虎辞書なる!!
『虎辞書なる!!』(とらじしょなる)は、2003年度からサンテレビジョンでプロ野球シーズン中に放送されている雨傘番組(中継カードのない日、若しくは中継予定が中止となった場合放映)である。基本的には金曜日の雨傘番組として20:00~21:24に放送されている。また、J SPORTSにも番販しており、「なにがなんでもタイガース!」のタイトルで、J SPORTS STADIUMもしくはアクティブ!ベースボールで中継予定試合が中止された雨傘番組として随時放送されている。
概要
サンテレビジョンが保管している阪神タイガースの試合映像テープの中から、特に視聴者の共感を集めた好カードを特にセレクション。当時の中継映像を90分のダイジェストに凝縮したうえで、谷口英明(同局アナウンサー)による解説を交えて放送している。
谷口が『タイガースファンの皆様こんにちは!感動の名場面、 名勝負、あの興奮をもう一度。オールドファンの皆さんはもちろん、ヤングファンの皆さんにとっても永久保存版となる「虎辞書なる!!」。今からでも遅くはありません、ぜひ録画のご用意をどうぞ。』と言い、試合についての解説をして、映像を流している。谷口も1988年5月からスポーツアナウンサーとして阪神戦の実況陣に加わっているため、放送回によっては、自身が実況を担当した中継を取り上げることがある。
2009年12月31日~2010年1月1日には、「年越しスペシャル~2010年は虎の年」が放送された。2009年シーズンの阪神のベストゲームのVTRや谷口と真弓明信監督の対談、阪神の選手・コーチによるカウントダウンが放送された。さらに、阪神の主な選手・コーチたちがそれぞれ活躍した名勝負を振り返り、新年の挨拶をした。
2010年1月23日深夜(正式には1月24日未明)には、予定していた番組を変更して同年1月17日に急逝した小林繁の追悼特別番組「追悼・小林繁 虎辞書なる!!〜あの興奮をもう一度〜G倒に燃えた炎のサイドスロー小林繁・伝説の巨人キラー」が再放送としての形で放送された。
放送された試合
日付 | カード | 内容 |
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1973年8月30日 | 阪神-中日 | 江夏豊が11回裏に自らサヨナラホームランを打ち、史上初延長戦ノーヒットノーランを達成 |
1982年4月29日 | 阪神-巨人 | 阪神の元祖守護神山本和行が先発登板して完封勝利、打っては3ランホームランの活躍 |
1982年6月3日 | 阪神-巨人 | Mr.タイガース掛布雅之VS怪物・江川卓の対決 |
1982年7月2日 | 阪神-巨人 | 阪神チームタイ記録11連勝達成 |
1982年7月30日 | 阪神-巨人 | 一振りに懸けた浪花の春団治川藤幸三代打サヨナラヒット |
1983年4月15日 | 阪神-巨人 | G倒に燃えた炎のサイドスロー小林繁 |
1983年5月27日 | 阪神-巨人 | 工藤一彦が巨人打線を完封、江川卓に投げ勝つ |
1983年7月9日 | 阪神-広島 | 川藤幸三が代打サヨナラヒット |
1983年7月14日 | 阪神-巨人 | 小林繁が西本聖と白熱した投手戦 |
1985年4月16日 | 阪神-巨人 | 木戸克彦プロ1号&伊藤文隆完投勝利 |
1985年6月6日 | 阪神-巨人 | リチャード・ゲイル完封勝利&ランディ・バース2ホーマーの援護 |
1985年6月15日 | 阪神-大洋 | 中田良弘4年ぶり先発で13連勝&木戸克彦3打席連続ホームラン |
1985年7月9日 | 阪神-ヤクルト | 北村照文が我が子に贈るサヨナラツーベース |
1985年8月27日 | 阪神-広島 | 岡田彰布2ホーマー5打点&チームも首位浮上 |
1985年8月30日 | 阪神-大洋 | 球団史上最強助っ人ランディ・バース2ホーマー |
1986年9月26日 | 阪神-ヤクルト | 試合を決めた柏原純一の一振り |
1986年9月27日 | 阪神-ヤクルト | 弘田澄男がプロ通算1500本安打達成 |
1987年6月11日 | 阪神-ヤクルト | 仲田幸司が力投、打ってはプロ最初で最後のホームラン |
1987年9月10日 | 阪神-ヤクルト | 新人猪俣隆14奪三振を奪う渾身のプロ初完封勝利 |
1988年4月26日 | 阪神-大洋 | マット・キーオが投げて8回1失点、打って3ランホームランの大活躍&掛布雅之がランニングホームラン |
1988年7月31日 | 阪神-大洋 | 久保康生移籍後初勝利 |
1988年8月27日 | 阪神-広島 | 田尾安志代打サヨナラ満塁ホームラン |
1989年6月8日 | 阪神-中日 | マット・キーオ完封勝利 |
1991年5月24日 | 阪神-広島 | 野田浩司プロ初完封勝利 |
1991年6月14日 | 阪神-中日 | 中西清起、久保康生の投手リレーで首位の星野中日に快勝 |
1992年6月9日 | 阪神-中日 | 葛西稔プロ初完封勝利&2420日ぶりに首位 |
1992年9月11日 | 阪神-ヤクルト | 日本最長6時間26分の試合、八木裕幻のサヨナラ弾 |
1993年10月21日 | 阪神-広島 | 岡田彰布タテジマ最後の打席 |
1994年4月19日 | 阪神-広島 | 藪恵壹プロ初勝利 |
1994年5月13日 | 阪神-ヤクルト | 新庄剛志が延長12回にサヨナラ満塁ホームラン |
1995年4月27日 | 阪神-横浜 | スコット・クールボーが反撃のホームラン&グレン・デービスがサヨナラホームラン |
1996年5月10日 | 阪神-巨人 | オリックスからやって来た平塚克洋ここぞの一発 |
1998年5月26日 | 阪神-中日 | 川尻哲郎がノーヒットノーラン |
1998年7月7日 | 阪神-横浜 | 矢野輝弘が横浜の大魔神佐々木主浩からサヨナラヒット |
1999年5月14日 | 阪神-中日 | 大豊泰昭代打サヨナラホームラン |
1999年7月8日 | 阪神-ヤクルト | マーク・ジョンソン代打逆転サヨナラホームラン |
2000年9月30日 | 阪神-広島 | 新庄剛志サヨナラホームラン |
2001年6月29日 | 阪神-ヤクルト | 上坂太一郎サヨナラホームラン |
2001年8月29日 | 阪神-巨人 | 広沢克実お立ち台で六甲おろし |
2001年10月1日 | 阪神-巨人 | 和田豊引退試合 |
2002年4月12日 | 阪神-横浜 | 井川慶完封勝利 |
2002年4月29日 | 阪神-中日 | 日本ハムからFA加入した片岡篤史2ホーマー&ジョージ・アリアス・桧山進次郎も追随 |
2002年8月1日 | 阪神-横浜 | 濱中おさむ3打数3安打2ホームランで全打点。川尻哲郎&金澤健人完封リレー |
2002年10月14日 | 阪神-中日 | 葛西稔、伊藤敦規、遠山奬志、星野伸之引退試合(2002年度ラストゲーム) |
2003年4月26日 | 阪神-広島 | 大逆転勝利!! |
2003年6月5日 | 阪神-中日 | 伊良部秀輝完投勝利 |
2003年6月17日 | 阪神-横浜 | 矢野輝弘のサヨナラスリーベース |
2003年8月27日 | 阪神-巨人 | 死のロード明けの金本知憲の一振り |
2003年9月15日 | 阪神-広島 | 18年ぶりリーグ優勝 |
2004年5月22日 | 阪神-巨人 | ジェフ・ウィリアムスが巨人打線を封じ込み&金本知憲決勝打 |
2005年9月1日 | 阪神-中日 | 今岡誠3安打ホームラン連発 |
2005年9月29日 | 阪神-巨人 | 藤川球児最多登板記録&岡田阪神大願成就!! |
2007年7月27日 | 阪神-横浜 | 藤川球児が6戦連続セーブ |
2008年6月9日 | 阪神-オリックス | 下柳剛・矢野輝弘・金本知憲の同級生トリオのお立ち台 |
特別企画「虎辞書なる!!あの興奮をもう一度」
2014年に開局45周年を迎えるサンテレビでは、開局記念企画の一環として、「虎辞書なる!!あの興奮をもう一度」と称する視聴者投票を同年3月下旬から実施。当番組で放送した「名勝負」65試合(1970年代:2試合、1980年代:26試合、1990年代:18試合、2000年代:19試合)を投票の選択肢に定めたうえで、いずれか1試合について、同年4月20日まで特設サイトで投票を受け付けていた。
同年5月2日に生放送の開局45周年記念番組『サンテレビ"的"』では、第2部(19:00 - 20:30)に特別企画を内包したうえで、谷口がスタジオから進行。阪神が18年振りのセントラル・リーグ優勝を決めた2003年9月15日の広島戦(前述)および、試合後に実施された星野仙一監督(当時)の胴上げシーンの中継映像を、再び放送した。
その他
- タイトルの「虎辞書なる」は、谷口による造語で、英語の「トラディショナル(Traditional :伝統的)」に「虎の辞書(阪神戦中継のアーカイブ映像)」という意味を重ねている。
- 試合の映像に移る時の「あなたは歴史の証人です!」と言う台詞はサンテレビの谷口のページにて取り上げられていて、キャッチコピーにもなっている。
- ちなみにサブタイトルは2通りあり、番組ロゴの下に書かれる「あの興奮をもう一度」と、新聞テレビ欄に書かれる「懐かしの阪神名勝負が甦る」の2通りである。
- 放送期間はプロ野球のシーズン中だが、サンテレビでは基本的に4月~9月までで、10月以降はオフシーズン番組の『熱血!!タイガース党』を放送している。
- J SPORTSでは、オンシーズンは雨傘番組として、オフシーズンは独立した番組として放送されている。
- サンテレビでも、雨傘番組としてだけではなく、独立した番組として放送される時もある。独立した番組として放送される時は、移動日や予備日の為阪神戦そのものが無い時が多い。
- 選手の成績(打者なら打率・本塁打数、投手なら勝敗・防御率等)が画面に出されないのが実際の中継と大きく異なる点である。スコアやカウントは表示されているが、当時の中継のテロップとは書体等が異なっている。