メイド喫茶

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メイド喫茶(メイドきっさ)、若しくはメイドカフェ英語: Maid cafe)とは、メイドになりきった店員が、客を「主人」に見立てて給仕などのサービスを行う喫茶空間[1]のことで、主に日本に展開し存在する喫茶店の一種である。

概要[編集]

メイド喫茶店内。大阪・でんでんタウン
メイドカフェ。カンボジアプノンペンの「モエモエパラダイス」

メイド喫茶の店舗内では、メイド服姿のメイドに扮したウェイトレスが、店舗を邸宅に見立て、家事使用人のように振舞い、客はその主人・家人としての待遇を受ける。

世界初の常設型メイド喫茶である「Cure Maid Café」が、2001年平成13年)3月に、秋葉原で開店し[2]、それが世間に認知されるにつれ、似たような業態の店が、秋葉原以外の各地でも、続々と開店した。

やがて、店舗間での競争が激化したことにより、顧客を獲得するために、その店独自のサービスを提供するところも出ている[3]

ちなみに、今やメイド喫茶でお決まりの「お帰りなさいませご主人様」のフレーズを最初に使用したのは『Cure Maid Café』ではなく、全国で3番目に開店した名古屋大須のメイドカフェ『M's Melody』である。

日本におけるメイド喫茶の広がりと共に、台湾中国韓国タイフィリピンカンボジアチェコスロバキアメキシコカナダアメリカなど諸外国でも、同じ様な業態の店が開店している[4]

衣装と容姿[編集]

秋葉原駅前で自分の店のビラを配るメイド喫茶店員。
(2008年6月撮影)

メイド(ウェイトレス)が着用する衣装は、店舗ごとに異なるが、多くの場合はフレンチメイド服が原型になっている。つまりドレス、ペティコート、ピナフォア(エプロン)、ヘアアクセサリー(フリルやリボン)、ストッキングからなる衣装である。さらにかわいらしさを強調する目的で、それらと一緒にウサギネコの耳(通称・ネコ耳。獣耳を参照)を装着する事も、しばしばある。和風な雰囲気を演出しているタイプの店では明治・大正期のウエイトレスに実際に見られたような和装姿であることがほとんどである。

メイド喫茶の従業員は、容姿を基準にして選ばれる事が多く、その殆どは、若く魅力的で純潔そうな女性である。例えば、人気メイド喫茶店の一つ「Royal Milk Café」は、同店のメイドの平均年齢は20歳であると公表している[5]

顧客層[編集]

メイド喫茶は、元々男性おたく層、特にアニメ漫画テレビゲームファンに代表される、サブカルチャーの希望や、顧客満足に応える為に作られたため、メイドのイメージは、多くの漫画テレビアニメシリーズ・美少女ゲームにおいて、大衆化されたものである。

おたくにとって重要なのは、メイド喫茶へ惹き付ける力となる萌え(アニメ・漫画やテレビゲームのキャラクターに対するフェチズム又は愛を一般的に記述して)の概念である。したがって、虚構のメイド性格の現実の表れ(身体的に、そして、態度の両方とも)と、彼らが相互に共鳴する事が出来る物に、萌え(特にメイド萌えとして知られている特定のサブカテゴリ)がある人々は、どんどん引きつけられるのである。

メニュー[編集]

メイド喫茶に出されるデザートの例。(2010年1月撮影)

メイド喫茶で提供される飲食物は、多くの場合は、紅茶コーヒーなどの飲み物、デザートなどの軽食といった、通常の喫茶店とさほど変わらない。

しかし、メイド喫茶では、ウェイトレス(メイド)は、可愛いメイド服を着用し、客席で独特な接客を行う所が異なる。食事についてくるシロップやチョコレートソースといったものは、デザートを装飾するために使用され、オムライスでの人気のお絵描きは、一般的にケチャップを使用して装飾されている。この様な接客とのコミュニケーションは、ウェイトレス(メイド)のイメージに、大きく影響されている。

イベント・礼儀作法や追加サービス、客のマナー[編集]

多くのメイド喫茶では、しばしば独自の作法やサービスが提供される。代表的な事例として、入店の際にメイドが『お帰りなさいませ、ご主人様!』(客の多くが男性のため。女性客の場合は「ご主人様」の部分が、執事喫茶でも使用されている『お嬢様』に変わる。更に年配の男性客の場合は『旦那様』となる店も在る)の台詞と共に、客を出迎えることが挙げられる。なお、年配の女性客や親子連れが来店した事例は無いのか『奥様』『大奥様』『ぼっちゃま』が使用された例については未詳。通常の接客業態での「いらっしゃいませ」の部分が、「店に来店する = 仕えている家の家人が帰宅する」という構図になぞらえて「お帰りなさいませ」となり、「有難う御座いました」の部分が「退店する = 外出する」という構図になぞらえて「いってらっしゃいませ」と語られる。これが、この業態が他の接客業態と一線を画す最大の特徴である。 なお、支払いの際には「お会計」ではなく「寄付(または寄付金)」や「給仕料」などといった名称を採用する店も在る。

この他、客の傍でメイドが、注文のコーヒー砂糖クリームを入れたり、オムライスに好みの絵をケチャップでお絵描きしたり、食事をスプーンで客に食べさせることもある。このほか、追加料金で、メイドとインスタントカメラ・チェキでの撮影(出来上がった写真には、メイド自身の手で、メッセージやデコレーションを施してくれる)や、ゲームで遊べるオプション、もっと進んだ形態になると、耳かきや脚や背中等をマッサージするサービスを供している店もある[6]

メイドや店内の個人的撮影は禁止。東京の某メイド喫茶では、「メイドの体に触れてはならない」「メイド個人の連絡先を聞いてはならない」「ストーカー行為などメイドのプライバシーを犯してはならない」等、客が厳守すべき10カ条から成るルールを、店内に掲示している。

脚注[編集]

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  1. ^ 平成28年度大学入試センター試験国語第1問本文(土井隆義『キャラ化する/される子どもたち』による)の(注)9「メイド・カフェ」の説明より
  2. ^ Maid Cafés – The Expanding Industry in Japan
  3. ^ Galbraith, Patrick (2009年11月13日). “Best Tokyo maid cafés”. CNNGo. 2009年11月17日閲覧。
  4. ^ KイKイ (2009年10月30日). “Maid for Dummies Part 1 (version 1.0)”. Akibanana. 2009年11月17日閲覧。[リンク切れ]
  5. ^ Royal Milk”. Royal Milk. 2009年11月17日閲覧。[リンク切れ]
  6. ^ Maid Café’s In Japan.”. Curiosite (2008年10月21日). 2009年11月17日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]