イギヨンベ

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イギヨンベ』(이기,용배)は、韓国の男性音楽プロデューサーグループ、作詞・作曲・編曲家である。

概要[編集]

「イギヨンベ」の名義は、「イギ(이기)」と「ソ・ヨンベ(서용배)」の2人の名前を合わせたものである。ローマ字表記は“IGGY YONGBAE”[1]。所属事務所は、イギはMAPPSエンターテインメント(맵스엔터테인먼트)、ソ・ヨンベはRBW朝鮮語版[2]

イギは、C-no[3]、ウンキム(웅킴)[4]の3人による、別の音楽プロデューサーグループ「オレオ(OREO、오레오)」の活動も、2015年から同時並行させている。一方でソ・ヨンベは、イ・サンホ(이상호)、パク・ウサン(박우상)の3人によるグループ「仮面ライダー(가면라이더)」の活動もしている。他の作家との共作も多い。

イギは、2017年度からソウル芸術実用専門学校実用音楽科の教授として出講している[5]。同校のインタビューによると、姉が好んでいた、ポップ、ヒップホップ、クラシックなど多様な音楽に影響を受けた。高校の時にギターを始め、大学の講義をきっかけに作曲を始めた。大学在学時には、ロッテワールドで毎年サークルコンテストが開催され、友達と組んだバンドによる自作曲で賞金をもらった。大学で出会った後輩の男性ボーカルグループ「キルグボング朝鮮語版」のメンバーであるボングが、音楽的師匠である作曲家イ・ヒョンスン朝鮮語版を紹介してくれた。以前の本名は「イム・ジョンイク(임종익)」だったが、26才の時に「イム・スホ(임수호)」に改名した。「イギ」のペンネームは、以前の本名「임종익」を、종익이→이기ともじったものである。「オレオ」のグループ名には、いつまでも良い音楽にしようという意味が込められている[6]

ソ・ヨンベは、もともとはアンダーグラウンドでラップをしており、自作曲を手がけていた。軍隊に行って、ラップに素質がないことを感じ、作曲家をやってみたいと思うようになった[7]

イギヨンベとしての最初の楽曲提供は、「Heaven」(歌:Ailee、2012年)だった。「Heaven」の共同作詞、作曲を手がけた歌手フィソンは、ソ・ヨンベが所属しているRBWの代表プロデューサーである作曲家キム・ドフンと作業を共にする関係だ。そしてMAPPSエンターテイメントの代表プロデューサーであるイ・ヒョンスンも、キム・ドフンと作業を共にしてきた関係であり、イギの師匠でもある。

2012~14年には、Pledisエンターテインメントの所属グループである、Orange CaramelNU'ESTHello Venusへの楽曲提供が多かった。

2015年にデビューした、SOURCE MUSIC所属の女性グループGFRIENDでは、1stミニアルバム「Season of Glass」の表題曲「Glass Bead」(2015年)から、リパッケージアルバム「RAINBOW」の表題曲「SUMMER RAIN」(2017年)に至るまで、連続してアルバム表題曲を手がけ、大ヒットを連発した。GFRIENDの「Me Gustas Tu」(2015年)と「Rough」(2016年)の2曲連続で、ストリーミング再生回数が1億回を突破した[8]。「Rough」は、韓国ガオンチャートによる2016年の年間デジタルチャート3位[9]。韓国のテレビ音楽番組における2016年の1位獲得回数は、「Rough」の15冠、「NAVILLERA」の14冠を合わせて29冠を獲得した[10]。これは、翌2017年にTWICEが5曲で計36冠を獲得する[11]まで、歴代の女性グループ最高記録だった。GFRIEND以外の歌手・グループへの楽曲提供も増加し、2010年代のK-POPを代表するヒットメーカーとなった。

2017年の「第1回ソリバダベストKミュージックアワード」では、「新韓流プロデューサー賞」を受賞した[12]

歌手・グループのデビュー曲を、イギ、ヨンベのいずれかが手がけた事例が多い。「Heaven」(歌:Ailee)、「Glass Bead」(歌:GFRIEND)、「Hide & Seek」(歌:ASTRO、2016年)、「MoMoMo」(歌:宇宙少女、2016年、ソ・ヨンベ名義)、「Let Me In」(歌:ハスル(今月の少女)、2016年、オレオ名義)、「Dream」(歌:Real Girls Project、2016年、仮面ライダー名義)、「Catch You」(歌:P.O.P[13]、2017年)、「NEON」(歌:ユキカ、2019年、オレオ名義)、「BIM BAM BUM」(歌:Rocket Punch、2019年)などである。

韓国のテレビにおける、アイドルグループのメンバーを選考したオーディション番組のオリジナル曲も手がけた。IZ*ONEメンバーを選考した「PRODUCE 48」(2018年、Mnet)では、「1000%-SummerWish」(オレオ名義)、「To reach you」(イ·サンホ、ヨンベ名義)、「As I Dream(夢を見ている間) 」を提供した。PRODUCE 48の第8回では、イギのグループ「オレオ」[14]と、ソ・ヨンベのグループ「仮面ライダー」[15]が、VTRで登場した。1the9朝鮮語版メンバーを選考した「UNDERNINETEEN朝鮮語版」(2018~2019年、MBCテレビ)では、「We are young」「Shoot A Star」を提供した。

日本との関係[編集]

イギヨンベ関連楽曲で、日本語の歌詞が付けられた事例。日本人歌手、日本人が在籍するグループへの楽曲提供。日本人の作詞・作曲家との共作などの事例も、複数存在している。

最初に韓国語バージョンが発表され、のちに日本語バージョンが発表された事例としては、「Heaven」(歌:Ailee)、「Lipstick」(歌:Orange Caramel)、「Glass Bead」「Me Gustas Tu」「Rough」「NAVILLERA」「LOVE WHISPER」(いずれも歌:GFRIEND、日本向けベストアルバム「今日から私たちは 〜GFRIEND 1st BEST〜」収録)などがある。GFRIENDの日本オリジナル曲「Fallin' Light」(2019年)は、イギと、日本人作詞・作曲・編曲家のCarlos K.が共作した。

日本のゲーム「アイドルマスターシリーズ」を原作とした韓国のドラマ「THE IDOLM@STER.KR」で結成された女性グループReal Girls Project(2016~17年)では、ソ・ヨンベのグループ「仮面ライダー」が複数曲を提供した。Real Girls Projectに参加した日本人の寺本來可(ユキカ)は、プロジェクト終了後の2019年に韓国でソロ歌手デビューし、デビュー曲「NEON」は、イギのグループ「オレオ」が手がけた 。

GFRIENDへの楽曲提供が多いイギヨンベだが、GFRIENDのライバルグループで、日本人3人が在籍するTWICEには「AFTER MOON」(オレオ名義、2018年)を提供した。

日本のAKB48グループが参加し、IZ*ONEメンバーを選考したオーディション番組「PRODUCE 48」(2018年)のオリジナル曲「As I Dream」の日本語バージョンは、秋元康が作詞した。IZ*ONE結成後では、「DESTINY」(2020年)を提供した。高橋朱里は、PRODUCE 48出演をきっかけに、AKBを卒業してRocket Punchのメンバーに転身したが、Rocket Punchのデビュー曲「BIM BAM BUM」(2019年)、「Lilac」(2020年)も、イギヨンベが提供した。

「4x4ever」(歌:MAMAMOO、2019年)では、日本人作曲家のMayu Wakisakaが、イギヨンベと共作した。

楽曲の特徴[編集]

2012~14年ごろの、Orange Caramel に提供した楽曲などは、シンセサイザーを駆使した電子音が主体のアレンジだった。2014年の「Shower」(歌:INFINITE)以降の楽曲では、ストリングスを取り入れた楽曲が増えてきた。GFRIENDの「Me gustas tu」と「Rough」は、ストリングス、ディストーションギター(ギター演奏:チョン・ジェピル(정재필))[16][17]を駆使したアレンジである。

ストリングスと、デジタルビートを組み合わせたアレンジのパターンとしては、「On the road」(歌:DIA、2016年)、「Fall In Love」(歌:GFRIEND、オレオ名義、2016年)、「To Heart」(歌:fromis_9、2018年)、「ハヌルハヌル」(歌:MAMAMOO、2018年)、「NEON」(歌:ユキカ、オレオ名義、2019年)などがある。

「Let Me In」(歌:ハスル(今月の少女)、オレオ名義)では、アレンジがストリングスのみで構成された。「Summer Rain」(歌:GFRIEND)では、イントロで、シューマンのソナタ集「詩人の愛 op.48-1」を引用した[18]

イギヨンベ関連楽曲のストリングスアレンジは、クォン・ソコン(권석홍)が手がけていることが多い。クォンは、ソ・ヨンベと同じく、RBWに所属している[19] 。2018年の報道によると、クォンは過去に1300もの楽曲を手がけ、平昌オリンピックの受賞式で使われた音楽も担当した[20][21]

シンセサイザー主体のアレンジの曲では、「Fever」(歌:GFRIEND、オレオ名義)では、トロピカル・ハウス風のアレンジに挑戦した。

K-POP界全体の傾向としては、2008~12年ごろは、「勇敢な兄弟」「新沙洞の虎」などの作曲者による、「短調+電子音」の楽曲が活況を呈したが、13年以降は、徐々に「長調+生音」が好まれるようになってきた。イギヨンベの楽曲では、全く同じ音で構成される音列を使って、長調から短調、短調から長調などと調を変える「平行調転調」の使用が多い[22]

平行調転調や、ストリングスなど生楽器の使用が多いことから、イギヨンベ作品の曲調はJ-POPに近いとの指摘がある[23]。2016年7月にオーマイニュースが配信した記事で、キム・サンファは、GFRIENDの「Me gustas tu」と「Rough」などの曲について、「1990年代の日本のアニメーション主題歌を連想させる軽快なポップロックサウンド」と評した[24] 。「NEON」(歌:ユキカ)は、日本の1980年代風シティ・ポップのような曲調である[25]

イギヨンベ名義での提供楽曲[編集]

2012年[編集]

2013年[編集]

2014年[編集]

2015年[編集]

2016年[編集]

2017年[編集]

2018年[編集]

2019年[編集]

2020年[編集]

オレオ名義での提供楽曲[編集]

2015年[編集]

2016年[編集]

2017年[編集]

2018年[編集]

2019年[編集]

2020年[編集]

仮面ライダー名義の提供楽曲[編集]

2016年[編集]

2017年[編集]

2018年[編集]

他の共作楽曲[編集]

2016年[編集]

  • 宇宙少女MoMoMo」2月25日、ミニアルバム「WOULD YOU LIKE?」表題曲。作詞:キム・イナ(김이나)、エクシ(엑시)、作曲:ソ・ヨンベ、キム・ドフン(김도훈)、編曲:ソ・ヨンベ[36]
  • Ladies' Code더 레인(The Rain) 」10月13日、ミニアルバム「STRANG3R」収録。作詞:GDLO、ファンヒョン(황현)、シナネス(신아녜스)、作曲:ファンヒョン、オレオ、編曲:ファンヒョン。

2017年[編集]

  • Real Girls Project デビュー組「두 번째 고백(二番目の告白)」作詞:ソ・ヨンベ、ソ・ジェウ(서재우)、イ・ミニョク(이민혁)、チョン・イルン(정일훈)、作曲:ソ・ヨンベ、ソ・ジェウ(서재우)、編曲:ソ・ヨンベ。[37]
  • Red VelvetWould U」3月31日、シングル(SM STATION 2)。作詞:1월 8일(Jam Factory)、作曲:オレオ, Andreas Oberg, Simon Petren、編曲:オレオ。

2018年[編集]

  • N.FlyingHot Potato (뜨거운 감자) 」作詞:キム・チャンナク(김창락)、ソ・ヨンベ、イ・スンヒョン(이승협)、作曲:Cesar Peralta、キム・チャンナク、ソ・ヨンベ、編曲:Cesar Peralta,、チョ・セフェ(조세희)。[38]
  • 今月の少女「Stylish」作詞:イギ、Lambo、作曲・編曲:Macdermid、Emma O'Gorman、Marc Lian、David Brant、イギ。[39]ミニアルバム「+ +」収録。

2019年[編集]

  • GFRIEND「Fallin' Light (天使の梯子)」作詞:イギ、SYB、FUNK UCHINO、GRACE、作曲・編曲:イギ、SYB、Carlos K.。アルバム「Fallin' Light」収録。
  • MAMAMOO「4x4ever」作詞:イ・サンホ、イギ、ソ・ヨンベ、ムンビョル、作曲:イ・サンホ、イギ、ソ・ヨンベ、Mayu Wakisaka、編曲:イギ、ソ・ヨンベ。11月14日、アルバム「reality in BLACK」収録。

2020年[編集]

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ 今日から私たちは(Me Gustas Tu)Uta-Net、2019年11月24日閲覧
  2. ^ 女性グループ「MAMAMOO」などが所属
  3. ^ 本名:チョ・イノ(조인호)
  4. ^ 本名:キム・ウン(김웅)
  5. ^ 히트 메이커 작곡가 ‘이기’ 서예전 실용음악과 출강“SBS CNBC”2017年3月31日、2020年6月6日閲覧
  6. ^ 작곡가 이기 교수 음악 인터뷰서울예술실용전문학교、2017年6月13日、2020年6月5日閲覧
  7. ^ 음표를 그리는 사람들⑬ 서용배 작곡가, 아이돌 성공의 철학 (인터뷰)『10asia』2016年4月1日、2020年6月6日閲覧
  8. ^ 「GFRIEND」、3月6日にカムバック確定!『wowkorea』2017年2月23日、2020年6月13日閲覧
  9. ^ 2016년 Digital Chartgaon chart、2020年6月13日閲覧
  10. ^ 「GFRIEND」ことしだけで29個のトロフィー獲得 “ガールズグループの歴史を更新”『wowkorea』2016年8月13日、2020年6月13日閲覧
  11. ^ TWICE「人気歌謡」で1位を獲得!2017年の音楽番組で36冠を達成…止まらない人気を証明『kstyle』2018年1月1日、2020年6月6日閲覧
  12. ^ 受賞者一覧「2017SOBA」EXOが大賞含む3冠王…熱い人気立証『もっと!コリア』2017年9月20日、2020年3月2日閲覧
  13. ^ デビュー翌年に解散した。(P.O.P나무위키)
  14. ^ PRODUCE48 第8回 part 1YouTube、8:55ごろ登場。
  15. ^ PRODUCE48 第8回 part 2YouTube、1:33ごろ登場。
  16. ^ 오늘부터 우리는 (Me gustas tu)나무위키、2019年11月9日閲覧
  17. ^ 시간을 달려서 (Rough)나무위키、2019年11月9日閲覧
  18. ^ GFRIEND、新曲「夏の雨」MV公開…叙情的な歌詞と表情演技に注目『kstyle』2017年9月14日、2019年11月9日閲覧
  19. ^ 권석홍(KWON SUK HONG)RBW公式ホームページ、2020年4月12日閲覧
  20. ^ "잠잠히 녹아든 현악기 편곡, 가요 살리는 천연 조미료"“한국일보”2018年3月31日、2020年4月12日閲覧
  21. ^ 권석홍Discogs、2020年4月12日閲覧
  22. ^ 반챠(ぱんちゃ)「 GFriendの和声戦略とKPOP楽曲の現在」2016年7月25日、2019年11月9日閲覧
  23. ^ ヨチンの曲調はJPOPに近いですよね?Yahoo!知恵袋、2020年6月5日閲覧
  24. ^ 2016年、国内で最もホットな作曲家は誰?『Other side of this life』2017年1月9日、2020年5月25日閲覧
  25. ^ 日本人アイドルYUKIKA(ユキカ)デビュー 80年代風のレトロなサウンド「NEON」に癒される『K-POP Generation』2019年3月3日、2020年6月5日閲覧
  26. ^ “시간을 달려서”の日本語訳は、韓国のマスコミが配信したインターネットニュースでは「時間を走って」と表記されることが多かった。「今日から私たちは 〜GFRIEND 1st BEST〜」収録の日本語版では、「トキヲコエテ」と表記された。
  27. ^ 韓国語の「ハヌル」は、「天」「空」を意味する。
  28. ^ 実際には、声優のチャン・イェナが歌っている。(장예나나무위키)
  29. ^ 라라(테일즈런너)나무위키
  30. ^ 작별하나나무위키、2019年9月5日閲覧
  31. ^ この曲のMVでは、IZ*ONEメンバーになる前のアン・ユジンなどが出演した。
  32. ^ リミックスバージョンは、Mad Clown(매드클라운), Ailee(에일리) _ Thirst(갈증) (Sports Remix By DJ Vanto)
  33. ^ Mad Clown (매드 클라운) & Ailee (에일리) – 갈증 (Thirst)2019年9月5日閲覧
  34. ^ MISS THIS KISS나무위키、2019年9月5日閲覧
  35. ^ 矢吹奈子キム・チェウォン、チャン・ギュリ(fromis_9)、ナ・ゴウン、チョ・ユリの5人で構成された。
  36. ^ WOULD YOU LIKE?나무위키、2019年9月5日閲覧
  37. ^ 아이돌마스터.KR OST Part 3나무위키、2020年5月15日閲覧
  38. ^ THE HOTTEST : N.FlyingN.Flying公式ホームページ、2020年5月15日閲覧
  39. ^ [+ +]나무위키、2020年5月15日閲覧
  40. ^ 「銀河水」とは、日本語の「天の川」を意味している。
  41. ^ 은하수genie、2020年5月13日閲覧

外部リンク[編集]