エイリアン3

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
エイリアン3
Alien³
Alien 3 movie logo2.svg
監督 デヴィッド・フィンチャー
脚本 デヴィッド・ガイラー
ウォルター・ヒル
ラリー・ファーガソン
原案 ヴィンセント・ウォード
製作 ゴードン・キャロル
デヴィッド・ガイラー
ウォルター・ヒル
製作総指揮 エズラ・スワードロウ
出演者 シガニー・ウィーバー
チャールズ・ダンス
チャールズ・S・ダットン
ランス・ヘンリクセン
音楽 エリオット・ゴールデンサール
撮影 アレックス・トムソン
編集 テリー・ローリングス
制作会社 ブランディワイン・プロダクションズ英語版
配給 20世紀フォックス
公開 アメリカ合衆国の旗 1992年5月22日
日本の旗 1992年8月22日
上映時間 114分(劇場公開版)
145分(完全版)
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $50,000,000[1]
興行収入 $159,814,498[1]
配給収入 19億5000万円[2] 日本の旗
前作 エイリアン2
次作 エイリアン4
テンプレートを表示

エイリアン3』(エイリアンスリー、Alien³)は、1992年アメリカ映画

概要[編集]

エイリアンシリーズの3作目。監督は後に『セブン』や『ファイト・クラブ』で知られるデヴィッド・フィンチャーであり、彼の映画初監督作品でもある。

今作ではシガニー・ウィーバーは頭髪をすべて刈り、坊主頭にするなど、強い印象を残した。今作のエイリアンは、犬に寄生して生まれたドッグ(バンビ)・エイリアンで、宿主が四足獣のため、四足歩行で素早く移動でき、脚力が強く、天井を逆さまに走ったり壁にへばり付くことができる。人間側は武器無しの状況で、襲いかかってくるエイリアン1体に対し、逃げることが物語のメインになるという第1作を彷彿とさせる原点回帰となった一方、エイリアンが獲物を捕食するなど、これまでと印象が異なる場面も描かれた。

当時として史上最高額の制作費が投じられたが、企画段階からトラブルが絶えず、評論家達からも酷評された。フィンチャーは、「新たに映画を撮るくらいなら、大腸癌で死んだ方がマシだ」とすら述べ、のちに成功を収めることとなる『セブン』に着手するまでの1年半にわたって脚本すら読まなかったという[3]

2004年には、ストーリー上の重要な場面を含む未公開シーンを追加した完全版が公開されている。

ストーリー[編集]

惑星LV-426のエイリアン殲滅作戦後、冷凍睡眠につく隊員たちを乗せて地球に帰還するはずだった植民地海兵隊の宇宙船スラコ号に謎の事故が発生。スラコ号から切り離された脱出艇は宇宙の流刑惑星フィオリーナ161(通称フューリー)に墜落し、そこで回収されたが、共に生還したはずのヒックスやニュートが着陸の際に死亡した上にビショップも機能を停止しており、リプリーは涙に暮れる。

フューリーでは数十名の凶悪な男性囚人が戒律(宗教的規律)の元で心静かに自活的な生活をおくり、放射性廃棄物を収めるのコンテナを作る作業に従事していた。そこに女性であるリプリーが現れたことで惑星の秩序は一時危機を迎えるも、囚人達のリーダーであるディロンがその状況を抑える。

そんな状況下で、脱出艇に潜んでいたフェイスハガーによってエイリアンが生まれ、活動を始めた。スラコ号の事故の真相は、脱出ポッド内にエイリアン・クイーンが卵を生み落していたことに気づかないままリプリー達が冷凍睡眠に入ってしまい、その間に生まれたフェイスハガーによってポッドが故障したというものだった。 凶悪で強靭な事にかけては人並み外れた然しもの囚人たちも、武器無しの状況では対抗できず、成す術無くエイリアンの餌食になっていく。リプリーは因縁に決着をつけるため、囚人達と団結してエイリアンを倒そうと立ち上がる。

登場人物[編集]

エレン・リプリー
演 - シガニー・ウィーバー
着陸した脱出艇から唯一生還し、刑務所に連れてこられる。そしてまたもエイリアンとの戦慄を体験する。

刑務所職員[編集]

ジョナサン・クレメンス(Jonathan Clemens)
演 - チャールズ・ダンス
刑務所付の医師。過去に医療ミスで患者を死亡させたことがある元囚人だが、本来は誠実な性格。生還したリプリーに、ニュートとヒックスは死亡しビショップは機能停止のためゴミ捨て場に捨てられたことを伝える。その後もリプリーに刑務所に関することを教えていく内に親しくなり、彼女を快く思わないアンドリュースに反発もしてその仲は深まるが、中盤、医務室でリプリーに注射を打った直後、突如現れたエイリアンに襲撃され、第二の顎で頭部を貫かれて死亡。死体もエイリアンによって持ち去られた。
ハロルド・アンドリュース(Harold Andrews)
演 - ブライアン・グローヴァー
刑務所長。常に黒のゴムボールを持っている。刑務所の秩序を第一に考える事なかれ主義的な人物であり、その秩序が乱れるという理由で初対面であるにも関わらず生存者である女性のリプリーを快く思っていない。またリプリーと仲を深めるクレメンスをも疎ましく思い、彼の過去を脅しの理由に使いリプリーの素性を聞きだそうとするなど傲慢な性格をしている。ボッグスらがエイリアンに殺されゴリックがその殺人容疑にかけられた際、事情を聞いたリプリーからエイリアンのことを話されたが全く信じようとせず逆に彼女を異常者扱いして医務室へ監禁した。中盤、アーロンと共にマーフィーとボッグスらの死亡の件について囚人達に説明している最中、上記の通りクレメンスがエイリアンに殺され、その事を知らせに現れたリプリーを医務室へ送り返すようアーロンに命じた直後、天井から現れたエイリアンに捕えられ、一同の目の前で惨殺されるという無残な最期を遂げた。
フランシス・アーロン(Francis Aaron)
演 - ラルフ・ブラウン
刑務所の副官。地球に妻子がいる。所長のアンドリュースに従順で尊敬もしているが、彼ほどリプリーを悪く思ってはいない。アンドリュースが死んだ際、唯一その死を悔やんでいた。囚人達から「85」と呼ばれているが、これは彼の知能指数であり、揶揄の意味で用いられてるためその呼び方を嫌っている。中盤でリプリーからウェイランド・ユタニ社が、エイリアンを生物兵器として扱うことを目論んでおり、そのためには人命をも軽視する冷酷な会社で、自分達の元には来させるなということを訴えられても耳を貸そうとはせずに反発し、その後リプリーと囚人達が自らを囮にエイリアンを誘い出す作戦を実行している時も、彼だけは参加せず上で会社の救援が来るのを待っていた。しかし、終盤にやって来たマイケル・ビショップが、リプリーの体内にいるエイリアンを利用しようとするのを目の当たりにしてようやくそれを悟り、激怒して彼を攻撃するも、会社のコマンド隊員に射殺された。

囚人[編集]

レオナルド・ディロン(Leonardo Dillon)
演 - チャールズ・S・ダットン
囚人達のリーダー。過去に殺人と強姦の罪を犯しているが、ジュニア達にレイプされそうになったリプリーを助けたり、他の囚人達から嫌われているゴリックを庇ったりするなど、人情に厚く囚人達からも信頼されている。中盤、リプリーの体内にエイリアン・クイーンのチェストバスターが宿っている事が判明した後、彼女からそれを理由に殺してほしいと頼まれるが、そのためにエイリアンがリプリーを狙わないのを利用できるとして殺さずにエイリアンを倒すための作戦に参加させた。終盤、多くの犠牲を払いながら作戦通りエイリアンを鋳型に押し込んだ後、そこに残って自らエイリアンを足止めし、流し込まれた鉛に共に沈み死亡。
ロバート・モース(Robert Morse)
演 - ダニー・ウェッブ
アーロンと仲が悪く彼とよく喧嘩をする。終盤、目の前でグレゴールが殺されるが、そこに現れたリプリーによって命拾いする。ディロンによって鋳型で足止めされたエイリアンに鉛を浴びせ、そこから出てきた際にも水を浴びせて熱疲労を起こすようリプリーに叫ぶなど、エイリアンを倒すのに大きな活躍を見せた。マイケル・ビショップの要求を拒絶し死を決意したリプリーの手助けをしたことで、会社のコマンド隊員に銃で脚を撃たれ負傷するが、彼女の死後ビショップ達に連行され、本作唯一の生存者となった。
エイリアン4』の小説版ではフューリーからの生還後、今回の事件の全容とエイリアンに関する証言記録を残したという記述がある(ただし、邦訳では「無線記録で読んだ」と誤訳されている)[4][5]
ウォルター・ゴリック(Walter Golic)
演 - ポール・マッギャン
狂気じみた性格の囚人で、常に菓子を食べている。そのため悪臭を漂わせており、言動と相まって同僚のボッグスやレインズからは嫌われているが、ディロンにだけは庇われている。一緒にいたボッグスらがエイリアンに殺された後、その際に飛び散った血を浴びたまま食堂で料理を食べていた所を拘束され、ボッグスらの殺人容疑をかけられた。この際エイリアンを「ドラゴン」と形容した。劇場公開版では生死不明だが、完全版では中盤のエイリアンを閉じ込める作戦が何とか成功した後、エイリアンを見るために閉じ込められている核廃棄物用の倉庫に行き、そこで見張りをしていたアーサーを殺害して倉庫の扉を開けた直後、エイリアンに襲われ死亡。
ピーター・グレゴール(Peter Gregor)
演 - ピーター・ギネス
中盤で爆発に巻き込まれた為、以降は頭に包帯を巻いている。終盤、エイリアンから逃げている途中にモースとぶつかり、そのまま彼とふざけあっている途中にエイリアンに襲われ死亡。
アラン・ジュード(Alan Jude)
演 - ヴィンチェンゾ・ニコリ
常に帽子を被っている。閉めた窓のガラス窓からエイリアンの腕が這い出してきたのに驚いて逃げ、その焦りからか武器のハサミの持つ向きを間違えており会ったモースに注意される。終盤、エイリアンから必死に逃げるも、ディロンが待機していた扉の直前で捕えられ死亡。
デヴィッド・ポスルスウェイト(David Postlethwaite)
演 - ピート・ポスルスウェイト
アーロンが「85」と呼ばれる理由をリプリーに話す。終盤、閉めた扉の前にいた所を背後から回り込んできたエイリアンに襲われ死亡。
テッド・"ジュニア"・ギレス(Ted "Junior" Gillas)
演 - ホルト・マッカラニー
リプリーをレイプしようとした主犯格。完全版では、中盤にエイリアンを閉じ込める作戦で自ら囮となってエイリアンを核廃棄物用の倉庫におびき寄せ、一緒に閉じ込められた直後に殺された。しかしその後ゴリックによって逃がされる為、結局無駄死にとなった。
エドワード・ボッグス(Edward Boggs)
演 - レオン・ハーバート
ゴリックの同僚の一人。彼と一緒に働くのを嫌がっていたが、ディロンに叱責され渋々仕事を続けていた。死亡したマーフィーを弔うため、通風管の付近で火を灯した蝋燭を並べていた最中、風で消された火を点けに行ったレインズがエイリアンに襲われるのを目撃しその後で彼の死体を見つけた直後、上から襲ってきたエイリアンに捕えられ、ゴリックの目の前で惨殺される。
ダニエル・レインズ(Daniel Rains)
演 - クリストファー・ジョン・フィールズ
ゴリックの同僚の一人。彼と働くのをボッグスほどではないが嫌がっている。死亡したマーフィーを弔うため、通風管の付近で蝋燭の火を灯していた最中、火が風で吹き消されるのを見て再び火を点けに一人離れて行ったところをエイリアンに襲われ死亡。
トーマス・マーフィー(Thomas Murphy)
演 - クリストファー・フェアバンク
序盤、通気口の掃除中にエイリアンに襲われた後、足を滑らせプロペラに巻き込まれて死亡。彼の死は当初不注意による事故死と判断されていた。劇場公開版ではエイリアンを犬と勘違いし名前を呼ぶ台詞があったが、完全版では削除されている。
ヨーシ・トロイ(Yoshi Troy)
演 - ポール・ブレネン
完全版では、中盤でエイリアンを核廃棄物の倉庫に閉じ込める作戦の途中で起きた大爆発の混乱の最中、ジュニアの後ろにエイリアンが現れたのを見て彼にそのことを叫んでいた。終盤、待ち伏せしていたエイリアンに襲われ死亡。
ケヴィン・ドッド(Kevin Dodd)
演 - フィル・デイビス
終盤、待ち伏せしていたエイリアンに捕えられ、ディロンに助けられるが致命傷を負わされておりそのまま死亡。その後エイリアンにクレメンス同様死体を持ち去られる。
クライヴ・ウィリアム(Clive William)
演 - クライヴ・マントル
アンドリュースがエイリアンに殺され、誰が彼の代わりになるか皆で相談している最中、真先にディロンを指名した(彼は柄ではないと断った)。終盤、直接描写はないがエイリアンに襲われ死亡した模様。
アーサー・ウォーキングスティック(Arthur Walkingstick)
演 - デオビア・オパレイ
完全版ではジュニアがエイリアンを閉じ込めた倉庫の見張りをしていたが、扉を開けにきたゴリックに喉を切られ死亡。
エリック・バギー(Eric Buggy)
演 - ナイオール・バギー
ボッグスらがエイリアンに殺された後、食堂へ皿を持って行った際に料理を食べている血まみれのゴリックと会い驚く。終盤、エイリアンを鋳型に誘い込む作戦中、エイリアンが目の前を走り去るのを見て驚きピストンを作動させようとしたがリプリーに叱責され止められる。その後エイリアンに襲われ死亡した模様。

その他[編集]

ビショップ(Bishop)
演 - ランス・ヘンリクセン
前作でリプリー達と行動を共にしたアンドロイド。脱出艇の着陸時に壊れて機能を停止し、ゴミ捨て場に捨てられたが、リプリーによって回収・修理され、スラコ号で起こったことの真相を話す。その後、電源を落とすことをリプリーに懇願し、それを聞き入れた彼女によって完全に機能停止した。
マイケル・ビショップ(Michael Bishop)
演 - ランス・ヘンリクセン
終盤にコマンド隊員を引き連れて登場した、ビショップの開発者を名乗るウェイランド・ユタニ社の社員。彼はリプリーの体内のクイーンを殺すと言って連れて行こうとしたが、その目的は会社に持ち帰ることで、彼女にエイリアンの生物としての優秀さや学術上の重要さを説いた。しかしリプリーはクイーンと共に死ぬことを選び、失敗に終わる。その後唯一の生存者であるモースを連行する。
ビショップの生みの親であると主張したこと、アーロンに殴られた際に赤い血を流していること、また感情を露わにする等人間であるととれる描写がある一方、生身なら致命傷になるような深傷を頭部に負っても立ち上がったこと、エンドロールでは「ビショップII」と表記されている事など、アンドロイドともとれる描写もあるが、どちらなのかは明示されていない。
ニュート(Newt)
演 - ダニエル・エドモンド[6]
開拓者団の少女で前作の生存者であったが、本作の序盤の脱出艇の着陸時に溺死する。前作でエイリアン・クイーンの巣に連れ去られたことから、リプリーは彼女の体内にも寄生されているのではないかと疑い、クレメンスに解剖させ確かめるがエイリアンはいなかった。遺体はヒックスと共に溶鉱炉に葬られた。
ドウェイン・ヒックス(Dweyne Hicks)
演 - マイケル・ビーン(写真のみ)[7]
植民地海兵隊の伍長で前作の生存者。序盤の脱出艇の着陸時に頭部を安全装置に串刺しにされ死亡。遺体はニュートと共に溶鉱炉に葬られた。

日本語吹替[編集]

役名 俳優 日本語吹替
劇場公開版 完全版 フジテレビ テレビ朝日
リプリー シガニー・ウィーバー 幸田直子 吉田理保子 戸田恵子
ディロン チャールズ・S・ダットン 内海賢二 手塚秀彰 内海賢二 石田太郎
クレメンス チャールズ・ダンス 小川真司 大塚明夫 羽佐間道夫 菅生隆之
ビショップ/マイケル・ビショップ ランス・ヘンリクセン 麦人 古川登志夫 有本欽隆 金尾哲夫
アーロン ラルフ・ブラウン 金尾哲夫 佐久田修 石丸博也 牛山茂
アンドリュース ブライアン・グローヴァー 富田耕生 佐々木梅治 富田耕生 村松康雄
モース ダニー・ウェッブ 池田勝 伊藤昌一 玄田哲章 水野龍司
ゴリック ポール・マッギャン 田原アルノ 鈴木千尋 小野健一 田中亮一
グレゴール ピーター・ギネス 辻親八 坂東尚樹 幹本雄之 掛川裕彦
ケヴィン フィル・デイビス 星野充昭 三宅健太 土方優人 入江崇史
デヴィッド ピート・ポスルスウェイト 堀之紀 水野龍司 小島敏彦 麦人
ジュード ヴィンチェンゾ・ニコリ 笹岡繁蔵 小室正幸 村山明 石井隆夫
ボッグス レオン・ハーバート 斉藤次郎 堀之紀 大友龍三郎
レインズ クリストファー・ジョン・フィールズ 小形満 佐々木健 若本規夫 安井邦彦
フランク 宇垣秀成 村治学 辻親八 松本大
マーフィー クリストファー・フェアバンク 津田英三 斉藤次郎 村山明 天田益男
エリック ナイオール・バギー 若本規夫 柳沢栄治
スラコ号のアナウンス 山口眞弓 吉田理保子 幸田夏穂
会社の男 星野充昭 三宅健太 伊藤栄次
演出 藤山房伸 清水良旺 春日正伸 福永莞爾
翻訳 宮川桜子 石原千麻
宮川桜子
入江敦子 たかしまちせこ
効果 栗林秀年 南部満治
調整 山田太平 長井利親
プロデューサー 山形淳二 圓井一夫
制作 ACクリエイト ムービーテレビジョン ニュージャパンフィルム
初回放送 1996年4月20日
ゴールデン洋画劇場
1998年3月29日
日曜洋画劇場
  • ブルーレイの劇場公開版の吹替はVHS版と完全版の音声が混在しており、同じ登場人物でもシーンによって声優が変わってしまう。

スタッフ[編集]

製作[編集]

当初のプロジェクトでは、本作に原案としてクレジットされているヴィンセント・ウォードが監督を務める予定であった。

エイリアンの軍事利用をもくろむ企業ウェイランド・ユタニ社は前作『エイリアン2』でも名前のみ登場しているが(完全版のみ)、今回は日系企業である事が強調され、フューリーの施設外壁に「ウェイランド湯谷」、各設備に「鉄」「危険」「超高温注意」などと日本語で書かれていたり(日本語で書かれた掲示物も垣間見える)、スラコ号の脱出艇の機体番号が漢数字になっているなどの演出が見られる。

終盤のリプリーの投身シーンは、公開版では彼女の胸からクイーンのチェストバスターが飛び出す描写があったが、2004年の完全版では『エイリアン4』でリプリーとエイリアンの遺伝子が融合するという設定への考慮から、チェストバスターは出てこない。完全版ではチェストバスターのシーンはメイキングで見ることが出来、このシーンは追加撮影で急遽加えられた物であった事などが語られている(当時ウィーバーは既に次作のために髪を伸ばしていたため、特殊メイクで処理された)。

登場人物が皆頭髪を剃っているのは宇宙シラミ対策という設定で、フューリーに漂着して気絶したリプリーに大量のシラミが群がるシーンも撮影された(飼育したコオロギの幼生が使用され、何の事前説明もなく突然振りかけられたウィーバーの不興を買った)が、編集でカットされた(2004年の完全版で復活)。

撮影に入ってからも、エイリアンが牛に寄生する設定で撮影もされていたが、公開版では犬への寄生に変更されるなど急な修正・変更が相次いだ(2004年の完全版では再び牛に寄生する設定が採用されている)。

脚本[編集]

1988年の脚本家組合のスト、会社上層部からの要請などもあって脚本が何度も書き換えられた。

最初の脚本はウィリアム・ギブスンによるもので、ヒックスとビショップが主人公でリプリーは昏睡状態のまま目覚めないが、「4人全員が生還する」というシナリオだった。しかし当時の監督だったレニー・ハーリンは、『2』の焼き直しにすぎないと判断して採用しなかった。本稿からは囚人達の頭のバーコード状の刺青の設定が採用されている(ただし頭にあるのではなく、敵対勢力であるUPPの女兵士が腕にバーコードの刺青を入れている、という描写である)。

2番目の脚本はエリック・レッドによるもので、生存者はおろか死体すらないスラコ号がウェイランド・ユタニ社が経営する農業コロニーに到着するというものだった。エイリアンと戦うのはサム・スミスというコロニーで暮らす農夫の青年であり、後にサイボーグとなった彼は様々な家畜(牛、鶏、豚など)から生まれたエイリアンと白昼、西部劇よろしく戦うというシナリオだった。最終的にリプリーの出ないエイリアンはあり得ないという20世紀フォックス会長ジョー・ロスの鶴の一声と、ウィーバー自身にも支持されなかったことから採用されなかった。本稿からは、人間以外から誕生する逆関節・四足歩行エイリアンが採用されている(実際の脚本では、主人公は最初にスラコ号に乗船する兵士であり農夫ではない。実家が農家というだけである)。

3番目の脚本はヴィンセント・ウォードが物語を書き、それをジョン・ファサノが脚本としてまとめるという形で執筆された(実際にはその前にデヴィッド・トゥーヒーによって3番目の脚本が書かれている。刑務所衛星を舞台に企業が培養したエイリアンが暴走するというストーリーで、主人公は収容されている囚人だった)。極めて宗教色の強いストーリーであり、地球は既に滅亡しており、聖書の教えに従って生きているごく一部の人間が木製のコロニーで中世さながらの生活をしていて、そこにエイリアンに汚染されたスラコ号の脱出艇とリプリーだけが到着するという内容だった。羊から生まれたシープ・エイリアンを筆頭に、シャーク・エイリアンや麦や木目調に擬態するエイリアン、リプリーを魔女と呼んで殺そうとする人物から生まれるヘッド・バスターなる新種がいたりする。しかし、ウォードがスタッフの人選にまで口出しするようになったため、20世紀フォックスは彼を解雇すると共に脚本を採用しなかった。本稿からは、聖書に従って生活する囚人達やリプリーのスキンヘッド、溶鉱炉でエイリアンを倒すことなどが採用された。

その後もグレッグ・プレス、ラリー・ファーガソンと脚本は二転三転し、最終的にそれらをまとめてデヴィッド・ガイラーウォルター・ヒルが執筆した脚本が完成稿となった(クレジットはガイラー、ヒル、ファーガソンの3人)。以上のシナリオの変遷については「映画秘宝」に掲載された映画評論家の品川四郎の文章による。

配役[編集]

主演のシガニー・ウィーバーは当初3作目には出演しない意向だったが、自由に意見を発言してよいという条件で出演を了承したという。しかし、現場ではフィンチャーとのトラブルが絶えず、「監督こそエイリアンよ!」と激怒するほどだったという。

ゲーム[編集]

  • アクレイムジャパンから当時の各コンシューマー機で発売された。
    • 1993年6月17日-ゲームボーイ
    • 1993年7月9日-スーパーファミコン
    • 1994年5月27日-ゲームギア
  • ゲームギア版が約1年遅れでリリースされているのは、当時アクレイムジャパンがセガ系列のコンシューマー機に参入していなかった為である(親会社の米国アクレイム・エンタテインメント社は現地のセガのコンシューマー機には参入していた)。海外ではメガドライブ版も発売されているが、アクレイムジャパンは日本でのリリースを見送っている。これはアクレイムジャパンがメガドライブに参入する前にビック東海からの発売が予定されていたからであるが、最終的には発売中止になっている。
  • 1993年にはセガ(後のセガ・インタラクティブ)からこの映画を題材にしたアーケードゲーム『エイリアン3・ザ・ガン』が発売されている。ジャンルはガンシューティングゲーム[8]

脚注[編集]

  1. ^ a b Alien 3”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2012年6月5日閲覧。
  2. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)514頁
  3. ^ Taubin, Amy (1996年1月). “The Allure of Decay”. Sight and Sound: p. 24 
  4. ^ A.C.クリスピン 東江一希=訳 エイリアン4 角川文庫 127.
  5. ^ Alien - Resurrection: The Official Movie Novelization
  6. ^ Alien 3 (1992) - Full Cast & Crew - IMDb
  7. ^ 完全版では使用されていない。
  8. ^ KLOV (Alien 3: The Gun)

外部リンク[編集]