デジタル・デビル物語 女神転生 (日本テレネット)

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デジタル・デビル物語 女神転生
ジャンル アクションRPG
対応機種 MSXPC-88SRX1/X1turboFM77AV
Win
開発元 日本テレネット/開発協力:アトラス[1]
発売元 MSX,PC88SR,X1/X1turbo,FM77AV…日本テレネット
Win…角川書店
人数 1人
メディア MSX…ROM
PC88SR…FD 2枚
X1/X1turbo
FM77AV…FD
Win…CD-ROM
発売日 MSX,PC88SR…1987年7月
X1/X1turbo…1987年8月
FM77AV…1987年9月
Win…2006年4月25日
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デジタル・デビル物語 女神転生』(デジタル・デビルストーリー めがみてんせい)は、1987年PC-8801MSXX1/X1turboFM77AV用ソフトとして日本テレネットより発売された見下ろし型アクションゲーム。PC-88版は2006年に『夢幻戦士ヴァリス』、『アークス』、『BURAI』上巻、『FLAPPY』など15本のゲームと一緒に「PC-8801mkIISR ゲームリバイバルコレクション」としてWindowsに移植されている。

概要[編集]

1986年西谷史が著した伝奇SF小説デジタル・デビル・ストーリー』(徳間書店アニメージュ文庫)の第1作『女神転生』を原作としたオリジナルビデオアニメとのメディアミックス作品であるが、原作小説のキャラクターである小原教諭や黄泉醜女(ヨモツシコメ)が登場するなど、後に同タイトルで発売されたファミコン3DダンジョンRPGと比べて、より原作に近いシナリオ・世界観となっている。

また、ゲームの舞台となっている魔界は、ユダヤ教の神秘主義思想「カバラ」の象徴でもある「生命の樹(セフィロト)」になぞらえた世界観となっている。8フロアで構成された各ステージを「セフィラー」と呼び、全20ステージ、160フロアにも及ぶ広大なステージマップで構成されている。アッシャー界(現実世界)を含む生命の樹「善の次元 オツ・キイム」と、もう一つの次元の生命の樹「悪の次元 クリフォート」、二つの次元を繋ぐ「深淵の次元 ダート」。プレイヤーは中島朱実となって、三つの次元を行き来しながら魔界を探索していく。魔神ロキによってクリスタルに変えられ、魔界へと連れ去られてしまった白鷺弓子を救い出すのが最終目的。

ストーリー[編集]

1980年代後半。天才的なプログラミング技術を持つ高校生・中島朱実は、ひそかに「悪魔召喚プログラム」の制作に没頭していた。自らプログラムを組みながらも、悪魔を召喚する目的が見つからない彼は稼動実験を躊躇していたが……。そんなある日、いわれのない理由で暴行されてしまった中島はついにプログラムを稼動、人間界に悪魔(デジタル・デビル)を召喚し、復讐を果たしてしまうのだった。

二か月後、中島のクラスに白鷺弓子という少女が転入してきた。弓子は中島に強い既視感覚を覚えるが、彼は全く取り合おうとしない。その日の放課後、中島は古文担当の小原教諭をCAIルーム(コンピュータ学習室)に呼びつけた。好奇心に抗いきれず、CAIルームに忍び込んだ弓子の目前で繰り広げられる、禍々しい悪魔降臨の儀式……。コンピュータによって召喚された魔神「ロキ」は、復讐を果たす代償として、女の生贄を要求していたのだった。

不幸にも、次の生贄に弓子が選ばれてしまった。先日の一件以来、彼女のことが気になりだしていた中島は躊躇しながらも、ロキの求めるままに儀式を行ってしまう。悪魔に襲われた瞬間、天の助けというべき奇跡が起こった。弓子の前世である日本創造の女神・イザナミ神が降臨したのである。弓子に憑依したイザナミ神はロキに抵抗し、さすがのロキもその力を弱めた。しかし、弓子が我に返った一瞬の隙を突いて、ロキは彼女の身体をクリスタルに変え、魔界へと連れ去ってしまった。

目の前の出来事に呆然自失となっていた中島の前に、イザナミ神が現れる。彼女は、人間界に迫りつつある危機と、中島と弓子を結ぶ前世からの深い因縁を告げ、弓子救出を彼に託すのだった。

それらは中島にとって思いも寄らない事態であったが、紛れもない現実であり、彼の右手には炎の剣が握りしめられていた。自分がしでかしたことの責任を取るため、そして何よりも前世の妻でもある弓子を救い出すため、決意を固めた中島は単身魔界へと乗り込んでいく。

登場人物[編集]

中島朱実(なかじま あけみ)
本作の主人公。十聖高校の3年生。プログラマーとしての天賦の才に恵まれた美少年。日本創造神・イザナギ神の転生した姿でもある。
私怨と好奇心から、自ら組み上げた「悪魔召喚プログラム」を稼動、人間界に悪魔(デジタル・デビル)を召喚してしまった。
前世の妻でもある白鷺弓子を救い出すため、イザナミ神から授けられた炎の剣を手に、単身魔界へと乗り込む。
白鷺弓子(しらさぎ ゆみこ)
十聖高校への転校生。イザナギ神の妻、イザナミ神の転生。「女神転生」のタイトルはこれが由来。
ロキの生贄にされ、イザナミ神の助けによって一時的に窮地を脱したものの、クリスタルに変えられ魔界へと連れ去られてしまった。
クラスメイトの中島朱実とは前世からの深い因縁と絆によって結ばれている。
小原(おばら)
十聖高校の古文教諭。モデルを思わせる妖艶な美女。
教え子の中島朱実によってロキの生贄として捧げられ、身も心も虜になってしまう。
ロキ
中島朱実によって人間界に召喚された最初のデジタル・デビル。奸智と美貌で知られた北欧神話の神。
生贄として献上された小原を操り、人間界を我が物にせんと企んでいる。
イザナミ神
日本創造の女神。イザナギ神とは兄妹にして夫婦。白鷺弓子の前世の姿。
人間界に一切干渉しない夫とは対照的に、自身と夫の転生である弓子と中島に助力し、悪魔達と戦うための力を与えた。
魔神ロキに連れ去られてしまった弓子を救い出すため、単身魔界へと乗り込んだ中島を導いていく。
ケルベロス
中島朱実によって召喚された電子獣。ハンドヘルドコンピュータを介して召喚、実体化させることができる。
魔界に囚われている彼を救出し、召喚することで、「深淵の次元 ダート」、「悪の次元 クリフォート」への進入が可能になる。

原作小説との相違点[編集]

ゲームでは魔界に連れ去られたクラスメイトを救い出すというシナリオだが、原作小説では死者復活の物語となっている。日本神話におけるイザナギ神の黄泉下りと、それに続くイザナミ神との応酬と別離の件が物語のモチーフになっているためである。

原作小説『女神転生』では、ロキはイザナミ神に抵抗された後、白鷺弓子を魔界にさらうのではなく殺害している。中島朱実と共に十聖高校(東京・国立市)から飛鳥に転移する際、追いすがったロキの爪に背中を切り裂かれ、それが致命傷となった[2]

神話ではイザナギ神は腐乱したイザナミ神の姿に恐れおののき、彼女を見捨てて逃げ出してしまった。必死に追いすがる妻を振り切り黄泉比良坂の終点にたどり着いたイザナギ神は、黄泉と現世の境を大岩で塞ぎ、黄泉国の住人となったイザナミ神に離別を言い渡したのだった。そのイザナギ神の転生した姿である中島朱実は、命を失った恋人・白鷺弓子(イザナミ神の転生)を蘇らせるために奔走し、飛鳥・白鷺塚の地底深くにあるイザナミ神の玄室に至るまでの過酷な道程と、ロキとの激しい死闘を経て、彼女を蘇らせることに成功している。

脚注[編集]

  1. ^ メガテン原作者・西谷史が語る! 『デジタル・デビル・ストーリー 女神転生』と仏教・北欧神話・ラヴクラフト……
  2. ^ 2005年に復刊された愛蔵版では、背中の傷に加えて、イザナミ神憑依と理力を行使したことによる過度の負担に、依り代の肉体が耐えられなかったためであると、死に瀕した弓子自身によって言及されている。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]