
撮影 斑目重友
編集 洲崎千恵子
制作会社 オフィスクレッシェンド
製作会社 「十二人の死にたい子どもたち」製作委員会
日本テレビ放送網
配給 ワーナー・ブラザース映画
公開 日本の旗 2019年1月25日
上映時間 118分(劇場公開版)
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 15.5億円[6]
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堤幸彦監督により実写映画化され[7]2019年1月25日に全国公開された[8]

製作[編集]

「若い俳優の演技力が試せる作品を創出する」をコンセプトに、密室での心理戦が中心となり個々のキャラクターを深く掘り下げ演じる「役づくり」の力と集団演技において相乗効果を生み出すコンビネーションや爆発力が求められる本作キャストには、出演オファーを受けて趣旨に賛同した“若手トップクラス”と目される杉咲花新田真剣佑北村匠海高杉真宙黒島結菜橋本環奈の6名と、オーディションによって抜擢された“ブレイク必至の注目株”と目される吉川愛萩原利久渕野右登坂東龍汰古川琴音竹内愛紗の6名の、次世代を担う若手俳優が顔を揃えた[9][10]

ただ1人帽子とマスクで顔を覆いポスターで公式サイトにおいて唯一正体が明かされていない「リョウコ(4番)」役の「秋川莉胡」については、オフィシャルサイトと連動する形で東京(新宿・ユニカビジョン)、大阪(ツタヤエビスバシ ヒットビジョン)、福岡(天神エリアのビジョン1面)で2018年12月23日 16時に発表された[11][12]

撮影は群馬県藤岡市にある廃病院にて行われ、堤監督が好んで用いる手法である、映画の現場では異例の1シーンを複数台のカメラを用いて撮影するマルチカメラ撮影により、5台のカメラを用いて撮影された。脚本の劇作家・倉持裕が執筆したサスペンスフルな会話劇は1シーンが台本6、7ページ、クライマックスシーンに至っては12ページにも及び、ライブ感を重視して多くのシーンが長回しによって撮影され、約40分間にも及ぶノンストップの長回しも行われている[10]

登場人物及びキャスト[編集]

番号 役名 名前 備考
1 サトシ 高杉真宙 この集いの主催者でありサイトの管理人。過去に2回開催した集いはすべて中止になった。家族の自殺を経験して以来「死にとりつかれている」。

しかし、他の参加者のような自殺願望が必ずしもあるわけではなく、集いの参加者次第では中止になっても構わないと考えている。

冷静沈着な性格の持ち主。

2 ケンイチ 渕野右登 空気が読めない性格から、中学時代からひどいいじめを受けるようになり自殺を志し、集いに参加した。
3 ミツエ 古川琴音 大ファンのロックバンド歌手が自殺を図ったことから、自分もその後を追うために集いに参加した。正体を隠していたリョウコ(後述)の参加理由を知り、安楽死の実行に猛反対する。

ゴスロリファッションを好む。時々訛りのある話し方をする。

喫煙者。

4 リョウコ 橋本環奈 芸名は秋川莉胡(アキカワリコ)で、雑誌の表紙を飾るほどの人気芸能人である。しかし、本来の自分(リョウコ)として死ぬことで大人たちによって造られた自分(リコ)を葬るために、この集いに参加した。

物語中盤までマスクと帽子を着用し正体を隠していた。

喫煙者。

5 シンジロウ 新田真剣佑 病気を抱えており、自分で意志表示が出来なくなる前に、自分の意志で死にたいとして集いに参加した。

両親が警察官であり、本人も大の推理好き。本人曰く「思考が唯一の楽しみ」。

6 メイコ 黒島結菜 経営者である父親の会社の経営が傾き、自らかけた保険金で会社を立て直し、一生自分のことを忘れないでいてほしいという思いでこの集いに参加した。

父親を溺愛しており、いわゆるファザコン。

7 アンリ 杉咲花 複雑な家庭環境のもとに生まれ、弟を過去の火事で亡くす。自身も火傷を負い、痕を残す。

自らがそうであったように、「生まれてこなければよかった」という子供を増やさないために、母親のような身勝手な大人たちへの抗議としてこの集いに参加した。

集いの少しでも早い実行を望んでいる。全身黒ずくめ。

8 タカヒロ 萩原利久 吃音症をはじめとする心身の異常が完治せず、自らの死を選びこの集いに参加した。

心身の異常の原因は母親から与えられている薬であると考察され、物語が進むにつれ、解消傾向にある。 

9 ノブオ 北村匠海 過去に殺人を犯している。いじめにあっていた過去があり、いじめっ子の主犯格を学校の階段から突き落として殺害。事故として処理され、その事件が明るみに出ることはなかったが、黙ったまま生きていることに葛藤を感じ、この集いに参加した。
10 セイゴ 坂東龍汰 複雑な家庭環境のもとに育ち、母親が自分に生命保険かけてることを知る。母親に保険金を受け取らせないために、自殺だと保険金がおりない期間内に自殺しようと思ってこの集いに参加した。

見た目は不良だが、弱者には優しい一面を見せる。

喫煙者。

11 マイ 吉川愛 ヘルペスに感染したことを不治の病にかかったものと受け止めてしまい、そのことが嫌になりこの集いに参加した。

難しいことがよくわからない。

12 ユキ 竹内愛紗 兄と自転車に乗っているときに事故にあい、兄が植物状態となってしまった。その自責の念から、この集いに参加した。

目立つことが苦手。事故の後遺症から、左手が動かしづらい。

ゼロバン とまん 一番初めに参加者が集う場所に寝かされていた。

サトシが命名した。

スタッフ[編集]

テレビ放送[編集]

回数 テレビ局 番組名(放送枠名) 放送日 放送時間 放送分数 視聴率 備考
1 日本テレビ 金曜ロードSHOW! 2020年1月31日() 21:00 - 23:09[13] 129分 6.3% 地上波初放送
  • 視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム。

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ 別冊文藝春秋から生まれた本 特設サイト”. 文藝春秋. 2018年12月17日閲覧。
  2. ^ “十二人の死にたい子どもたち:冲方丁の現代サスペンスが来年1月に映画公開決定 監督は堤幸彦”. まんたんウェブ (株式会社 MANTAN). (2018年9月18日). https://mantan-web.jp/article/20180917dog00m200051000c.html 2018年12月17日閲覧。 
  3. ^ 冲方丁 (2018年12月14日). 「議論」が子どもたちを変える〜「十二人の死にたい子どもたち」原作者・冲方丁さんインタビュー. インタビュアー:読売新聞メディア局編集部・原啓一郎. 読売新聞オンライン.. https://www.yomiuri.co.jp/entame/ichiran/20181128-OYT8T50036.html?page_no=2 2018年12月17日閲覧。 
  4. ^ 冲方丁 (2016年11月3日). 子どもたちの議論の行く先は?. インタビュアー:「オール讀物」編集部. 文藝春秋BOOKS.. https://books.bunshun.jp/articles/-/2730 2018年12月17日閲覧。 
  5. ^ 冲方丁 (2016年10月6日). 少年時代の体験が生んだ奇跡の“密室劇”。冲方丁初の長篇ミステリー『十二人の死にたい子どもたち』. インタビュアー:「別冊文藝春秋」編集部. 文藝春秋BOOKS.. https://books.bunshun.jp/articles/-/1707 2018年12月17日閲覧。 
  6. ^ 2020年記者発表資料(2019年度統計)”. 2020年1月28日閲覧。
  7. ^ ““正体不明”の若手スターが集結! 冲方丁「十二人の死にたい子どもたち」実写映画化”. 映画.com. (2018年9月18日). https://eiga.com/news/20180918/2/ 2020年7月31日閲覧。 
  8. ^ “北村匠海が欠席した新田真剣佑の気持ち代弁「十二人の◯◯したい子どもたち」大喜利”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2019年1月26日). https://natalie.mu/eiga/news/317506 2020年7月31日閲覧。 
  9. ^ “杉咲花、新田真剣佑、北村匠海、高杉真宙、黒島結菜!「十二人の死にたい子どもたち」出演者判明”. 映画.com. (2018年11月21日). https://eiga.com/news/20181121/4/ 2018年12月17日閲覧。 
  10. ^ a b “豪華若手俳優陣の“今しか見られない名演技” 40分の長回し敢行「十二人の死にたい子どもたち」”. 映画.com. (2019年1月17日). https://eiga.com/news/20190117/17/ 2020年7月31日閲覧。 
  11. ^ “帽子を脱ぐ寸前…!『十二人の死にたい子どもたち』“4番”の新映像&写真が公開! 12月23日に正体発表”. シネマトゥデイ. (2018年12月12日). https://www.cinematoday.jp/news/N0105509 2018年12月17日閲覧。 
  12. ^ “「十二人の死にたい子どもたち」“最後のひとり”は橋本環奈! 苦悩する人気女優役に”. 映画.com. (2018年12月23日). https://eiga.com/news/20181223/7/ 2020年7月31日閲覧。 
  13. ^ TVステーション 関東版』2020年3号、ダイヤモンド社、 71頁。

外部リンク[編集]