躁病

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躁病(そうびょう、Mania)は、精神疾患気分障害の一つ。気分が異常に高揚し、支離滅裂な言動を発したりする状態になる。ただし躁状態は他の疾患でもみられるため、躁状態だけで躁病や躁うつ病と断定することはできない。

患者自身は病気として治療する必要を感じていないことがほとんどであるが、躁病の症状は人間関係を著しく損ねる可能性があるため、その社会的予後はうつ病よりも悪いとされる。放置しておくと極端なうつ状態に落ち込むこともあるため、早期の治療が必要である。(→双極性障害を参照)

DSM-IV-TRでは単極性の躁状態をも双極性障害(躁うつ病)とするため、うつ病と異なり、「躁病」が診断名として使われることはなくなっている。

診断[編集]

  1. 気分が良すぎたり、ハイになったり、興奮したり、調子が上がりすぎたり、時には怒りっぽく不機嫌になったりして、他人から普段のあなたとは違うと思われる
  2. 自分が偉くなったように感じる
  3. いつもよりおしゃべりになる
  4. 色々な考えが次々と頭に浮かぶ
  5. 注意がそれやすい
  6. 活動性が高まり、ひどくなると全くじっとしていられなくなる
  7. 後で困ったことになるのが明らかなのに、つい自分が楽しいことに熱中してしまう

上記1~7の症状のうち、少なくとも、1を含む4つ以上(1. 怒りっぽく不機嫌な場合は、5つ以上)の症状が、1週間以上続く場合、「躁状態」の疑いが高くなり、さらに、仕事や人間関係に差し支えたり、入院が必要になるほどであれば、「躁状態」と診断される[1]

分類[編集]

躁状態は、抗うつ薬などの副作用として起こることもある。

症状[編集]

躁病の主な症状を以下に挙げる。

感情障害

  • 気分の異常な高揚
  • 自己の過大評価
  • 他者への干渉

思考障害

  • 観念奔逸(かんねんほんいつ:考えが次から次へと浮かび、話題の方向性が変わる)
  • 錯乱
  • 妄想(誇大妄想、血統妄想、発明妄想、宗教妄想など)

欲動障害

  • 多動・多弁
  • 行為心迫(何か行動しなければと急いている状態)→行為未完成
  • 作業心迫(何か作業しなければと急いている状態)→作業未完成

その他

  • 睡眠障害(早期覚醒、睡眠時間減少、不眠の訴えなし)
  • 食欲・性欲の亢進
  • 錯覚(幻覚なし)
  • 集中力がなくなる

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 「躁状態」とはどういう症状?”. 2015年8月31日閲覧。