偏執病

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偏執病, パラノイア
分類および外部参照情報
診療科・
学術分野
精神医学, 心理学, 心理療法
ICD-10 F20.0, F22.0, F22.8, F60.0
ICD-9-CM 295.3, 297.1, 297.2
MeSH D010259

偏執病(へんしゅうびょう、偏執症)、パラノイア: paranoia)は、 不安恐怖の影響を強く受けており、他人が常に自分を批判しているという妄想を抱くものを指す[1]妄想性パーソナリティ障害の一種。

自らを特殊な人間であると信じたり(誇大性)、隣人に攻撃を受けている、などといった異常な妄想に囚われるが、強い妄想を抱いている、という点以外では人格や職業能力面において常人と変わらない点が特徴。

原因は主に、薬物の過剰摂取・過度のストレスなどが挙げられる。

治療のための薬物(精神安定剤等)は現段階では、データが不足しており推奨はされていない。

兆候と症状[編集]

OK牧場(フランクリン・アーンスト) [2]
【1】一緒にやっていく

I am OK ,You are OK
(健康な立場)
【2】排除する

I am OK , You are not OK
偏執的・被害妄想的な立場)
【3】***からの逃避

I am not OK , You are OK
憂鬱な立場)
【4】行き止まり

I am not OK , You are not OK
(不毛な立場)

パラノイアの一般的な症状は帰属バイアスである。患者は典型的には、現実に対して偏った認識を持っており、しばしば敵意を呈している[3]。パラノイアらは他人の偶然の行動を、意図的もしくは脅迫的であるかのように認知する。

パラノイア集団への非臨床的調査によれば、無力さと落ち込み、孤立した自分、活動の放棄といった特徴は、より重いパラノイアを呈する者と関連しうることが分かっている[4]。一部の研究者らは、性的欲求的、迫害的、訴訟的、高貴さなど、さまざまなパラノイアの症状に対して異なるサブタイプを作成している[5]

パラノイアは不審で厄介な人格特性を持つため、パラノイアらが対人関係において成功することは考えにくい。大部分のパラノイアは独身である傾向がある[6]

いくつかの研究によれば、パラノイアにはヒエラルキーがある。最上位階層のパラノイアは、より深刻な脅威を伴うが、最も少数である。階層の最下部に位置するのは社会的不安を持つタイプであり、最も頻繁に現れるパラノイアである[7]

過去には独裁者の病気とも呼ばれた。独裁者は、他人に自分の地位をはく奪される、または、暗殺される危険性と隣り合わせな為、他人を信用できなくなったからと言われている。

定義[編集]

DSM-IV-TRにおいては、パラノイアの用語は以下の診断名で使われている。

症状[編集]

挫折侮辱拒絶などへの過剰反応、他人への根強い猜疑心(さいぎしん)。自分は特別で何者かに監視、要注意人物と見られていると思う。
超人、超越者、絶対者という存在へと発展する。
  • 激しい攻撃性
誹謗中傷など。弱肉強食というような考えで弱者に対して攻撃的である。
自分が世界の中心にある絶対者だと思い込んでいる。
支配欲は多数から100%に向かう。独裁者的な妄想を持つ。
悪魔的なものに美しさを見る。
  • 色情パラノイア
自分は愛されているという妄想。妄想性障害の被愛型(erotomanic type)[8]

脚注[編集]

  1. ^ Cambridge Dictonary
  2. ^ イアン・スチュアート; ヴァン・ジョインズ; 深沢道子訳 『TA today : 最新・交流分析入門』 実務教育出版、1991年6月、Chapt.12。ISBN 9784788960695 
  3. ^ Bentall and Taylor (2006), p. 289
  4. ^ Freeman et al. (2005)
  5. ^ Deutsch and Fishman p. 1414-1415
  6. ^ Deutch and Fishman (1963), p.1416
  7. ^ Freeman et al. (2005), p.433
  8. ^ 「愛されている妄想」 色情パラノイア”. 精神科医 林公一 (2016年9月5日). 2017年12月3日閲覧。

関連項目[編集]