金子一馬

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金子 一馬(かねこ かずま、1964年9月20日 - )は、株式会社アトラスと契約するフリーランスのイラストレーター、テレビゲーム制作プロデューサー。

略歴・人物[編集]

東京の下町にある寿司屋に生まれる。元はアニメーターだったが、1988年に株式会社アトラスに入社。同社の看板作であるゲーム『女神転生』シリーズに登場するキャラクターや悪魔のデザインを手掛けており、独特な世界観とキャラクターをグラフィック上で巧みに表現する手腕で評価を受けた。それを受け、ファンの間では「悪魔絵師」の愛称で呼ばれたり、名前を「金子一魔」とすることもある。

2013年11月にインデックス民事再生手続に伴うアトラスブランドの譲渡に伴いインデックスを退職し、アトラスブランドの譲受先でかつセガの子会社である株式会社アトラス(新社、2014年3月まではインデックス)へ入社。[1]

ゲーム作品以外でもイラストレーターとしての活動を行っており、上遠野浩平の「戦地調停士シリーズ」(講談社)の表紙・挿絵を担当している[2]。インタビュー映像や書籍での写真等、ゲーム会社のデザインスタッフでありながらメディアへの露出は比較的多い部類といえる。

メディアへ露出する際は、常に黒服とサングラスという強面のビジュアルで、自身のファッションにも拘りがあるとされるが、これは本人が10代の頃に『サタデーナイトフィーバー』やディスコブーム、松田優作の『探偵物語』の影響により、当時における先端ファッションの感銘を強く受けた事によるもので、現在のデザイン業務への影響も強いと語る[3]

公の場ではフランクな態度で接しているが、上記の黒服とサングラスの外見により誤解を受ける事が多々あり、ネットラジオ『東京ゲームラウンジ』での水口哲也との対談で、「海外出張の際、税関に引っかかる」「この服装で悪魔や世界征服シナリオの打ち合わせをすると警戒される」と語っており、やはり強面の印象が強いようである。

画集のインタビューによれば、1日に100本のタバコを吸うヘビースモーカー。また、若い頃は「熱き青春」を過ごしたという。

ゲームプロデューサー業も行い、幾つかのシリーズを抱えていたが、近年はデザイン業から遠ざかり、世界観原案や女神転生シリーズの悪魔デザイン原案のクレジットに留まっている。

画風・特徴[編集]

ファンタジー風のRPGデザインが主流の中、現代的なフォルムとファッションデザインを意識させる前衛的なデザイン、直線的なシルエットで表現された画風が特徴。本人曰く、無駄なデザインを徹底的に削ぎ落とし、シルエットを意識するとのこと。初期はマーカーで色を塗っていた。90年代後半-2000年代初頭まではPhotoshopの機能を用いた光沢の強い画風で、テクスチャーの使用や自身で撮影した写真を背景にコラージュする方法でイラスト製作を行っていた。近年においては油絵のような下地質感を取り入れた手描きタッチを残す画風となっており、年代ごとに絵柄が大きく違っている事も特徴の一つである。

ゲーム内のデザイン業務が注目されがちであるが、各シリーズ毎の発売にあわせてゲーム雑誌等へ提供されたイラスト、細かいものでは出版社の販売促進用イラストなど、作品数は数多くあるものの、画集シリーズがゲーム中に使用された物や『女神転生』シリーズに由来のある作品のみであり、膨大な数に上るであろうデザイン中のラフ原稿の露出も少なく、それら描き下ろし作品は既刊の画集に一切収録されていない為、現在においては雑誌等現物を入手する以外の方法では、閲覧自体が難しいとされる物も数多く存在する。

『女神転生』シリーズへの関わり[編集]

女神転生』シリーズでは企画段階から世界観設定にも関わっており、シナリオやシステムにも金子の意見が反映されることがある。長い間プロデューサーを勤めた岡田耕始退社後は、自身がシリーズのメインプロデューサーとなり、シナリオやコンセプト設定などを一挙に取り仕切っていた。

『真・女神転生I オリジナルサウンドトラック』のリーフレットにて、作画方法について説明があったが、当時はまずドット絵から作り、そのドット絵のイメージを崩さないように、またはあえて崩してイメージイラストを描くという逆転的な手法をとっていた。1994年頃からPC着彩がメインとなったため、そのような手法を取らなくなり、いわゆる「キャラクターの使いまわし(色違い)」ではない悪魔像を創造するようになる。本シリーズ初期段階では古くからの伝承や、古文に存在する絵画を元にしたデザインが多かったが、『デビルサマナー』以降においては、原形をとどめないアレンジや、独自の解釈によるデザインを行っている。

作品リスト[編集]

アトラスのゲーム作品[編集]

ゲーム関係で初めて描いた作品。相原誠吾と共作。
金子一馬をモデルにした「悪魔絵師」なるキャラが登場(デザインは副島成記)。

アトラス原作のアニメーション作品[編集]

アトラス以外のゲーム作品[編集]

直接開発には携わっていないが、悪魔デザインは金子のデザインをアレンジしたものが多い。

画集[編集]

金子一馬画集[編集]

新紀元社より、金子一馬の集大成画集として全10巻の『金子一馬画集』シリーズが2004年より発売。発表当初は3ヶ月に1冊ほどの割合でのリリース予定だったが、ヘキサクローム印刷という6色のインクを使った印刷技法を使っており、通常の4色印刷に比べ試し刷りに時間がかかるため、当初の予定より遅れてリリースされているという会社側の説明だが、2年に1冊という極めて遅いペースでの発売となっており、第4巻の発売までには9年も経過している。悪魔の解説文は主に健部伸明が担当。

金子一馬画集I(2004年12月 ISBN 4775303155
SFC版・PCエンジン版の『真・女神転生』の初期イラストを含む合計215点のキャラクターデザインを収録。全て手描きのマーカー彩色。
色違いの悪魔で個別のイラストが存在しないものは収録されていない(例えばワーキャットは収録されているが、色違いのネコマタはデザイン画がないため収録されていない)。
『真・女神転生』の悪魔デザインはオーディンベリスアスラ王など数多くが後の女神転生シリーズでも用いられ、CG彩色された一部の原画を『デビルサマナー』や『ペルソナ3』などで使用している。
表紙は「進軍」と題された、ルシファーバエルオロバスなどの魔王や堕天使の軍団が描かれた描き下ろしイラスト。
金子一馬画集II(2006年5月 ISBN 4775303503
SFC版『真・女神転生II』の230点余りのキャラクターデザインを収録。こちらもマーカー彩色。画集Iで批判が多かったため、CGによるデザイン画は一切含まれていないという注意書きが帯に印刷されている。
『真・女神転生II』に登場する悪魔でもオベロンやケルベロスなど前作に登場し、画集Iに収録されているものは重複して収録されていない(前作に登場した悪魔でも、バエルやヴァンパイアなどデザインが変更され、イラストが起こされたものは収録されている)。
表紙は「降臨」と題されたサタンカマエルラグエルなど大天使たちが描かれた描き下ろしイラスト。
金子一馬画集III(2008年2月29日 ISBN 9784775306093
『真・女神転生III-NOCTURNE、マニアクス』・『真・女神転生NINE』・PS版の『真・女神転生』と『真・女神転生II』のキャラクターデザイン約150点を収録。全てCG彩色。
表紙は人修羅やトールエンジェルオニなどが登場する描き下ろしイラスト。
金子一馬画集IV(2017年6月17日 ISBN 4775314653
『真・女神転生デビルサマナー』の原画から約半数を収録。
表紙はヴィシュヌ、ガルガンチュアX、ネコショウグンなど既存の悪魔デザインの集合絵であり、以降の画集の表紙は既存デザインの集合絵となっている。
金子一馬画集V(2017年8月30日 ISBN 4775315323
画集IVで収録されなかった『真・女神転生デビルサマナー』の残りの原画を収録。
表紙はガシャドクロアルラウネチェルノボグなど既存の悪魔デザインの集合絵。
金子一馬画集VI(2018年11月23日 ISBN 4775316400
『デビルサマナー ソウルハッカーズ』の原画から約半数を収録。
表紙はマサカドヨシツネロンギヌスなど既存の悪魔デザインの集合絵。
金子一馬画集VII(2018年11月23日 ISBN 4775316419
画集VIで収録されなかった『デビルサマナー ソウルハッカーズ』の残りの原画を収録。
表紙はマニトゥティアマト、エリカなど同作のボス悪魔デザインの集合絵。
金子一馬画集VIII(2019年11月29日 ISBN 4775317490
『女神異聞録ペルソナ』・『ペルソナ2罪』・『ペルソナ2罰』の原画を収録。
表紙はアポロヴィーナスルシファーなど既存のペルソナデザインの集合絵。
金子一馬画集IX(2020年10月3日 ISBN 4775317776
『デビルサマナー 葛葉ライドウ』・『DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー』・『魔剣X』他の原画を収録。
表紙は葛葉ライドウ・サーフ・相模桂など既存の主人公デザインの集合絵。

金子一馬グラフィックス[編集]

  • 金子一馬グラフィックス—女神転生黙示録 ISBN 4757204612
  • 金子一馬グラフィックス万魔殿—悪魔編〈上巻〉 ISBN 475770416X
  • 金子一馬グラフィックス万魔殿—悪魔編〈下巻〉 ISBN 4757707886
  • 金子一馬グラフィックス万魔殿—キャラクター編 ISBN 4757709153

その他[編集]

  • 金子一馬 電脳悪魔図鑑 〜壱〜[1]

書籍・扉絵・挿絵[編集]

講談社ノベルス[編集]

エンターブレイン[編集]

  • 表紙・裏表紙提供
    • 女神異聞録ペルソナ倶楽部 (1997年3月)
    • ペルソナ倶楽部II INNOCENT SIN World (2000年3月)
    • -女神転生十年史- DDS10th Anniversary (2000年6月)
    • ペルソナ倶楽部III ETERNAL PUNISHMENT WORLD (2000年12月)
    • デビルサマナー 葉ライドウ 対 死人驛使 (2006年10月30日)

ぶんか社文庫[編集]

美術出版社[編集]

KADOKAWA[編集]

  • 角川まんが学習シリーズ まんが人物伝 織田信長 (2017年6月、ISBN 4041039665)

漫画[編集]

1994 - 1995年頃、コミック『真・女神転生 東京黙示録』の御祗島千明と共に、「はんぷく横とびーズ」という企画ものの作画ユニットを結成。アンソロジーコミックやファンブックなどで何度か合作活動を行っている。

他、『真・女神転生』シリーズのアンソロジーコミックで表紙イラストを担当したことはあるが、金子一馬個人としての漫画執筆はこれまで行われていない。

コラム[編集]

かつて、「ゲーム批評」(マイクロデザイン社)という雑誌に「カズマデラックス」というイラストコラムを連載していた。主に「恐怖」をテーマに首無しライダーやターボばばあ、ポンティアナ、幽霊、ゴーレム、生きた銅像、吸血生物といった都市伝説UMA、時にはゲームを題材に、描き下ろしのイラストつきで紹介されていた。『金子一馬グラフィックス—女神転生黙示録』(1999)に収録(一部か全てかは不明)。

アトラス公式サイトのアトラスネットでは「金子一馬の映画日記」「金子一馬のマルカジリ日記」を連載していた。

かつて存在した『女神転生』シリーズファンクラブの会報誌にも、古今東西の悪魔を紹介するコラムを連載していた。

注釈[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ “新生”インデックス、アトラスブランドの未来は!? セガ/インデックス社長・鶴見尚也氏にインタビューファミ通.com 2013年12月2日
  2. ^ 4巻まで
  3. ^ 『金子一馬グラフィックス—女神転生黙示録』ISBN 4757204612

関連項目[編集]