仁藤夢乃

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にとう ゆめの
仁藤 夢乃
生誕 1989年12月 (28–29歳)
日本の旗 日本 東京都町田市
出身校 明治学院大学社会学部
職業 社会活動家
団体 一般社団法人Colabo
女子高生サポートセンターColabo

仁藤 夢乃(にとう ゆめの、1989年12月19日 - )は、日本社会活動家。一般社団法人Colabo、女子高生サポートセンターColabo代表。元AKB48仁藤萌乃は実妹。

略歴[編集]

東京都町田市生まれ[要出典]恵泉女学園中学校・高等学校に通う[要出典]

貧困や虐待のある家庭に育ったわけではないが、中学3年生のときに父親が単身赴任して母親と妹3人暮らしとなり[3]、高校時代は昼夜逆転の生活を送り、月に25日は渋谷のカラオケやファーストフード店で朝まで過ごしていた[1]。母親はうつ病で寝込み、家庭内暴力もふるうこともあった[2]。高校1年生の終わりにはメイドカフェで働く[3]。店の経営者はキャバクラや風俗店も手掛けており、心配した母親がカウンセリングを奨めてきたことから親子関係が悪化した[4]。高校2年の夏に中退し、大学入学資格検定受験のため河合塾コスモに通い4か月後に合格する。またコスモの講師で日本キリスト教団の新宿区百人町教会の担任教師阿蘇敏文[5]が指導する農園ゼミに参加する。阿蘇とフィリピンを訪問した時に、現地の売春の実態を見た経験が後の活動への繋がっていく[1][6][7][8][9]

2008年4月に明治学院大学社会学部ボランティア活動などをアピールしてAO入試で進学。在学中の2011年5月に学生団体『Colabo(コラボ)』を結成(のちに社団法人化)。東日本大震災後は東京と宮城県石巻を往復しボランティアとして活動する[10]

2013年3月に大学卒業、『難民高校生』を出版。2015年1月20日、第30期東京都青少年問題協議会委員に就任した[11][12]。同年2月9日 文藝春秋2015年3月特別号の企画記事、「日本を代表する女性120人」人文・社会科学系研究者などの一人に選ばれる[13]。同年12月28日日経ビジネス2016年1月4日号の特集記事、次代を創る100人 闇からの救世主 MESSIAHに選ばれる[14][15]

2016年1月26日エイボン・プロダクツの2015年度エイボン女性年度賞の女性賞を受賞[16]子どもの貧困対策センター設立準備会に賛同する[17]

2017年7月31日公益財団法人日本財団の社会課題解決に立ち向かう革新的人材7人としてソーシャルイノベーターに決定する[18][19][20]。2017年9月22日大韓民国中央大学校で開催されたD.S.O (Digital Sexual Crime Out)のシンポジウムで日本のJKビジネスについて講演した[21][22]

東京都の2018年度東京都若年被害女性等支援モデル事業の一部を実施する事業者にColaboBONDプロジェクト人身取引被害者サポートセンターライトハウスが選定される[23][24]

主な活動[編集]

女子高生サポートセンターColaboとして、夜の街を徘徊する少女に声をかけ、食事を提供し、福祉支援につなぐ活動をしている。また大人を対象に新宿、渋谷、池袋、秋葉原などで子供が危険にさらされていることを伝える「夜の街歩きスタディツアー」を行っている[25][26]。2016年、売春を経験した少女たちの手記を展示した「私たちは『買われた』展」を開始し、全国を巡回している[27][28]。仁藤によれば、この企画を行ったことで1日で300件の誹謗中傷が届き、殺害予告やレイプ予告も複数あったという[29]

秋葉原系文化との関わり[編集]

2000年ごろに誕生したメイドカフェは、2005年のテレビドラマ「電車男」の影響で認知が進み、メイドカフェに志願する女性が殺到するようになった[30]。同年の流行語大賞ではメイド喫茶@ほぉ〜むカフェが「萌え」という言葉で受賞するなどの全盛期を迎え[31][32]、メイドカフェを模した女子高生を使った風俗ビジネスが生まれていた[33]。仁藤も「私が働いていたのは2005年頃で、ちょうどメイドカフェが生まれた頃です。今でこそ、メイドカフェは“萌え文化”とか、“オタク文化”とか言われて安全なお店もできましたが、当時は居場所のいないワケありのギャルが街でスカウトされ、集められた所でした。」「店長は児童買春の斡旋をしている人でした。」と述べている[34]。なお、この時期に秋葉原のメイドカフェで働いていた著名人には古川未鈴でんぱ組.inc[35]藤崎ルキノ[36]などがいる。

仁藤は「女子高生の裏社会」で秋葉原のツクモ電気の近辺でメイド服の少女たちがチラシ配りの名目で「立ちんぼ」をしていると記し[37]、2015年5月21日には、外国特派員協会で「Helping high school girls escape Tokyo's sex industry」という掲題の会見を開き、「秋葉原では夜になると2メートル間隔で女の子たちが客引きをしている」「貧困層の少女や、見た目やコミュニケーション、知能に困難のある少女は働けず、売春宿のようなところ、より痛い、汚い、臭い、性奴隷のように働かされている」などの発言を行った[38]。この会見により、仁藤はジャパンタイムズから「悪名高い『JK』産業と戦う活動家」と評された[39]。また、仁藤はドイツの公共放送ドイチェ・ヴェレの取材に対して「thousands of high-school girls in Tokyo alone have been lured into selling themselves for easy money. (何千人もの東京の女子高生が、自分を売ることで安易に金銭を得る誘惑にさらされている)」と述べている[40]。ただし、東洋経済の追跡調査は、ツクモ電気の近辺は観光エリアであり、めいどりーみんなどのメイドカフェ業者たちにより広告ビラの配布も自主規制が布かれていることなどから「そこまで不健全な状態ではない」と結んでいる[41]

慰安婦問題の関わり[編集]

仁藤は自身の運動に「慰安婦」制度の被害者たちから影響を受けていると述べており[42]、「いまの少女たちが置かれている状況も慰安婦のそれも人種差別も、全部つながっている[43]」として慰安婦問題と女子高生の売春問題を関連付けて運動も行っている。高校生に対する講演では「日本は戦時中、兵士の士気を高め、欲求を満たし、軍隊をまとめるための国策として慰安所を作り、アジアや沖縄の女性たちを日本軍従軍慰安婦として連行し、逃げられないように囲って性奴隷にした」「たくさんの女性たちが小さな部屋に囲われ、毎日何十人もの兵士から性暴力を振るわれたこと。性病が蔓延しないために女性たちは検査され、性病にかかっていたり、慰安所から逃げようとすると殺されたり、「野犬に食べさせるぞ」と脅されたりした」などの説明をし、日本社会の伝統的な性暴力肯定の例として紹介している[44]。また、仁藤が企画する「私たちは『買われた』展」は慰安婦の写真展に影響されて企画を行ったと述べている[45]

2017年8月には、北原みのり尹美香らと「語り始めた被害者たち 日本軍「慰安婦」、AV出演強要、JKビジネス」のイベントを開催し[46]9月20日大韓民国ソウル特別市にある在大韓民国日本国大使館前で開催された日本軍『慰安婦』問題解決全国行動(水曜デモ)に希望のたね基金代表理事梁澄子と共に参加している[47][48]

普天間基地移設問題との関わり[編集]

キャンプ・シュワブのゲート前で行われた普天間飛行場代替施設の建設への反対運動に参加し、「沖縄でも米兵による若い女の子への性暴力が深刻だ。皆さんの行動を心からの連帯の気持ちで見ている」と挨拶を行っている[49]

著書[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b あの人に迫る 仁藤夢乃「難民高校生」著者”. 中日新聞 (2017年3月31日). 2018年3月24日閲覧。
  2. ^ JKビジネスに潜む闇 普通の少女が食い物に 警鐘鳴らす仁藤夢乃さん|カナロコ|神奈川新聞ニュース
  3. ^ 産経新聞 2015.3.24 07:56 「話の肖像画」仁藤夢乃 女子高校生サポートセンターColabo代表(2)「かわいい」とメイドカフェへ「高校生になってアルバイトを始め、自由に使えるお金ができると、たばこを吸ったり、カラオケにお酒を持ち込んだり、居酒屋に行くようにもなりました。遊びが派手になって、もっとお金が必要になって、割のいいバイトを始めたくなります。」[1]
  4. ^ 難民高校生のリアルを発信する 仁藤夢乃さん”. つながる/ひろがる/フェミ・ジャーナル -ふぇみん- (2013年11月3日). 2018年7月7日閲覧。
  5. ^ 新宿百人町教会 [2]
  6. ^ 【恩師阿蘇さんの記事】『宗教語らず農業教える牧師 模索する予備校生を支援』2007年11月13日
  7. ^ 仁藤夢乃 女子高校生サポートセンターColabo代表(3)渋谷の少女たちのために大学へ(2/3)”. 産経ニュース (2015年3月25日). 2018年3月24日閲覧。
  8. ^ Offering girls light on the dark city streets of Tokyo - The Japan News
  9. ^ 「守る側の大人に知ってほしい」 仁藤夢乃さんと考えるJK産業とストーカー問題”. クリスチャントゥディ (2014年11月8日). 2018年7月7日閲覧。
  10. ^ 「出会いを創造にし、社会を活性化させる」――『Colabo』代表・仁藤夢乃さんの挑戦”. ガジェット通信 (2011年7月23日). 2018年7月7日閲覧。
  11. ^ 東京都青少年問題協議会”. 東京都. 2018年4月8日閲覧。
  12. ^ 第30期東京都青少年問題協議会委員名簿 (PDF)”. 東京都. 2018年4月8日閲覧。
  13. ^ 文藝春秋2015年3月特別号 | バックナンバー - 文藝春秋WEB共同、時事、読売、毎日、産経、東京 大手メディアと識者が選んだ日本を代表する女性120人 本誌編集部 期待される女性人材がこの国のかたちを変える リスト掲載、245ページ 概要、257ページ
  14. ^ 2015年12月28日・2016年1月4日号目次:日経ビジネスDigital
  15. ^ 次代を創る100人:日経ビジネスDigital
  16. ^ 2015
  17. ^ 子どもの貧困対策センター設立準備会: 賛同人一覧
  18. ^ 2017年度ソーシャルイノベーター決定!社会課題解決に立ち向かう革新的人材7人が選出。 – 日本財団ソーシャルイノベーションフォーラム2017
  19. ^ 社会課題の解決に向けた最大3億円の支援制度 ソーシャルイノベーター7人が決定|プレスリリース配信サービス【@Press:アットプレス】
  20. ^ 【応援願】日本財団が支援するソーシャルイノベーター2017の7人に選ばれました!!|Colabo代表「難民高校生」著者・仁藤夢乃の『コラボトーク』
  21. ^ [여성의 몸, 거래STOP④]또 하나의 폭력 일본 AV산업…“위안부 책임 외면 부추겨” - 경향신문
  22. ^ 디지털 성범죄 심포지엄 <매개되는 욕망, 거래되는 몸> 한국과 일본의... - D.S.O 디지털 성범죄 아웃
  23. ^ (募集終了)平成30年度東京都若年被害女性等支援モデル事業の一部を実施する事業者を公募します 東京都福祉保健局
  24. ^ 平成30年度東京都若年被害女性等支援モデル事業の一部を実施する事業者を選定しました。 東京都福祉保健局
  25. ^ 仁藤夢乃さん ■その1■女子高生に、つながりと居場所を”. マガジン9 (2014年10月22日). 2018年7月7日閲覧。
  26. ^ 女子高生サポートセンターColabo代表・仁藤夢乃さんインタビュー(後編)「相談できる人がいない」女子高生サポートセンター代表が語る、JK産業で働く少女たちのSOS”. ウートピ. 2018年7月7日閲覧。
  27. ^ 『買われた』展 少女の"売春"の背景に何が”. NHK生活情報ブログ (2016年8月24日). 2018年7月7日閲覧。
  28. ^ “助け求める方法もわからず…「買われた少女」の実情展示 机美鈴”. 朝日新聞. (2017年11月10日). 2017/11/10 
  29. ^ デマ、殺害・レイプ予告…日本人女性3人に1人がネットハラスメント被害。日常生活奪われても高い法律の壁 | BUSINESS INSIDER JAPAN
  30. ^ エルミタージュ秋葉原【ササキチとアキバ語り Vol.002】勤続10年以上のベテランメイドに聞く「メイドカフェ」のかつて・いま・これから [3]
  31. ^ 佐々木隆. “オタク文化論 (PDF)”. 佐々木隆研究室. p. 176. 2018年7月7日閲覧。
  32. ^ 「メイドカフェが文化になるには」”. プレジデントオンライン (2013年4月2日). 2018年7月7日閲覧。
  33. ^ 秋葉原"少女売春が放置されている街"の真実 本当に「日本のダークサイド」なのか”. 東洋経済ONLINE (2016年1月6日). 2018年7月7日閲覧。
  34. ^ 女子高生サポートセンターColabo代表・仁藤夢乃さんインタビュー(後編)「相談できる人がいない」女子高生サポートセンター代表が語る、JK産業で働く少女たちのSOS”. ウートピ. 2018年7月7日閲覧。
  35. ^ 日本財団 2017.10.20 でんぱ組.inc古川未鈴さんに聞く 最高に輝ける自分の見つけ方 [4]
  36. ^ メンズサイゾー 2015.01.27 コスプレイヤー・藤崎ルキノ、魅惑的なスレンダーボディと“目力”に秘められた思い[5]
  37. ^ 仁藤夢乃. 女子高生の裏社会. 光文社新書. p. 16. 
  38. ^ Yumeno Nito: "Helping high school girls escape Tokyo's sex industry" - YouTube
  39. ^ Activist slams indifference to sexual exploitation of girls in 'JK' industry | The Japan Times
  40. ^ Japan′s ′maid cafes′ - A cover for the child sex industry | Asia| An in-depth look at news from across the continent | DW | 20.07.2015
  41. ^ 東洋経済 秋葉原"少女売春が放置されている街"の真実 2016/01/06 本当に「日本のダークサイド」なのか [6]
  42. ^ 『思想運動』1007号(2017年9月1日号)世界に広がる「慰安婦」メモリアルデーのとりくみ「ハルモニたちが与えた励まし」[7]
  43. ^ 誹謗中傷から殺人予告まで…差別と闘う苦しさ 被害者が声をあげなくてもいい社会に (2/4) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)AERA 2018.2.6 担当記者 竹下郁子
  44. ^ 援助交際を「性犯罪の抑止力」と考える若者 | 連載コラム | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダス仁藤夢乃“ここがおかしい”第19回
  45. ^ Imidas 北原みのりさん/日本社会は女性に対する視線が冷たい 対談! 10代のあなたへ 第4回 2016/08/25 [8]
  46. ^ 希望のたね基金 - 語り始めた被害者たち 日本軍「慰安婦」、AV出演強要、JKビジネス
  47. ^ 仁藤夢乃 Yumeno Nitoさんのツイート: "先週の水曜日、ソウル日本大使館の前で行われている水曜デモに参加しました。 https://t.co/izkYwlZF5h (@colabo_yumeno/status/912901364153503745) - Twitter
  48. ^ Meehyang Yoon - Meehyang Yoonさんがライブ動画を作成しました — 梁 澄子さんと一緒です。
  49. ^ “「人殺しに加担するな」と海上で訴え 辺野古新基地建設で市民”. 琉球新報. (2017年8月19日) (2017-08-19発行). https://ryukyushimpo.jp/news/entry-558216.html 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]