金子一馬

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金子 一馬(かねこ かずま、1964年9月20日 - )は、イラストレーターゲームクリエイター

略歴・人物[編集]

東京の下町にある寿司屋に生まれる。元はアニメーターだったが、1988年に株式会社アトラスに入社。同社の看板作であるゲーム『女神転生』シリーズに登場するキャラクターや悪魔のデザインを手掛けており、「(電脳)悪魔絵師」の別名を持つ。そのため名前を「金子一魔」とすることもある。

ゲーム作品以外でもイラストレーターを行っており、上遠野浩平の「事件シリーズ」(講談社)の表紙・挿絵を担当している[1]。インタビュー映像や書籍での写真等、ゲーム会社のデザインスタッフでありながらメディアへの露出は比較的多い部類といえる。

メディアへ露出する際は、常に黒服とサングラスという強面のビジュアルで、自身のファッションにも拘りがあるとされるが、これは10代当時は『サタデーナイトフィーバー』やディスコブーム、松田優作の『探偵物語』の影響により、当時における先端ファッションの感銘を強く受けた事によるもので、現在のデザイン業務への影響も強いと語る[2]

公の場ではフランクな態度で接しているが、上記の黒服とサングラスの外見により誤解を受ける事が多々あり、ネットラジオ『東京ゲームラウンジ』での水口哲也との対談で、「海外出張の際、税関に引っかかる」「この服装で悪魔や世界征服シナリオの打ち合わせをすると警戒される」と語っており、やはり強面の印象が強いようである。

画集のインタビューによれば、1日に100本のタバコを吸うヘビースモーカーであり、若かりし頃はタケノコ族の経験もある模様。

ゲームプロデューサー業も行っており、幾つかのシリーズを抱えている。

画風・特徴[編集]

ファンタジー風のRPGデザインが主流の中、現代的なフォルムとファッションデザインを意識させる前衛的なデザイン、直線的なシルエットで表現された画風が特徴。本人曰く、無駄なデザインを徹底的に削ぎ落とし、シルエットを意識するとのこと。初期はマーカーで色を塗っていた。90年代後半-2000年代初頭まではPhotoshopの機能を用いた光沢の強い画風で、テクスチャーの使用や自身で撮影した写真を背景にコラージュする方法でイラスト製作を行っていた。近年においては油絵のような下地質感を取り入れた手描きタッチを残す画風となっており、年代ごとに絵柄が大きく違っている事も特徴の一つである。

ゲーム内のデザイン業務が注目されがちであるが、各シリーズ毎の発売にあわせてゲーム雑誌等へ提供されたイラスト、細かいものでは出版社の販売促進用イラストなど、作品数は数多くあるものの、画集シリーズがゲーム中に使用された物や『女神転生』シリーズに由来のある作品のみであり、膨大な数に上るであろうデザイン中のラフ原稿の露出も少なく、それら描き下ろし作品は既刊の画集に一切収録されていない為、現在においては雑誌等現物を入手する以外の方法では、閲覧自体が難しいとされる物も数多く存在する。

『女神転生』シリーズへの関わり[編集]

女神転生』シリーズでは企画段階から世界観設定にも関わっており、シナリオやシステムにも金子の意見が反映されることがある。長い間プロデューサーを勤めた岡田耕始退社後は、自身がシリーズのメインプロデューサーとなり、シナリオやコンセプト設定などを一挙に取り仕切っている。

『真・女神転生I オリジナルサウンドトラック』のリーフレットにて、作画方法について説明があったが、当時はまずドット絵から作り、そのドット絵のイメージを崩さないように、またはあえて崩してイメージイラストを描くという逆転的な手法をとっていた。1994年頃からPC着彩がメインとなったため、そのような手法を取らなくなり、いわゆる「キャラクターの使いまわし(色違い)」ではない悪魔像を創造するようになる。本シリーズ初期段階では古くからの伝承や、古文に存在する絵画を元にしたデザインが多かったが、『デビルサマナー』以降においては、原形をとどめないアレンジや、独自の解釈によるデザインを行っている。

作品リスト[編集]

アトラスでの作品[編集]

アトラス以外のゲーム作品[編集]

画集[編集]

金子一馬画集[編集]

新紀元社より、金子一馬の集大成画集として全10巻の『金子一馬画集』シリーズが2004年より発売。発表当初は3ヶ月に1冊ほどの割合でのリリース予定だったが、ヘキサクローム印刷という6色のインクを使った印刷技法を使っており、通常の4色印刷に比べ試し刷りに時間がかかるため、当初の予定より遅れてリリースされている。という会社側の説明だが、2年に1冊という極めて遅いペースでの発売となっている。悪魔の解説文は健部伸明が担当。

金子一馬画集I(2004年12月、ISBN 4775303155
SFC版、PCエンジン版の『真・女神転生』の画集。全て手描きのマーカー彩色。
初期のイラストを含む合計215点のキャラクターデザインが収録されている。ただし、色違いの悪魔で、個別のイラストが存在しないものは収録されていない(例えばワーキャットは収録されているが、色違いのネコマタはデザイン画がないため収録されていない)。
この『真・女神転生』での悪魔デザインはオーディンベリスアスラ王など数多くが後の『真・女神転生』シリーズでも用いられ、『デビルサマナー』や『ペルソナ3』でも一部、本作の原画がCG彩色されたものを使用している。
表紙は「進軍」と題された、ルシファーバエルオロバスなどの魔王や堕天使の軍団が描かれた描き下ろしイラスト。
金子一馬画集II(2006年5月、ISBN 4775303503
SFC版『真・女神転生II』の230点余りのキャラクターデザインが収録されている画集。こちらもマーカー彩色。
ただし、『真・女神転生II』に登場する悪魔でもオベロンやケルベロスなど前作に登場し、『画集I』に収録されているものは重複して収録されてはいない(前作に登場した悪魔でも、バエルやヴァンパイアなどデザインが変更され、イラストが起こされたものは収録されている)。表紙は「降臨」と題されたサタンカマエルラグエルなど大天使たちが描かれた描き下ろしのイラスト。
画集Iで批判が多かったため、CGによるデザイン画は一切含まれていないという注意書きが帯に印刷されている。
金子一馬画集III(2008年2月29日、ISBN 9784775306093
『真・女神転生III-NOCTURNE、マニアクス』、『真・女神転生NINE』およびプレイステーション版リメイクの際に描かれた『真・女神転生』『真・女神転生II』のキャラクターデザイン約150点が収録された画集。全てCG彩色。表紙は人修羅やトールエンジェルオニなどが登場する描き下ろしのイラスト。
金子一馬画集IV(発売日未定)
『真・女神転生デビルサマナー』のデザイン画を収録予定。発売日未定。

金子一馬グラフィックス[編集]

  • 金子一馬グラフィックス—女神転生黙示録 ISBN 4757204612
  • 金子一馬グラフィックス万魔殿—悪魔編〈上巻〉 ISBN 475770416X
  • 金子一馬グラフィックス万魔殿—悪魔編〈下巻〉 ISBN 4757707886
  • 金子一馬グラフィックス万魔殿—キャラクター編 ISBN 4757709153

その他[編集]

  • 金子一馬 電脳悪魔図鑑 〜壱〜[1]

書籍・扉絵・挿絵[編集]

講談社ノベルス[編集]

エンターブレイン[編集]

ぶんか社文庫[編集]

美術出版社[編集]

漫画[編集]

1994-1995年頃、コミック『真・女神転生 東京黙示録』の御祗島千明と共に、「はんぷく横とびーズ」という企画ものの作画ユニットを結成。アンソロジーコミックやファンブックなどで何度か合作活動を行っている。

他、『真・女神転生』シリーズのアンソロジーコミックで表紙イラストを担当したことはあるが、金子一馬個人としての漫画執筆はこれまで行われていない。

コラム[編集]

かつて、「ゲーム批評」(マイクロデザイン社)という雑誌に「カズマデラックス」というイラストコラムを連載していた。主に「恐怖」をテーマに首無しライダーやターボばばあ、ポンティアナ、幽霊、ゴーレム、生きた銅像、吸血生物といった都市伝説UMA、時にはゲームを題材に、描き下ろしのイラストつきで紹介されていた。『金子一馬グラフィックス—女神転生黙示録』(1999)に収録(一部か全てかは不明)。

アトラス公式サイトのアトラスネットでは「金子一馬の映画日記」「金子一馬のマルカジリ日記」を連載している。

かつて存在した『女神転生』シリーズファンクラブの会報誌にも、古今東西の悪魔を紹介するコラムを連載していた。

注釈[編集]

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  1. ^ 4巻まで
  2. ^ 『金子一馬グラフィックス—女神転生黙示録』ISBN 4757204612

関連項目[編集]